ジロ・デ・イタリア2018 第17ステージ【動画付き】山岳3連戦前日の大乱戦 最後は集団スプリントでヴィヴィアーニが今大会4勝目

by 米山一輝 / Ikki YONEYAMA
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 ジロ・デ・イタリアは5月23日、第17ステージがガルダ湖畔からイゼーオまでの155.0kmで行われ、大集団のゴールスプリントを、ポイント賞ジャージのマリアチクラミーノを着るエリア・ヴィヴィアーニ(イタリア、クイックステップフロアーズ)が制して、今大会4勝目を挙げた。総合上位勢は集団ゴールで順位に変動はなく、サイモン・イェーツ(イギリス、ミッチェルトン・スコット)がマリアローザをキープしている。

エリア・ヴィヴィアーニ(イタリア、クイックステップフロアーズ)が、スプリントを制して4勝目をアピール。後方ではアシストしたサバティーニがガッツポーズ Photo: Yuzuru SUNADA

ステージ狙いにはラストチャンスの一日

 この日はイタリア北部のロンバルディア州を西進するステージ。翌第18ステージからの山岳決戦3連戦を控え、ステージ優勝狙いのチームによる争いが繰り広げられた。

ガルダ湖半をスタートした集団 Photo: Yuzuru SUNADA

 コースは中盤に3級山岳が1つ。後半50kmが平坦基調になることから、スプリントステージとなる予想がされる一方で、山岳ポイントは付かないものの、スタートから10kmが平均勾配5%の上りとなっており、レース中盤までは長さのある上り下りが続く。大きな逃げが形成される可能性も十分にあるコース設定だ。

 最終ステージのローマ以外の、道中最後のスプリントチャンスのステージであり、かつクライマーでない選手にとっては、今大会最後の逃げ切り勝利のチャンス。スタート直後から、さまざまな思惑が交錯しての大乱戦となった。

序盤からの逃げは容認されず

 スタート直後からのアタック合戦から、最初の上りの後半になって、14人が先行する形となった。人数が多いことから、逃げ切りの可能性も十分。しかしサム・ベネット(アイルランド)でのスプリントを狙うボーラ・ハンスグローエがこれを容認せず、レース序盤ながらメイン集団先頭にアシストを固めて、逃げとのタイム差を40秒程度に抑えて追走した。

 協調して先を急ぐ14人に対し、ハイペースで追走するメイン集団では、下りで集団が分断。総合上位勢のローハン・デニス(オーストラリア、BMCレーシングチーム)らが後方に取り残され、アシスト選手が集団を元に戻すためにけん引する姿も見られた。

前半は長い上りと下りが連続した Photo: Yuzuru SUNADA

 スタートからの上りと下りを経たところで、いったん逃げは吸収されかかる。しかし逃げから3人がわずかに前に残り、再び先行を開始。ここに追走が合流して、今度は22人の逃げ集団が形成された。メイン集団も逃げに乗せていないチームが追走の手を緩めず、ペースは落ちないままレースは進む。

 やがて56.4km地点の中間スプリントを前に、逃げる22人からマルコ・フラッポルティ(イタリア、アンドローニ・シデルメク・ボッテキア)とダルウィン・アタプマ(コロンビア、UAEチーム・エミレーツ)が先行。フラッポルティが中間スプリントを先頭で通過すると、3級山岳の上りを前に、逃げはいったん全てメイン集団に吸収された。

延々続くアタック合戦

 しかし3級山岳への上りに入ると、再びアタック合戦が勃発した。序盤の14人の逃げにも入っていたルイスレオン・サンチェス(スペイン、アスタナ プロチーム)ら、8人が逃げ集団が形成される。メイン集団は相変わらず逃げを容認しない姿勢で、リーダーチームのミッチェルトン・スコットが、タイム差を1分以内にコントロールしている。

メイン集団が迫るなか粘るワウト・プールス Photo: Yuzuru SUNADA

 山岳ポイントはアレクサンドル・ジェニエス(フランス、アージェードゥーゼール ラモンディアール)が先頭で通過。この3級山岳を一度下り終えると、再び山岳ポイントが付かない上りをこなす。メイン集団が逃げを吸収しかかると、数人は逃げを諦めるが、サンチェスら数人が再びアタックして集団を引き離した。

 残り50kmの平坦基調に入ったところで、サンチェス、アレッサンドロ・デマルキ(イタリア、BMCレーシングチーム)、ワウト・プールス(オランダ、チーム スカイ)、ベン・ヘルマンス(ベルギー、イスラエル サイクリングアカデミー)の4人が先行。ようやくメイン集団は逃げを容認する姿勢をみせ、この日初めて逃げとメイン集団との差が1分を超えた。

 補給所を過ぎ、しばらくは逃げとメイン集団は安定した隊列でレースを進める。メイン集団はスプリントを狙うボーラ・ハンスグローエとロットNL・ユンボが、タイム差を1分台中盤にコントロールした。

序盤から積極的に動いたルイスレオン・サンチェス(中央)を含む4人の逃げ Photo: Yuzuru SUNADA

逃げ切りを狙い終盤も乱戦

 レースは残り約24kmで一度ゴール地点を通過。大きな周回路を経て最終的なフィニッシュとなる。逃げとメイン集団の差は30秒弱まで縮まり、先頭からはプールス、そしてヘルマンスが後退。デマルキとサンチェスが逃げ残っていた。曇り空から時折雨が降るなか、2人は逃げ続ける。

