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ツール・ド・スイス2018 第3ステージラスト300mで仕掛けたコルブレッリがロングスプリントを制す 総合はキュングが守る

by あきさねゆう / Yuu AKISANE
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 ツール・ド・スイスは6月11日、第3ステージがオーバーシュタンムハイムからガンジンゲンへの182.8kmで争われ、雨の中の集団スプリントをソニー・コルブレッリ(イタリア、バーレーン・メリダ)が制し、ステージ優勝を飾った。シュテファン・キュング(スイス、BMCレーシングチーム)は集団内でフィニッシュし、危なげなく総合首位をキープした。

混戦のゴールスプリントでロングスパートをかけたソニー・コルブレッリ(中央右)がステージ優勝 Photo: YSP

グルニエが山岳ポイント連取

 数km歩けばドイツとの国境に到達するスイス北部の街・チューリッヒ州オーバーシュタンムハイムをスタートし、西へ移動しながら最後はアールガウ州ガンジンゲンへとフィニッシュするステージだ。

 ガンジンゲンでは、1周30km弱のコースを2周半走る。周回コース内には3級山岳が計5カ所登場し、総合成績に関わるような難ステージではないものの、スプリンターにとっては一筋縄ではいかないコースとなっていた。

スタートに並んだ各賞リーダージャージ。ポイント賞ジャージのワトソンと山岳賞ジャージのザッカンティは、この日も逃げに乗った Photo: Tour de Suisse

 レースがスタートすると、山岳賞ジャージのフィリッポ・ザッカンティ(イタリア、NIPPOヴィーニファンティーニ・ヨーロッパオヴィーニ)、ポイント賞ジャージのカルヴィン・ワトソン(オーストラリア、アクアブルースポート)、ファビアン・グルリエ(フランス、ディレクトエネルジー)の3人の逃げが決まった。3人は3分程度のタイム差を持って、レース後半の周回コースに到達した。

 周回コースの山岳ポイントでは、グルニエが強さを見せ、4回先頭通過を果たす。ザッカンティはグルニエの後塵を拝しながらも、4回2位通過してポイントを加算したため、山岳賞ジャージはザッカンティがキープした。

 また、周回コース2周目の途中でメイン集団からクリストファー・ユールイェンセン(デンマーク、ミッチェルトン・スコット)がアタック。逃げ集団から脱落したワトソンに代わって、グルニエ、ザッカンティに合流。しかし、リーダーチームのBMCレーシングチームを中心に、逃げ切りは容認せず、残り10km付近、最後の3級山岳のふもとで逃げ集団は吸収された。

サガンが自らアタック

 3級山岳の上り区間に入ると、集団からジョセ・ゴンサルベス(ポルトガル、カチューシャ・アルペシン)がアタック。しかし、アスタナ プロチームがけん引するメイン集団にすぐ引き戻されていった。

 すると今度はペテル・サガン(スロバキア、ボーラ・ハンスグローエ)が自らアタックを仕掛けた。本ステージの大本命による強烈なペースアップについていけたのは、マイケル・マシューズ(オーストラリア、チームサンウェブ)ら上りに強いスプリンターと、総合系の選手のみだった。

 とはいえ、さすがに独走に持ち込むことはできずに、サガンはアタックを中断。代わってサンウェブ勢が先頭でペースアップを続行したまま3級山頂を通過した。

地元スイス期待のキュングがこの日も総合首位を守った Photo: YSP

 サンウェブが先頭でコントロールしたままダウンヒルを下り切ると、ソーレンクラーク・アンデルセン(デンマーク、チームサンウェブ)が集団から飛び出した。

 総合エースを担うヨン・イサギレ(スペイン、バーレーン・メリダ)がメイン集団を率いてアンデルセンを捕まえると、カウンターでアルテュール・ヴィショ(フランス、グルパマ・エフデジ)がアタック。サガンのアタックから、集団はずっとハイペースで一列棒状に伸び切ったままヴィショを追っていた。

 生き残ったスプリンターたちのためにトレインを組むのもままならない状況で、いち早く態勢を整えたのがバーレーン・メリダだった。

 ヴィショを集団に引き戻すとエンリーコ・ガスパロット(イタリア)を先頭に、マーク・パデュン(ウクライナ)、ゴルカ・イサギレ(スペイン)、そしてコルブレッリという順でスプリントトレインを組みながら、ラスト1kmのフラムルージュを通過した。

万全のアシストからロングスプリント

 再びヴィショが集団から飛び出していった。けん引を終えたバーレーン・メリダに代わって、ダニエル・オス(イタリア、ボーラ・ハンスグローエ)が先頭に立った。オスの背後にはフェルナンド・ガビリア(コロンビア、クイックステップフロアーズ)、サガン、マシューズ、コルブレッリと続いていた。

 残り300m、コルブレッリが腰を上げてダンシングしながらスプリントを開始した
。左サイドから、コルブレッリを先頭に、ミヒャエル・アルバジーニ(スイス、ミッチェルトン・スコット)、サガンと続く。

