ツアー・オブ・ジャパン2018 第6ステージガルシアが“激坂”ふじあざみラインを制し、個人総合首位へ キナンは連日の勝利

by 松尾修作 / Shusaku MATSUO
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 日本最大のステージレース、ツアー・オブ・ジャパン(TOJ)の第6ステージとなる富士山ステージが5月25日、富士スピードウェイから富士五合目までの区間で開催され、マルコス・ガルシア(スペイン、キナンサイクリングチーム)がステージ優勝を飾った。ガルシアは同時に個人総合成績でも首位に立ち、リーダージャージへと袖を通した。

ふじあざみラインを制し、優勝したマルコス・ガルシア(スペイン、キナンサイクリングチーム) Photo: Shusaku MATSUO

富士スピードウェイからの32.9kmに

ふじあざみライン対策に、最大32Tのスプロケットを装着した小石祐馬(チームUKYO) Photo: Shusaku MATSUO

 富士山ステージの舞台となったのは国内屈指の難コース「ふじあざみライン」。距離は約11kmほどだが、最大斜度22%、平均斜度は10%と“激坂”が選手を待ち受ける。昨年までの同ステージはあざみラインの入り口がスタートラインだったが、今年は2020年東京オリンピックのサイクルロードレースゴール地点を予定している富士スピードウェイを出発するコースへと変更。サーキットの外周を2周し、須走商店街を通過、あざみラインへと上る総距離32.9kmで争われた。

今大会から富士スピードウェイがスタート地点となった富士山ステージ Photo: Shusaku MATSUO
リーダーチームとして臨んだキナンサイクリングチーム Photo: Shusaku MATSUO
フィニッシュ地点は富士山五合目 Photo: Shusaku MATSUO

 例年、スタートが切られるとすぐに総合上位や、有力クライマーによるペースアップが図られ集団が小さくなるが、距離が延長したことで戦い変わるだろうと予想された。昨年はオスカル・プジョル(スペイン)が今ステージで優勝。2位以下にタイムを稼ぎ、最終日までその差を守って個人総合優勝を果たした。タイム差がつきやすいコースなだけに、個人総合成績を狙う選手にとってはツアーの山場といってもよいステージとなる。

最大斜度22%の激坂が選手を待ち受けた Photo: Shusaku MATSUO

 午前11時、快晴の富士スピードウェイからスタートが切られるとすぐにトーマス・スチュワート(イギリス、JLT・コンドール)とタイラー・ウィリアムズ(アメリカ、イスラエル サイクリングアカデミー)の2人が抜け出し、さらにシモン・ペロー(スイス、チーム・イルミネート)がブリッジに成功。3人で最大1分45秒のタイムギャップを持ち、あざみラインを目指した。一方のメイン集団では、飯田ステージで逃げ切り、リーダージャージを獲得したトマ・ルバ(フランス)率いるキナンサイクリングチームがコントロール。山本大喜、新城雄大、中島康晴らがペースを作った。この働きで逃げていた2人はあざみライン上り口までにメイン集団へと吸収。勝負は激坂区間へと持ち越された。

ステージ2位のハーマン・ペーンシュタイナー(オーストリア、バーレーン・メリダ)は総合でも2番手に浮上 Photo: Shusaku MATSUO
5位争いのゴールスプリント Photo: Shusaku MATSUO
3位に入ったクリス・ハーパー(オーストラリア、ベネロング・スイスウェルネス) Photo: Shusaku MATSUO

 上りに入るとマトリックスパワータグやベネロング・スイスウェルネス サイクリングチーム勢が固まり、ペースアップを図る。ここでクリス・ハーパー(ベネロング・スイスウェルネス)が単独で仕掛け、独走を開始した。しかし、後方からアタックしたガルシアがハーパーに追いつくと、勢いそのままに抜き去る。後方ではハーパーやホセビセンテ・トリビオ(スペイン、マトリックスパワータグ)が続くも、ガルシアを捉えることはできない。誰にも抜かれることなく五合目までたどり着いたガルシアはステージ優勝を果たし、チームに2日連続の勝利をもたらした。2位には集団から猛追したハーマン・ペーンシュタイナー(オーストリア、バーレーン・メリダ)が入っている。

マルコ・カノラ(イタリア、NIPPO・ヴィーニファンティーニ)がスパートをかける Photo: Shusaku MATSUO
ウィリーで観客を沸かすキャメロン・ベイリー(オーストラリア、ベネロング・スイスウェルネス) Photo: Shusaku MATSUO

