Jプロツアー第7戦宇都宮クリテリウム 小野寺玲がスプリントで制す チームで連携し、地元で勝利

by 小森信道 / Nobumichi KOMORI
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 日本最高峰のロードレースツアー「Jプロツアー」の第7戦、「宇都宮クリテリウム」が5月12日に栃木県宇都宮市の清原工業団地内に設定された1周3kmの周回コースで開催され、集団ゴールスプリントを制した小野寺玲(宇都宮ブリッツェン)が優勝を飾った。

新たなオノデライダーポーズで優勝の喜びを爆発させ小野寺玲(宇都宮ブリッツェン) Photo: Nobumichi KOMORI
ランキング上位選手を先頭に選手たちがスタートラインに整列する Photo: Nobumichi KOMORI

 Jプロツアー宇都宮2連戦の初日となった宇都宮クリテリウム。4年前の初開催から昨年までは3月中旬にJプロツアー開幕戦として行われていたが、レーススケジュールに変更があった今年は、初めて5月に開催されることになった。ただ、開催時期が変更になったとはいえ、さすがは自転車王国・栃木県。メインステージを中心としたフードゾーンには飲食屋台がズラリと並んだほか、地元特産の野菜や自転車メーカーの物販テントも軒を連ね、主催者発表で7000人の観戦客が会場に訪れる盛況ぶりだった。

会場には朝から多くの観戦客が足を運んだ Photo: Nobumichi KOMORI
レース会場の地元団体が協力が手厚いのは自転車王国・宇都宮ならでは Photo: Nobumichi KOMORI

 コースは例年通り栃木県宇都宮市の清原工業団地内に設定された1周3kmの公道特設コース。中盤に1カ所180度コーナーが設けられているものの全て平坦のコースで、ハイスピードバトルになることが予想された。

柴田雅之(那須ブラーゼン)(手前左)、白川幸希(ヴィクトワール広島)(手前右)、中田拓也(シマノレーシング)(奥左)、山本大喜(キナンサイクリングチーム)(奥右)の逃げ集団が形成される Photo: Nobumichi KOMORI

 スタートセレモニーの後にスタートが切られたレースは早速、激しいアタック合戦に。その中から先陣を切る形で岸崇仁(那須ブラーゼン)と小渡健悟(シエルヴォ奈良MIYATA-MERIDAレーシングチーム)の2人が集団から飛び出し、続いて入部正太朗(シマノレーシング)と山本大喜(キナンサイクリングチーム)が続いた。しばらくはこの4人が集団から若干先行する展開が続いたが、3周目終盤になると集団が吸収。するとそのカウンターで中田拓也(シマノレーシング)がアタックを仕掛け、この動きに柴田雅之(那須ブラーゼン)が反応。2人が先行する展開となった。

メイン集団は逃げを容認し、一旦ペースダウン Photo: Nobumichi KOMORI
柴田雅之(那須ブラーゼン)が遅れ、逃げは山本大喜(キナンサイクリングチーム)(左)、白川幸希(ヴィクトワール広島)(中)、中田拓也(シマノレーシング)(右)の3人に Photo: Nobumichi KOMORI

 先行する2人に対し、メイン集団からは白川幸希(ヴィクトワール広島)と山本がブリッジを成功させ、逃げ集団は4人になる。そのまま5周回ごとに設定された最初のスプリント賞を迎えると、中田がペースを上げて5周目のスプリント賞を獲得。この動きで柴田が逃げ集団から遅れ、3人が30秒ほど先行して逃げ続ける展開となった。

ハイスピードの集団が一気に減速して180度コーナーをクリアしていく Photo: Nobumichi KOMORI

 その後、メイン集団から下島将輝(那須ブラーゼン)が単独で追走を試みる場面もあったものの、レースは3人の逃げ集団とメイン集団のまましばらく進み、12周目を迎える頃になるとタイム差は50秒以上にまで拡大。この状況を受け、メイン集団がようやくペースアップを開始した。逃げに選手を送り込んでいない宇都宮ブリッツェンとマトリックスパワータグが選手を出し合って集団先頭を引いて逃げ集団とのタイム差を縮めにかかり始めた。

