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ジロ・デ・イタリア2018 第8ステージ新星カラパスがエクアドル人初のステージ勝利 豪雨のレースでフルームが落車

by あきさねゆう / Yuu AKISANE
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 ジロ・デ・イタリアは5月12日、第8ステージがプラーイア・ア・マーレからモンテヴェルジーネ・ディ・メルコリアーノまでの209kmで争われ、ラスト1.2kmで独走に持ち込んだリチャル・カラパス(エクアドル、モビスターチーム)がグランツール初勝利を飾った。サイモン・イェーツ(イギリス、ミッチェルトン・スコット)はステージ5位に入り、マリアローザを堅守。クリストファー・フルーム(イギリス、チーム スカイ)は雨に濡れたコーナーでスリップして落車するも、メイン集団内でフィニッシュした。

自身初のグランツールステージ優勝を飾ったリカルド・カルパス Photo : Yuzuru SUNADA

アタック合戦の末、7人の逃げが決まる

 第8ステージのコースは、前日のフィニッシュ地点であるプラーイア・ア・マーレをスタートし、ティレニア海沿岸を北上。最後は登坂距離17.1km・平均勾配5%前後の2級山岳モンテヴェルジーネ・ディ・メルコリアーノへフィニッシュする。

 上りはつづら折りの道となっており、ほぼ一定の勾配が続き、勾配自体は控えめだ。総合成績に大きく差がつくような展開にはなりにくく、逃げに勝機があると見られていた。このため、レーススタート直後から激しいアタック合戦が繰り広げられた。

逃げを試みたマリアチクラミーノを着るヴィヴィアーニ Photo : Yuzuru SUNADA

 中間スプリントポイント狙いでエリア・ヴィヴィアーニ(イタリア、クイックステップフロアーズ)や連日逃げを試みているトニー・マルティン(ドイツ、カチューシャ・アルペシン)らが逃げに乗る展開もあったが、集団に引き戻された。

 20km地点過ぎに、マッテーオ・モンタグーティ(イタリア、アージェードゥーゼール ラモンディアール)、ロドルフォアンドレス・トレス(コロンビア、アンドローニ・シデルメク・ボッテキア)、ダヴィデ・ヴィレッラ(イタリア、アスタナ プロチーム)、マテイ・モホリッチ(スロベニア、バーレーン・メリダ)、クーン・ボウマン(オランダ、ロットNL・ユンボ)ら5人が抜け出し、トッシュ・ヴァンデルサンド(ベルギー、ロット・フィックスオール)、ヤン・ポランツェ(スロベニア、UAEチームエミレーツ)がブリッジ成功し、7人の逃げ集団を形成した。

 その後もブリッジを試みる選手が続発し、集団のペースはなかなか安定しななかった。55km地点を越えたあたりで、ようやくメイン集団のスピードが落ち着くと、逃げ集団とのタイム差が広がりはじめた。

 マリアローザのサイモン・イェーツ(イギリス)を擁するミッチェルトン・スコットがメイン集団のコントロールを担い、逃げ集団とのタイム差を5分程度に留めて、レースは進行した。

激しい雨のなかフルームが落車

 スタート時点からレース前半にかけては曇りの天気だったが、残り25km手前からフィニッシュ地点にかけては雨となった。時折激しい雨が降りつける区域もあり、ウェットな路面に集団は警戒することになった。

逃げに乗ったトッシュ・ヴァンデルサンド Photo : Yuzuru SUNADA

 先頭の7人が最後の2級山岳モンテヴェルジーネ・ディ・メルコリアーノの上りに突入すると、引き続きミッチェルトン・スコットがコントロールするメイン集団は2分遅れてやってきた。

 逃げ集団からはヴァンデルサンド、トレス、ヴィレッラが脱落し、モンタグーティ、モホリッチ、ボウマン、ポランツェの4人に絞り込まれた。メイン集団もじわじわとタイム差を縮めてきて、残り10km地点で両者の差は1分を切ってきた。

 土砂降りの雨のなか、平均勾配5%前後の上りを集団は時速30km弱のスピードで走行。すると、フルームがコーナーでスリップして落車してしまった。

 幸いにもバイクは故障せずにすぐ再スタートを切ることができた。間もなく集団復帰を果たしたものの、転倒した右半身には擦過傷も見られた。

カラパスが独走に持ち込み初勝利

 残り3.8km地点、先頭の逃げ集団からボウマンがアタックを仕掛けた。残った3人は即座に反応できず、ボウマンは独走に持ち込んだ。

単独で逃げ切りを目指すボウマン Photo: Yuzuru SUNADA

 メイン集団とのタイム差は20秒を切っているものの、逃げ切りにむけてペースを落とすことなく淡々と上っていく。

 残り3km地点、メイン集団ではチーム スカイがミッチェルトン・スコットに代わって先頭に出て集団コントロールを開始。フルームは集団4番手を走行しており、落車の影響はほとんどない様子だった。

 まだまだ激しい雨が降るなか、残り1.6km地点でメイン集団からアレクサンドル・ジェニエス(フランス、アージェードゥーゼール ラモンディアール)が飛び出した。この動きに追従したのがカラパスだった。

