ツール・ド・スイス2018 第5ステージ上りスプリントをウリッシが制す 同タイムでフィニッシュのポートが総合首位浮上

by あきさねゆう / Yuu AKISANE
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 ツール・ド・スイスは6月13日、第5ステージがグシュタードからロイカーバードまでの155kmで争われ、上りスプリントを制したディエゴ・ウリッシ(イタリア、UAEチーム・エミレーツ)がステージ優勝を飾った。トップと同タイムでフィニッシュしたリッチー・ポート(オーストラリア、BMCレーシングチーム)が総合首位に浮上した。

上りゴールの集団スプリントをディエゴ・ウリッシ(イタリア、UAEチーム・エミレーツ)が制して優勝 Photo: YSP

シカールが山岳賞獲得

 前日のフィニッシュ地点であるグシュタードをスタートし、スイス南西部をぐるっと回るように走って、スイス有数の温泉リゾート地であるロイカーバードへとフィニッシュする。

 道中は1級山岳コル・デュ・ピヨン、超級山岳モンタナ・ヴィラージュを越えて、最後は1級山岳ロイカーバードの山頂フィニッシュとなっており、アップダウンの多い難関ステージとの評判だった。

 レースはスタート直後に始まる1級山岳コル・デュ・ピヨンめがけて、14人ほどの選手が飛び出した。そのなかで、山頂を先頭通過したのはロマン・シカール(フランス、ディレクトエネルジー)だった。

山岳賞ジャージはディレクトエネルジーのシカールが獲得 Photo: YSP

 1級山岳コル・デュ・ピヨンを下ると、次の超級山岳に向かって60km以上の平坦路を走る。強い追い風が吹くなかで、逃げ集団からはダニエル・オス(イタリア、ボーラ・ハンスグローエ)とジャスパー・ストゥイヴェン(ベルギー、トレック・セガフレード)が抜け出した。

 ここにシルヴァン・ディリエ(スイス、アージェードゥーゼール ラモンディアル)、ラリー・ワーバス(アメリカ、アクアブルースポート)、ポール・ウルスラン(フランス、ディレクトエネルジー)、ウィレム・スミット(南アフリカ、カチューシャ・アルペシン)がブリッジして、6人の逃げ集団が再形成された。他の選手はメイン集団に戻り、逃げは最大3分程度のタイム差を築いた。

 超級山岳モンタナ・ヴィラージュの上りに入ると、メイン集団からディレクトエネルジーの2人、序盤の山岳ポイントを取ったシカールと、チームメートのリリアン・カルメジャーヌ(フランス)が飛び出した。2人を追って、オマール・フライレ(スペイン、アスタナ プロチーム)、ビクトール・デラパルテ(スペイン、モビスター チーム)も追走グループに加わった。

 先頭では、ワーバスがアタックを仕掛け独走に持ち込んだことで逃げ集団は崩壊。ワーバスは単独で超級山岳を先頭通過した。遅れてスミットが2位通過を果たし、追走グループのシカールが3番手通過を果たした。シカールは山岳ポイントを計22ポイント獲得し、山岳賞ランキング1位に浮上した。

ランダが独走に持ち込む

 超級山岳からのダウンヒルを終えた時点で、ワーバスから1分30秒差で追走グループ、1分50秒差でメイン集団が迫っていた。

 フィニッシュまで20kmを切ったところで、追走グループからカルメジャーヌがアタック。最後の1級山岳ロイカーバードの上り区間に入ると間もなく、カルメジャーヌはワーバスを捕らえて、さらに独走に持ち込んだ。

 しかし、グレッグ・ヴァンアーヴェルマート(ベルギー、BMCレーシングチーム)が強力なけん引を見せるメイン集団はすぐ後ろに迫っており、残り7km地点でカルメジャーヌは吸収された。

 と同時に、ヒュー・カーシー(イギリス、EFエデュケーションファースト・ドラパック)がカウンターアタックを仕掛けた。フランソワ・ビダール(フランス、アージェードゥーゼール ラモンディアル)がチェックに入ったが、2人で集団から抜け出す格好となった。

 さらに残り6.1km地点ではミケル・ランダ(スペイン、モビスターチーム)がメイン集団からアタック。いよいよ本命選手が動く展開となった。

初日からマイヨジョーヌを守っていたキュングはこの日遅れてついに陥落 Photo: YSP

 ランダを見過ごす訳にはいかないメイン集団はさらにペースアップすると、総合首位のシュテファン・キュング(スイス、BMCレーシングチーム)が遅れてしまう。とはいえ、元々クライマー的な脚質ではないキュングにとって、遅れることは想定内だといえよう。

 ランダがカーシーとビダールに追いつき、さらにランダがペースをあげていくとビダールが脱落。残り4km地点では、カーシーをも引き離す走りを見せ、独走状態となった。

 メイン集団では、ステフェン・クライスヴァイク(オランダ、ロットNL・ユンボ)がアタックするも、ジェスパー・ハンセン(デンマーク、アスタナプロチーム)がチェックして、クライスヴァイクを逃がさなかった。そのままハンセンが集団をけん引。独走するランダとのタイム差は15秒程度に留められていた。

 残り2kmを切ると、ハンセンが集団から離脱。代わってバーレーン・メリダが先頭に立つ。マーク・マデュン(ウクライナ)が集団けん引を担った。ところが残り1kmを切ってもランダとの差はなかなか詰まらなかった。

