ツール・ド・スイス2018 第4ステージ189kmを逃げ切ったユールイェンセンが勝利 首位はキュングがキープ

by 平井久美子 / Kumiko HIRAI
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 ツール・ド・スイスは6月12日、第4ステージがガンジンゲンからグシュタードまでの189kmで争われ、序盤から逃げ続けたクリストファー・ユールイェンセン(デンマーク、ミッチェルトン・スコット)が逃げ切り優勝を飾った。シュテファン・キュング(スイス、BMCレーシングチーム)は集団でゴールし、この日も個人総合時間トップを守っている。

追い込む集団から逃げ切ったユールイェンセンがステージ優勝 Photo: Tour de Suisse

今大会初の山岳ステージ

 第4ステージの山岳ポイントは2つ。24km地点に3級山岳(1.3m、平均勾配7.6%)、ゴール手間、181km地点に2級山岳(7.2km、平均勾配4.6%)が設定されている。2級山岳クリア後は下り基調。ゴールは飛行場に設定されていて、ラスト約3kmからは滑走路を走る。山岳で勝負を仕掛けた選手による逃げ切り、この山岳を耐えクリアしたスプリンターによる小集団スプリントなどが予想された。

6人の逃げ集団 Photo: YSP

 レースはスタート直後に逃げが決まった。6人のメンバーはユールイェンセン、シルヴァン・ディリエ(スイス)とナンズ・ピーターズ(フランス、)のアージェードゥーゼール ラモンディアールコンビ、ネイサン・ブラウン(アメリカ、EFエデュケーションファースト・ドラパック)、マーク・クリスティアン(イギリス、アクアブルースポート)、ポ−ル・ウルスラン(フランス、ディレクトエネルジー)。最大6分近くのタイム差がついたメイン集団は、総合首位のキュング擁するBMCレーシングチームやボーラ・ハンスグローエらがコントロールしていた。

 レースが進んでも逃げ集団とメイン集団という形は変わらない。ただ、40kmで約3分30秒、30kmで約2分30秒、20kmで約2分とスプリンター擁するチームを中心に、計画的にタイム差を縮めていく。

山岳で活性化するレース

 2級山岳の上りに差し掛かったところで逃げ集団に動きがでる。まずはブラウンがアタック、しかしすかさずピーターズ、ディリエ、クリスティアン、ユールイェンセンがつきブラウンの動きは不発に終わる。その直後の残り14km地点、今度はピーターズがアタックしユールイェンセンがチェックに入る。他の逃げメンバーもついていこうとするが、徐々に2人とのタイム差が開き遅れてしまう。

サガンがポイント賞ジャージを獲得した Photo: Tour de Suisse

 一方メイン集団もこの山岳の上りでペースアップ、チーム サンウェブがけん引を始めたのをきっかけに、他チームも一気にペースアップを図る。逃げとメインのタイム差は約30秒となっていた。

 先頭2人で迎えた残り約9km地点の山岳ポイントはピーターズが仕掛け1位通過。その勢いで、ピーターズが先行しユールイェンセンは遅れはじめる。一方でメイン集団にはペテル・サガン(スロバキア、ボーラ・ハンスグローエ)やマイケル・マシューズ(オーストラリア、チーム サンウェブ)、ソニー・コルブレッリ(イタリア、バーレーン・メリダ)といったステージ優勝を狙う面々が、しっかり残りチームメートと一緒に逃げを追いかける。

前を追うメイン集団。マイヨジョーヌのキュング、世界チャンピオンジャージを着るサガンの姿も Photo: YSP

下りで単独先頭に

 ピーターズが先行して入った下りだったが、ユールイェンセンは諦めていなかった。残り4km、雨が降る難しいコンディションの中、下りを利用してピーターズに追いつくことに成功。そこからさらにピーターズをかわし単独でゴールへ向かう。