 残り250m付近から、中央からガビリアがスプリントに入った。すると、前日と同様にサガンはコルブレッリのトレインから、ガビリアの背後に乗り換える。

 先頭で粘っていたヴィショを残り100mで追い越すと、コルブレッリ、ガビリア、サガンが横一線に並びながら、フィニッシュラインに向かっていた。

コルブレッリ(右)が先行。別ラインから競りかけるガビリア(左)と、その間に割って入ろうとするサガン Photo: YSP

 最後はサガンがコルブレッリとガビリアに挟まれる格好になりながら、コルブレッリがわずかに先着。300mものロングスプリントを見事に成功させ、ステージ優勝を飾った。

 コルブレッリにとって、シーズン緒戦のドバイツアー第4ステージ以来、久々の勝利となった。

 またコルブレッリは「素晴らしい一日になったよ。自分にとっても、チームにとってもとても重要な勝利だ。終盤に驚異的な働きを見せてくれた、パデュン、ガスパロット、イサギレ兄弟に感謝している。サガンやガビリアといった強力なスプリンターよりも先に仕掛けるために、とても長い距離だったけど早めにスプリントしたんだ」と勝利の喜びと戦略を語っていた。

 一般的にスプリントを仕掛けるタイミングはラスト200mといわれるなかで、300mものロングスプリントを成功させた要因の一つはアシスト陣の働きが大きく影響したと思われる。他のチームはエーススプリンターのためのアシストが揃わないなか、バーレーン・メリダはコルブレッリのために4人の選手が重要な働きを見せていた。そのため、コルブレッリは位置取りに消耗することなくスプリントに挑めたことが勝因の一つかもしれない。

ステージ優勝したコルブレッリ Photo: YSP

 また個人総合成績では大きな動きはなく、キュングが引き続き総合首位をキープしている。また、サガンが3位に入ったため、ポイント賞は1ポイント差でワトソンがキープした。

 初山翔、伊藤雅和らNIPPOヴィーニファンティーニ・ヨーロッパオヴィーニの両選手は、トップから5分51秒遅れのそれぞれステージ122、123位と2人並んでフィニッシュした。

 翌第4ステージは、ガンジンゲンからグシュタードまでの189.2kmで争われる。残り18km地点から登坂距離8.1km・平均勾配4.2%の緩やかな長い上りが設定されている。集団スプリントに持ち込まれる可能性は高いが、第2・3ステージと同様に終盤は混戦の展開が予想されるだろう。

第3ステージ結果
1 ソニー・コルブレッリ(イタリア、バーレーン・メリダ) 4時間39分51秒
2 フェルナンド・ガビリア(コロンビア、クイックステップフロアーズ) +0秒
3 ペテル・サガン(スロバキア、ボーラ・ハンスグローエ)
4 ミヒャエル・アルバジーニ(スイス、ミッチェルトン・スコット)
5 マグナス・コルトニールセン(デンマーク、アスタナ プロチーム)
6 マイケル・マシューズ(オーストラリア、チーム サンウェブ)
7 エンリーコ・バッタリーン(イタリア、ロットNL・ユンボ)
8 ジャスパー・ストゥイヴェン(ベルギー、トレック・セガフレード)
9 ディエゴ・ウリッシ(イタリア、UAEチーム・エミレーツ)
10 セップ・ヴァンマルク(ベルギー、EFエデュケーションファースト・ドラパック)
122 初山翔(日本、NIPPO・ヴィーニファンティーニ・ヨーロッパオヴィーニ) +5分51秒
123 伊藤雅和(日本、NIPPO・ヴィーニファンティーニ・ヨーロッパオヴィーニ)

個人総合時間賞
1 シュテファン・キュング(スイス、BMCレーシングチーム) 8時間50分15秒
2 グレッグ・ヴァンアーヴェルマート(ベルギー、BMCレーシングチーム) +3秒
3 リッチー・ポート(オーストラリア、BMCレーシングチーム)
4 ティージェイ・ヴァンガーデレン(アメリカ、BMCレーシングチーム)
5 ペテル・サガン(スロバキア、ボーラ・ハンスグローエ) +16秒
6 マイケル・マシューズ(オーストラリア、チーム サンウェブ) +23秒
7 ウィルコ・ケルデルマン(オランダ、チーム サンウェブ)
8 サム・オーメン(オランダ、チーム サンウェブ)
9 グレゴール・ミュールベルガー(オーストリア、ボーラ・ハンスグローエ) +30秒
10 エンリク・マス(スペイン、クイックステップフロアーズ)
112 伊藤雅和(日本、NIPPO・ヴィーニファンティーニ・ヨーロッパオヴィーニ) +9分57秒
137 初山翔(日本、NIPPO・ヴィーニファンティーニ・ヨーロッパオヴィーニ) +16分1秒

ポイント賞
1 カルヴィン・ワトソン(オーストラリア、アクアブルースポート) 19 pts
2 ペテル・サガン(スロバキア、ボーラ・ハンスグローエ) 18 pts
3 フェルナンド・ガビリア(コロンビア、クイックステップフロアーズ) 16 pts

山岳賞
1 フィリッポ・ザッカンティ(イタリア、NIPPO・ヴィーニファンティーニ・ヨーロッパオヴィーニ) 17 pts
2 ファビアン・グルリエ(フランス、ディレクトエネルジー) 12 pts
3 ペリグ・ケメヌール(フランス、ディレクトエネルジー) 6 pts

新人賞
1 サム・オーメン(オランダ、チーム サンウェブ) 8時間50分38秒
2 グレゴール・ミュールベルガー(オーストリア、ボーラ・ハンスグローエ) +7秒
3 エンリク・マス(スペイン、クイックステップフロアーズ)

チーム総合
1 BMCレーシングチーム 25時間50分18秒
2 チーム サンウェブ +20秒
3 クイックステップフロアーズ +27秒

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