ジロ・デ・イタリア2018 第7ステージベネットがスプリント勝負を制しグランツール初勝利 マリアローザはイェーツがキープ

by 平井久美子 / Kumiko HIRAI
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 ジロ・デ・イタリアは5月11日、第7ステージがピッツォからプライア・ア・マーレまでの159kmで争われ、集団スプリント争いを制したサム・ベネット(アイルランド、ボーラ・ハンスグローエ)がグランツール初勝利を飾った。総合首位のマリアローザは、トップとタイム差なしの24位でゴールしたサイモン・イェーツ(イギリス、ミッチェルトン・スコット)がキープ。総合トップ10に変動はない。

ジロ出場は今回で2回目。グランツール初勝利を飾ったベネット Photo : Yuzuru SUNADA

久々にスプリンターの見せ場が登場

 いよいよイタリア半島に突入するこの日は、海沿いを走る平坦ステージ。ラスト20km付近などに上りがあるものの、スプリンターでも十分にクリアできるもので、山岳ポイントは1つも設定されていない。ポイントとなるのは終盤の位置取り争い。ラスト10kmから5kmの区間に3つのトンネルが登場。その後一度Uターンし、2km地点には2つの直角コーナーが待ち受ける。そこをクリアすれば、ゴールまでは1.9kmの直線となっている。

 スタート直後、飛び出したのはトニー・マルティン(ドイツ、カチューシャ・アルペシン)、マルケル・イリサル(スペイン、トレック・セガフレード)、アンドローニ・シデルメク・ボッテキアのダヴィデ・バレリーニ(イタリア)、ファウスト・マスナーダ(イタリア)の4人。

前日、見事なチームワークで勝利を飾ったミッチェルトン・スコットはメイン集団の前方へ ©Yuzuru SUNADA

 しかし、この逃げは許されず、6kmほどでメイン集団はこの4人を捕まえる。振り出しに戻ったところでカウンターアタックを仕掛けたのは、再び動いたバレリーニとイリサル、ここに今度はマキシム・ベルコフ(ロシア、カチューシャ・アルペシン)が加わった。この動きは容認され、レースは3人の逃げとメイン集団で展開されていく。

 メイン集団の先頭は、ここまでスプリント2勝のエリア・ヴィヴィアーニ(イタリア)を擁するクイックステップフロアーズ、またウィリエールトリエスティーナ・セッレイタリアのアシスト選手がコントロールを担い、その後ろをリーダーチームのミッチェルトン・スコットの隊列が占める。タイム差は2分から3分ほどに保たれて、レースは海沿いの道を淡々と進んだ。

イタリア本土に突入。この日は海岸沿いを走った。その美しさとは裏腹にレースは激しい展開に Photo : Yuzuru SUNADA

レースは終盤に向け目まぐるしく動く

 レース後半、メイン集団の先頭ではEFエデュケーションファースト・ドラパックもけん引に加わり、徐々に逃げとのタイム差を縮めていった。残り約20km地点でその差は1分を切り、逃げ吸収までは時間の問題となる。

逃げた3人。先頭のバレリーニが最後まで粘った Photo: Yuzuru SUNADA

 残り約14km地点、最後の力を振り絞ったバレリーニが逃げの中からアタック。ベルコフとイリサルはその動きについていけずメイン集団に吸収される。ただ、直後に集団からマルティンがアタック。ここまで逃げ続けたバレリーニもあえなく吸収された。

 一方、マルティンの動きにメイン集団からニコラス・ロッシュ(アイルランド、BMCレーシングチーム)やディエゴ・ウリッシ(イタリア、UAEチーム・エミレーツ)、ミルコ・マエストリ(イタリア、バルディア―ニ・CSF)、フランチェスコ・ガヴァッツィ(イタリア、アンドローニ・シデメルク・ボッテキア)が反応。しかし、マルティン含む5人はすぐに吸収され1つの集団に戻る。

 その直後、今度はアレックス・ドーセット(イギリス)、マッズウルス・シュミット(デンマーク)らカチューシャ・アルペシン勢が断続的にカウンターアタックを仕掛けるが、どれも決定打とはならず集団へと吸収された。

勝負は予想通りの大集団スプリントに

 残り10kmを切る頃、カウンターアタックの目まぐるしい展開が収まり、各チーム隊列を組み始める。残り5kmのUターン個所を終え、先頭に立ったのはロット・フィックスオールのトレイン。その後ろにトレック・セガフレードやEFエデュケーションファースト・ドラパックらが位置していた。さらに、残り2km地点の直角コーナーではロットNL・ユンボも前方に出て好位置をとる。