雨の下りを逃げ続けるユールイェンセン Photo: YSP

 残り2km地点、飛行場に突入してもペースが落ちず走り続けるユールイェンセン。平坦基調でコーナーも少なく集団にとっては有利なコースだったが、集団はなかなか追いつくことができない。ゴール直前すぐ後ろに迫ったものの、結局ユールイェンセンがフィニッシュラインを1位通過。左手薬指にキスをし、自身の勝利を噛みしめた。

 普段はアシストとしてエースのために働くことが多いユールイェンセン。これまで数多くのレースで献身的な走りをみせ、チームに大きく貢献してきた。この日の逃げも、チームのための動きだっただろう。そんな彼が手にした勝利は、自身への嬉しいご褒美であると同時に、彼の実力を示す結果となった。

第4ステージ結果
1 クリストファー・ユールイェンセン(デンマーク、ミッチェルトン・スコット) 4時間35分56秒
2 マイケル・マシューズ(オーストラリア、チーム サンウェブ) +8秒
3 イヴ・ランパールト(ベルギー、クイックステップフロアーズ)
4 ペテル・サガン(スロバキア、ボーラ・ハンスグローエ)
5 ソニー・コルブレッリ(イタリア、バーレーン・メリダ)
6 マグナス・コルトニールセン(デンマーク、アスタナ プロチーム)
7 エンリーコ・バッタリーン(イタリア、ロットNL・ユンボ)
8 ミヒャエル・アルバジーニ(スイス、ミッチェルトン・スコット)
9 ビョルグ・ランブレヒト(ベルギー、ロット・スーダル)
10 ジョセ・ゴンサルベス(ポルトガル、カチューシャ・アルペシン)
135 伊藤雅和(日本、NIPPO・ヴィーニファンティーニ・ヨーロッパオヴィーニ) +9分59秒
138 初山翔(日本、NIPPO・ヴィーニファンティーニ・ヨーロッパオヴィーニ)

個人総合時間賞
1 シュテファン・キュング(スイス、BMCレーシングチーム) 13時間26分19秒
2 グレッグ・ヴァンアーヴェルマート(ベルギー、BMCレーシングチーム) +3秒
3 リッチー・ポート(オーストラリア、BMCレーシングチーム)
4 ティージェイ・ヴァンガーデレン(アメリカ、BMCレーシングチーム)
5 ペテル・サガン(スロバキア、ボーラ・ハンスグローエ) +16秒
6 マイケル・マシューズ(オーストラリア、チーム サンウェブ) +17秒
7 ウィルコ・ケルデルマン(オランダ、チーム サンウェブ) +23秒
8 サム・オーメン(オランダ、チーム サンウェブ)
9 グレゴール・ミュールベルガー(オーストリア、ボーラ・ハンスグローエ) +30秒
10 エンリク・マス(スペイン、クイックステップフロアーズ)
121 伊藤雅和(日本、NIPPO・ヴィーニファンティーニ・ヨーロッパオヴィーニ) +19分48秒
140 初山翔(日本、NIPPO・ヴィーニファンティーニ・ヨーロッパオヴィーニ) +25分52秒

ポイント賞
1 ペテル・サガン(スロバキア、ボーラ・ハンスグローエ) 22pts
2 カルヴィン・ワトソン(オーストラリア、アクアブルースポート) 19pts
3 フェルナンド・ガビリア(コロンビア、クイックステップフロアーズ) 16pts

山岳賞
1 フィリッポ・ザッカンティ(イタリア、NIPPO・ヴィーニファンティーニ・ヨーロッパオヴィーニ) 17pts
2 ファビアン・グルリエ(フランス、ディレクトエネルジー) 12pts
3 ナンズ・ピーターズ(フランス、アージェードゥーゼール ラモンディアール) 8pts

新人賞
1 サム・オーメン(オランダ、チーム サンウェブ) 13時間26分42秒
2 グレゴール・ミュールベルガー(オーストリア、ボーラ・ハンスグローエ) +7秒
3 エンリク・マス(スペイン、クイックステップフロアーズ)

チーム総合
1 BMCレーシングチーム 25時間50分18秒
2 チーム サンウェブ +20秒
3 クイックステップフロアーズ +27秒

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