ウリッシの力強いスプリントで勝利

 逃げ切りが濃厚かと思われた残り600m付近で、集団からマティアス・フランク(スイス、アージェードゥーゼール ラモンディアル)がアタックを仕掛け鋭い加速を見せた。残り400m地点からは、ウリッシが先頭に立ってアタックを継続。残り300m地点でランダとのタイム差は、3〜4秒程度まで縮まっていた。

 残り200m地点で、ウリッシがランダに追いつくとスプリントを開始。エンリク・マス(スペイン、クイックステップフロアーズ)、ウィルコ・ケルデルマン(オランダ、チームサンウェブ)、トムイェルト・スラフテル(オランダ、ディメンションデータ)の順に追従するものの、ウリッシのスプリントは非常に力強く、むしろ後続を引き離す走りを見せた。

先頭からスプリントしたウリッシが後続を寄せ付けずそのままゴールへ Photo: YSP

 最後まで力は衰えることなく、ウリッシが先頭でフィニッシュ。今季初勝利となるステージ優勝を飾った。

 レース後のウリッシは「ツール・ド・スイスのような名高いレースで勝利したことを誇りに思う。ジロ・デ・イタリアを良いコンディションで走り切り、好調を維持したままスイスに来ることができた。そして、スイスでは自分の脚質に合ったステージがあり、今日はその一つで勝利できた。レースはハードだったし、終盤は早めにアタックしたランダに捕まえられないのではと心配していたが、幸運にもランダに追い付き、自分もスピードを維持することができたんだ」と語っていた。

ウリッシと同タイムの集団内でゴールしたポートが総合首位に浮上 Photo: YSP

 トップ同タイムのステージ8位でフィニッシュしたポートは、総合首位に浮上。そのポートは「とんでもなく速いレースだったけど、チームは完璧にレースをコントロールしてくれた。スタート前はこんなにハードなレースになるとは思っていなかったよ。いまは調子も悪くないし、今日よりも自分に適した山岳ステージもある。そして、この日は監督のファビオ・バルダートの50回目の誕生日だったので、リーダージャージを届けることが今日の大きな計画だったんだよ」と語っていた。

 NIPPOヴィーニファンティーニ・ヨーロッパオヴィーニから参戦する初山翔、伊藤雅和の両名は、24分19秒遅れのグルペット内で完走している。

マイヨジョーヌに袖を通したポート Photo: YSP

第5ステージ結果
1 ディエゴ・ウリッシ(イタリア、UAEチーム・エミレーツ) 3時間37分31秒
2 エンリク・マス(スペイン、クイックステップフロアーズ) +0秒
3 トムイェルト・スラフテル(オランダ、ディメンションデータ)
4 ウィルコ・ケルデルマン(オランダ、チーム サンウェブ)
5 バウケ・モレマ(オランダ、トレック・セガフレード)
6 シモン・スピラク(スロベニア、カチューシャ・アルペシン)
7 ナイロ・キンタナ(コロンビア、モビスター チーム)
8 リッチー・ポート(オーストラリア、BMCレーシングチーム)
9 サム・オーメン(オランダ、チーム サンウェブ)
10 ビョルグ・ランブレヒト(ベルギー、ロット・スーダル)
135 伊藤雅和(日本、NIPPO・ヴィーニファンティーニ・ヨーロッパオヴィーニ) +24分19秒
141 初山翔(日本、NIPPO・ヴィーニファンティーニ・ヨーロッパオヴィーニ)

個人総合時間賞
1 リッチー・ポート(オーストラリア、BMCレーシングチーム) 17時間3分53秒
2 ウィルコ・ケルデルマン(オランダ、チーム サンウェブ) +20秒
3 サム・オーメン(オランダ、チーム サンウェブ)
4 エンリク・マス(スペイン、クイックステップフロアーズ) +21秒
5 ジャック・ヘイグ(オーストラリア、ミッチェルトン・スコット) +29秒
6 ナイロ・キンタナ(コロンビア、モビスター チーム) +33秒
7 ヨン・イサギレ(スペイン、バーレーン・メリダ) +36秒
8 ディエゴ・ウリッシ(イタリア、UAEチーム・エミレーツ) +40秒
9 シモン・スピラク(スロベニア、カチューシャ・アルペシン) +46秒
10 ミケル・ランダ(スペイン、モビスター チーム) +47秒
125 伊藤雅和(日本、NIPPO・ヴィーニファンティーニ・ヨーロッパオヴィーニ) +44分4秒
139 初山翔(日本、NIPPO・ヴィーニファンティーニ・ヨーロッパオヴィーニ) +50分8秒

ポイント賞
1 ペテル・サガン(スロバキア、ボーラ・ハンスグローエ) 22 pts
2 カルヴィン・ワトソン(オーストラリア、アクアブルースポート) 19 pts
3 フェルナンド・ガビリア(コロンビア、クイックステップフロアーズ) 16 pts

山岳賞
1 ロマン・シカール(フランス、ディレクトエネルジー) 22 pts
2 ローレンス・ワーバス(アメリカ、アクアブルースポート) 20 pts
3 フィリッポ・ザッカンティ(イタリア、NIPPO・ヴィーニファンティーニ・ヨーロッパオヴィーニ) 17 pts

新人賞
1 サム・オーメン(オランダ、チーム サンウェブ) 17時間4分13秒
2 エンリク・マス(スペイン、クイックステップフロアーズ) +1秒
3 ビョルグ・ランブレヒト(ベルギー、ロット・スーダル) +38秒

チーム総合
1 モビスター チーム 50時間32分4秒
2 バーレーン・メリダ +1分46秒
3 アスタナ プロチーム +1分55秒

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