ジロ・デ・イタリア2018 第4ステージ最大勾配13%の上りスプリントでウェレンスが勝利 フルームが最後遅れてタイムを失う

by あきさねゆう / Yuu AKISANE
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 ジロ・デ・イタリアは5月8日、第4ステージがイタリアのカターニアからカルタジローネまでの202kmで争われ、ティム・ウェレンス(ベルギー、ロット・フィックスオール)が最大勾配13%の激坂区間を含む上りスプリントを制して勝利を飾った。マリアローザを着用するローハン・デニス(オーストラリア、BMCレーシングチーム)がトップから4秒遅れのステージ12位でフィニッシュし、総合首位をキープ。クリストファー・フルーム(イギリス、チーム スカイ)は21秒遅れのステージ31位となり、デニスから55秒遅れの総合20位に後退した。

上りスプリントで勝利したティム・ウェレンス Photo : Yuzuru SUNADA

イタリアでレース再開

 3日間のイスラエルでのレースを終えたプロトン一行は、移動日を1日挟んでイタリア・シチリア島にて再スタートを切った。シチリア島でのステージも3日間で行われる。初日はパレルモに次ぐ大きな街であるカターニアをスタートし、南に大きく迂回しながら内陸部の街・カルタジローネを目指す。

 コースは中盤から終盤にかけて細かいアップダウンが断続的に登場するものの、カテゴリー山岳は82.4km地点と150.5km地点の2カ所に4級山岳が設定されているのみ。しかし、フィニッシュ地点は最大斜度13%の激坂が待ち受けており、パンチャーやクライマー向きのステージと見られていた。

この日も逃げに乗り、山岳賞ジャージを守ったエンリーコ・バルビン Photo: Yuzuru SUNADA

 この日の逃げは5人。メンバーはカンタン・ジョレギ(フランス、アージェードゥーゼールラモンディアール)、ヤコボ・モズカ(イタリア、ウィリエール・トリエスティーナ・セッレイタリア)、マキシム・ベルコフ(ロシア、カチューシャ・アルペシン)、そして山岳賞ジャージを着用するエンリーコ・バルビン(イタリア、バルディアーニ・CSF)と山岳ランキング2位のマルコ・フラッポルティ(イタリア、アンドローニ・シデルメク・ボッテキア)。

 総合成績では1分52秒遅れのジョレギが逃げに乗ったため、リーダージャージを擁するBMCレーシングチームが中心にメイン集団をコントロールし、逃げ集団とのタイム差は最大で4分以内に留められた。

 2カ所の山岳ポイントはどちらもバルビンが1位通過を果たし、山岳賞ジャージをキープした。

ピンクに飾られた市街地を駆け抜けるプロトン Photo: Yuzuru SUNADA

チームメートの働きに応えたウェレンス

 終盤に向けてメイン集団は、逃げ集団とのタイム差をじわじわ詰めていき、残り13.5km地点で逃げはすべて吸収された。

 するとフィニッシュまで残り11km地点で、エドアルド・ザルディーニ(イタリア、ウィリエール・トリエスティーナ・セッレイタリア)がアタック。ヴァレリオ・コンティ(イタリア、UAEチーム・エミレーツ)がチェックして2人が集団から抜け出す格好となった。

エースのウェレンスのために、サンデル・アルメ(ベルギー、ロット・フィックスオール)が集団先頭でけん引 Photo: Yuzuru SUNADA

 コンティは残り9.5km地点で、ザルディーニを突き放して独走に持ち込み、メイン集団とのタイム差を一気に20秒以上まで広げた。しかし、多くのアシスト選手を残しているメイン集団は単独で逃げるコンティを徐々に追い詰めていき、残り3.3km地点で吸収した。

 そしてトッシュ・ヴァンデルサンド(ベルギー、ロット・フィックスオール)が先頭に立ち、メイン集団のコントロールを開始。チームメートのウェレンスは先頭から3番手付近の好位置を確保する。

 テクニカルなコーナリングが続くなかで、マリアビアンカ(新人賞ジャージ)を着用するマキシミリアン・シャフマン(ドイツ、クイックステップフロアーズ)がコーナーを曲がりきれずに落車してしまう。幸い、すぐにレース復帰できたため、何とかマリアビアンカを守ることができた。

 残り1km地点までヴァンデルサンドは強力な引きは集団分裂を引き起こし、ウェレンスを含む4人の選手が他の有力選手が残る後方の集団から数秒ほどリード。そして、最後の激坂区間へと突入していった。残り300m付近で、エンリーコ・バッタリーン(イタリア、ロットNL・ユンボ)が先頭のウェレンスたちにブリッジを仕掛け、バッタリーンに続いたメイン集団の選手たちも合流したことで再び一つの集団となった。 

