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ジロ・デ・イタリア2018 第15ステージ【動画付き】イェーツがラスト17km独走で3勝目 デュムランとの総合タイム差は2分11秒に拡大

by あきさねゆう / Yuu AKISANE
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 ジロ・デ・イタリアは5月20日、第15ステージがトルメッツォからサッパーダまでの176kmで争われ、総合首位のマリアローザを着るサイモン・イェーツ(イギリス、ミッチェルトン・スコット)がラスト17kmを独走して大会3勝目となるステージ優勝を飾った。総合2位のトム・デュムラン(オランダ、チーム サンウェブ)は途中遅れる姿も見られたが、41秒遅れのステージ3位となり、イェーツとのタイム差は2分11秒まで拡大した。前日ステージ優勝を飾って復調を予感させたクリストファー・フルーム(イギリス、チーム スカイ)は上りで失速してステージ17位に沈んだ。

ライバルたちを全員置き去りにしてラスト17kmを独走して勝利したサイモン・イェーツ Photo: Yuzuru SUNADA

70kmにわたってアタック合戦

 翌日に休息日を控えた第15ステージは、前日のゾンコランに引き続きドロミテの山々をめぐるコース。ステージ後半には3つの2級山岳が設定され、特にフィニッシュまで残り30km地点のパッソ・ディ・サンタントニオ、残り15.4km地点のコスタリッソイオと短い区間で連続して登場する。

 フィニッシュ地点は山岳ポイントではないものの、上りになっているため、総合勢にとっては攻撃を仕掛けやすいコースレイアウト。同時に逃げ切りも狙いやすいステージであるため、この日は序盤から激しいアタック合戦が延々と続いた。

 ようやく逃げが決まったのはレースがスタートして70km以上走った後だった。

逃げ集団で山岳ポイントを稼いだジュリオ・チッコーネ Photo: Yuzuru SUNADA

 20人以上の選手が抜け出したことで、メイン集団のスピードはようやく落ち着く。逃げにはニコ・デンツ(ドイツ、アージェードゥーゼールラモンディアール)、ミカエル・シュレル(フランス、アージェードゥーゼール ラモンディアール)、ジョヴァンニ・ヴィスコンティ(イタリア、バーレーン・メリダ)、ジュリオ・チッコーネ(イタリア、バルディアーニ・CSF)、ダイエル・キンタナ(コロンビア、モビスターチーム)ら含まれており、総合成績で最もタイムが良いのは19分59秒遅れのシュレルだった。

 メイン集団は最大でも3分程度のタイム差にとどめて集団をコントロールしていたが、中盤の2級山岳パッソ・トレ・クロッキに近づく頃には1分30秒程度まで縮めていった。

 2級山岳の上りに入ると、迫りくるメイン集団への吸収を嫌って逃げ集団が活性化。協調体勢は崩壊し、デンツ、シュレル、ヴィスコンティ、チッコーネ、キンタナの5人が抜け出すと、山頂はチッコーネが先頭で通過した。

 雨で路面の濡れるダウンヒルを経て、次の2級山岳パッソ・ディ・サンタントニオを前に、残っていた追走も全てメイン集団に吸収され、先頭の5人のみが逃げる状況となった。メイン集団とのタイム差は1分40秒だった。

イェーツがライバルを置き去りにして独走開始

 パッソ・ディ・サンタントニオに入ると、メイン集団ではチーム サンウェブが攻撃を仕掛ける。サム・オーメン(オランダ)がデュムランを引き連れて先頭に立つと、ペースアップを開始した。

 先頭の逃げメンバーからはキンタナ、ヴィスコンティ、シュレルと次々に遅れだす。チッコーネが再度2級山岳で先頭通過を果たし、山岳賞ランキング2位に浮上した。

ジャック・ヘイグ(右から2番め)の好アシストから、イェーツがアタックを仕掛けた Photo: Yuzuru SUNADA

 オーメンがけん引するメイン集団とのタイム差は30秒となっていた。続く2級山岳コスタリッソイオの上りに入ると、フルームが遅れてしまった。

 残ったメイン集団からは総合8位のジョージ・ベネット(ニュージーランド、ロットNL・ユンボ)がアタック。しかし、ベネットは、ジャック・ヘイグ(オーストラリア、ミッチェルトン・スコット)の引きによって集団に引き戻される。その直後、マリアローザのイェーツがカウンターアタックで飛び出した。

 マリアローザの攻撃に、総合6位のミゲルアンヘル・ロペス(コロンビア、アスタナプロチーム)が即座に反応して差を詰めていく。遅れて総合2位のデュムラン、総合3位のドメニコ・ポッツォヴィーヴォ(イタリア、バーレーン・メリダ)、総合4位のティボー・ピノ(フランス、グルパマ・エフデジ)、そして総合7位のリチャル・カラパス(エクアドル、モビスターチーム)も追いついてきた。

 総合有力勢による直接対決は、逃げていたデンツを追い越して、ややお見合い状態になったと思われた瞬間、再びイェーツがアタック。今度は誰も反応することができずに、フィニッシュまで17kmを残してイェーツが独走に持ち込んだ。

ライバルたちを置き去りにするアタックを決めたサイモン・イェーツ Photo: Yuzuru SUNADA

 イェーツはそのまま山頂に到達すると、ここから20秒遅れてデュムランらのグループ。さらに40秒遅れてフルームのグループというタイム差だった。

イェーツは個人TTでリードを守れるか

 ダウンヒルも快調に飛ばしたイェーツは、下りきった残り9km地点で追走のデュムラングループとのタイム差を30秒に広げていた。そのデュムラングループは、デュムランがローテーションを促すものの、うまく協調体勢がとれず、数的有利を生かせないままイェーツとのタイム差は徐々に拡大していく。