 フィニッシュまでは1.9kmのストレート。1kmを切ったところでEFエデュケーションファースト・ドラパック、ロット・フィックスオール、ロットNL・ユンボトレインが枚数を揃え前方に出てくる。残り800mでは、注目のクイックステップフロアーズも先頭付近へ。ヴィヴィアーニ発射の体制を整えた。

スプリント争いを制したベネット。2位のヴィヴィアーニとの差は僅かだった Photo : Yuzuru SUNADA
ゴール直後のベネット。喜びがあふれ出す Photo: Yuzuru SUNADA

 各チーム入り乱れる中、先頭で仕掛けたのはダニー・ファンポッペル(オランダ)擁するロットNL・ユンボで、中央から加速する。しかし、直後にその左からサーシャ・モードロ(イタリア、EFエデュケーションファースト・ドラパック)、その後ろにピタリとついていたヴィヴィアーニがスプリントを開始する。

 ここまでのスプリントステージでも、途中まで息を潜め伸びのあるスプリントで勝利してきたヴィヴィアーニ。この日もモードロの仕掛けに反応しスプリントを開始、必勝態勢に持ち込む。だが、この日は違った。ヴィヴィアーニの後ろにピタリとついていたベネットがヴィヴィアーニの加速を見て、スプリント。最後の最後で差し切り、勝利を飾った。

 ここまでの2つのスプリントステージは、終盤まで勝負に絡みながらも3位に終わっていたベネット。その悔しさを晴らす結果となった。

イェーツはマリアローザをキープ。明日、明後日の山頂フィニッシュステージに挑む Photo: Yuzuru SUNADA

ダイジェスト動画(期間限定公開)

第7ステージ結果
1 サム・ベネット(アイルランド、ボーラ・ハンスグローエ) 3時間45分27秒
2 エリア・ヴィヴィアーニ(イタリア、クイックステップフロアーズ)
3 ニッコロ・ボニファツィオ(イタリア、バーレーン・メリダ)
4 サーシャ・モードロ(イタリア、EFエデュケーションファースト・ドラパック)
5 ダニー・ファンポッペル(オランダ、ロットNL・ユンボ)
6 ヤクブ・マレツェコ(イタリア、ウィリエールトリエスティーナ・セッレイタリア)
7 クレマン・ヴァントゥリーニ(フランス、アージェードゥーゼール ラモンディアール)
8 マッズ・ペデルセン(デンマーク、トレック・セガフレード)
9 ユルゲン・ルーランズ(ベルギー、BMCレーシングチーム)
10 イェンス・デブシェール(ベルギー、ロット・フィックスオール)

個人総合(マリアローザ)
1 サイモン・イェーツ(イギリス、ミッチェルトン・スコット) 26時間31分30秒
2 トム・デュムラン(オランダ、チーム サンウェブ) +16秒
3 エステバン・チャベス(コロンビア、ミッチェルトン・スコット) +26秒
4 ドメニコ・ポッツォヴィーヴォ(イタリア、バーレーン・メリダ) +43秒
5 ティボー・ピノ(フランス、グルパマ・エフデジ) +45秒
6 ローハン・デニス(オーストラリア、BMCレーシングチーム) +53秒
7 ペリョ・ビルバオ(スペイン、アスタナ プロチーム) +1分3秒
8 クリストファー・フルーム(イギリス、チーム スカイ) +1分10秒
9 ジョージ・ベネット(ニュージーランド、ロットNL・ユンボ) +1分11秒
10 ファビオ・アル(イタリア、UAEチーム・エミレーツ) +1分12秒

ポイント賞(マリアチクラミーノ)
1 エリア・ヴィヴィアーニ(イタリア、クイックステップフロアーズ) 178 pts
2 サム・ベネット(アイルランド、ボーラ・ハンスグローエ) 100 pts
3 サーシャ・モードロ(イタリア、EFエデュケーションファースト・ドラパック) 73 pts

山岳賞(マリアアッズーラ)
1 エステバン・チャベス(コロンビア、ミッチェルトン・スコット) 35 pts
2 サイモン・イェーツ(イギリス、ミッチェルトン・スコット) 18 pts
3 ティボー・ピノ(フランス、グルパマ・エフデジ) 12 pts

新人賞(マリアビアンカ)
1 リチャル・カラパス(エクアドル、モビスター チーム) 26時間32分53秒
2 ベン・オコーナー(オーストラリア、ディメンションデータ) +16秒
3 サム・オーメン(オランダ、チーム サンウェブ) +19秒

チーム総合
1 ミッチェルトン・スコット 79時間36分54秒
2 チーム スカイ +2分6秒
3 モビスター チーム

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