険しい上りスプリントをウェレンスが完勝 Photo: Yuzuru SUNADA

 フィニッシュまで残り200mを切ったところで、バッタリーンが先頭でスプリントを開始すると、ウェレンス、マイケル・ウッズ(カナダ、EFエデュケーションファースト・ドラパック)と続いた。先頭付近で脚を溜めていたウェレンスが残り100m付近でバッタリーンをかわして先頭に立つと、そのまま勢いが衰えることなくフィニッシュ。2年ぶりのステージ勝利を飾った。

 平均勾配7.5%のラスト800m区間で、ウェレンスは最高速度時速45kmをマークしたように、得意の上りスプリントで盤石の勝利だった。

 レース後のインタビューでは「終盤、好位置をキープできたのはチームメートのおかげだ。アダム(ハンセン)は本当に長い時間集団をけん引していたし、トッシュ(ヴァンデルサンド)はけん引だけでなく、集団分断を引き起こした。おかげで有利な状況で上り始めることができた。残り200mからはフルガス(全開)だった」と語った。

表彰台で笑顔を見せるティム・ウェレンス Photo : Yuzuru SUNADA

 ゴール前が急勾配だったため、メイン集団は細分化され、それぞれにタイム差が付いた。総合有力勢ではトム・デュムラン(オランダ、チーム サンウェブ)、エスデバン・チャベス(コロンビア、ミッチェルトン・スコット)、ティボー・ピノ(フランス、グルパマ・エフデジ)、ドメニコ・ポッツォヴィーヴォ(イタリア、バーレーン・メリダ)、ルイスレオン・サンチェス(スペイン、アスタナ プロチーム)らが、総合首位のデニスと同じ先頭から4秒差のグループでゴールしたが、ファビオ・アル(イタリア、UAEチーム・エミレーツ)は10秒遅れのグループ、フルームに至っては21秒遅れで、それぞれライバルからタイムを失った。

この日もマリアローザを守ったデニス Photo: Yuzuru SUNADA

ダイジェスト動画(期間限定公開)

第4ステージ結果
1 ティム・ウェレンス(ベルギー、ロット・フィックスオール) 5時間17分34秒
2 マイケル・ウッズ(カナダ、EFエデュケーションファースト・ドラパック)
3 エンリーコ・バッタリーン(イタリア、ロットNL・ユンボ)
4 サイモン・イェーツ(イギリス、ミッチェルトン・スコット)
5 ダヴィデ・フォルモロ(イタリア、ボーラ・ハンスグローエ)
6 ロマン・クロイツィゲル(チェコ、ミッチェルトン・スコット) +4秒
7 パトリック・コンラッド(オーストリア、ボーラ・ハンスグローエ)
8 ルイスレオン・サンチェス(スペイン、アスタナ プロチーム)
9 ドメニコ・ポッツォヴィーヴォ(イタリア、バーレーン・メリダ)
10 エスデバン・チャベス(コロンビア、ミッチェルトン・スコット)

個人総合(マリアローザ)
1 ローハン・デニス(オーストラリア、BMCレーシングチーム) 14時間23分8秒
2 トム・デュムラン(オランダ、チーム サンウェブ) +1秒
3 サイモン・イェーツ(イギリス、ミッチェルトン・スコット) +17秒
4 ティム・ウェレンス(ベルギー、ロット・フィックスオール) +19秒
5 ペリョ・ビルバオ(スペイン、アスタナ プロチーム) +25秒
6 マキシミリアン・シャフマン(ドイツ、クイックステップフロアーズ) +28秒
7 ドメニコ・ポッツォヴィーヴォ(イタリア、バーレーン・メリダ)
8 ティボー・ピノ(フランス、グルパマ・エフデジ) +34秒
9 パトリック・コンラッド(オーストリア、ボーラ・ハンスグローエ) +35秒
10 カルロス・ベタンクール(コロンビア、モビスター チーム)

ポイント賞(マリアチクラミーノ)
1 エリア・ヴィヴィアーニ(イタリア、クイックステップフロアーズ) 130 pts
2 サーシャ・モードロ(イタリア、EFエデュケーションファースト・ドラパック) 55 pts
3 ヤクブ・マレツェコ(イタリア、ウィリエールトリエスティーナ・セッレイタリア) 53 pts

山岳賞(マリアアッズーラ)
1 エンリーコ・バルビン(イタリア、バルディアーニ・CSF) 11 pts
2 マルコ・フラッポルティ(イタリア、アンドローニ・シデルメク・ボッテキア) 7 pts
3 ギヨーム・ボワヴァン(カナダ、イスラエル サイクリングアカデミー) 3 pts

新人賞(マリアビアンカ)
1 マキシミリアン・シャフマン(ドイツ、クイックステップフロアーズ) 14時間23分36秒
2 ヴァレリオ・コンティ(イタリア、UAEチーム・エミレーツ) +25秒
3 サム・オーメン(オランダ、チーム サンウェブ) +32秒

チーム総合
1 ミッチェルトン・スコット 43時間11分24秒
2 アスタナ プロチーム
3 ボーラ・ハンスグローエ +16秒

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