ツール・ド・スイス2018 第2ステージペテル・サガンのスプリント炸裂 キュングは果敢な走りで総合リードを広げる

by 福光俊介 / Syunsuke FUKUMITSU
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 UCIワールドツアーの1つ、ツール・ド・スイスは大会2日目。6月10日に行われた第2ステージはスプリント勝負となり、ペテル・サガン(スロバキア、ボーラ・ハンスグローエ)がステージ優勝。今大会最初のロードレースステージを制した。個人総合時間賞では、前日の第1ステージを終えてトップに立ったシュテファン・キュング(スイス、BMCレーシングチーム)がその座をキープ。後続に対し総合タイム差を広げてこのステージを終えている。

ツール・ド・スイス第2ステージ、スプリントを制し大会通算16勝目を挙げたペテル・サガン Photo: YSP

上りの比重が高い周回コース

 前日に続き、スイス北部のフラウエンフェルトが舞台となる第2ステージ。1周39kmをおおよそ4周回する155kmで争われる。周回コースは中盤に3級山岳ポイントが設けられるほか、全体的に上りの比重が高いレイアウト。山岳ステージにはカテゴライズされていないものの、その難しさからサバイバルとなることは必至。人数が絞られた中でのスプリントのほか、逃げ切りなども狙える興味深いコース設定だ。

コース脇で選手たちの到着を待つ観衆 Photo: Tour de Suisse

 チームタイムトライアルによる第1ステージを受けて、この日はキュングがマイヨジョーヌを着用してスタート。このジャージを懸けた有力選手たちの動きも見ものとなる。

 そんなレースはまず、カルヴィン・ワトソン(オーストラリア、アクアブルースポート)、ペリグ・ケメヌール(フランス、ディレクトエネルジー)、フィリッポ・ザッカンティ(イタリア、NIPPO・ヴィーニファンティーニ・ヨーロッパオヴィーニ)の3人がリード。メイン集団がタイム差を徹底してコントロールしたこともあり、大きなタイムギャップとはならないものの、3周回目の途中までこの形勢のまま進行。この間、3回通過した山岳ポイントは、すべてザッカンティが1位通過。合計9ポイント獲得し、このステージでの山岳賞獲得を決めている。

 メイン集団では、リーダーチームのBMCレーシングチームと、フェルナンド・ガビリア(コロンビア)でのスプリント勝利を狙うクイックステップフロアーズが主にコントロールを担う。レース中盤以降は逃げの3人とのタイム差を1分20秒前後でキープし、終盤へ流れを作っていく。残り60kmを切ったところでミヒャエル・アルバジーニ(スイス、ミッチェルトン・スコット)が単独で飛び出し、やがて逃げグループへと合流したが、それ以外は大きな変化はなく、最終の第4周回へと進んだ。

スプリント制したサガンは大会通算16勝目

 最終周回に入ると、メイン集団がスピードを上げて逃げグループとのタイム差を一気に縮める。そして、フィニッシュまで残り27kmのところで先行していた4人をキャッチ。レースをふりだしへと戻した。この直後にやってきた中間スプリントポイントは、マイヨジョーヌのキュングが1位通過。3秒のボーナスタイムを獲得している。

山岳賞ジャージに袖を通したフィリッポ・ザッカンティ Photo: Tour de Suisse

 フィニッシュに向け、プロトンが活性化したのは残り20kmを切った直後。ここまでペースが上がる一方だったメイン集団が急に牽制状態となったタイミングを見て、リッチー・ポート(オーストラリア、BMCレーシングチーム)が単独でスピードアップ。これに合わせる形でミケル・ランダ(スペイン、モビスター チーム)がアタック。ポートやサム・オーメン(オランダ、チーム サンウェブ)といった総合系ライダーがチェックに動く。さらにはマーク・パデュン(ウクライナ、バーレーン・メリダ)がカウンターアタックを仕掛けるなど、集団全体が慌ただしくなってきた。

 残り10kmを前にしたところでは、ジャスパー・ストゥイヴェン(ベルギー、トレック・セガフレード)ら7人が抜け出し、一時は集団に対し約10秒のリード。そのほかにもアタックが散発したが、スプリント狙うチームが集団のペースを上げて細かい出入りに対処。最終局面を目前にプロトンを1つにまとめて、フィニッシュを目指す構えを整えた。

スプリント勝負。ペテル・サガン(右から2人目)が先頭へと躍り出る Photo: YSP

 そして勝負はスプリントにゆだねられることとなる。残り500mからフィニッシュに向かっての長い直線は、マイヨジョーヌのキュングが一度先頭に立つが、すぐにスプリンターチームのリードアウトマンがパスしてエースの加速をお膳立てする。この状況から最初に飛び出したのはガビリア。後方からのスプリント開始となるが、残り250mでトップへと上がってフィニッシュラインを目指す。

 だが、この日最も冴えていたのはサガンだった。ガビリアの動きに合わせてマークに入ると、残り100mで先頭へ。そこからは後続の追随を許さず、ステージ優勝を決めてみせた。