アタックして独走に持ち込んだカラパス Photo : Yuzuru SUNADA

 カラパスのアタックのキレ味は抜群で、ジェニエスを追い越すと、一気に先頭のボウマンをも一気に抜き去り、残り1.2km地点から独走に持ち込んだ。

 その勢いは一切衰えることなく、頂上に到達。カラパス自身にとって初めてのグランツールでのステージ優勝を飾り、総合8位に浮上した。

 2位のボーナスタイムを巡って、メイン集団からは残り500m付近で総合5位のティボー・ピノ(フランス、グルパマ・エフデジ)がアタックを仕掛けた。ここに総合16位のパトリック・コンラッド(オーストリア、ボーラ・ハンスグローエ)、総合4位のドメニコ・ポッツォヴィーヴォ(イタリア、バーレーン・メリダ)、ダヴィデ・フォルモロ(イタリア、ボーラ・ハンスグローエ)が続く。

積極的な走りを見せ、ボーナスタイムを獲得したピノ Photo : Yuzuru SUNADA

 ピノは500m近くにわたって先頭を走り続けたものの、最後はフォルモロが先着した。ピノはステージ3位となり、ボーナスタイム4秒を獲得して、ポッツォヴィーヴォをかわして総合4位に浮上した。

 イェーツはステージ5位となり、総合2位のトム・デュムラン(オランダ、チームサンウェブ)とのタイム差はそのままで、総合首位の座を守った。この日は大きな動きは見せることなく、翌日の難関ステージに備えている様子だった。

スプマンテで勝利を祝うカラパス Photo : Yuzuru SUNADA
マリアローザを堅守したサイモン・イェーツ Photo : Yuzuru SUNADA

 レース後のカラパスは「調子が良かったので、残り2kmを切ってからアタックすると決めていた。そして、良いタイミングで独走に持ち込むことも決めていた。なぜなら、スプリントでは勝てないからね」と仕掛けのタイミングについて語った。

 また、エクアドル人によるジロでの区間優勝は初めてのこと。カラパスはジロのステージ優勝を飾った34カ国目の選手となった。

 翌第9ステージはペスコ・サンニータからグランサッソ・ディタリア(カンポ・インペラトーレ)までの225kmで争われ、終盤は1級山岳が立て続けに登場する難関ステージとなっている。大きく総合成績が動く可能性があり、前半戦最大の山場となりそうだ。

ダイジェスト動画(期間限定公開)

第8ステージ結果
1 リチャル・カラパス(エクアドル、モビスター チーム) 5時間11分35秒
2 ダヴィデ・フォルモロ(イタリア、ボーラ・ハンスグローエ) +7秒
3 ティボー・ピノ(フランス、グルパマ・エフデジ)
4 エンリーコ・バッタリーン(イタリア、ロットNL・ユンボ)
5 サイモン・イェーツ(イギリス、ミッチェルトン・スコット)
6 ドメニコ・ポッツォヴィーヴォ(イタリア、バーレーン・メリダ)
7 エスデバン・チャベス(コロンビア、ミッチェルトン・スコット)
8 パトリック・コンラッド(オーストリア、ボーラ・ハンスグローエ)
9 マイケル・ウッズ(カナダ、EFエデュケーションファースト・ドラパック)
10 ペリョ・ビルバオ(スペイン、アスタナ プロチーム)

個人総合(マリアローザ)
1 サイモン・イェーツ(イギリス、ミッチェルトン・スコット) 31時間43分12秒
2 トム・デュムラン(オランダ、チーム サンウェブ) +16秒
3 エスデバン・チャベス(コロンビア、ミッチェルトン・スコット) +26秒
4 ティボー・ピノ(フランス、グルパマ・エフデジ) +41秒
5 ドメニコ・ポッツォヴィーヴォ(イタリア、バーレーン・メリダ) +43秒
6 ローハン・デニス(オーストラリア、BMCレーシングチーム) +53秒
7 ペリョ・ビルバオ(スペイン、アスタナ プロチーム) +1分3秒
8 リチャル・カラパス(エクアドル、モビスター チーム) +1分6秒
9 クリストファー・フルーム(イギリス、チーム スカイ) +1分10秒
10 ジョージ・ベネット(ニュージーランド、ロットNL・ユンボ) +1分11秒

ポイント賞(マリアチクラミーノ)
1 エリア・ヴィヴィアーニ(イタリア、クイックステップフロアーズ) 178 pts
2 サム・ベネット(アイルランド、ボーラ・ハンスグローエ) 100 pts
3 サーシャ・モードロ(イタリア、EFエデュケーションファースト・ドラパック) 73 pts

山岳賞(マリアアッズーラ)
1 エスデバン・チャベス(コロンビア、ミッチェルトン・スコット) 35 pts
2 サイモン・イェーツ(イギリス、ミッチェルトン・スコット) 20 pts
3 ティボー・ピノ(フランス、グルパマ・エフデジ) 18 pts

新人賞(マリアビアンカ)
1 リチャル・カラパス(エクアドル、モビスター チーム) 31時間44分18秒
2 サム・オーメン(オランダ、チーム サンウェブ) +36秒
3 ベン・オコーナー(オーストラリア、ディメンションデータ) +54秒

チーム総合
1 ミッチェルトン・スコット 95時間12分0秒
2 チーム スカイ +2分6秒
3 モビスター チーム +2分11秒

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