新発想で開発、“完璧なシティバイク”オランダ発の次世代スマートバイク「Vanmoof」 東京・原宿にブランドストアをオープン

by 後藤恭子 / Kyoko GOTO
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 自動認証ロックや盗難防止システム、アプリのアップグレードでより賢く変化していく機能など、独創的な機能が搭載されたオランダ生まれの“究極”のシティバイク「Vanmoof」(ヴァンムーフ)。昨年、日本でポップアップショップを出店し、次世代“スマートバイク”として話題となった自転車ブランドが6月末、東京・原宿にブランドストアを本格オープンする。さらにこの4月、ヴァンムーフのバイクを月々2500円から利用できる定額レンタルサービスも開始した。デザイン性と機能性を融合させたスマートバイクを生み、さらに新たなサービスを展開する創業者、ティーズ・カーリエさん(38)に話を聞いた。

オランダ生まれの次世代スマートバイク「Vanmoof」の創業者、ティーズ・カーリエさん=原宿に6月オープン予定のブランドストア店内にて Photo: Kyoko GOTO

自分で身を守る賢い自転車

 ヴァンムーフは2009年、オランダ人のタコ・カーリエさんとティーズ・カーリエさん兄弟によって設立された「自転車・テクノロジー・都市」にフォーカスした自転車ブランド。無駄なパーツを省略しながら本質的な部分をデザインとして洗練させた、“ダッチデザイン”と称されるスタイリッシュさも然ることながら、持ち主を認識し、盗難から「自ら身を守る」スマートな機能をもったシティバイクとして注目を集めた。では、そのスマートさというのは具体的にどのような機能なのか。

ヴァンムーフのオリジナルデザイン「スマートS」のニューモデル。シートチューブとヘッドチューブを貫くトップチューブが印象的なデザイン。オランダ生まれだけあって、適応身長も170~210cmと大きめなつくり ©vanmoof
日本人向けにデザインされたコンパクトな「スマートX」のニューモデル。スマートSをベースにトップチューブ位置を下げ、ダウンチューブと交差させることで「X」の形状を描いている。ホイールは24インチを採用 ©vanmoof
アプリをダウンロードしたスマホをもったオーナーを認識し、近づけば解錠、離れたら施錠を自動的に行う Photo: Kyoko GOTO

 フレーム内に電動アシスト用バッテリーや3Gトラッキング機能、Bluetoothモジュールを内蔵しており、アプリをもったオーナーが自転車に近づくと自動的の盗難防止システムを解除し、離れると施錠する自動ロックシステムが搭載されている。一方、オーナー以外の人間が車体を動かそうとすると、段階的に警告音の音量を上げて自ら「自転車泥棒」を“威嚇”する。

 さらに盗難にあった場合、位置トラッキングモードを作動させると、ヴァンムーフの「バイクハンター」に通知され、自転車のライトが「SOS点滅モード」になり、全ての機能を停止させる。その後バイクハンターが捜索に乗り出し、2週間経っても発見できなかった場合は無料で新車を提供する「ピース・オブ・マインド」サービスも付帯する。

トップチューブの下部に設けられた「スマートスピーカー」。ティースさんいわく「猫の唸り声のような警告音」で泥棒を威嚇する Photo: Kyoko GOTO
トップチューブに内蔵されている前後ライト。シティバイクにライトは必須、という発想から生まれた機能的なデザイン Photo: Kyoko GOTO
主要パーツはしっかりカバーで保護し、メンテナスの頻度を低減 Photo: Kyoko GOTO

 ペダルをこぐ力でライト、スピーカー、スマートパーツ用の電力を自動で充電する前輪ダイナモを搭載。都市部で想定される悪路に対応できるタフなパンク防止タイヤと雨にも強い防サビフレーム採用し、ドライブトレインは完全密封仕様になっているなど、シティバイクに求められる機能が注ぎ込まれている。

電動アシスト付スマートバイクがさらに進化

 これらのスマート機能に電動アシスト機能が加わった「Electified X」の新モデル「EX2」が6月に登場する。

電動アシスト機能付の「Electified X」のニューモデル「VanMoof EX2」(サンダーグレイ、6月7日から販売予約受付開始) ©vanmoof
「VanMoof EX2」(フォグホワイト) ©vanmoof

 1回の充電で最大150kmまで走行可能な418whのバッテリーを自転車のフレームに収納し、250Wの出力で最大時速24kmまでアシストする高性能モーターを搭載。手元に配置されたパワーブースターは、必要なときに感覚的にアシストを発動できるため、瞬間的に斜度を増す道も快適に走ることができる。自転車を降り、小さなロックボタンを押せば後輪タイヤがロックされ、3段階の盗難防止装置が作動する。

ダッシュボードに手をかざすとアプリを通して自動的にオーナーを認識し、スムーズに解錠 ©vanmoof
「Electrified X」に搭載された電動アシストのパワーブースターのスイッチ Photo: Kyoko GOTO

 さらに新機能が定期的にアップデートされるため、使い続けるほど機能はよりスマートに進化していく。

“サイクリスト”じゃないから気付いた可能性

 オランダといえばいわずと知れた自転車の国。このスマートバイクの開発者はどれほど経験豊かなサイクリストなのだろうと、来日中のカーリエさんに話を聞いてみると、意外にもカーリエさん自身は、「僕はいわゆる“サイクリスト”ではない」と否定した。