狙った作戦通りの勝利

 優勝したガルシアは、「富士スピードウェイ外周はチームメートがいいスピードで集団をコントロールし、チームで動くことができた。そのリズムのまま上りに入り、自分のペースで走った結果、優勝することができた」と振り返った。加藤康則ゼネラルマネージャーは「ガルシアはこのステージのために乗り込んできました。狙った通りの結果です」とルバからリーダージャージが移ることは想定済みの作戦だったことを明かした。

リーダージャージに袖を通したマルコス・ガルシア(スペイン、キナンサイクリングチーム) Photo: Shusaku MATSUO
チームの作戦通りにレースを運び、個人総合首位に立ったマルコス・ガルシア(スペイン、キナンサイクリングチーム) Photo: Shusaku MATSUO

 翌日行われる第7ステージ「伊豆ステージ」は、修善寺駅をスタートし、日本サイクルスポーツセンター周辺の周回コースを走る全120.8kmで争われる。アップダウンが激しいコースとなり、獲得標高は3000mを超えるタフなステージだ。最終日の東京ステージが平坦となるため、実質的に個人総合成績を争うチャンスは最後になるだろう。また、山岳ポイントの登場がラストとなり、山岳賞争いもここで決着となる。

第6ステージ結果
1 マルコス・ガルシア(スペイン、キナンサイクリングチーム) 1時間19分19秒
2 ハーマン・ペーンシュタイナー(オーストリア、バーレーン・メリダ) +28秒
3 クリス・ハーパー(オーストラリア、ベネロング・スイスウェルネス) +1分48秒
4 ホセマヌエル・ディアス(スペイン、イスラエル サイクリングアカデミー) +2分0秒
5 ベンジャミ・プラデス(スペイン、チームUKYO) +2分4秒
6 ホセビセンテ・トリビオ(スペイン、マトリックスパワータグ)
7 サルバドール・グアルディオラ(スペイン、キナンサイクリングチーム)
8 サム・クローム(オーストラリア、ベネロング・スイスウェルネス)
9 キャメロン・パイパー(アメリカ、チーム イルミネート) +2分11秒
10 トマ・ルバ(フランス、キナンサイクリングチーム) +2分13秒

個人総合時間
1 マルコス・ガルシア(スペイン、キナンサイクリングチーム) 14時間3分2秒
2 ハーマン・ペーンシュタイナー(オーストリア、バーレーン・メリダ) +35秒
3 トマ・ルバ(フランス、キナンサイクリングチーム) +46秒
4 サム・クローム(オーストラリア、ベネロング・スイスウェルネス) +1分55秒
5 ベンジャミ・プラデス(スペイン、チームUKYO) +2分1秒
6 サルバドール・グアルディオラ(スペイン、キナンサイクリングチーム) +2分7秒
7 ホセビセンテ・トリビオ(スペイン、マトリックスパワータグ) +2分8秒
8 中根英登(NIPPO・ヴィーニファンティーニ・ヨーロッパオヴィーニ) +2分47秒
9 クリス・ハーパー(オーストラリア、ベネロング・スイスウェルネス) +2分53秒
10 キャメロン・パイパー(アメリカ、チーム イルミネート) +3分14秒

ポイント賞
1 グレガ・ボーレ(スロベニア、バーレーン・メリダ) 72 pts
2 マルコ・カノラ(イタリア、NIPPO・ヴィーニファンティーニ・ヨーロッパオヴィーニ) 70 pts
3 ミヒケル・レイム(エストニア、イスラエル サイクリングアカデミー) 50 pts

山岳賞
1 小石祐馬(チームUKYO) 16 pts
2 マルコス・ガルシア(スペイン、キナンサイクリングチーム) 15 pts
3 草場啓吾(日本ナショナルチーム) 15 pts

新人賞
1 サム・クローム(オーストラリア、ベネロング・スイスウェルネス) 14時間4分57秒
2 クリス・ハーパー(オーストラリア、ベネロング・スイスウェルネス) +58秒
3 ホセマヌエル・ディアス(スペイン、イスラエル サイクリングアカデミー) +1分20秒

チーム総合
1 キナンサイクリングチーム 42時間12分4秒
2 ベネロング・スイスウェルネス +5分3秒
3 チーム イルミネート +8分20秒

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