クリテリウム・ドゥ・ドーフィネ2018 第6ステージ獲得標高4000mのショート山岳ステージをビルバオが逃げ切り勝利 トーマスは総合リード拡大

by あきさねゆう / Yuu AKISANE
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 クリテリウム・ドゥ・ドーフィネは6月9日、第6ステージがフロントゥネからラ・ロジエール・エスパス・サン・ベルナールまでの110kmで争われ、序盤から逃げに乗っていたペリョ・ビルバオ(スペイン、アスタナプロチーム)がステージ優勝を飾った。総合リーダージャージを着用するゲラント・トーマス(イギリス、チーム スカイ)は、ラスト1km地点からアタックを決めて、ライバルたちに差をつけてフィニッシュ。総合リードを拡大し、首位を堅守した。

逃げに乗ったペリョ・ビルバオ(スペイン、アスタナプロチーム)がステージ優勝 Photo: YSP

上りと下りしかない厳しいステージ

 第6ステージは、最近のトレンドの一つであるレース距離100km程度のショート山岳ステージとなっている。27.5km地点に超級山岳モンテ・デ・ビザンヌ(登坂距離12.4km・平均勾配8.1%)、59.5km地点に超級山岳プレ峠(登坂距離12.6km・平均勾配7.6%)、72km地点に2級山岳コルメ・ド・ロザラン(登坂距離5.7km・平均勾配6.4%)、フィニッシュ地点は1級山岳ラ・ロジエール(登坂距離17.6km・平均勾配5.8%)が配置され、レース距離110kmのうち実に44%がカテゴリー山岳の上り区間となっており、獲得標高は4000mを越える。

山岳のアップダウンがひたすら続いた第6ステージ Photo: YSP

 レース開始直後から大勢の選手が逃げを試みたため、ハイペースで進行した。徐々に集団から抜け出す選手が現れはじめて、超級山岳モンテ・デ・ビザンヌのふもとにたどりつく頃には27人の逃げ集団が形成されていた。

 ビルバオ、山岳賞ジャージを着るダリオ・カタルド(イタリア、アスタナプロチーム)、ヴァレリオ・コンティ(イタリア、UAEチーム・エミレーツ)、アクセル・ドモン(フランス、アージェードゥーゼール ラモンディアル)、トマス・デヘント(ベルギー、ロット・スーダル)、イアン・ボズウェル(アメリカ、カチューシャ・アルペシン)、ワレン・バルギル(フランス、フォルテュネオ・サムシック)ら、逃げや山に強いメンバーがそろった。

 チーム スカイ、バーレーン・メリダ、チーム サンウェブ以外のチームは逃げにメンバーを送っていた状態。逃げ集団は山岳賞のカタルドが積極的にけん引し、山頂を1位で通過。スカイがコントロールするメイン集団との差は2分以上に広がっていた。

アージェードゥーゼールが猛攻開始

 短い山岳ステージは休む間もなく、逃げ集団、メイン集団ともにダウンヒルを経て、続く2つ目の超級山岳プレ峠に到達した。

 上りに入って、アージェードゥーゼールがメイン集団のペースアップを開始すると、集団から続々と選手が脱落した。なかにはバーレーン・メリダのエースであるヴィンチェンツォ・ニバリ(イタリア)、大会前半にはリーダージャージを着用したチーム スカイのミカル・クウィアトコウスキー(ポーランド)やジャンニ・モスコン(イタリア)といった有力選手も含まれていた。

アージェードゥーゼール勢がメイン集団の先頭に立つ Photo: YSP

 アージェードゥーゼールは攻撃の手を緩めることなく、トニー・ガロパン(フランス)、逃げ集団から降りてきたドモンやピエール・ラトゥール(フランス)がけん引を行い、ペースアップを継続。気がつけばメイン集団は一時16人まで人数を減らしていた。

 ペースの上がったメイン集団に追いつかれまいと、逃げ集団もスピードアップすると、こちらも脱落する選手が続出。ビルバオ、カタルド、ボズウェル、バルギルといったクライマー系の選手を中心に10人程度まで人数を減らしていた。

