門田基志の欧州XCマラソン遠征記2018<1>UCIポイントを獲得して世界へ挑戦 デコボコ師弟コンビのヨーロッパ遠征旅

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 マウンテンバイク(MTB)・クロスカントリー(XC)の門田基志選手(チームジャイアント)が、まな弟子の西山靖晃選手(焼鳥山鳥レーシング)とともに毎年恒例の自転車の本場・ヨーロッパへ1カ月間の遠征へと出発しました。9月に開催されるMTBクロスカントリー・マラソン(XCM)世界選手権への出場権獲得を目的とした遠征で、門田さんいわく「世界に挑戦するための準備の旅」。チェコとイタリアのドロミテで通算3レースを走りポイント獲得を狙います。門田選手がレースの合間を縫って、現地から臨場感あるリポートをお届けします。

レースコースとなっているドイツ・オイビンの街中を試走する筆者 Photo: Yasuaki NISHIYAMA

◇         ◇

松山〜羽田経由でフランクフルトへ!

いつも安心してバイクを預けられるANAカウンター Photo: Motoshi KADOTA
朝焼けの飛行機は美しい。いつもお世話になっていますANA! Photo: Motoshi KADOTA
安心安全の空の旅、ゆったり寝られるので到着したら即活動できて良い Photo: Motoshi KADOTA

 松山空港では手慣れたスタッフの皆さんが自転車の積載のチェックと荷物預けもスムーズでストレスなくチェックイン!チェックインしてしまえばあとはヨーロッパまでほぼ何もする事なく行けるので一安心。ただ羽田空港の免税店という誘惑に負けないようにしないと…あと搭乗してからアルコールを飲んでシートをリクライニングする前に寝ないようにしないと(よくやる)…。

 毎年夜中0時過ぎの便をチョイスすれば、寝て起きたら早朝のヨーロッパに到着する。そうすれば時差ボケの影響が比較的少ない。

フランクフルト到着。この荷物とバイク3台という普通では考えられない荷物量 Photo: Motoshi KADOTA

 僕らの旅は合理的で効率や費用対効果で動く。レンタカーは空港で借りてしまいがちだけど、海外で長期間大きな車を借りるなら、実は空港で借りるより少し離れたところで借りると大幅に安くなる。

 今回遠征で使用するのはメルセデスベンツVクラスと、指定していた車がサービスでアップグレードされていて好意で良くなったけど…組んだ自転車4台と荷物が積めない状況で、ありがた迷惑とはこのことである。

 まあ悪いことばかりではなく高速道路走行は快適だ! 時速200kmで走ってもわりと走れるワンボックスカー! 良いかもしれない。

今回の旅の相棒メルセデスベンツVクラスは荷物が積みにくい Photo: Motoshi KADOTA
事故渋滞でアウトバーン上で停車2時間!安全運転でいこうと心に誓う Photo: Motoshi KADOTA

 初日移動距離600kmにビビってたけど一気に突き進む…。が、なんと少し先でトラック2台が事故!2時間ほどを高速道路上で過ごすことになる。こうなった場合、日本では車から絶対出ないが、欧州では高速道路上をドライバーが歩き回っているのに驚いた。

困ったときはとにかくスマホ!

 少し予定より遅れたが無事にホテルに到着したが、何気に対応がたどたどしい…。聞いてみるとオープンしてすぐらしく、豪邸を改装してホテルを始めたそうだが現在も改装中である。

ホテルに到着、古い豪邸をリノベーションしてるホテルは良い感じ!部屋も広いがレースのカーテンのみで朝日とともに目覚める生活が始まる Photo: Motoshi KADOTA

 部屋はきれいだがレースのカーテンしかなく、朝が早いヨーロッパでは午前5時に部屋に差し込む日差しとともに目覚める生活を余儀無くされた。まぁ健康的で良いってことで。こうして日が暮れる午後10時頃には眠りにつき、朝日とともに目覚める生活が始まった。

 夕食はいつも、「Google MAP」を使って近所のレストランを検索して良さそうなお店に突入してみるという、スタイルだ。今回飛び込んだローカルなお店はビールを片手にした常連のおじさま達でにぎわっていた。近くは座ると大変そうなので少し離れてるけど見える席をチョイス。店員が注文をとりにきたが、英語はほとんど通じない。この瞬間、夕食の内容は諦めた。

