ツール・ド・スイス2018 第8ステージ大集団スプリントを制したデマールが勝利 ポート総合首位で最終日個人TTへ

by 平井久美子 / Kumiko HIRAI
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 ツール・ド・スイス第8ステージは6月16日、ベリンツォーナを舞台にした周回コース123.8kmで争われ、集団スプリント争いを制したアルノー・デマール(フランス、グルパマ・エフデジ)が優勝を飾った。レース終盤、チームは人数を残した状態でトレインを組みデマールを発射。チームでつかんだ勝利となった。リッチー・ポート(オーストラリア、BMCレーシングチーム)はトップとタイム差なしの11位でゴール。個人総合時間トップをキープしている。

フランスチャンピオンジャージのアルノー・デマールがステージ優勝 Photo: Tour de Suisse

スプリンターの競演

 厳しい山岳連戦を終えた第8ステージは、ベリンツォーナに設けられた特設コースを6周回する。1周の中にはアップダウンが詰め込まれていが、前日ほどの厳しさはない。ラスト1kmを切ったところで最終コーナーを迎え、その後緩やかに左カーブしてフィニッシュとなる。

 ベリンツォーナはスイス南部にある都市。カステルグランデ、モンテベッロ城、サッソ・コルバロ城の3つの城が有名で、これらの城は「ベリンツォーナ旧市街の3つの城と防壁・城壁群」として世界遺産にもなっている。

逃げは4人

 レース後に形成された逃げはウィレム・スミット(南アフリカ、カチューシャ・アルペシン)、ネイサン・ブラウン(アメリカ、EFエデュケーションファースト・ドラパック)、エディ・ダンバー(アイルランド、アクアブルースポート)、ポール・ウルスラン(フランス、ディレクトエネルジー)の4人。

この日逃げた4人 Photo: YSP

 メイン集団はリーダージャージ擁するBMCレーシングチームが2分以内に保っていた。ただ、時間の経過とともにクイックステップフロアーズやロット・スーダル、チーム スカイなどがコントロールし、そのタイム差を徐々に縮めていった。

 残り30kmで1分、20kmで30秒と徐々に縮まるタイム差。その20kmを切ったところで逃げ集団からダンバーがアタック。その動きにウルスランとスミットが反応する。ブラウンは一度遅れかけたものの、再び先頭に復帰。最後のスプリントポイントもこの4人で迎えることとなった。一方、メイン集団はペテル・サガン(スロバキア、ボーラ・ハンスグローエ)での優勝を狙うボーラ・ハンスグローエが、マークス・ブルグハート(ドイツ)をけん引に送り込んでいた。

スプリンターチームがコントロールするメイン集団。先頭はドイツチャンピオンジャージのブルグハート Photo: YSP

 残り10km地点、逃げとメイン集団とのタイム差は約10秒。ここで、スミットがアタックを仕掛ける。この動きにブラウンとウルスランが遅れ先頭は2人になる。ただ、メイン集団はすぐ後ろ、約6km地点でダンパー、程なくしてスミットも集団に吸収されレースは振り出しに戻った。

フランスチャンピオンがスプリントを制す

 各チームスプリント体勢を整える中、先頭で隊列を組んだのはデマール擁するグルパマ・エフデジ。同時にボーラ・ハンスグローエやチーム サンウェブ、クイックステップフロアーズなども固まって前を陣取る。

 残り2kmを切ったところでダニエル・オス(イタリア、ボーラ・ハンスグローエ)とブルグハートが前方へ、サガンために強烈なけん引をみせる。しかし、そのすぐ後ろにはグルパマ・エフデジ、クイックステップトレインがついていた。

区間優勝のデマール Photo: Tour de Suisse

 残り1.5km、オス、ブルグハート(ドイツ)のボーラ・ハンスグローエコンビが仕事を終えて順に後退。グルパマ・エフデジが枚数を残した状態で集団をけん引する。残り400mではクイックステップが前方へ。その後ろにはサガン、アレクサンドル・クリストフ(ノルウェー、UAEチーム・エミレーツ)もついてきていた。

