クリテリウム・ドゥ・ドーフィネ2018 第2ステージアッカーマンが伸びのあるスプリントで優勝 クウィアトコウスキーが落車、首位はインピーに

by 平井久美子 / Kumiko HIRAI
  • 一覧

 クリテリウム・ドゥ・ドーフィネは6月5日、第2ステージが行われ、スプリント争いを制したパスカル・アッカーマン(ドイツ、ボーラ・ハンスグローエ)が優勝した。個人総合トップのミカル・クウィアトコウスキー(ポーランド、チーム スカイ)はゴール前1km付近で落車。ゴールまで3km以内に取られる救済措置によりタイム差は付かなかったが、総合2位のダリル・インピー(南アフリカ、ミッチェルトン・スコット)が3位に入りボーナスタイムを獲得。個人総合トップはインピーに移動した。

第2ステージのゴールスプリントを制したパスカル・アッカーマン(ドイツ、ボーラ・ハンスグローエ) Photo: YSP

スプリンターのラストチャンス

 第2ステージは、前半は細かいアップダウンが続き、折り返しに差し掛かろうとする87km以降に5つのカテゴリー山岳が詰め込まれている。ただ、カテゴリーは3級と4級のみで、151km地点の3級山岳を終えると下り基調。最終盤に若干上るものの、スプリンターにも十分チャンスのあるコースだ。
第3ステージはチームタイムトライアル、第4ステージ以降は厳しい山岳コースということを考えると、スプリンターにとってラストチャンスのステージともいえる。

 レース序盤に逃げたのは4人。ニキータ・スタルノフ(カザフスタン、アスタナ プロチーム) 、アントワーヌ・デュシェーヌ(カナダ、グルパマエフデジ)、ピエールリュック・ペリション(フランス、チーム フォルテュネオ・サムシック)、フレデリック・バカールト (ベルギー、ワンティ・グループゴペール)で形成された。メイン集団はボーラ・ハンスグローエが牽引。アレクセイ・サラモティンス(ラトビア、ボーラ・ハンスグローエ)やコランタン・エルムノー (フランス、ヴィタルコンセプト サイクリングクラブ)がコントロールする場面もあった。

 スプリント勝負を見越してか、メイン集団はゆったりとレースを展開。タイム差は最大で7分近くまで広がった。

徐々に縮まるタイム差

 レースに動きが出始めたのは最後の山岳に差し掛かろうとする頃。逃げの4人からエルムノーが脱落する。また、この日は天候が落ち着かず雨が降る時間帯もあった。危険回避を考えてか、メイン集団はロット・スーダル、バーレーン・メリダが先頭に出始める。この頃、タイム差は1分30秒程になっていた。

 山頂付近では、メイン集団からアントワン・トルホーク(オランダ、ロットNL・ユンボ)とヘスス・エラダ(スペイン、コフィディス、ソリュシオンクレディ)がアタック、先頭3人、追走2人、メイン集団という構図で下りに突入する。

ポイント賞ジャージを着て走るジュリアン・アラフィリップ(フランス、クイックステップフロアーズ) Photo: YSP

 しかし、この追走は許されない。残り22km地点、追走2人がキャッチされようというところで、トルホークは集団へと後退。同時に、ギヨーム・マルタン(フランス、ワンティ・グループゴペール)とジャンニ・モスコン(イタリア、チーム スカイ)がカウンターアタック。エラダに加え、3人の追走集団となるが、この追走も実らずメイン集団が吸収する。この頃、メイン集団と逃げ集団との差は、30秒を切っていた。また山岳でのペースアップにより、この日のステージでの活躍が期待されたブライアン・コカール(フランス、ヴィタルコンセプト サイクリングクラブ)とマイク・テウニッセン(オランダ、チームサンウェブ)がメイン集団から遅れていた。

 落ち着かない状況で迎えた残り約10km、逃げ集団からデュシェーヌとペリションが遅れ、逃げはスタルノフのみになった。メイン集団の先頭は、インピー擁するミッチェルトン・スコットがペースメイク。ロット・スーダルやチーム スカイ、ボーラ・ハンスグローエなどは隊列を組むものの、ミッチェルトンの脚を削るため前の動きをうかがっている状態だった。

争いはスプリント勝負へ

 逃げ切りを狙い懸命に走るスタルノフ。しかし、残り1kmを切ったところでとうとう捕まり、勝負は最終局面へと向かう。ゴール前は幅の広い道路。残り500地点でトップにいたのは、イエール・ヴァネンデル(ベルギー、ロット・スーダル)だった。そのヴァネンデルがチームメートのイェンス・クークレール(ベルギー)牽引を終え後ろに下がったところで、ゴングが鳴ったように各チームスプリントを開始する。

メイン集団のゴールスプリント争い Photo: YSP

 まず、早いタイミングでパトリック・ベヴィン(ニュージーランド、BMCレーシングチーム)やディオン・スミス(ニュージーランド、ワンティ・グループゴペール)が前方に躍り出る。しかし、左後方から中央へエドヴァルド・ボアッソンハーゲン(ノルウェー、ディメンションデータ)が切り込みトップに浮上。インピーも追いかけるが捕まえることはできず、ボアッソンハーゲンが断然有利な状況となる。しかし、そこに待ったをかけたのがここまで息を潜めていたアッカーマン。後ろから伸びのあるスプリントでボアッソンハーゲンをかわし、スプリント勝負を制した。