 しかし残り12kmで、ついにデマルキとサンチェスも集団に吸収。直後の上りでジャンルーカ・ブランビッラ(イタリア、トレック・セガフレード)らがアタックするが、ボーラとロットNLのアシストがチェックし、残り5kmで集団へと引き戻す。すると今度はマウリス・ラメルティンク(オランダ、カチューシャ・アルペシン)が単独でアタック。しばらく逃げ続けるが、残り3kmで集団に飲み込まれた。

 残り2kmからは雨で濡れた路面となるなか、各チームのスプリンター勢が位置取り争い。そして残り1km、集団先頭で隊列を組んだのは、クイックステップフロアーズだった。先頭からゼネク・スティバル(チェコ)、ファビオ・サバティーニ(イタリア)、そしてヴィヴィアーニが陣取る。その直後にはダニー・ファンポッペル(オランダ、ロットNL・ユンボ)らが付けた。

絶好のポジションから盤石のスプリントをみせたヴィヴィアーニ(右) Photo: Yuzuru SUNADA

盤石のリードアウトからヴィヴィアーニが4勝目

 最後の直線に入り、サバティーニからヴィヴィアーニをリードするなか、ファンポッペルが後方からスプリントを開始。しかしヴィヴィアーニは落ち着いてこれに付くと、加速して先頭に立ち、後方から追い込むベネットを振り切って先頭でゴールした。右手を挙げて今大会4勝目をアピールする余裕を見せた。

4勝目を挙げ、ポイント賞争いでもリードを広げたヴィヴィアーニ Photo: Yuzuru SUNADA

 ヴィヴィアーニは「今日はサバ(サバティーニ)が素晴らしかった。向かい風の中、僕を残り200mまで守ってくれた。僕の調子もいいけど、素晴らしいチームメートの献身的な働きがあればこそだ」と今大会4勝とスプリント好調の秘訣を語った。

フルーム、イェーツ、デュムランら上位勢は無事メイン集団でゴール Photo: Yuzuru SUNADA

 大乱戦の一日も、終わってみれば集団ゴールでタイム差は生まれない、総合上位勢にとっては“嵐の前のひと騒ぎ”となった。翌第18ステージからは、山岳での3連戦となる。第18ステージは後半まで4級山岳が1つあるのみでほぼ平坦だが、最後は1級山岳山頂ゴール。タイム差が生まれることは必至で、第3週における上位勢の山岳での力を計る一日となりそうだ。

ダイジェスト動画(期間限定公開)

第17ステージ結果
1 エリア・ヴィヴィアーニ(イタリア、クイックステップフロアーズ) 3時間19分57秒
2 サム・ベネット(アイルランド、ボーラ・ハンスグローエ) +0秒
3 ニッコロ・ボニファツィオ(イタリア、バーレーン・メリダ)
4 ダニー・ファンポッペル(オランダ、ロットNL・ユンボ)
5 イェンス・デブシェール(ベルギー、ロット・フィックスオール)
6 クリスティアン・スバラーリ(イタリア、イスラエル サイクリングアカデミー)
7 ジャンピエール・ドリュケール(ルクセンブルク、BMCレーシングチーム)
8 サーシャ・モードロ(イタリア、EFエデュケーションファースト・ドラパック)
9 アンドレーア・ヴェンドラーメ(イタリア、アンドローニ・シデルメク・ボッテキア)
10 ジョセ・ゴンサルベス(ポルトガル、カチューシャ・アルペシン)

個人総合(マリアローザ)
1 サイモン・イェーツ(イギリス、ミッチェルトン・スコット) 69時間59分11秒
2 トム・デュムラン(オランダ、チーム サンウェブ) +56秒
3 ドメニコ・ポッツォヴィーヴォ(イタリア、バーレーン・メリダ) +3分11秒
4 クリストファー・フルーム(イギリス、チーム スカイ) +3分50秒
5 ティボー・ピノ(フランス、グルパマ・エフデジ) +4分19秒
6 ローハン・デニス(オーストラリア、BMCレーシングチーム) +5分4秒
7 ミゲルアンヘル・ロペス(コロンビア、アスタナ プロチーム) +5分37秒
8 ペリョ・ビルバオ(スペイン、アスタナ プロチーム) +6分2秒
9 リチャル・カラパス(エクアドル、モビスター チーム) +6分7秒
10 ジョージ・ベネット(ニュージーランド、ロットNL・ユンボ) +7分1秒

ポイント賞(マリアチクラミーノ)
1 エリア・ヴィヴィアーニ(イタリア、クイックステップフロアーズ) 290 pts
2 サム・ベネット(アイルランド、ボーラ・ハンスグローエ) 232 pts
3 サイモン・イェーツ(イギリス、ミッチェルトン・スコット) 113 pts

山岳賞(マリアアッズーラ)
1 サイモン・イェーツ(イギリス、ミッチェルトン・スコット) 91 pts
2 ジューリオ・チッコーネ(イタリア、バルディアーニ・CSF) 52 pts
3 エステバン・チャベス(コロンビア、ミッチェルトン・スコット) 47 pts

新人賞(マリアビアンカ)
1 ミゲルアンヘル・ロペス(コロンビア、アスタナ プロチーム) 70時間4分48秒
2 リチャル・カラパス(エクアドル、モビスター チーム) +30秒
3 ベン・オコーナー(オーストラリア、ディメンションデータ) +1分56秒

チーム総合
1 チーム スカイ 210時間19分30秒
2 アスタナ プロチーム +8分36秒
3 ミッチェルトン・スコット +10分12秒

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