 サガンはツール・ド・スイス9年連続の出場で、通算16勝目。この大会の勝利数記録を伸ばすことに成功している。レース後のインタビューでは、「チームメートが最初から最後まで完璧な働きを見せてくれたので、あとは私がその仕事を仕上げるだけだった。最後の数百メートルは逆風を考慮しながら走る必要があった」とコメント。続く第3ステージへの意気込みを聞かれると、「最終局面は今日(第2ステージ)より難しい」としながらも勝利を狙う意思を示した。

 個人総合は大きな変動はなく、キュングがマイヨジョーヌがキープ。中間スプリントで得た3秒のボーナスが生き、総合リードを広げることに成功している。

マイヨジョーヌを守ったシュテファン・キュング。総合タイム差を広げることに成功している Photo: YSP

 NIPPO・ヴィーニファンティーニ・ヨーロッパオヴィーニのメンバーとして出場する日本勢2選手は、伊藤雅和がトップから2分2秒差の120位、初山翔が7分27秒差の129位でステージを終えている。

 11日に行われる第3ステージは、オーバーシュタンムハイムからガンジンゲンまでの182.8km。終始細かなアップダウンが続くが、戦いが本格化するのはガンジンゲンのサーキットに入ってからとなりそう。1周29.9kmの中に3級山岳が2カ所含まれ、最終局面もフィニッシュに向かって上り基調。第2ステージに続き、アップダウンやスピードの変化への対応が必要となる1日となる。

第2ステージ結果
1 ペテル・サガン(スロバキア、ボーラ・ハンスグローエ) 3時間50分9秒
2 フェルナンド・ガビリア(コロンビア、クイックステップフロアーズ) +0秒
3 ネイサン・ハース(オーストラリア、カチューシャ・アルペシン)
4 マイケル・マシューズ(オーストラリア、チーム サンウェブ)
5 マーク・パデュン(ウクライナ、バーレーン・メリダ)
6 エンリーコ・ガスパロット(イタリア、バーレーン・メリダ)
7 エンリーコ・バッタリーン(イタリア、ロットNL・ユンボ)
8 グレッグ・ヴァンアーヴェルマート(ベルギー、BMCレーシングチーム)
9 アルテュール・ヴィショ(フランス、グルパマ・エフデジ)
10 ステフェン・クライスヴァイク(オランダ、ロットNL・ユンボ)
120 伊藤雅和(日本、NIPPO・ヴィーニファンティーニ・ヨーロッパオヴィーニ) +2分2秒
129 初山翔(日本、NIPPO・ヴィーニファンティーニ・ヨーロッパオヴィーニ) +7分27秒

個人総合時間賞
1 シュテファン・キュング(スイス、BMCレーシングチーム) 4時間10分24秒
2 グレッグ・ヴァンアーヴェルマート(ベルギー、BMCレーシングチーム) +3秒
3 リッチー・ポート(オーストラリア、BMCレーシングチーム)
4 ティージェイ・ヴァンガーデレン(アメリカ、BMCレーシングチーム)
5 ペテル・サガン(スロバキア、ボーラ・ハンスグローエ) +20秒
6 マイケル・マシューズ(オーストラリア、チーム サンウェブ) +23秒
7 ウィルコ・ケルデルマン(オランダ、チーム サンウェブ)
8 サム・オーメン(オランダ、チーム サンウェブ)
9 サイモン・ゲランス(オーストラリア、BMCレーシングチーム) +28秒
10 グレゴール・ミュールベルガー(オーストリア、ボーラ・ハンスグローエ) +30秒
106 伊藤雅和(日本、NIPPO・ヴィーニファンティーニ・ヨーロッパオヴィーニ) +4分6秒
129 初山翔(日本、NIPPO・ヴィーニファンティーニ・ヨーロッパオヴィーニ) +10分10秒

ポイント賞
1 カルヴィン・ワトソン(オーストラリア、アクアブルースポート) 13pts
2 ペテル・サガン(スロバキア、ボーラ・ハンスグローエ) 12pts
3 フェルナンド・ガビリア(コロンビア、クイックステップフロアーズ) 8pts

山岳賞
1 フィリッポ・ザッカンティ(イタリア、NIPPO・ヴィーニファンティーニ・ヨーロッパオヴィーニ) 9pts
2 ペリグ・ケメヌール(フランス、ディレクトエネルジー) 6pts
3 ダニエル・オス(イタリア、ボーラ・ハンスグローエ) 3pts

新人賞
1 サム・オーメン(オランダ、チーム サンウェブ) 4時間10分47秒
2 グレゴール・ミュールベルガー(オーストリア、ボーラ・ハンスグローエ) +7秒
3 エンリク・マス(スペイン、クイックステップフロアーズ)

チーム総合
1 BMCレーシングチーム 11時間50分45秒
2 チーム サンウェブ +20秒
3 クイックステップフロアーズ +27秒

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