クリテリウム・ドゥ・ドーフィネ2018 第4ステージ山頂フィニッシュ4連戦の初日はアラフィリップが快勝 マイヨジョーヌはモスコンの手へ

by 福光俊介 / Syunsuke FUKUMITSU
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 フランスで開催されているステージレース「クリテリウム・ドゥ・ドーフィネ」は6月7日に第4ステージが行われ、今大会最初の山岳頂上フィニッシュは、4選手による争いとなり、ジュリアン・アラフィリップ(フランス、クイックステップフロアーズ)がステージ優勝。個人総合首位のマイヨジョーヌは、この日9位となったジャンニ・モスコン(イタリア、チーム スカイ)のもとへチーム内移動している。

クリテリウム・ドゥ・ドーフィネ2018第4ステージを制し、ポディウムで笑顔を見せるジュリアン・アラフィリップ Photo: YSP

時速50kmを超えるハイペースで進行したレース前半

 大会は後半戦へ。ここから最終・第7ステージまでの4日間は、いずれも山頂フィニッシュ。マイヨジョーヌを懸けた争いもステージを追うごとに激しさを増していくことになる。

 山頂決戦4連戦の初日は、シャゼ=シュル=アンを出発し、アルプス山脈のおおよそ西端にあたるラン=アン=ヴェルコールを目指す181km。中盤に4級の上りをこなしたのち、超級山岳コル・デュ・モン・ノワールへ。その後しばし緩やかな上り基調を進み、最後はラン=アン=ヴェルコールの頂上へ。2級山岳にあたるフィニッシュまでの上りは、登坂距離4.8kmで平均勾配7.5%。フィニッシュ前約3kmで最大勾配10.4%となり、最後の800mも8%近い勾配が控える。

レースを進めるプロトン。前半からハイペースの展開となった Photo: YSP

 前日のチームタイムトライアルで総合成績に変動があったことも関係してか、この日は序盤から逃げを狙ってアタックを仕掛ける選手が続出。集団も簡単には彼らの動きを容認はせず、最初の1時間は時速52.1kmとハイペースで進行する。

 しばらくして14選手が集団から抜け出すと、その中にマイヨジョーヌでスタートしたミカル・クウィアトコウスキー(ポーランド、チーム スカイ)もジョイン。これを受けて徐々に他の有力選手たちも合流し、33選手による先頭集団が形成された。

 出入りが激しいレース前半だったが、スタートから70kmを過ぎてようやく4選手による逃げが決まる。それからも追走を狙った動きが繰り返されたが、8人がレースを先行する形で落ち着きを見せる。メイン集団はリーダーチームのチーム スカイが統率し、前を行く選手たちとのタイム差を調整した。

 超級山岳コル・デュ・モン・ノワールの上りに入ると、逃げグループでも変化が起き始める。頂上が近づいてきたところで、ダリオ・カタルド(イタリア、アスタナ プロチーム)が飛び出すと、後続との差を広げながら山岳ポイントをトップ通過。15点を獲得し、この時点で山岳賞争いで首位に立つ。カタルドは下りでもリードを広げ、独走態勢へと持ち込んだ。

アラフィリップが圧倒的な上りスプリント

 メイン集団はチーム スカイやアージェードゥーゼール ラモンディアルが交代でコントロールを担い、残り距離を減らしていく。カタルドが長く先頭を走る続ける一方で、他の逃げメンバーはフィニッシュまで残り15kmを切ったタイミングでメイン集団に吸収される。その直後にニコラ・エデ(フランス、コフィディス ソリュシオンクレディ)がアタックするが、集団は無理に追う素振りは見せず、徐々にペースアップしていく構えで進行する。

 残り10kmで約2分だったカタルドと集団との差は、残り5kmからのチーム スカイによるペースアップにより劇的に縮小。集団も人数を減らしながら、勝負に向けて有力選手たちが前方へ顔を見せ始める。残り1.3kmでギヨーム・マルタン(フランス、ワンティ・グループゴベール)が、残り1kmでピエール・ラトゥール(フランス、アージェードゥーゼール ラモンディアール)がペースアップを図ったことで、集団は一気に活性化した。

残り500mでアタックしたダニエル・マーティンを先頭にステージ優勝争いへと移っていく Photo: YSP

 残り500mではダニエル・マーティン(アイルランド、UAEチーム・エミレーツ)がアタック。これにアラフィリップ、ゲラント・トーマス(イギリス、チーム スカイ)、ロマン・バルデ(フランス、アージェードゥーゼール ラモンディアル)が反応。かたや、マイヨジョーヌのクウィアトコウスキーはじりじりとポジションを下げ、ステージ優勝争いから遅れ始めた。

 先頭で粘りに粘ったカタルドだったが、残り300mでアラフィリップらにパスされる。ステージ優勝争いはいよいよ4人に絞られた。

最終盤のジュリアン・アラフィリップの走り。残り100mからのスプリントでステージ優勝を挙げた Photo: YSP

 マーティンが先頭を引きながらの最終局面。そのままスピードアップし始めるが、この動きに難なく合わせたのがアラフィリップ。ライバルの様子をうかがいながら、残り100mで満を持してスプリントを開始。ライバルからは一段階上をゆく急坂での加速。最後は他の3人をまったく寄せ付けず、フィニッシュライン手前で余裕のウイニングポーズ。フランス期待のプリンスが、山頂フィニッシュ4連戦の初日を飾った。

