クリテリウム・ドゥ・ドーフィネ2018 第1ステージインピーが混戦の集団スプリントを制して優勝 総合首位はクウィアトコウスキーがキープ

by 米山一輝 / Ikki YONEYAMA
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 フランス東部、アルプスに面したドーフィネ地方を舞台にしたUCIワールドツアー「クリテリウム・ドゥ・ドーフィネ」が6月3日に開幕し、4日に行われた第1ステージは集団スプリントをダリル・インピー(南アフリカ、ミッチェルトン・スコット)が制して区間優勝した。個人総合はプロローグで優勝したミカル・クウィアトコウスキー(ポーランド、チーム スカイ)がキープしている。

混戦気味の集団スプリントを、ダリル・インピーが制してステージ優勝 Photo: Yuzuru SUNADA

プロローグはクウィアトコウスキーが最速

 クリテリウム・ドゥ・ドーフィネはツール・ド・フランスの1カ月前に開催され、ツールでも走るフランス・アルプスの山々がコースになることから、長年ツールの前哨戦として親しまれてきた大会。今年で記念すべき第70回の開催を迎えた。

プロローグでトップタイムを出したミカル・クウィアトコウスキー Photo: Yuzuru SUNADA

 8日間のレースにはプロローグの6.6km個人タイムトライアル(TT)、第3ステージに35kmチームTTを含むなど、“ミニ・ツール・ド・フランス”の様相。後半4ステージは全てが山頂フィニッシュになり、ツールに向けて調整してきた総合系ライダーにとっては、現在の調子を知る絶好の機会だ。今年もヴィンチェンツォ・ニバリ(イタリア、バーレーン・メリダ)、ロマン・バルデ(フランス、アージェードゥーゼール ラモンディアール)、ボブ・ユンゲルス(ルクセンブルク、クイックステップフロアーズ)、アダム・イェーツ(イギリス、ミッチェルトン・スコット)といったツールでも注目の選手が出場している。

落車しながらもトップと14秒差というタイムでゴールしたゲラント・トーマス Photo: Yuzuru SUNADA

 3日に行われたプロローグでは、2014年の世界選手権ロード王者、クウィアトコウスキーが最速タイムを叩き出した。スカイは過去6年連続で出場し、3度の個人総合優勝を飾っているクリストファー・フルーム(イギリス)が、1週間前までジロ・デ・イタリアを走っていたことから、今年は出走を見送り。クウィアトコウスキーとゲラント・トーマス(イギリス)との2枚看板で挑む。そのトーマスは、好走していたもののレース中盤で落車。タイムを失いながらもクウィアトコウスキーから14秒差となり、落車がなければあわやという好調さを感じさせている。

3選手が逃げ

 翌4日から、いよいよ本格ステージがスタートした。第1ステージは、プロローグが行われたバランスからサン=ジュスト=サン=ランベールに至る179kmで行われた。スタートしてすぐ2級山岳を上り、その後もゴール近くまでまんべんなく6つの3級・4級山岳が出現するアップダウンコース。後半のステージに比べると平坦系だが、ピュアスプリンターがすんなり勝つとは言いがたい設定だ。

 レースは最初の上りでブリース・フェイユー(フランス、フォルテュネオ・サムシック)、ニコラ・エデ(フランス、コフィディス ソリュシオンクレディ)、ローソン・クラドック(アメリカ、EFエデュケーションファースト・ドラパック)が抜け出し、3人と集団という状況で後半まで進んだ。山岳ポイントはフェイユが主に先頭通過し、最初の山岳賞ジャージ獲得を決めた。

3人の逃げを容認して、メイン集団は一定のペースで進んだ Photo: Yuzuru SUNADA

 逃げとメイン集団とのタイム差は4分台まで広がったが、中盤以降はスプリンターを抱えるクイックステップフロアーズ、ヴィタルコンセプト サイクリングクラブといったチームが先頭に立ち、タイム差を2分程度に抑えた。

 レースは155km地点で一度ゴールラインを通過。その後4級山岳を含む12kmの周回コースを2周してフィニッシュとなる。最初のゴールライン通過の段階で、逃げと集団の差は1分を切り、フェイユは逃げを諦めて後退した。粘るエデとクラドックだが、スピードを上げる集団は残り1周で数秒差まで詰めてすぐ後ろまで迫る。メイン集団の前方には新城幸也(バーレーン・メリダ)の姿もあった。

最後の上りで総合勢が火花

 メイン集団のけん引はロット・スーダルが人数をそろえて先頭でペースを作る。残り11kmで逃げの2人は吸収され、スプリントに向けての駆け引きが始まったが、簡単に大集団スプリントという訳にはいかなかった。4級山岳に向かう上りでは、チーム スカイが集団のスピードを高速でキープ。山岳ポイントが近くなると、数人が次々アタックを繰り出し、さらにペースが上がっていく。

濡れた路面の中、エースのロマン・バルデ(中央)を守って走るアージェードゥーゼール ラモンディアールのの選手たち Photo: Yuzuru SUNADA

 するとこの日有力とみられていた一人、ジュリアン・アラフィリップ(フランス、クイックステップフロアーズ)もアタックを敢行。リーダージャージのクウィアトコウスキーがこれに付くと、さらにトーマス、ユンゲルスらも反応するという、総合有力勢がロードレース初日から火花を散らす展開となった。

