2位と3秒差で最終日へキナン勢が集団をコントロールして中島康晴の首位をキープ スリランカTカップ第2ステージ

by 福光俊介 / Syunsuke FUKUMITSU
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 スリランカで開催のUCIアジアツアーのステージレース、スリランカ Tカップ(UCIアジアツアー2.2)は5月5日、第2ステージが行われ、総合首位のリーダージャージを着る中島康晴(キナンサイクリングチーム)は区間6位でゴールし、首位の座を守って最終日へと駒を進めた。

総合首位のイエロージャージと、ポイント賞のグリーンジャージをキープした中島康晴(右) Photo: KINAN Cycling Team / Syunsuke FUKUMITSU

大会唯一の山岳コース

 この日のルートは、マヒヤンガーナヤからキャンディ(Kandy)までの85.3km。今大会の最短距離でありながら、唯一の山岳ステージとなり、中盤に2つのカテゴリー山岳が立て続けに現れ、選手たちをふるいにかける。2つ目の山頂を通過すると、フィニッシュまで約37km。登坂力とスピードが問われるコースセッティングとなった。

石田哲也監督を中心に、スタート直前までコースのチェックをするキナン勢 Photo: KINAN Cycling Team / Syunsuke FUKUMITSU

 個人総合でも首位に立つ中島は、イエローのリーダージャージで第2ステージを出走。総合2位のステファン・アスタフイェフ(カザフスタン、ヴィノ・アスタナモータース)が3秒差で続いていることから、ボーナスタイムが適用される中間スプリント、フィニッシュを含めて、ライバルの動きに気を配りながらレースを進めることになる。中島を支えるのは、中西健児、雨乞竜己、トマ・ルバ、新城雄大の4人。

スタートする集団 Photo: KINAN Cycling Team / Syunsuke FUKUMITSU

 レースが始まると、序盤の平坦区間から次々とアタックが発生。出入りの激しい中で、10km地点を過ぎて8人が先行を開始。メイン集団のコントロールはキナン勢が担い、この8人の動きを容認する。その後は、逃げグループとのタイム差をコントロールしながら進行。追走を狙う選手の動きを押さえながら、山岳区間へと入った。

総合に無関係の逃げを容認

 上りに入るまで集団を牽引した雨乞が役目を終えると、入れ替わるようにアスタフイェフを擁するヴィノ・アスタナモータースがペースアップ。メイン集団の人数が徐々に減っていくが、キナン勢は雨乞をのぞく4人が集団前方をキープして次の展開へと備えた。その間に逃げグループも崩壊し、1人が先行する形と変化した。

レースで使うボトルを準備する安見正行マッサー Photo: KINAN Cycling Team / Syunsuke FUKUMITSU

 1つ目の山岳を先頭から45秒差で通過したメイン集団。ここから再びキナン勢が集団コントロールを開始した。ときおりアタックする選手が現れるが、中西や新城らがメイクするペースによっていずれも逃げの態勢まで移ることができない。2つ目の山岳に入ってからは、満を持してルバが集団を牽引。他選手のアタックをすべて封じ、中島を引き連れながら山頂を通過した。

 しばらく1人逃げ続けていた選手も、60km地点を過ぎたところで吸収。代わって数人がカウンターアタックを仕掛けた中から、ヴィノ・アスタナモータース勢が先頭へ。さらにチームメートの1人が合流し、2人がリードを開始した。キナンにとってはライバルチームの動きながらも、個人総合に関係しない選手とあり、逃げを容認した。

 先頭の2人はメイン集団を振り切り、そのままフィニッシュへ。ヴィノ・アスタナモータース勢がワン・ツーフィニッシュを達成した。

最終日も秒差の争いへ

 トップの到着から38秒後、メイン集団がやってきた。最後までアシストに守られて走った中島もスプリントに加わり、6位でフィニッシュ。個人総合を争うアスタフイェフが5位だったことから、互いにボーナスタイム獲得はなし。総合タイム差3秒は変わらず2日目を終えることとなった。

メイン集団のスプリント。リーダージャージを着る中島康晴(中央)は6位でフィニッシュ Photo: KINAN Cycling Team / Syunsuke FUKUMITSU

 これにより、中島はリーダージャージをキープ。同時にスプリント賞でも首位を守り、2部門でリーダーのまま最終ステージをスタートする。この日のキナン勢は、個人総合争いにおいてライバルとなり得る選手の動きをチェックしながら、終始レースをコントロール。アシスト陣がプロトンを完全に統率し、中島のリーダー堅守に大きく貢献した。

