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ジロ・デ・イタリア2018 第3ステージ強風が吹き荒れる砂漠ステージでヴィヴィアーニが2連勝を飾る デニスは首位キープ

by あきさねゆう / Yuu AKISANE
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 ジロ・デ・イタリアは5月6日、第3ステージがイスラエルのベエルシェバからエイラトまでの229kmで争われ、エリア・ヴィヴィアーニ(イタリア、クイックステップフロアーズ)が集団スプリントを制して、2連勝を飾った。強風によりナーバスになる集団において、総合首位のローハン・デニス(オーストラリア、BMCレーシングチーム)はしっかりとマリアローザをキープ。史上初イスラエルでの3ステージは無事に終了した。

集団スプリントを制し、ジロ2連勝を飾ったエリア・ヴィヴィアーニ Photo : Yuzuru SUNADA

砂漠のなかを南下する強風ステージ

 前日にフィニッシュしたテルアビブから南へ100km弱ほどの距離にあるベエルシェバは、ネゲヴ砂漠最大の都市となっており、人口は20万人だ。「聖書ゆかりの遺丘群」として世界遺産にも登録されている遺丘(テル)の一つがベエルシェバ郊外に位置している。

 第3ステージは、そのネゲヴ砂漠をひたすら南下して、紅海に面するエイラトにフィニッシュするコースだ。途中4級山岳が1カ所に設置されているだけの平坦ステージではあるが、周囲に遮るものが何もないためか、集団は一日中強い風に悩まされることとなった。

 レース開始のフラッグが振られると、直後に集団から3人の選手が飛び出した。山岳賞ジャージを着用するエンリーコ・バルビン(イタリア、バルディアーニ・CSF)、前日に引き続きギヨーム・ボワヴァン(カナダ、イスラエル サイクリングアカデミー)、33歳ベテランのマルコ・フラッポルティ(イタリア、アンドローニ・シデルメク・ボッテキア)が逃げ集団を形成した。

地元チームのイスラエルサイクリングアカデミーの応援フラッグを振るファン Photo : Yuzuru SUNADA

 前半に2カ所設定された中間スプリントはいずれもボワヴァンが先頭通過。4級山岳はフラッポルティが先頭通過し、バルビンは2着で山岳賞ジャージをキープした。

 マリアローザを抱えるBMCレーシングチームやステージ勝利を狙うスプリンターチームが中心となってコントロールするメイン集団は、逃げ集団とのタイム差を最大5分程度に抑えながらレースは進行した。

 レース終盤に近づくにつれ着々と両者の差は縮まり、残り10kmでタイム差は30秒。周囲に障害物がほとんどない砂漠を突っ切る道路を走る選手たちには、猛烈な風が襲いかかっていた。追い風基調ながら時折横風も吹いていたため集団はいくつかに分裂し、前日ステージ4位だったニッコロ・ボニファツィオ(イタリア、バーレーン・メリダ)は遅れてしまった。

 逃げ集団は追い風に乗ってスピードを上げ、最後まで粘りを見せていたものの残り5.8km地点でメイン集団に吸収された。

後方から差し切ったヴィヴィアーニ

 残り5kmを切ってから、9回ラウンドアバウトを通過するテクニカルなコースを、チェコのチャンピオンジャージを着用するゼネク・スティバルとマリアビアンカを着用するマキシミリアン・シャフマン(ドイツ)がけん引するクイックステップフロアーズは好位置をキープし続けていた。

沿道にはこのような大きなペナントが用意されていたり、コスプレしたファンが並走するなど、イスラエル現地のファンの熱狂ぶりは予想以上だった Photo : Yuzuru SUNADA

 残り1.7km地点でコースは180度折り返すと、強烈な向かい風が集団を襲ったことで、集団先頭は混沌となり各チームの選手が入り乱れるような状況となった。

 残り1kmを切ってもなお、クイックステップが先頭を抑えていたが、先頭のアシストとヴィヴィアーニの間にはロット・フィックスオールやボーラ・ハンスグローエの選手たちが入り込んでいた。

 そのなかでヴィヴィアーニは前日ステージ3位のサム・ベネット(アイルランド、ボーラ・ハンスグローエ)の背後をキープ。ベネットが最初にスプリントを開始すると、ヴィヴィアーニ、サーシャ・モードロ(イタリア、EFエデュケーションファースト・ドラパック)と続いた。

 ベネットがコース左側から大きく右側に寄せながらスプリントするものの、ヴィヴィアーニは肩でベネットを押し返し進路を確保。最後は自慢のパワーで押し切ってステージ2連勝を飾った。