 先頭での小競り合い決定的な動きとはならないものの、ペースの上がった集団は縦に伸び、いくつかに細分化されてしまう。新城もここでメイン集団からは後退した。

 山岳ポイントを越えてゴールに向かう下りでも、先頭では速いペースが続いて集団は縦に伸びた状態。上りで若干遅れたグループがいくつか追い付いてくるが、前に上がることはできない。

 残り1km直前、なんとニバリがアタックを見せた。今年のミラノ〜サンレモを制した高速ダウンヒルで攻撃するが、トーマスがすかさずチェックして集団に引き戻した。

インピー「自分でも驚き」

 ニバリを飲み込んだ集団は休む間もなくスプリント態勢へ。リーダージャージを着るクウィアトコウスキーが2番手でやや細くうねった残り500m地点を通過すると、残り300mからまず仕掛けたのはミケル・ヴァルグレン(デンマーク、アスタナ プロチーム)。ここにアラフィリップが付いて絶好のポジションを取った。

自分でも意外な勝利だったというインピー Photo: Yuzuru SUNADA

 しかし残り200m、やや後方から鋭い加速を見せたのは、南アフリカのチャンピオンジャージを着るインピーだった。インピーが先頭まで一気にまくると、出所をうかがっていたアラフィリップは、速度差が大きくこれに反応しきれず、そのままインピーが先頭を譲らずガッツポーズでゴールラインを駆け抜けた。

 勝利したインピーは、「きょうはずっと厳しい一日で、自分の調子もそれほど良くはなかった。最後は(チームメートの)エドモンドソンに、気にせず行っていいと言ったくらい。だから自分でもこの結果には驚いた。残り200mで良い位置にいたので仕掛けたんだ。長い道のりだったが、最後の最後にいい脚があった」とレース後に語り、自分の勝利に自分でも信じられない様子。ボーナスタイムで総合順位も2位まで上げた。

リーダージャージはクウィアトコウスキーが守った Photo: Yuzuru SUNADA

 翌5日には第2ステージが、モンブリゾンからベルビル・アン・ボジョレーへの180.5kmで行われる。第1ステージ同様“比較的”平坦なステージだが、中盤以降に5つの3級・4級山岳を越えてゴールへと至る。スプリンターにとっては今大会、早くも最後のステージ優勝のチャンスとなる。

第1ステージ結果
1 ダリル・インピー(南アフリカ、ミッチェルトン・スコット) 4時間24分26秒
2 ジュリアン・アラフィリップ(フランス、クイックステップフロアーズ) +0秒
3 パスカル・アッカーマン(ドイツ、ボーラ・ハンスグローエ)
4 ティシュ・ベノート (ベルギー、ロット・スーダル)
5 ミカル・クウィアトコウスキー(ポーランド、チーム スカイ)
6 ヘスス・エラダ(スペイン、コフィディス ソリュシオンクレディ)
7 ダミアーノ・カルーゾ(イタリア、BMCレーシングチーム)
8 クサンドロ・ムーリッセ(ベルギー、ワンティ・グループゴベール)
9 マイク・テウニッセン(オランダ、チーム サンウェブ)
10 ハイメ・ロソン(スペイン、モビスター チーム)
73 新城幸也(日本、バーレーン・メリダ) +1分19秒

個人総合時間賞
1 ミカル・クウィアトコウスキー(ポーランド、チーム スカイ) 4時間31分51秒
2 ダリル・インピー(南アフリカ、ミッチェルトン・スコット) +2秒
3 ジャンニ・モスコン(イタリア、チーム スカイ) +3秒
4 ボブ・ユンゲルス(ルクセンブルク、クイックステップフロアーズ) +7秒
5 ジュリアン・アラフィリップ(フランス、クイックステップフロアーズ) +8秒
6 イェンス・クークレール(ベルギー、ロット・スーダル) +9秒
7 ヨナタン・カストロビエホ(スペイン、チーム スカイ)
8 ブレント・ブックウォルター(アメリカ、BMCレーシングチーム) +11秒
9 マイク・テウニッセン(オランダ、チーム サンウェブ) +13秒
10 ダミアーノ・カルーゾ(イタリア、BMCレーシングチーム) +15秒
84 新城幸也(日本、バーレーン・メリダ) +1分57秒

ポイント賞
1 ミカル・クウィアトコウスキー(ポーランド、チーム スカイ) 31 pts
2 ダリル・インピー(南アフリカ、ミッチェルトン・スコット) 25 pts
3 ジュリアン・アラフィリップ(フランス、クイックステップフロアーズ) 22 pts

山岳賞
1 ブリース・フェイユー(フランス、フォルテュネオ・サムシック) 9 pts
2 ニコラ・エデ(フランス、コフィディス ソリュシオンクレディ) 8 pts
3 ローソン・クラドック(アメリカ、EFエデュケーションファースト・ドラパック) 2 pts

新人賞
1 ジャンニ・モスコン(イタリア、チーム スカイ) 4時間31分54秒
2 ローレンス・デプルス(ベルギー、クイックステップフロアーズ) +12秒
3 マルク・ソレル(スペイン、モビスター チーム) +17秒

チーム総合
1 チーム スカイ 13時間35分45秒
2 ロット・スーダル +17秒
3 BMCレーシングチーム +19秒

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