ツール・ド・スイス2018 第1ステージ幕開けのチームTTはBMCが圧勝 地元期待のキュングが最初のリーダージャージ着用者に

by 福光俊介 / Syunsuke FUKUMITSU
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 ツール・ド・フランス前哨戦の1つ、ツール・ド・スイス(UCIワールドツアー)が6月9日に同地で開幕した。大会初日に行われた第1ステージは18.3kmのチームタイムトライアルが行われ、BMCレーシングチームが後続に20秒以上のリードを奪って快勝。個人総合時間賞首位のマイヨジョーヌは、チーム内トップでフィニッシュラインを通過したシュテファン・キュング(スイス)の手にわたり、今大会最初のリーダージャージ着用者となっている。

ツール・ド・スイス第1ステージ、チームタイムトライアルを制したBMCレーシングチーム Photo: YSP

スイスアルプスをめぐる9ステージ

 ツール・ド・スイスは伝統的に、アルプス山脈に面した同国の山岳地帯をめぐるルート設定がなされている。例年、完全フラットなステージは皆無に等しく、大小さまざまなアップダウンを乗り越えながらフィニッシュラインを目指す。急峻なスイスアルプスが舞台となる上級山岳ステージや、個人タイムトライアルなど、バランスのよいステージ編成となっていることもあり、総合系ライダーが多く集まる大会でもある。そして何より、同時期に隣国フランスで開催されているクリテリウム・ドゥ・ドーフィネとならび、翌月に迫ったツール・ド・フランスの前哨戦としても名高い。

 今年は同国北部の都市・フラウエンフェルトで開幕し、南北を行き来しながら第7ステージまでを進行。大会終盤の第8、第9ステージは南部のベッリンツォーナで走ってフィナーレを迎える。大会中盤に控える2度の山頂フィニッシュが総合成績を左右すると予想される。

スイスの雄大な自然の中をレースが進んでいく Photo: YSP

スポンサーの期待に応える好走

 大会の始まりを告げる第1ステージは、18.3kmのチームタイムトライアル。スタートから中盤にかけては上り基調。急坂区間もあり、決して簡単にクリアできる上りとはいえない。その後下ったのち、しばしの平坦路を進んでフィニッシュを迎える。各チーム7選手が出場しているが、この種目はチーム内で4番目にフィニッシュした選手のタイムが有効となる。

ペテル・サガン(先頭)擁するボーラ・ハンスグローエはステージ4位 Photo: YSP

 1番出走のNIPPO・ヴィーニファンティーニ・ヨーロッパオヴィーニを皮切りに、出場21チームが5分おきにスタートする。まず基準となるタイムをマークしたのがクイックステップフロアーズ。出場チーム中最初の21分切りとなる、20分45秒07でフィニッシュ。これを機に、21分前後でフィニッシュするチームが続々と現れ、ペテル・サガン(スロバキア)擁するボーラ・ハンスグローエも、クイックステップフロアーズとほぼ同タイムでゴールするが、100分の58秒差で惜しくも暫定トップとはならなかった。

 しばらくトップに君臨したクイックステップフロアーズのタイムだったが、これを上回って均衡を破ったのがチーム サンウェブ。早々に4人に絞られたものの、ハイペースを維持。8.1km地点に設けられた中間計測ポイントでトップに立つと、そのままの勢いで後半も駆け抜けた。フィニッシュタイムは20分37秒97。クイックステップフロアーズを約7秒上回ってみせた。

圧倒的なタイムでステージ優勝を果たしたBMCレーシングチーム Photo: YSP

 だが、ここまでの流れを変えるかのごとく、桁違いのスピードを見せつけたのが20番出走のBMCレーシングチームだった。中間計測ポイントでチーム サンウェブのタイムを6秒更新すると、さらにペースを上げてフィニッシュへとやってきた。タイムは20分18秒36。ここまでのタイムを20秒更新する圧倒的な一番時計をマーク。続いて出走したカチューシャ・アルペシンがこれを上回れず、BMCレーシングチームのステージ優勝が決定した。

