ジロ・デ・イタリア2018 第5ステージバッターリンが混戦の集団スプリントを制し優勝 マリアローザはデニスがキープ

by 平井久美子 / Kumiko HIRAI
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 ジロ・デ・イタリアは5月9日、第5ステージがアグリジェントからサンタニンファまでの153kmで争われ、エンリーコ・バッタリーン(イタリア、ロットNL・ユンボ)が優勝を飾った。前日3位の雪辱を果たした結果になった。また、トップとタイム差なしの14位でゴールしたローハン・デニス(オーストラリア、BMCレーシングチーム)は、この日も総合首位のマリアローザを守っている。

エンリーコ・バッタリーン(イタリア、ロットNL・ユンボ)がステージ優勝。終盤の急坂を経ての混戦スプリントを制した Photo: Yuzuru SUNADA

2連勝を狙うロットがコントロール

 シチリア島2日目となる第5ステージは、前日と同じくアップダウンコース。序盤は細かいアップダウンがある海岸沿いを走り、レース後半は山岳が待ち受ける内陸部へと突入する。その後半には4級山岳が3つ登場、さらにゴール前の残り約2km地点には最大勾配12%の上りが待ち受ける。その上りをクリアした後、フィニッシュ地点までは僅かに下って緩やかに上るレイアウトだ。

 レースはスタート直後、早々に逃げが決まる。逃げはローラン・ディディエ(ルクセンブルク)とライアン・ミューレン(アイルランド)のトレック・セガフレードコンビ、そして、アンドレーア・ヴェンドラーメ(イタリア、アンドローニ・シデルメク・ボッテキア)とエウゲルト・ズバ(アルバニア、ウィリエールトリエスティーナ・セッレイタリア)のプロコンチネンタルチームコンビ、合計4人で形成された。

前半はデニス擁するBMCがコントロール Photo: Yuzuru SUNADA

 一方メイン集団は序盤、総合1位のデニス擁するBMCレーシングチームがタイム差5分程にキープしていたが、残り約100kmを切るころになると、前日優勝を飾ったティム・ウェレンス(ベルギー)擁するロット・フィックスオールが、前日の再現とばかりにペースアップ。タイム差を3分から4分にコントロールしていた。ゴールまで約27km地点に登場する2つ目の中間スプリントポイントを通過する頃でも、逃げとのタイム差は2分半前後。絶妙なコントロールで前の動きをうかがっていた。

前日の再現を狙うロット・フィックスオールがメイン集団をコントロール Photo: Yuzuru SUNADA

ロペスが再び落車でタイムを失う

 残り24kmを切ったところで先頭集団にも動きが出始める。まず、ディディエがアタック。この動きにヴェンドラーメとズバがチェックに入るがチームメートのミューレンは後れ気味になる。

 しばらくして今度はヴェンドラーメがアタック。この動きにより逃げ集団は完全に崩壊。しばらくしてミューレン、残り15km付近ではディディエとズバがメイン集団に吸収され、先頭はヴェンドラーメが単独になった。一方この頃メイン集団は、相変わらずロット・フィックスオールやUAEチーム・エミレーツ、チーム スカイなどが隊列を組んで展開していた。

最後は単独で逃げ続けたヴェンドラーメ Photo: Yuzuru SUNADA

 ヴェンドラーメの吸収も時間の問題というメイン集団だったが、ここでアクシデントが発生。緩やかなアップダウン区間のコーナー手前で、集団落車が起きた。スプリント賞ジャージを着るエリア・ヴィヴィアーニ(イタリア、クイックステップフロアーズ)、新人賞ジャージのマキシミリアン・シャフマン(ドイツ、クイックステップフロアーズ)、総合7位のドメニコ・ポッツォヴィーヴォ(イタリア、バーレーン・メリダ)らも巻き込まれてしまう。

 レース終盤のアクシデントだったが、集団のスピードが上がりきっていない時間帯だったため、総合上位勢はしばらくしてメイン集団へ復帰した。だがその後しばらくして、メイン集団内でミゲルアンヘル・ロペス(コロンビア、アスタナ プロチーム)が、単独で草むらにコースアウト。アスタナのエースとして今大会に乗り込んだロペスだが、この日は結局集団に復帰できず。第1ステージの個人タイムトライアルに続き、落車で大きくタイムを失ってしまった。

混戦のスプリントを制し4年ぶり勝利

 逃げ吸収のタイミングを計っていたメイン集団だが、残り3kmを前についにヴェンドラーメを吸収。チーム スカイやロット・フィックスオール、バーレーン・メリダなど、各チームが先頭を入れ替わるなか、残り2kmからの細い急勾配区間に突入した。