今回飛び込んだローカルなお店 Photo: Motoshi KADOTA

 店内の黒板を見ても全く読めない非常にローカルなチェコスタイルのレストランで、カタコト英語とジェスチャーを駆使して何とか注文したときに覚えた言葉は、「マソ」。僕はとりあえず、その「マソ」を注文し、西山はなんて言ったか全く覚えてないけど肉料理のイメージで注文した。

 その結果、僕の「マソ」は魚のフライで西山は大きなチーズのフライ(笑)。全く思ってもない物が現れたけど食べて見たら美味しかったのでOK!でも足りないので次は何を注文しよう…、というか注文できるのか?

何となく注文したら出てきた魚のフライ Photo: Motoshi KADOTA
携帯駆使してGoogle MAPで写真指差しした魚の料理 Photo: Yasuaki NISHIYAMA

 地元のおじさまの食べてるものを指させば通じるかと思い、見てみるとビールしかテーブルに並んでいないので無理。携帯を見ながら悩んでいたところ、Google MAPにこの店舗の料理の写真が次々と現れた。それを店員さんに指差し注文すると、なんとさくさく伝わるではないか!これ他の国でもやってみよう。

知らぬ間に越境

Photo: Yasuaki NISHIYAMA

 一夜明けて試走に出ることにしたが、出国直前の石川でのレース疲労が抜け切っていなかった。100kmの平坦基調のコースなので一気に1日で行けるんじゃないか?ということでスタートしてみると…、どこが平坦基調なんじゃい! 小刻みにアップダウンが続く超タフなコースでペースが上がらなかった。

試走中に野生の馬に遭遇! Photo: Yasuaki NISHIYAMA
試走をしていると、レースディレクターを名乗る陽気でチェコ語で一方的に喋ってくるおじさんに遭遇した Photo: Motoshi KADOTA

 道中、腹が空いてきたが山の中で何もない状況が1時間以上も続き、2人の会話は「腹減ったなぁ〜」「何もないですね〜」という力のない言葉ばかり。そして辿り着いたのは、大きな岩山で有名な「oibin」(オイビン)というきれいな街。

オイビンのはずれの丘から、街の岩山を見下ろす Photo: Motoshi KADOTA
試走しているのは「MALEVIL CUP」という今回参加するマラソンシリーズのコース Photo: Motoshi KADOTA

 何か食べようとレストランに入って気付いた。「ここはドイツだ!」。今回参加した「MALEVIL CUP」というマラソンシリーズのコースは国境を跨ぐ。ユーロ圏は日本の県境みたいに行き来できるので国境を越えた感じがしないが、ここは紛れもなくドイツでありユーロの国である。

 そしてチェコから来た僕らはチェコの通貨「チェコ・コルナ」しか持っていない。来るときに財布にやる気満々でコルナを入れて出発していたのである。

 で…ちょっと考えたらクレジットカードも入れたことを思い出し、これで気兼ねなく飯が食える!と一安心したのも束の間、田舎町ではドイツ語メニューしかなく、説明を聞いても分からず…。また直感勝負で昼ご飯を決めるという状況になった。

「シュニッツェル」という名のビーフカツ Photo: Motoshi KADOTA
アスパラはものすごく美味しかった! 聞くとドイツ人はホワイトアスパラが大好きらしい Photo: Motoshi KADOTA

 なんとか聞いたことのある「シュニッツェル」を注文。巨大なビーフカツを昼から食べ、お腹が満たされたところで残りの試走に出発したが、疲れも出始めてここで断念することに。残り30kmはまた明日ということで、僕らはホテルへの近道を検索した。

<つづく>

門田 基志門田 基志(かどた・もとし)

1976年、愛媛県今治市生まれ。世界最大の自転車メーカー、ジャイアント所属のMTBプロライダー。選手として国内外のレースに参戦する一方、レース以外のサイクリングツアーも展開。石鎚山ヒルクライム、サイクリングしまなみなど数多くの自転車イベントを提案し、安全教室の講師やアドバイザーも務めるなど、自転車文化の発展に奔走している。

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