 山頂は引き続きカタルドが先頭通過を果たし、この日だけで山岳ポイントを大量30ポイント獲得に成功した。任務完了とばかりに、カタルドは逃げ集団から引き上げていった。

人数が絞られた逃げ集団 Photo: YSP

 逃げとメイン集団とのタイム差は1分程度まで縮まってきた。続く2級山岳コルメ・ド・ロザランの上りに入ると、ラトゥールがメイン集団から飛び出した。しばらく独走した後、逃げ集団へのブリッジに成功する。

 スカイはリーダージャージを着るトーマスの山岳アシストとして、一時遅れていたヨナタン・カストロビエホ(スペイン)がメイン集団に戻ってきて、先頭でペースを作っていた。

 山頂を越え、長い下り区間に突入すると、メイン集団からアージェードゥーゼールのエース ロマン・バルデ(フランス)がアタック。得意のダウンヒルを生かしてメイン集団から20秒近いリードを築いた。しかし、追走を担うカストロビエホのけん引は強力で、バルデとの差を徐々に詰めていく。集団を引き離すのは難しいと判断したバルデはペースを緩め、最後の上りに入る前に集団に戻った。

 先頭の逃げ集団は、ブリッジしてきたラトゥールを含めて9人になっており、メイン集団に40秒ほどのリードを持って、最後の1級山岳ラ・ロジエールに到達した。

ビルバオが独走に持ち込む

 残り12.5km地点、先頭集団からラトゥールがアタックを仕掛けたものの、独走に持ち込むことはできない。残り10km地点で再度ラトゥールがアタックすると、ボズウェルのみが反応した。ボズウェルはさらに加速しながら、ラトゥールを追い越していく。

 しばしボズウェルの独走は続いたが、後ろからペースを刻んでいたビルバオが追いついた。フィニッシュまで残り8kmを切ったところで、ビルバオは勢いそのままにボズウェルを突き放して、独走に持ち込んだ。

 一方でメイン集団では残り10km付近で、総合10位のエマヌエル・ブッフマン(ドイツ、ボーラ・ハンスグローエ)が飛び出した。

調子の上がらないニバリは大きく遅れた Photo: YSP

 スカイはカストロビエホが仕事を終えて、代わってタオ・ゲオゲガンハート(イギリス)が先頭でけん引開始。前日のステージに引き続き強烈なペースメイクを見せており、総合4位のジュリアン・アラフィリップ(フランス、クイックステップフロアーズ)、総合2位のダミアーノ・カルーゾ(イタリア、BMCレーシングチーム)といった総合上位の選手が遅れを喫していった。

 集団が人数を減らしていくなか、前日にステージ優勝を飾ったダニエル・マーティン(アイルランド、UAEチーム・エミレーツ)が積極的にアタックを仕掛けた。ブッフマンと合流してメイン集団を引き離しにかかる。

 残り7km地点、メイン集団から今度はアダム・イェーツ(イギリス、ミッチェルトン・スコット)がアタック。トーマスとバルデのみが反応できた。

 トーマスら3人は、先行していたブッフマンとマーティンに合流するも、ブッフマンはトーマスたちのペースについていけずに遅れてしまう。

 先頭で逃げるビルバオから15秒ほど遅れてトーマス、バルデ、マーティン、イェーツという状況となった。

ビルバオがワールドツアー初勝利

 残り3.5km地点で、トーマスグループからマーティンがアタック。しかし、マーティンの動きは警戒されており、トーマスたちを引き離すことはできない。4人が互いにけん制状態に陥ると、先頭で逃げるビルバオとのタイム差が開き始めた。

 残り1kmのゲートをくぐる頃には、後続とのタイム差が25秒まで開いていた。ビルバオはそのままペースを落とさず、独走でフィニッシュ。キャリア初となるワールドツアーでの勝利となった。

最後ライバルに差を付けてゴールしたトーマス Photo: YSP

 トーマスグループでは、残り600m付近でトーマス自身がアタックを仕掛けた。息をつく間を与えないほどの猛烈な加速により、バルデたちを一気に引き離すとあっという間にフィニッシュラインに到達。ステージ2位のボーナスタイムも獲得し、難関ステージで総合リードをさらに拡大する結果となった。

 ステージ優勝のビルバオは「前日はバッドデーでタイムを失ってしまい残念だった。この日は自分を支えてくれたチームに恩返しすることができて本当に良かった」と喜びのコメント。ジロ・デ・イタリアにも出場していたビルバオ。ツール・ド・フランスにも出場するか?と聞かれると「いやいやいや!ホリデー(休み)が欲しいよ!」と語っていた。