 レース後のインタビューでアラフィリップは、「とても激しい勝負となるドーフィネで勝つことができとてもうれしい」と喜びのコメント。このステージを終えて個人総合4位につけるが、総合成績については同6位のボブ・ユンゲルス(ルクセンブルク)に託したいとし、「厳しい山岳が続く最終ステージまでボブを支えたい」と残るステージへのビジョンを語った。

総合有力勢ではニバリが32秒差の区間26位と、ライバルから遅れてしまうステージに。ゴール後は渋い表情 Photo: YSP

 なお、2位以下はマーティン、トーマス、バルデと続き、クウィアトコウスキーはアラフィリップ17秒差の19位でフィニッシュ。マイヨジョーヌは、このステージ9位で終えたチームメートのモスコンに譲っている。

 これにより、モスコンは新人賞のマイヨブランと合わせて2枚のリーダージャージを獲得。レース後のインタビューでは、「自分が総合争いにおいて上位進出できるかは分からない。あくまでもクウィアトコウスキーとトーマスの総合成績をサポートするのが私の役割。今日のステージを見る限り、トーマスが個人総合優勝に近いように思う」と述べ、自身がマイヨジョーヌを着用しても当初の役割から変化がないことを強調している。

 次の第5ステージでは、モスコンがマイヨジョーヌを着用し、マイヨブランは新人賞争い2位のティシュ・ベノート (ベルギー、ロット・スーダル)が繰り上げで着ることになる。

第4ステージを終えて個人総合首位に立ったジャンニ・モスコン。マイヨジョーヌに袖を通した Photo: YSP

 日本人選手として唯一参戦している新城幸也(バーレーン・メリダ)は、20分56秒差の131位でステージを終えている。個人総合では110位とし、次のステージへと駒を進めている。

 8日に行われる第5ステージは、グルノーブルからヴァルモレルまでの130km。序盤に2カ所の2級山岳を通過するが、このステージのすべては超級山岳ヴァルモレル頂上フィニッシュに集約される。その上りは12kmで平均勾配7%。勾配の細かな変化が少ないものの、その分どこで仕掛けるか、各選手の勝負勘が問われそうだ。総合争いに変動があるかも見ものとなる。

第4ステージ結果
1 ジュリアン・アラフィリップ(フランス、クイックステップフロアーズ) 4時間26分58秒
2 ダニエル・マーティン(アイルランド、UAEチーム・エミレーツ) +0秒
3 ゲラント・トーマス(イギリス、チーム スカイ)
4 ロマン・バルデ(フランス、アージェードゥーゼール ラモンディアール)
5 ピエール・ラトゥール(フランス、アージェードゥーゼール ラモンディアール) +5秒
6 アダム・イェーツ(イギリス、ミッチェルトン・スコット)
7 エマヌエル・ブッフマン(ドイツ、ボーラ・ハンスグローエ)
8 ギヨーム・マルタン(フランス、ワンティ・グループゴベール) +8秒
9 ジャンニ・モスコン(イタリア、チーム スカイ)
10 ティシュ・ベノート (ベルギー、ロット・スーダル)
131 新城幸也(日本、バーレーン・メリダ) +20分56秒

個人総合時間賞
1 ジャンニ・モスコン(イタリア、チーム スカイ) 13時間55分30秒
2 ミカル・クウィアトコウスキー(ポーランド、チーム スカイ) +6秒
3 ゲラント・トーマス(イギリス、チーム スカイ)
4 ジュリアン・アラフィリップ(フランス、クイックステップフロアーズ) +48秒
5 ダミアーノ・カルーゾ(イタリア、BMCレーシングチーム) +49秒
6 ボブ・ユンゲルス(ルクセンブルク、クイックステップフロアーズ) +1分5秒
7 アダム・イェーツ(イギリス、ミッチェルトン・スコット) +1分11秒
8 ティシュ・ベノート (ベルギー、ロット・スーダル) +1分13秒
9 ロマン・バルデ(フランス、アージェードゥーゼール ラモンディアール) +1分41秒
10 マルク・ソレル(スペイン、モビスター チーム) +1分48秒
110 新城幸也(日本、バーレーン・メリダ) +30分12秒

ポイント賞
1 ダリル・インピー(南アフリカ、ミッチェルトン・スコット) 45 pts
2 パスカル・アッカーマン(ドイツ、ボーラ・ハンスグローエ) 45 pts
3 ジュリアン・アラフィリップ(フランス、クイックステップフロアーズ) 37 pts

山岳賞
1 ダリオ・カタルド(イタリア、アスタナ プロチーム) 15 pts
2 サイモン・クラーク(オーストラリア、EFエデュケーションファースト・ドラパック) 12 pts
3 オドクリスティアン・エイキング(ノルウェー、ワンティ・グループゴベール) 10 pts

新人賞
1 ジャンニ・モスコン(イタリア、チーム スカイ) 13時間55分30秒
2 ティシュ・ベノート (ベルギー、ロット・スーダル) +1分13秒
3 マルク・ソレル(スペイン、モビスター チーム) +1分48秒

チーム総合
1 チーム スカイ 40時間33分28秒
2 アスタナ プロチーム +3分55秒
3 クイックステップフロアーズ +6分33秒

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