 各チームスプリンターを残した状態で迎えた終盤、残り約150m地点の緩やかなカーブをイン側で先頭で入りスプリントしたのはフェルナンド・ガビリア(コロンビア、クイックステップフロアーズ)。アシストのリードアウトからカーブを狙って仕掛ける。しかし、直後にデマールはガビリアの外側からスプリントを開始し、ガビリアをかわす。サガンやクリストフといった強豪スプリンターも後方から全力でもがいたもののワンテンポ遅れて時既に遅し。デマールがフィニッシュラインをトップで通過した。今大会ジャージ争いに絡めていなかったグルパマ・エフデジ。このステージで存在感を見せつけることができた。

区間4位のサガンが再びポイント賞ジャージに Photo: Tour de Suisse

 総合首位はリッチー・ポートがキープ。ポイント賞はサガンが逆転で獲得した。明日の最終ステージは個人タイムトライアル(TT)。ポートが今シーズン初のステージレース総合優勝を飾れるか、総合上位勢に波乱があるのか、最後まで目が離せない。

第8ステージ結果
1 アルノー・デマール(フランス、グルパマ・エフデジ) 2時間41分7秒
2 フェルナンド・ガビリア(コロンビア、クイックステップフロアーズ) +0秒
3 アレクサンドル・クリストフ(ノルウェー、UAEチーム・エミレーツ)
4 ペテル・サガン(スロバキア、ボーラ・ハンスグローエ)
5 ジャスパー・ストゥイヴェン(ベルギー、トレック・セガフレード)
6 ジョン・デゲンコルプ(ドイツ、トレック・セガフレード)
7 レイナルト・ヤンセファンレンズバーグ(南アフリカ、ディメンションデータ)
8 ソニー・コルブレッリ(イタリア、バーレーン・メリダ)
9 アンドレ・グライペル(ドイツ、ロット・スーダル)
10 マイケル・マシューズ(オーストラリア、チーム サンウェブ)
120 伊藤雅和(日本、NIPPO・ヴィーニファンティーニ・ヨーロッパオヴィーニ) +4分52秒
134 初山翔(日本、NIPPO・ヴィーニファンティーニ・ヨーロッパオヴィーニ) +4分57秒

個人総合時間賞
1 リッチー・ポート(オーストラリア、BMCレーシングチーム) 28時間47分17秒
2 ナイロ・キンタナ(コロンビア、モビスター チーム) +17秒
3 ウィルコ・ケルデルマン(オランダ、チーム サンウェブ) +52秒
4 エンリク・マス(スペイン、クイックステップフロアーズ) +53秒
5 サム・オーメン(オランダ、チーム サンウェブ) +1分13秒
6 ヤコブ・フルサング(デンマーク、アスタナ プロチーム) +1分28秒
7 ミケル・ランダ(スペイン、モビスター チーム) +1分31秒
8 ステフェン・クライスヴァイク(オランダ、ロットNL・ユンボ) +1分37秒
9 シモン・スピラク(スロベニア、カチューシャ・アルペシン) +1分48秒
10 バウケ・モレマ(オランダ、トレック・セガフレード) +2分26秒
133 伊藤雅和(日本、NIPPO・ヴィーニファンティーニ・ヨーロッパオヴィーニ) +1時間42分53秒
138 初山翔(日本、NIPPO・ヴィーニファンティーニ・ヨーロッパオヴィーニ) +1時間49分2秒

ポイント賞
1 ペテル・サガン(スロバキア、ボーラ・ハンスグローエ) 26 pts
2 マイケル・マシューズ(オーストラリア、チーム サンウェブ) 24 pts
3 フェルナンド・ガビリア(コロンビア、クイックステップフロアーズ) 24 pts

山岳賞
1 マーク・クリスティアン(イギリス、アクアブルースポート) 36 pts
2 ネイサン・ハース(オーストラリア、カチューシャ・アルペシン) 32 pts
3 ロマン・シカール(フランス、ディレクトエネルジー) 24 pts

新人賞
1 エンリク・マス(スペイン、クイックステップフロアーズ) 28時間48分10秒
2 サム・オーメン(オランダ、チーム サンウェブ) +20秒
3 ビョルグ・ランブレヒト(ベルギー、ロット・スーダル) +2分22秒

チーム総合
1 アスタナ プロチーム 85時間49分2秒
2 アージェードゥーゼール ラモンディアール +1分42秒
3 モビスター チーム +3分50秒

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