先頭のイェーツを追走する追走グループ。(前から)ティボー・ピノ、トム・デュムラン、リチャル・カラパス、ドメニコ・ポッツォヴィーヴォ Photo: Yuzuru SUNADA

 そして残り4km地点で、追走グループでカラパスがアタックすると、デュムランが遅れるまさかの展開になった。だが、ピノをはじめとする総合3位以降の選手たちは、デュムランからタイムを奪う絶好の機会にもかかわらず、協調体勢が整わずにローテーションがうまく回らない。

 一方イェーツはラスト1kmのアーチをくぐり抜けても、ペースは変わらず。後続とのタイム差は40秒となっていた。最後まで力が衰えることのなかったイェーツが、会心の独走勝利で大会3勝目を飾った。

独走勝利を飾ったイェーツは、デュムランとの総合タイム差を2分11秒まで拡大 Photo: Yuzuru SUNADA

 2位争いの追走集団では、再びカラパスがアタック。マリアビアンカを争うロペスがチェックに入り、グループに引き戻す。そうこうしているうちに、遅れていたデュムランが追走グループに追いついた。最後は5人によるスプリント勝負となり、イェーツから41秒遅れの2位にロペス、3位にデュムランが入った。

ここまでの戦い方は順調そのもの。第3週も好調を維持できるか注目だ Photo: Yuzuru SUNADA

 イェーツとデュムランの総合タイム差は2分11秒となった。マリアローザを獲得した当初から「デュムランに対して3分はリードが欲しい」とコメントしていたイェーツ。目標の3分には届かないものの、それに近いタイム差を、個人タイムトライアル(TT)の前に稼いだ。

 この日のインタビューでは「トム(デュムラン)に対して、良いタイム差を生み出せた。しかし、彼は個人タイムトライアルで自分より2分はタイムを稼ぐだろう。イスラエルからずっとこのタイム差を生み出すために戦ってきたが、35kmのタイムトライアルでそれらは全て消え去るだろう」と語り、まだまだ総合争いは予断を許さない状況にあると認識している様子だった。

 休息日を挟んで、第16ステージは34.2kmの個人TTだ。休息日明けのレースは波乱が起きやすく、大きく総合順位変動の可能性もある、重要な一日となるだろう。

ダイジェスト動画(期間限定公開)

第15ステージ結果
1 サイモン・イェーツ(イギリス、ミッチェルトン・スコット) 4時間37分56秒
2 ミゲルアンヘル・ロペス(コロンビア、アスタナ プロチーム) +41秒
3 トム・デュムラン(オランダ、チーム サンウェブ)
4 ドメニコ・ポッツォヴィーヴォ(イタリア、バーレーン・メリダ)
5 リチャル・カラパス(エクアドル、モビスター チーム)
6 ティボー・ピノ(フランス、グルパマ・エフデジ)
7 アレクサンドル・ジェニエス(フランス、アージェードゥーゼール ラモンディアール) +1分20秒
8 ダヴィデ・フォルモロ(イタリア、ボーラ・ハンスグローエ)
9 ペリョ・ビルバオ(スペイン、アスタナ プロチーム)
10 サム・オーメン(オランダ、チーム サンウェブ)

個人総合(マリアローザ)
1 サイモン・イェーツ(イギリス、ミッチェルトン・スコット) 65時間57分37秒
2 トム・デュムラン(オランダ、チーム サンウェブ) +2分11秒
3 ドメニコ・ポッツォヴィーヴォ(イタリア、バーレーン・メリダ) +2分28秒
4 ティボー・ピノ(フランス、グルパマ・エフデジ) +2分37秒
5 ミゲルアンヘル・ロペス(コロンビア、アスタナ プロチーム) +4分27秒
6 リチャル・カラパス(エクアドル、モビスター チーム) +4分47秒
7 クリストファー・フルーム(イギリス、チーム スカイ) +4分52秒
8 ジョージ・ベネット(ニュージーランド、ロットNL・ユンボ) +5分34秒
9 ペリョ・ビルバオ(スペイン、アスタナ プロチーム) +5分59秒
10 パトリック・コンラッド(オーストリア、ボーラ・ハンスグローエ) +6分13秒

ポイント賞(マリアチクラミーノ)
1 エリア・ヴィヴィアーニ(イタリア、クイックステップフロアーズ) 237 pts
2 サム・ベネット(アイルランド、ボーラ・ハンスグローエ) 197 pts
3 サイモン・イェーツ(イギリス、ミッチェルトン・スコット) 113 pts

山岳賞(マリアアッズーラ)
1 サイモン・イェーツ(イギリス、ミッチェルトン・スコット) 91 pts
2 ジューリオ・チッコーネ(イタリア、バルディアーニ・CSF) 52 pts
3 エステバン・チャベス(コロンビア、ミッチェルトン・スコット) 47 pts

新人賞(マリアビアンカ)
1 ミゲルアンヘル・ロペス(コロンビア、アスタナ プロチーム) 66時間2分4秒
2 リチャル・カラパス(エクアドル、モビスター チーム) +20秒
3 ベン・オコーナー(オーストラリア、ディメンションデータ) +2分45秒

チーム総合
1 チーム スカイ 198時間16分59秒
2 ミッチェルトン・スコット +4分27秒
3 アスタナ プロチーム +5分0秒

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