ジロ・デ・イタリア2018 第13ステージ【動画付き】ヴィヴィアーニがスプリントを制し大会3勝目 イェーツはマリアローザを堅守

by あきさねゆう / Yuu AKISANE
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 ジロ・デ・イタリアは5月18日、第13ステージがフェラーラからネルヴェーザ・デッラ・バッターリアまでの180kmで争われ、集団スプリントをエリア・ヴィヴィアーニ(イタリア、クイックステップフロアーズ)が制し、大会3勝目を飾った。ほとんど上りのない平坦ステージだったこともあり、総合上位勢には動きがなく、マリアローザはサイモン・イェーツ(イギリス、ミッチェルトン・スコット)が引き続きキープしている。

大会3勝目を飾ったエリア・ヴィヴィアーニ Photo : Yuzuru SUNADA

5人の逃げをスプリンターチームが追う

 ジロの総合争いの雌雄を決するアルプス山脈でのステージに向けて、イタリア半島を北上していたプロトン一行は、イタリア北東部のヴェネツィアから北へ40kmほどの場所にあるネルヴェーザ・デッラ・バッターリアへと向かった。

 終盤に4級山岳が1つのみ設定されている平坦ステージとなっており、獲得標高もわずか576mだ。第14ステージ以降は最終ステージまでスプリンターが活躍できる場はないだろうと見られており、今ステージは集団スプリントに持ち込まれる公算が高かった。

地元イタリアのプロコン勢3チームが入った逃げグループ Photo: Yuzuru SUNADA

 この日の逃げは5人。アンドレーア・ヴェンドラーメ(イタリア、アンドローニ・シデルメク・ボッテキア)、アレッサンドロ・トネッリ(イタリア、バルディアーニ・CSF)、マルケル・イリサル(スペイン、トレック・セガフレード)、マルコ・マルカート(イタリア、UAEチーム・エミレーツ)、エウゲルト・ズパ(アルバニア、ウィリエールトリエスティーナ・セッレイタリア)というメンバー。

 逃げメンバー全員が総合成績で1時間以上遅れているため、マリアローザを擁するミッチェルトン・スコットにとっては逃げ切ったとしても全く問題なかった。

集団コントロールを担うボーラ・ハンスグローエとクイックステップフロアーズ Photo : Yuzuru SUNADA

 このため、ここまで大会2勝を飾っているヴィヴィアーニを擁するクイックステップフロアーズ、同じく2勝のサム・ベネット(アイルランド)を擁するボーラ・ハンスグローエの両チームが、集団スプリントに持ち込むために集団コントロールを担い、逃げ集団とのタイム差は3分30秒程度に抑えながらレースは進行した。

 レースも終盤に差し掛かり、残り35km地点を迎える頃には、逃げ集団とのタイム差を1分30秒まで縮めていた。

 残り20km地点の4級山岳を前にして、メイン集団からはトニー・マルティン(ドイツ、カチューシャ・アルペシン)がアタック。複数人の選手で抜け出すと、集団から数秒のリードを築いた。

 集団のペースが上がると、エステバン・チャベス(コロンビア、ミッチェルトン・スコット)が遅れてしまう。すでに総合争いから脱落しているものの、週末の難関ステージで貴重な山岳アシストとして活躍が期待されていたが、この日はステージ最下位でフィニッシュ。コンディション面に不安を残す結果となった。

 山頂を前にしてマルティンらは吸収され、逃げ集団とのタイム差も20秒程度となっていた。いつでも捕まえられる位置で逃げを泳がしながら、集団は残り6.2km地点で5人の逃げを吸収。レースはいよいよ最終局面を迎えた。

ヴィヴィアーニが巧みにマークを外して勝利

 前日は集団から力なく失速してスプリントに参加できなかったヴィヴィアーニは、この日も集団後方に位置していた。

集団内でアシストに守られながら走行するサイモン・イェーツ Photo : Yuzuru SUNADA

 アシストに導かれながら徐々にポジションを上げたものの、残り4km地点ではまだ先頭から30番手付近につけていた。その背後にはベネットがピタリとヴィヴィアーニをマークしていた。

 第7ステージでベネットがステージ優勝した時も、終盤はヴィヴィアーニを徹底的にマークしており、この日も同じ戦略を用いてきた。

 しかし、クイックステップは同じ轍を踏むまいと、後方から上がってきたゼネク・スティバル(チェコ、クイックステップフロアーズ)が残り2.7km地点でヴィヴィアーニとベネットの間に割り込んで、ベネットのマークを引き剥がした。ヴィヴィアーニ、スティバル、そしてベネットという隊列のままレースは進行。

 残り2km地点をすぎると、ロットNL・ユンボがトレインを組んで先頭でけん引開始。ヴィヴィアーニは相変わらず先頭から30番手付近を走行していた。

 残り1.2kmでマルコ・コレダーン(イタリア、ウィリエールトリエスティーナ・セッレイタリア)が先頭でアタック。スプリントに向けてペースの上がる集団を振り切って独走に持ち込んだ。

 ラスト1kmのフラムルージュをくぐり抜け、ヴィヴィアーニの背後でベネットの抑え役に徹していたスティバルが仕事を終えると、代わってフロリアン・セネシャル(フランス、クイックステップフロアーズ)が同様の役割を果たす。

 ベネットが再びヴィヴィアーニの付き位置を取ろうとしたところで、ヴィヴィアーニがわずかに加速。その瞬間にセネシャルがベネットの前に入り込んでブロックした。

 集団前方は飛び出したコレダーンを追いかけるために混戦状態に陥っていたために、ヴィヴィアーニとベネットの間には多くの選手がなだれ込み、ベネットはヴィヴィアーニからはぐれた上にポジションを大きく下げてしまった。