 数百m続いた急勾配区間ではペースアップがかかるものの、決定的なアタックは決まらない。再び道幅が広くなった残り1km手前、ディエゴ・ウリッシ(イタリア、UAEチーム・エミレーツ)がアタックを仕掛けるが、これも決まらない。

 集団の人数も30人弱に絞られており、各チームとも組織的な動きがないまま混戦の駆け引きが続くが、残り400mでジョヴァンニ・ヴィスコンティ(イタリア、バーレーン・メリダ)がロングスプリントを仕掛けた。鋭い加速で抜け出すが、これに唯一反応したのがバッターリンだ。最終コーナーを抜けて残り200mからヴィスコンティをかわすと、そのまま先頭でゴールラインを駆け抜けた。

ゴール前で先頭に立ったバッターリン、後ろを振り返って勝利を確信 Photo: Yuzuru SUNADA

 バッターリンの勝利は実に4年ぶり。前回の勝利もジロでのステージ優勝だった。プロ通算4勝のうち3勝がジロでの優勝という、地元の大舞台での勝負強さを発揮した。総合有力勢はほぼメイン集団でゴールし、各賞リーダージャージは変わらず、翌ステージへと駒を進めた。

第2ステージからマリアローザをキープしているデニス Photo: Yuzuru SUNADA

ダイジェスト動画(期間限定公開)

第5ステージ結果
1 エンリーコ・バッタリーン(イタリア、ロットNL・ユンボ) 4時間6分33秒
2 ジョヴァンニ・ヴィスコンティ(イタリア、バーレーン・メリダ)
3 ジョセ・ゴンサルベス(ポルトガル、カチューシャ・アルペシン)
4 マキシミリアン・シャフマン(ドイツ、クイックステップフロアーズ)
5 サイモン・イェーツ(イギリス、ミッチェルトン・スコット)
6 ティム・ウェレンス(ベルギー、ロット・フィックスオール)
7 フランチェスコ・ガヴァッツィ(イタリア、アンドローニジョカットリ・シデルメク)
8 マウリス・ラメルティンク(オランダ、カチューシャ・アルペシン)
9 ドメニコ・ポッツォヴィーヴォ(イタリア、バーレーン・メリダ)
10 パトリック・コンラッド(オーストリア、ボーラ・ハンスグローエ)

個人総合(マリアローザ)
1 ローハン・デニス(オーストラリア、BMCレーシングチーム) 18時間29分41秒
2 トム・デュムラン(オランダ、チーム サンウェブ) +1秒
3 サイモン・イェーツ(イギリス、ミッチェルトン・スコット) +17秒
4 ティム・ウェレンス(ベルギー、ロット・フィックスオール) +19秒
5 ペリョ・ビルバオ(スペイン、アスタナ プロチーム) +25秒
6 マキシミリアン・シャフマン(ドイツ、クイックステップフロアーズ) +28秒
7 ドメニコ・ポッツォヴィーヴォ(イタリア、バーレーン・メリダ)
8 ジョセ・ゴンサルベス(ポルトガル、カチューシャ・アルペシン) +32秒
9 ティボー・ピノ(フランス、グルパマ・エフデジ) +34秒
10 パトリック・コンラッド(オーストリア、ボーラ・ハンスグローエ) +35秒

ポイント賞(マリアチクラミーノ)
1 エリア・ヴィヴィアーニ(イタリア、クイックステップフロアーズ) 131 pts
2 サーシャ・モードロ(イタリア、EFエデュケーションファースト・ドラパック) 55 pts
3 ヤクブ・マレツェコ(イタリア、ウィリエールトリエスティーナ・セッレイタリア) 53 pts

山岳賞(マリアアッズーラ)
1 エンリーコ・バルビン(イタリア、バルディアーニ・CSF) 11 pts
2 マルコ・フラッポルティ(イタリア、アンドローニジョカットリ・シデルメク) 7 pts
3 ライアン・ミューレン(アイルランド、トレック・セガフレード) 6 pts

新人賞(マリアビアンカ)
1 マキシミリアン・シャフマン(ドイツ、クイックステップフロアーズ) 18時間30分9秒
2 ヴァレリオ・コンティ(イタリア、UAEチーム・エミレーツ) +25秒
3 サム・オーメン(オランダ、チーム サンウェブ) +32秒

チーム総合
1 ミッチェルトン・スコット 55時間31分3秒
2 ボーラ・ハンスグローエ +16秒
3 モビスター チーム +18秒

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