 各選手がスプリントを開始した際、アッカーマンは7番手あたりにいた。そこから、オリバー・ナーセン(ベルギー、アージェードゥーゼール ラモンディアール)やジュリアン・シモン(スペイン、コフィディス ソリュシオンクレディ)、ボアッソンハーゲンと他チームの選手の後ろにピタリとついては移動し、スプリントをスタート。ゴール前の鋭い嗅覚とスプリント力で勝利を手にした。

ゴール前1kmで落車してしまった、ミカル・クウィアトコウスキー(ポーランド、チーム スカイ) Photo: YSP

 アッカーマンは24歳のドイツ人。ドイツといえば、エリック・ツァベルやアンドレ・グライペル、マルセル・キッテルなど、これまで名スプリンターを輩出している。アッカーマンがこの一流スプリンターの仲間入りを果たす日も近いだろう。

 落車したクウィアトコフスキー肩に擦過傷を負いながら、76位でフィニッシュ。ゴールまで3kmを切ったところでの落車だったため、救済措置によりタイム差は付かなかった。しかし、ダリル・インピー(南アフリカ、ミッチェルトン・スコット)が3位に入りボーナスタイムを獲得。2秒差でインピーが個人総合トップに躍り出た。

 翌第3ステージは、チームタイムトライアルが行われる。注目はプロローグのタイムトライアルでトップ10に3選手を送り込んだチーム スカイだ。しかし、今回の2大エースともいえるゲラント・トーマス(イギリス、チーム スカイ)が初日プロローグ、クウィアトコフスキーが第2ステージで、それぞれ落車している。落車の影響はわからないが、その中でどのような走りをしてくるか目が離せない。

落車で破れたクウィアトコウスキーのリーダージャージ Photo: YSP

第2ステージ結果
1 パスカル・アッカーマン(ドイツ、ボーラ・ハンスグローエ)4時間19分57秒
2 エドヴァルド・ボアッソンハーゲン(ノルウェー、ディメンションデータ)+0秒
3 ダリル・インピー(南アフリカ、ミッチェルトン・スコット)
4 オリバー・ナーセン(ベルギー、アージェードゥーゼール ラモンディアール)
5 イェンス・クークレール(ベルギー、ロット・スーダル)
6 ジュリアン・シモン (スペイン、コフィディス ソリュシオンクレディ)
7 ディオン・スミス(ニュージーランド、ワンティ・グループゴペール)
8 パトリック・ベヴィン(ニュージーランド、BMCレーシングチーム)
9 トームス・スクインシュ(ラトビア、トレック・セガフレード)
10 ロマン・アルディ(フランス、フォルテュネオ・サムシック)
116 新城幸也(日本、バーレーン・メリダ)+5分22秒

個人総合時間賞
1 ダリル・インピー(南アフリカ、ミッチェルトン・スコット)8時間51分46秒
2 ミカル・クウィアトコウスキー(ポーランド、チーム スカイ)+2秒
3 ジャンニ・モスコン(イタリア、チーム スカイ)+5秒
4 ボブ・ユンゲルス(ルクセンブルク、クイックステップフロアーズ)+9秒
5 ジュリアン・アラフィリップ(フランス、クイックステップフロアーズ)+10秒
6 イェンス・クークレール(ベルギー、ロット・スーダル)+11秒
7 ヨナタン・カストロビエホ(スペイン、チーム スカイ)
8 ブレント・ブックウォルター(アメリカ、BMCレーシングチーム)+13秒
9 エドヴァルド・ボアッソンハーゲン(ノルウェー、ディメンションデータ)+14秒
10 ダミアーノ・カルーゾ(イタリア、BMCレーシングチーム)+17秒
97 新城幸也(日本、バーレーン・メリダ)+1分57秒

ポイント賞
1 ダリル・インピー(南アフリカ、ミッチェルトン・スコット)45 pts
2 ミカル・クウィアトコウスキー(ポーランド、チーム スカイ)45 pts
3 ジュリアン・アラフィリップ(フランス、クイックステップフロアーズ)31 pts

山岳賞
1 ブリース・フェイユー(フランス、フォルテュネオ・サムシック)9 pts
2 ピエールリュック・ペリション(フランス、チーム フォルテュネオ・サムシック)9 pts
3 ニコラ・エデ(フランス、コフィディス ソリュシオンクレディ)8 pts

新人賞
1 ジャンニ・モスコン(イタリア、チーム スカイ)8時間51分51秒
2 ローレンス・デプルス(ベルギー、クイックステップフロアーズ)+12秒
3 マルク・ソレル(スペイン、モビスター チーム)+17秒

チーム総合
1 チーム スカイ 26時間25分36秒
2 ロット・スーダル +17秒
3 BMCレーシングチーム +19秒

この記事のコメント

利用規約順守の上ご投稿ください。

関連記事

この記事のタグ

UCIワールドツアー クリテリウム・ドゥ・ドーフィネ2018

  • 一覧

新着ニュース

もっと見る

ピックアップ

e-BIKE最新特集

スペシャル

自転車協会バナー

ソーシャルランキング

インプレッション

インプレッション一覧へ

連載