 一方、コレダーンは3秒程度のリードを生み出し、逃げ切りを予感させるほどの走りを見せていた。しかし、スプリントを開始したサーシャ・モードロ(イタリア、EFエデュケーションファースト・ドラパック)に、フィニッシュまであと200mのところで抜き去られた。

 そのモードロの背後にピタリとついていたのがヴィヴィアーニだった。

 ずば抜けた加速力を見せると、残り50mでモードロをかわして先頭に立つ。ベネットが後方から猛スパートを仕掛けたものの届かず、ヴィヴィアーニがステージ優勝を飾った。

巧みにベネットのマークを外してスプリントに持ち込んだヴィヴィアーニ Photo : Yuzuru SUNADA

 大会序盤のイスラエルステージでは2勝を挙げたものの、第4ステージ以降のレースではなかなか勝てなかった。ヴィヴィアーニにとって、今大会待望のイタリアでの初勝利となった。

 レース後は「驚くべき勝利だ。ここ数日は厳しいステージを乗り越え、チームメートも献身的にハードワークをしてくれた。昨日はみんな心配していたが、自分はバッドデーだった。本当に最悪の数日間を過ごしたけど、自分たちはこのジャージ(マリアチクラミーノ)をローマまでキープすると決めたんだ」と、改めてマリアチクラミーノ獲得に向けて、強い意気込みを語っていた。

ヴィヴィアーニと勝利を喜び合うゼネク・スティバル Photo : Yuzuru SUNADA
同じくヴィヴィアーニにハグしているフロリアン・セネシャル Photo : Yuzuru SUNADA

 またベネットは「位置取りがうまくいかなかったんだ。かなり後方からスプリントをしなければならなかった。(それでも2位になったということは)私は最終局面で最も速かったと思うが、前に出ることができなかった」と悔しさを露わにしていた。

 翌第14ステージは、名峰ゾンコランへとフィニッシュし、総合勢にとってきわめて重要な1日となるだろう。ラスト10kmは平均勾配10%以上、勾配20%を超える区間がたびたび登場する今大会屈指の難関ステージとなっている。

第2週の“山場”を前に堅調な走りでマリアローザをキープするサイモン・イェーツ Photo: Yuzuru SUNADA

ダイジェスト動画(期間限定公開)

第13ステージ結果
1 エリア・ヴィヴィアーニ(イタリア、クイックステップフロアーズ) 3時間56分25秒
2 サム・ベネット(アイルランド、ボーラ・ハンスグローエ)
3 ダニー・ファンポッペル(オランダ、ロットNL・ユンボ)
4 サーシャ・モードロ(イタリア、EFエデュケーションファースト・ドラパック)
5 ライアン・ギボンズ(南アフリカ、ディメンションデータ)
6 ジャンピエール・ドリュケール(ルクセンブルク、BMCレーシングチーム)
7 マヌエル・ベレッティ(イタリア、アンドローニ・シデルメク・ボッテキア)
8 クレマン・ヴァントゥリーニ(フランス、アージェードゥーゼール ラモンディアール)
9 バティスト・プランカールト(ベルギー、カチューシャ・アルペシン)
10 イェンス・デブシェール(ベルギー、ロット・フィックスオール)

個人総合(マリアローザ)
1 サイモン・イェーツ(イギリス、ミッチェルトン・スコット) 55時間54分20秒
2 トム・デュムラン(オランダ、チーム サンウェブ) +47秒
3 ティボー・ピノ(フランス、グルパマ・エフデジ) +1分4秒
4 ドメニコ・ポッツォヴィーヴォ(イタリア、バーレーン・メリダ) +1分18秒
5 リチャル・カラパス(エクアドル、モビスター チーム) +1分56秒
6 ジョージ・ベネット(ニュージーランド、ロットNL・ユンボ) +2分9秒
7 ローハン・デニス(オーストラリア、BMCレーシングチーム) +2分36秒
8 ペリョ・ビルバオ(スペイン、アスタナ プロチーム) +2分54秒
9 パトリック・コンラッド(オーストリア、ボーラ・ハンスグローエ) +2分55秒
10 ファビオ・アル(イタリア、UAEチーム・エミレーツ) +3分10秒

ポイント賞(マリアチクラミーノ)
1 エリア・ヴィヴィアーニ(イタリア、クイックステップフロアーズ) 237 pts
2 サム・ベネット(アイルランド、ボーラ・ハンスグローエ) 197 pts
3 サーシャ・モードロ(イタリア、EFエデュケーションファースト・ドラパック) 94 pts

山岳賞(マリアアッズーラ)
1 サイモン・イェーツ(イギリス、ミッチェルトン・スコット) 58 pts
2 エステバン・チャベス(コロンビア、ミッチェルトン・スコット) 47 pts
3 ティボー・ピノ(フランス、グルパマ・エフデジ) 36 pts

新人賞(マリアビアンカ)
1 リチャル・カラパス(エクアドル、モビスター チーム) 55時間56分16秒
2 ミゲルアンヘル・ロペス(コロンビア、アスタナ プロチーム) +1分21秒
3 ベン・オコーナー(オーストラリア、ディメンションデータ) +1分29秒

チーム総合
1 ミッチェルトン・スコット 167時間50分23秒
2 アスタナ プロチーム +3分11秒
3 チーム スカイ +4分7秒

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