「世界で一番良いシティバイクを作りたい」と語るティース・カーリエさん(38) Photo: Kyoko GOTO

 アムステルダムでは自転車は日常的な移動手段であって、彼は敢えてバイクウェアに身を包み、スポーツバイクに乗るような“サイクリスト”ではないという意味だ。ただ、その視点がヴァンムーフ誕生のきっかけとなった。

 「ニューヨークを旅したとき、アムステルダムと違って、スポーツバイクに乗ってるサイクリストはいても移動手段として自転車を利用している人が少ないことに驚いた。日本も“ママチャリ”は普及しているけれど、自宅から5km圏内を自転車での行動範囲としている人が多い。コンパクトな都市での自転車の移動は快適で、範囲ももっと広がることを伝えたい。そのために完璧なシティバイクを作ろうと思いついたんです」

カーリエさんの愛車。8年前に作った初期モデル。トップチューブにはシャレの効いた「I amsterdam」の文字 Photo: Kyoko GOTO
モデルのラインナップともに、キャリアなどのアクセサリーも充実 Photo: Kyoko GOTO

 そこで考案したのが、電池が切れないライトや盗難から自転車を守るカギのシステムなど都市で快適に乗るための機能。都市に似合うスタイリッシュなデザインの中に、それらの必要なテクノロジーを融合させた。独創的な車体の形状は、最終的に機能がデザインとなって現れたものだ。

アムステルダム、ニューヨーク、ベルリン、台北、東京に次いで、ロンドン、パリ、サンフランシスコと、世界の各都市にブランドストアがオープン予定 ©vanmoof

 ユニークな盗難防止機能を発想したことについて尋ねると、「残念ながら都市部では盗難の問題が後を絶たない。自転車を守るために大きなカギを持ち歩くのもいいけど、盗んだら痛い目に合うような自転車を作れば本来の問題解決になるよね。盗難はもはやユーザーの責任ではなく、メーカーが考える問題」と話す。

 都会を走る上でのあらゆるストレスを排除したシティバイク。ブランド名の「Vanmoof」はオランダ語で「移動」を意味する「MOOF」にVANを付けてオランダ語風にした造語で、1台のバイクがもつ都市部での可動性を表した。

2500円から利用できる定額料金制をスタート

 さらにヴァンムーフではスマートS・Xと、「Electrified」シリーズのS・Xを月額2500円から利用できる定額料金制「VANMOOF+」をスタートした。シェアバイクと異なり、会員登録費と月々の利用料を支払えば1つの自転車を必要な期間乗り続けることができるという、自転車界では新しいサービスだ。メンテナンス費用も込みで、万が一盗難にあった際にも購入者と同様の盗難防止サービスを受けることができる(電動アシストモデルは有料)。

 「音楽や映画を定額料金で楽しむように、ハイテク自転車を利用するというイメージ。一回限りのキー料金(登録費)を支払えば、購入料金の何分の一かでヴァンムーフの自転車を利用できます。定額プランを止めたければいつでもストップすることができるし、次に乗りたい人にキーを売ることもできる。自転車はずっと使うことができ、使い捨ての循環を止める方法にもなります」と語る。

原宿にオープン予定のヴァンムーフブランドストア前で、東京で生まれた「スマートX」とともに。身長2mを超えるカーリエさんがもつとよりコンパクトに見える Photo: Kyoko GOTO

 ヴァンムーフのブランドストアはアムステルダムを始め、すでにニューヨーク、ベルリン、台北でオープンしており、6月以降は東京、そしてロンドン、パリ、サンフランシスコの各都市で続々オープンする予定だ。

 昨年同時期、試験的に立ち上げた日本でのポップアップショップでは当初200台を目標としていた販売台数が500台を超えた。それだけに、カーリエさんは日本でのニーズに手応えを感じている。「原宿のブランドストアはオープン前だけど、月・金・土の午後にはソフトオープンしているので、テストライドはウェルカムです。ヴァンムーフのバイクは皆さんを間違いなくビッグスマイルにさせます」と、日本のユーザーに向けてメッセージを送った。

■Smart S
重量:12.5〜15kg
適性身長:170-210cm
タイヤサイズ:28インチ
カラー:フォグホワイト(マット)、サンダーグレイ(グロッシー)
税込価格:3速 120,000、8速 145,000円 ※5月21日までは21,000円の割引あり

■Smart X
重量:12.5~15kg
適性身長:160~200cm
タイヤサイズ:24インチ
カラー:フォグホワイト(マット)、サンダーグレイ(グロッシー)
税込価格:3速 120,000円、8速 145,000円

■EX2
重量:18.4kg(バッテリー含む)
適性身長:155~200cm
タイヤサイズ:24インチ
カラー:サンダーグレイ、フォグホワイト
バッテリー:11.6Ah/36V(フレーム内蔵・リチウムイオン)
充電時間:約6時間
補助走行距離:最大150km(エコノミー走行)
税込価格:430,000円
※6月7日21時(日本時間)から販売予約受付開始
※最初の2,000台は130,000円の割引が適用(全世界での合計販売台数)
※申込時に予約金として1万円を支払う
※10月以降納品予定

■Vanmoofブランドストア

住所:東京都渋谷区神宮前3-26-3
2018年6月末グランドオープン予定
ソフトオープン:月(12-20時)、金(12-20時)、土(13-20時)

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