時速60km以上の高速域で、サム・ベネットと接触しながらも勝利したエリア・ヴィヴィアーニのスプリント Photo : Yuzuru SUNADA

 レース後のヴィヴィアーニは「最初の2時間は調子が良くなく、エネルギーも低かったが、走るにつれて徐々に調子が良くなっていった。アシストのファビオ・サバティーニ(イタリア)がパンクで離脱していたにもかかわらず、終盤のラウンドアバウトを集団前方で走ることができた。最後は向かい風が吹いていたので、位置を下げてベネットの後方につくことにしたんだ」と位置取りの戦術について語った。

 「信じられないようなイスラエルでの週末を過ごすことができて本当にうれしい。イスラエルでのレースは素晴らしい運営と、熱狂的なファンのサポートに感謝している。そして彼らがこのスポーツをどれだけ愛しているかが伝わってきたんだ。明日の休息日を挟んで、イタリアでもチームの力を証明できるように走りたい。この2勝でグランツールを高いレベルで戦えることを確信したし、今後3週間さらに自信を持って挑むことができるよ」と勝利の喜びを語った。

 ヴィヴィアーニのスプリントは、残り250m区間を16秒で駆け抜け、最高速度は時速64.9km、最大出力は1443W、平均出力は819Wだった。

 マリアローザのデニスはトップと同タイムのステージ36位に入り、総合1位を守った。

リーダージャージを堅守したローハン・デニス Photo : Yuzuru SUNADA

ダイジェスト動画(期間限定公開)

第3ステージ結果
1 エリア・ヴィヴィアーニ(イタリア、クイックステップフロアーズ) 5時間2分9秒
2 サーシャ・モードロ(イタリア、EFエデュケーションファースト・ドラパック)
3 サム・ベネット(アイルランド、ボーラ・ハンスグローエ)
4 ヤクブ・マレツェコ(イタリア、ウィリエールトリエスティーナ・セッレイタリア)
5 ダニー・ファンポッペル(オランダ、ロットNL・ユンボ)
6 イェンス・デブシェール(ベルギー、ロット・フィックスオール)
7 マヌエル・ベレッティ(イタリア、アンドローニ・シデルメク・ボッテキア)
8 バティスト・プランカールト(ベルギー、カチューシャ・アルペシン)
9 マッズ・ペデルセン(デンマーク、トレック・セガフレード)
10 ジョセ・ゴンサルベス(ポルトガル、カチューシャ・アルペシン)

個人総合(マリアローザ)
1 ローハン・デニス(オーストラリア、BMCレーシングチーム) 9時間5分30秒
2 トム・デュムラン(オランダ、チーム サンウェブ) +1秒
3 ジョセ・ゴンサルベス(ポルトガル、カチューシャ・アルペシン) +13秒
4 アレックス・ドーセット(イギリス、カチューシャ・アルペシン) +17秒
5 ペリョ・ビルバオ(スペイン、アスタナ プロチーム) +19秒
6 サイモン・イェーツ(イギリス、ミッチェルトン・スコット) +21秒
7 マキシミリアン・シャフマン(ドイツ、クイックステップフロアーズ) +22秒
8 トニー・マルティン(ドイツ、カチューシャ・アルペシン) +28秒
9 ドメニコ・ポッツォヴィーヴォ(イタリア、バーレーン・メリダ)
10 カルロス・ベタンクール(コロンビア、モビスター チーム) +29秒

ポイント賞(マリアチクラミーノ)
1 エリア・ヴィヴィアーニ(イタリア、クイックステップフロアーズ) 130 pts
2 サーシャ・モードロ(イタリア、EFエデュケーションファースト・ドラパック) 55 pts
3 ヤクブ・マレツェコ(イタリア、ウィリエールトリエスティーナ・セッレイタリア) 53 pts

山岳賞(マリアアッズーラ)
1 エンリーコ・バルビン(イタリア、バルディアーニ・CSF) 5 pts
2 マルコ・フラッポルティ(イタリア、アンドローニ・シデルメク・ボッテキア) 3 pts
3 ギヨーム・ボワヴァン(カナダ、イスラエル サイクリングアカデミー) 3 pts

新人賞(マリアビアンカ)
1 マキシミリアン・シャフマン(ドイツ、クイックステップフロアーズ) 9時間5分52秒
2 ヴァレリオ・コンティ(イタリア、UAEチーム・エミレーツ) +8秒
3 マス・ヴーツ・スミト(デンマーク、カチューシャ・アルペシン) +9秒

チーム総合
1 カチューシャ・アルペシン 27時間17分28秒
2 ロット・スーダル +39秒
3 BMCレーシングチーム +41秒

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