山本大喜(キナンサイクリングチーム)が中田拓也(シマノレーシング)を振り切って単独で逃げ始める Photo: Nobumichi KOMORI

 15周目に設定された最後のスプリント賞を白川が先頭で通過すると、そのまま白川はドロップし、ここまで協調して逃げ続けていた逃げ集団が崩壊し始める。するとここで、山本がペースを上げて中田をふるい落とし、単独で逃げる展開に。一方のメイン集団は経験豊富かつタイムトライアルにも強い増田成幸(宇都宮ブリッツェン)と佐野淳哉(マトリックスパワータグ)が先頭を引き、白川と中田を吸収しながら着々と山本とのタイム差を縮めていく状況となった。

 レースも残り3周となる18周目を迎えると、単独で逃げ続ける山本がメイン集団に吸収されるのは時間の問題という状況となり、ゴールスプリント勝負になることが濃厚に。ここまで集団をけん引してきた宇都宮ブリッツェンやマトリックスパワータグに加え、チームメートの逃げで脚を温存できたシマノレーシングとキナンサイクリングチームも集団前方でまとまり始めて激しく位置取り争いを繰り広げる展開となった。

最終周に入るとすぐ、メイン集団が単独で逃げ続けた山本大喜(キナンサイクリングチーム)を吸収する Photo: Nobumichi KOMORI

 逃げ続ける山本は単独のまま最終周へと入ったものの、そのわずか5秒後方にはメイン集団が迫る状況。最終周に入ってすぐに山本が吸収されると、隊列を組んだ各チームの位置取り争いはさらに激しくなっていく。その中にあってチームとして好連携を見せたのは宇都宮ブリッツェン。増田を先頭にしっかりと隊列を組んだまま集団前方をキープすると、岡篤志(宇都宮ブリッツェン)が最後の180度コーナーを先頭のまま抜けて阿部嵩之(宇都宮ブリッツェン)にバトンタッチ。阿部に続いた鈴木龍(宇都宮ブリッツェン)が先頭で最終コーナーを立ち上がると、発射された小野寺が先頭でゴールに飛び込んだ。

チームメートの完璧なアシストを受けた小野寺玲(宇都宮ブリッツェン)(中)がスプリントを開始 Photo: Nobumichi KOMORI
応援に駆けつけた多くのファンと喜びを共有する Photo: Nobumichi KOMORI

 小野寺は今年2月のアジア選手権チームタイムトライアルで金メダルを獲得しているが、個人としては昨年10月のJプロツアー第20戦「おおいたいこいの道クリテリウム」以来となる勝利で、今シーズン初優勝。チームの地元で開催されるホームレースでの勝利に「オノデライダー」ポーズで喜びを爆発させた。小野寺は「今日のレースはチームメートから最後の200mまで何もしなくていいと言われていたので、チームメートを信じてスプリントのみに集中していた。チームメートの働きに応える勝利を挙げられてひと安心です」と勝利の喜びを語った。また、宇都宮ブリッツェンの清水裕輔監督も「地元開催のレースで思い描いた通りの優勝ができて本当に良かった」と顔をほころばせた。

左から2位のアイラン・フェルナンデス(スペイン、マトリックスパワータグ)、優勝した小野寺玲(宇都宮ブリッツェン)、3位の鈴木龍(宇都宮ブリッツェン) Photo: Nobumichi KOMORI
スプリント賞受賞者。右から5周目の中田、10周目の山本、15周目の白川 Photo: Nobumichi KOMORI

 なお、ツアーリーダーの証のルビーレッドジャージはこの日未出走だった窪木一茂(チームブリヂストンサイクリング)が、23歳未満のランキングトップの選手が着用するピュアホワイトジャージ は小山智也(イナーメ信濃山形)が、ともに堅守している。

 次戦は翌5月13日に「宇都宮ロードレース」が、宇都宮市で開催される。

Jプロツアー第7戦「宇都宮クリテリウム」リザルト
1 小野寺玲(宇都宮ブリッツェン) 1時間21分50秒
2 アイラン・フェルナンデス(マトリックスパワータグ)
3 鈴木龍(宇都宮ブリッツェン)
4 中島康晴(キナンサイクリングチーム)
5 黒枝咲哉(シマノレーシング) +1秒
6 横山航太(シマノレーシング)

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