 BMCレーシングチームにとっては、メインスポンサーのBMC社のお膝元でのレースとあってベストメンバーで今大会に乗り込んだが、狙い通りチーム力を発揮して勝利を挙げた。さらには、地元期待のキュングがチーム内トップでフィニッシュラインを通過したことから、今大会最初のマイヨジョーヌ着用者に。レース後のポディウムでは自国ファンからの喝采を浴びた。

 キュングのほか、総合成績に期待がかかるリッチー・ポート(オーストリア)、ティージェイ・ヴァンガーデレン(アメリカ)、ステージ優勝争いに名乗りを挙げるグレッグ・ヴァンアーヴェルマート(ベルギー)がチーム内上位4人となっており、これからの戦いに向けて最高のスタートを切ったといえそうだ。

大会最初のマイヨジョーヌ着用者はスイス期待のシュテファン・キュング Photo: YSP

 2位以下は、チーム サンウェブ、クイックステップフロアーズ、ボーラ・ハンスグローエと続き、伊藤雅和と初山翔がメンバー入りしたNIPPO・ヴィーニファンティーニ・ヨーロッパオヴィーニは、21位でステージを終えている。なお、伊藤はチーム内2番手でフィニッシュラインを通過している。

 10日に行われる第2ステージは、フラウエンフェルトの周回コースを走る155km。1周39kmをおおよそ4周回するが、毎周回中盤に3級山岳ポイントが設けられるほか、全体的に上りの比重が高いコースとなっている。山岳ステージにはカテゴライズされておらず、人数が絞られた中でのスプリントのほか、逃げ切りなどもレース展開としては大いに考えられる。今大会最初のロードレースステージは、選手・チームの思惑が垣間見える興味深い1日となりそうだ。

第1ステージ結果
1 BMCレーシングチーム 20分18秒
2 チーム サンウェブ +20秒
3 クイックステップフロアーズ +27秒
4 ボーラ・ハンスグローエ
5 ミッチェルトン・スコット +29秒
6 モビスター チーム +33秒
7 バーレーン・メリダ +36秒
8 グルパマ・エフデジ +45秒
9 カチューシャ・アルペシン +46秒
10 UAEチーム・エミレーツ +50秒

個人総合時間賞
1 シュテファン・キュング(スイス、BMCレーシングチーム) 20分18秒
2 リッチー・ポート(オーストラリア、BMCレーシングチーム)
3 グレッグ・ヴァンアーヴェルマート(ベルギー、BMCレーシングチーム)
4 ティージェイ・ヴァンガーデレン(アメリカ、BMCレーシングチーム)
5 ウィルコ・ケルデルマン(オランダ、チーム サンウェブ) +20秒
6 サム・オーメン(オランダ、チーム サンウェブ)
7 ソーレン・クラークアンデルセン(デンマーク、チーム サンウェブ)
8 マイケル・マシューズ(オーストラリア、チーム サンウェブ)
9 サイモン・ゲランス(オーストラリア、BMCレーシングチーム) +25秒
10 フィリップ・ジルベール(ベルギー、クイックステップフロアーズ) +27秒
113 伊藤雅和(日本、NIPPO・ヴィーニファンティーニ・ヨーロッパオヴィーニ) +2分1秒
123 初山翔(日本、NIPPO・ヴィーニファンティーニ・ヨーロッパオヴィーニ) +2分40秒

新人賞
1 シュテファン・キュング(スイス、BMCレーシングチーム) 20分18秒
2 サム・オーメン(オランダ、チーム サンウェブ) +20秒
3 ソーレン・クラークアンデルセン(デンマーク、チーム サンウェブ)

チーム総合
1 BMCレーシングチーム 20分18秒
2 チーム サンウェブ +20秒
3 クイックステップフロアーズ +27秒

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