チームの今シーズン初勝利キナンの中島康晴がスリランカTカップ第1ステージで優勝 個人総合首位に

by 福光俊介 / Syunsuke FUKUMITSU
  • 一覧

 キナンサイクリングチームの中島康晴が、5月4日に開幕したスリランカでのUCIアジアツアー2クラスのステージレース「スリランカ Tカップ」の第1ステージで、今シーズンのチーム初勝利となるステージ優勝を挙げた。序盤から逃げ続けた3選手がそのまま優勝争いに転じ、最後はゴール勝負を制した。中島はリーダージャージを獲得し、第2ステージからは個人総合首位の立場でレースへと臨む。

キナンサイクリングチームの中島康晴が、スリランカのUCIレースデ、逃げ集団でのゴール勝負を制してステージ優勝 Photo: KINAN Cycling Team / Syunsuke FUKUMITSU

3日間のステージレース

 UCI公認の国際レースとしては初開催となるスリランカ Tカップ。同国を構成するセイロン島の東海岸から西海岸までを、3日間・327.7kmで結んでいく。キナンサイクリングチームはこの大会に向けて中島のほか、中西健児、雨乞竜己、トマ・ルバ、新城雄大の5選手を招集。各ステージのレース距離が100km前後と短いことから、スピード重視のメンバー編成で同国へと乗り込んだ。

 迎えた第1ステージは、パサイクーダ(Passikudah)からマヒヤンガーナヤ(Mahiyanganaya)までの123.9km。スタートからフィニッシュまでの高低差は約90mと、ほぼ平坦にカテゴライズされるレイアウト。35℃前後の気温の中でのレースとあり、有力チームを中心に絞り込みが進むことを想定し、キナン勢は確実に前方に位置し、重要な局面を複数のメンバーで対応していくことを意識した。

逃げからさらに3人抜け出す

 スタート直後から始まったアタック合戦では、ライバルチームの動きを見ながらチェックを繰り返したキナン勢。10km地点を過ぎたところで13人が飛び出すと、そのまま逃げの態勢へ。キナンからは中島が加わり、レースを先行した。

 最大で約4分のリードとした中島らの逃げだが、メイン集団もフィニッシュまで残り50kmを切ったあたりからペースを上げてタイム差を縮めていく。

日陰でスタートまでの時間を過ごす選手ら。(左から)トマ・ルバ、新城雄大、中西健児 Photo: KINAN Cycling Team / Syunsuke FUKUMITSU

 その最中、逃げグループに変化が生まれたのは残り約40km。他選手のアタックに中島が反応すると、もう1人を加えてそのままペースアップ。一緒に逃げてきた他の10人を振り切って先を急いだ。途中で通過したこの日2回目のスプリントポイントでは、中島が2位通過している。

 一度縮まった後続とのタイム差だったが、3人の逃げとなってからは拡大傾向に。やがて逃げ切りを濃厚とした中島らは、ステージ優勝を懸けての駆け引きへと移ってゆく。残り10kmを切ってからはフィニッシュまで一直線。相手の様子をうかがいながら、フィニッシュまでの距離を減らしていった。

 3人の形勢に大きな変化はなく、勝負はスプリントへ。2番手につけ、ライバルの動きを読み切った中島は、万全の態勢になったラスト100mで加速。労せず先頭に立つと、追う2人を寄せ付けずトップでフィニッシュラインを通過した。

ゴール勝負、絶妙のタイミングで仕掛ける中島康晴(左) Photo: KINAN Cycling Team / Syunsuke FUKUMITSU
本人にとってもチームにとっても今シーズン初勝利。ゴール後喜びを爆発させる中島康晴 Photo: KINAN Cycling Team / Syunsuke FUKUMITSU

個人総合、スプリント賞でも首位に

 中島はUCIレースにおいて、キャリア通算8勝目、そしてキナンサイクリングチームにとってはついにやってきた今シーズン初勝利。UCIレースでの成績と同時に、日本人選手の強化を目指す過程にあるチームにとって、今後の弾みとなる大きな勝利になった。

 途中まで中島らと逃げていた第2グループの10人をはさみ、残るキナン勢4人が含まれたメイン集団は3分23秒差でフィニッシュ。レースを終えて中島の勝利を知り、メンバーは喜びを爆発させた。

