愛知県内の旧庁舎新城市役所内を疾走、最初で最後の「シンシロクロス」に大歓声が響いた1日【動画追加】

by 澤野健太 / Kenta SAWANO
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 この夏に解体が予定されている、愛知県新城市の市役所旧庁舎を舞台にしたショーレース「Shinshiro X(シンシロクロス)」が6月10日に開催された。一般4カテゴリー、キッズクラス3クラスに東海地方をはじめ全国から約100人が参加し、最初で最後の貴重なレースを楽しみ尽くした。

シンシロクロス最後のエキシビションレースでは観客も一体となってレースを盛り上げ、楽しんだ Photo: Kenta SAWANO

 本来走ることのできない市役所内を走る爽快感、最初で最後の貴重な場所を自転車で走る体験を求めて、「シンシロクロス」の舞台、新城市役所旧庁舎には、朝から多くのサイクリストが集まった。本来は市役所が休みの日曜日だが、駐車場が様々なブースであふれ、DJのかけるアップテンポな音楽が流れる。自転車レースに関係のない市民も足を止めて、いったい何が起きているのかと見入っていた。

スチール製の机や棚でコースが見事に仕切られていた Photo: Kikuzo

 市役所内の1階には、これまで使われていた事務机や、スチール製の棚、引き出しなどが、整然と並べられ、その間が一周150mほどのコースになった。マウンテンバイク(MTB)のダウンヒル競技のように、1分ごとにスタートが切られ、窓の外からは観客や家族の大歓声が市役所内にこだました。

スーツのおじさんがダイナミックにコーナーでジャンプ Photo: Kikuzo 

 ヘアピンが何回も繰り返されるサーキットのようなレイアウトのコースを、机や棚ギリギリのライン取りでライダーたちが抜けていく。約150mの終盤には、頭ギリギリの高さのドアをくぐり「会議中」という札のかかった市長室へ。そこを抜けて廊下を曲がると、「新城市役所」と書かれた正面玄関の階段を下り、ゴールに飛び込んだ。

会計課の前の廊下を通って、「サメ」がゴールへ。仮装ライダーも盛り上げた Photo: Kenta SAWANO 
ピンクのスーツの市職員(?)も疾走 Photo: Kenta SAWANO

 シクロクロス競技のように男子はカテゴリーがC4からトップカテゴリーのC1まで4カテゴリーで争われたほか、レディースクラスや小学生クラス、さらには未就学キッズバイクレースまで行われ、子供から大人まで、家族で各クラスに出て応援しあう姿が見られた。

市民課の前をお父さんと一緒。キッズクラスは家族同伴で楽しめた Photo: Kenta SAWANO

 今回の企画は自転車をはじめ、スポーツツーリズムの推進に力を入れてきた、新城市と、自転車の盛んな東海地方で、シーンを牽引するCLTの蜂須賀智也さん、DA MONDE(ダモンデ)の山田辰徳さんらが中心となって開催にこぎつけたもの。3年前には廃校内を走るレース「スクールクロス」を実現し、話題を集めていた。

BMXの瀬古遥加選手も参戦し盛り上げた Photo: Kenta SAWANO

 当初は駐車場と市役所内を使った周回コースでのシクロクロスレースを予定していたが、雨天が予想され、安全性を考慮して、庁舎の1階だけを使い、最後は駐車場にゴールするタイムトライアル方式の採用となった。それがかえって、ショー的要素を増すことになり、窓の外から大歓声が飛び、最後のエキシビションレースでは会場の一部に観客が入り、スチールの机を叩いて応援するなど、市役所全体が一つとなって盛り上がった。

 自転車の選択もシクロクロスバイク、様々なタイプのマウンテンバイクと多岐に渡った。ダウンヒルタイプや、エンデューロ系など、レース内容の変更で、自転車選びの楽しさが加わった形になった。

終盤は「市長室」のクリアの仕方がポイントになった Photo: Kenta SAWANO
最後は市役所玄関の階段を下りて左折しゴール Photo: Kenta SAWANO 
大会に駆け付けた新城市の穂積亮次市長 Photo: Kenta SAWANO

 大会に駆け付けた新城市の穂積亮次市長は「この庁舎の中で何万人もの人が喜怒哀楽を共にしてきました。子供が生まれたり、結婚して届けを出しに来たり、残念ながら死亡届を出しに来たり、色々なドラマが生まれた場所。そんな思い出を少しでも共有してくれたらうれしいです」と話した。

市長室の低い扉をスタッフが丁寧にスポンジで保護 Photo: Kikuzo 
レース中もスタッフが適宜コースを整備 Photo: Kenta SAWANO

 
 昼頃には雨が強くなり、濡れたタイヤで場内が滑りやすくなることも懸念されたが、もともと滑りやすい部分にマットを細かく張り付けたり、コースの危険な部分を適宜修正したり、コーススタッフの細やかな運営が光り、ケガ人もなく終了した。

新城市の穂積亮次市長と出場者全員で記念撮影 Photo: Kikuzo

 主催者の一人、山田さんは「新城市の職員や自転車好きのスタッフのおかげでスクールクロスのように、行っておけば良かった、思うようなイベントになったと思います。次に皆さんが通るときには、ここが更地になっているかもしれませんが、いいイベントだったと思って通ってもらえたらうれしいです」とイベントを締めた。

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