 マイヨジョーヌを堅守したトーマスは「最後の上りでは、ゲオゲガンハートとカストロビエホは本当に素晴らしい仕事をしていて、私たちは常に集団をコントロールすることができた。ペースをコントロールし、体調も良かったけれども、調子に乗りすぎてはいけない。フィニッシュまでの距離を少なく見積もってアタックした結果、途中で力尽きてタイムを失うような真似はしたくなかったんだ。明日はもっと激しい一日になる。今日はボーナスタイムを獲得できてよかった」とコメントしている。

ワールドツアー初優勝を飾ったビルバオ Photo: YSP

 最終第7ステージは、1級山岳が4つ、3級山岳が1つ登場する135.8kmのコースだ。この日に負けず劣らず上りと下りしかない非常に厳しいステージとなっている。総合では1分以上のリードを持つトーマスに対して、ライバルチームがどう仕掛けるか注目したいところだ。

第6ステージ結果
1 ペリョ・ビルバオ(スペイン、アスタナ プロチーム) 3時間34分11秒
2 ゲラント・トーマス(イギリス、チーム スカイ) +21秒
3 ダニエル・マーティン(アイルランド、UAEチーム・エミレーツ) +23秒
4 ロマン・バルデ(フランス、アージェードゥーゼール ラモンディアール)
5 アダム・イェーツ(イギリス、ミッチェルトン・スコット) +26秒
6 エマヌエル・ブッフマン(ドイツ、ボーラ・ハンスグローエ) +1分2秒
7 イルヌール・ザカリン(ロシア、カチューシャ・アルペシン) +1分20秒
8 ピエール・ラトゥール(フランス、アージェードゥーゼール ラモンディアール) +1分40秒
9 タオ・ゲオゲガンハート(イギリス、チーム スカイ) +1分45秒
10 ヴァレリオ・コンティ(イタリア、UAEチーム・エミレーツ)
127 新城幸也(日本、バーレーン・メリダ) +31分40秒

個人総合時間賞
1 ゲラント・トーマス(イギリス、チーム スカイ) 20時間51分19秒
2 アダム・イェーツ(イギリス、ミッチェルトン・スコット) +1分29秒
3 ロマン・バルデ(フランス、アージェードゥーゼール ラモンディアール) +2分1秒
4 ダニエル・マーティン(アイルランド、UAEチーム・エミレーツ) +2分30秒
5 ダミアーノ・カルーゾ(イタリア、BMCレーシングチーム) +2分39秒
6 エマヌエル・ブッフマン(ドイツ、ボーラ・ハンスグローエ) +3分10秒
7 イルヌール・ザカリン(ロシア、カチューシャ・アルペシン) +3分29秒
8 マルク・ソレル(スペイン、モビスター チーム) +3分40秒
9 ピエール・ラトゥール(フランス、アージェードゥーゼール ラモンディアール) +3分49秒
10 ピエール・ロラン(フランス、EFエデュケーションファースト・ドラパック) +4分0秒
102 新城幸也(日本、バーレーン・メリダ) +1時間13分21秒

ポイント賞
1 ダリル・インピー(南アフリカ、ミッチェルトン・スコット) 45 pts
2 パスカル・アッカーマン(ドイツ、ボーラ・ハンスグローエ) 45 pts
3 ダニエル・マーティン(アイルランド、UAEチーム・エミレーツ) 37 pts

山岳賞
1 ダリオ・カタルド(イタリア、アスタナ プロチーム) 53 pts
2 ペリョ・ビルバオ(スペイン、アスタナ プロチーム) 37 pts
3 ワレン・バルギル(フランス、フォルテュネオ・サムシック) 25 pts

新人賞
1 マルク・ソレル(スペイン、モビスター チーム) 20時間54分59秒
2 ピエール・ラトゥール(フランス、アージェードゥーゼール ラモンディアール) +9秒
3 ティシュ・ベノート (ベルギー、ロット・スーダル) +1分7秒

チーム総合
1 チーム スカイ 61時間35分39秒
2 UAEチーム・エミレーツ +7分42秒
3 アージェードゥーゼール ラモンディアール +8分53秒

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