ステージ優勝を決めた中島康晴を囲んでチームメートが祝福 Photo: KINAN Cycling Team / Syunsuke FUKUMITSU

 これにより、中島は個人総合首位に立った。また同時にスプリント賞でもトップになっている。

 5日に行われる第2ステージは、マヒヤンガーナヤからキャンディ(Kandy)までの85.3km。今大会最短距離でありながら、唯一の山岳ステージ。中盤に2つのカテゴリー山岳が立て続けに現れるが、2つ目の山頂からフィニッシュまで約37km残されている。あらゆる展開が想定されるが、リーダーチームとしてこの日を迎えるキナンサイクリングチームがどうレースを進めるか。チーム力や各選手の総合力が問われる一日となる。

中島康晴はポイント賞も獲得 Photo: KINAN Cycling Team / Syunsuke FUKUMITSU
リーダージャージに袖を通す中島康晴 Photo: KINAN Cycling Team / Syunsuke FUKUMITSU
リーダージャージを着た中島康晴を中心に、ステージ上位3選手が記念撮影 Photo: KINAN Cycling Team / Syunsuke FUKUMITSU

第1ステージ結果(123.9km)
1 中島康晴(キナンサイクリングチーム) 2時間47分42秒
2 ステファン・アスタフイェフ(カザフスタン、ヴィノ・アスタナモータース) +0秒
3 平塚吉光(チームUKYO) +4秒
4 チェ・ドンヒョン(韓国、ガピョンサイクリングチーム) +2分19秒
5 モハドシャフルル・マットアミン(マレーシア、トレンガヌサイクリングチーム) +2分29秒
6 吉岡直哉(チームUKYO)
16 雨乞竜己(キナンサイクリングチーム) +3分23秒
42 トマ・ルバ(フランス、キナンサイクリングチーム)
46 中西健児(キナンサイクリングチーム)
51 新城雄大(キナンサイクリングチーム)

個人総合時間
1 中島康晴(キナンサイクリングチーム) 2時間47分30秒
2 ステファン・アスタフイェフ(カザフスタン、ヴィノ・アスタナモータース) +3秒
3 平塚吉光(チームUKYO) +12秒
4 チェ・ドンヒョン(韓国、ガピョンサイクリングチーム) +2分31秒
5 ローガン・グリフィン(ニュージーランド、ネックス・CCNサイクリングチーム) +2分37秒
6 ジュリアン・アマドリ(フランス、チームフランスディフェンス) +2分39秒
16 雨乞竜己(キナンサイクリングチーム) +3分35秒
42 トマ・ルバ(フランス、キナンサイクリングチーム)
46 中西健児(キナンサイクリングチーム)
51 新城雄大(キナンサイクリングチーム)

スプリント賞
1 中島康晴(キナンサイクリングチーム) 19pts

チーム総合
1 チームUKYO 8時間29分2秒
3 キナンサイクリングチーム +50秒

●中島康晴のコメント

 中間スプリントポイントで(アスタフイェフ選手が)自分よりスプリント力があると分かったので、彼の力を上手く利用しながら勝つ方法を考えた。レース前にマップでフィニッシュ付近が緩い上り勾配であることを確認していたので、最終局面はギリギリまでタイミングを計ってラスト100mでスプリントを仕掛けた。

 今大会は日本人選手にもチャンスがあるレースで、個人的には若い選手たちに活躍の場を与えられればと考えている。自分がリーダージャージを着ることで、いろいろな戦術が立てられると思うので、リーダーチームであることだけに固執せずステージ優勝を狙ったり、何かきっかけをつかめるようなレースにしたい。

この記事のコメント

利用規約順守の上ご投稿ください。

関連記事

この記事のタグ

UCIアジアツアー キナンサイクリングチーム

  • 一覧

新着ニュース

もっと見る

ピックアップ

e-BIKE最新特集

スペシャル

自転車協会バナー

ソーシャルランキング

インプレッション

  • タイム
    アルプデュエズ01 ディスク

    ディスクブレーキで伝統の走りを進化

  • リブ
    AVAIL ADVANCED

    走る好奇心を止めない リブの新型‟無敵”ロードバイク

  • インプレッション一覧へ

    連載