長時間の集団牽引で貢献した新城雄大(左)をトマ・ルバが労う Photo: KINAN Cycling Team / Syunsuke FUKUMITSU

 いよいよ、大会は残すところ1ステージ。最終日はキャンディからニゴンボ(Negombo)までの118.5km。スタートして5.8kmでこの日唯一のカテゴリー山岳を通過するが、その後はおおむね下り基調。33.6km、77.8km、106.8kmの3カ所に中間スプリントポイントが設けられており、レース展開次第ではここで付与されるボーナスタイムが個人総合争いを左右する可能性もある。最大10秒のボーナスが与えられるフィニッシュと合わせて、ライバル同士の駆け引きも勝負の大きな要素となる。

 引き続きリーダーチームとして臨むキナンサイクリングチームは、中島の個人総合優勝を賭けて第2ステージに続いてのプロトン統率を行う。これまでに培ってきた組織力が試される1日となりそうだ。

第2ステージ結果(85.3km)
1 イェフゲニー・ネポムニャフシー(カザフスタン、ヴィノ・アスタナモータース) 2時間12分23秒
2 アルマン・カミシェフ(カザフスタン、ヴィノ・アスタナモータース) +12秒
3 ニコラス・ホワイト(オーストラリア、オリバーズリアルフードレーシング) +38秒
4 ヌルアミルルファクルディン・マズキ(マレーシア、トレンガヌサイクリングチーム)
5 ステファン・アスタフイェフ(カザフスタン、ヴィノ・アスタナモータース)
6 中島康晴(キナンサイクリングチーム)
13 中西健児(キナンサイクリングチーム) +41秒
16 トマ・ルバ(フランス、キナンサイクリングチーム) +57秒
17 新城雄大(キナンサイクリングチーム)
47 雨乞竜己(キナンサイクリングチーム) +15分52秒

個人総合時間
1 中島康晴(キナンサイクリングチーム) 5時間0分31秒
2 ステファン・アスタフイェフ(カザフスタン、ヴィノ・アスタナモータース) +3秒
3 平塚吉光(チームUKYO) +12秒
4 ローガン・グリフィン(ニュージーランド、ネックス・CCNサイクリングチーム) +2分34秒
5 吉岡直哉(チームUKYO) +2分41秒
6 イェフゲニー・ネポムニャフシー(カザフスタン、ヴィノ・アスタナモータース) +2分47秒
14 中西健児(キナンサイクリングチーム) +3分38秒
16 トマ・ルバ(フランス、キナンサイクリングチーム) +3分54秒
17 新城雄大(キナンサイクリングチーム)
38 雨乞竜己(キナンサイクリングチーム) +18分49秒

スプリント賞
1 中島康晴(キナンサイクリングチーム) 24pts

山岳賞
1 ジュリアン・アマドリ(フランス、チームフランスディフェンス) 25pts
4 トマ・ルバ(フランス、キナンサイクリングチーム) 10pts
8 中西健児(キナンサイクリングチーム) 2pts
9 新城雄大(キナンサイクリングチーム) 2pts

チーム総合
1 ヴィノ・アスタナモータース 15時間7分51秒
3 キナンサイクリングチーム +1分26秒

●トマ・ルバのコメント

 素晴らしいレースコントロールができた。今日は短くも難易度の高いステージだったけれど、何が起こるか分からないレースだからトライを続けていく必要があった。力のある選手のアタックもあったけれど、何よりよい1日にできたことがうれしい。

(チームプレーが生きた)こうした経験は今後に必ず生きる。今日の(中西)健児の走りは、昨年のツール・ド・フローレス(トマが個人総合優勝)で私をアシストしてくれた時の経験があったからこそできたものだと感じている。若い選手たちにとっては、1つ1つの経験を積み重ねていってほしい。

最終ステージを残すのみとなったが、決して簡単な1日にはならない。多くの選手が攻撃に転じるだろうし、われわれも再びトライをしていかないといけない。とにかく戦い抜くだけだ。

●中島康晴

 今日は完ぺきだった。これほど頼もしいメンバーはいないのではないかと思うくらいに、素晴らしい展開を作ってくれた。レース前半は雨乞がしっかり働いてくれて、その後は集団の人数が絞り込まれてもキナンは4人を残すことができた。数的有利な状況を作り出せたことで、ライバルチームの動きを封じ込められた。そのおかげで、自分はリーダージャージを守ることだけに集中できた。

ステージレースの最終日は何が起こっても不思議ではない1日になる。一番大事なステージになるので、これまでの自分の経験を生かして結果につなげたい。平坦ステージということで、スプリントを狙うチームもあると思う。いろいろなチームの動きを見ながら、展開に合わせて走ることができればと考えている。

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