東大阪市のオージーケーカブト小学1年生の交通事故、5~6月に急増 「登下校時に自転車用ヘルメットを」大阪のメーカーが提唱

by 上野嘉之 / Yoshiyuki KOZUKE
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 「魔の7歳」は要注意-。歩行中の交通事故による死傷者数は、小学1年生にあたる7歳児が全年齢中で突出して多いことが統計データから浮かび上がり、対策や安全指導の必要性が叫ばれている。また、小学1年生が事故にあう場面は登下校中が最多で、毎年5〜6月に急増していることも判明。こうした中、東大阪市のヘルメットメーカーが、1年生の登下校時にヘルメットを着用させるよう提唱し、自治体や学校、警察などへの呼びかけを始めた。

22年連続で最多

オージーケーカブトが小学生の通学用に推奨する黄色いヘルメット。軽くて、衝撃吸収力が高い(同社提供)

 警察庁と国土交通省の外郭団体、交通事故総合分析センター(東京)が昨年3月に発表したリポートによると、平成27年に発生した歩行中の交通事故の死傷者は、成人が各年齢とも600人前後、高齢者は800人前後であるのに対し、7歳児は1462人と抜きんでて多かった。統計上、22年連続で7歳児が最多という。同じ小学生でも高学年になると死傷者数は急減。5、6年生は1年生の3分の1以下にとどまる。

 小学1年生が事故にあった場面は、平成27年は「登校中・下校中」が計38%にのぼり、「遊戯中」16%、「訪問中」10%、「買い物中」7%よりも高い割合だった。例年、登下校中は計35%前後で推移している。

 また、平成24年と25年に小学校へ入学した児童について、入学の前年度から2年生まで3年間の月別死傷者数を集計したところ、1年生の5、6月に急増し、11月まで高水準が続いていた。さらに詳細に分析すると、1年生の4月下旬から、大型連休を挟み6月上旬にかけて増えていく傾向が浮かび上がった。

 事故にあった1年生の法令違反に着目すると、「飛び出し」が登下校中で20%台、それ以外の場面では40%前後で推移し、大きな要因になっている。ただ、1年生に法令違反がなく車両側に原因があるケースが登下校中では5割超(27年)を占め、ドライバー側にも対策が必要といえる。

歩行中の交通事故死傷者数(平成27年、上段)と同データの平成7~27年(下段) ※いずれも公益財団法人 交通事故総合分析センターのレポートより

 交通事故の死傷者数全体は、自動車の安全性能向上などから毎年減少が続いてきたが、同センターは「全世代で7歳児が突出している傾向に変化はない」とし、登下校中に発生する割合も「ほとんど変化がみられない」と指摘。「小学校に入学してからは、登下校に慣れてきたからといって油断せず、継続して注意を払っておく必要がある」と警鐘を鳴らしている。

取り組み遅れる西日本

 こうした状況を知った東大阪市のヘルメットメーカー、オージーケーカブトは、「幼い命を守るために、せめて1年生の間だけでも目立つヘルメットをかぶせることができないか」と考え、今春、広報チームが自治体などへの呼びかけに乗り出した。

 実は、東日本では茨城、埼玉、静岡など各県で、徒歩通学の小学生にヘルメット着用を義務づける市町村は少なくない。しかし西日本では取り組みがあまり進んでいないという。

小学1年生の歩行中の死傷事故が発生した時の通行目的の構成(平成27年)※公益財団法人 交通事故総合分析センターのレポートより

 オージーケーカブトの呼びかけは、自社の製品を売るためとも受け取られかねないが、同社には人命を守る製品を作ってきた責任感がある。広報担当者は「子供の事故のニュースを聞くと、いてもたってもいられない」と打ち明ける。

 「大人は小学1年生を、交通ルールも理解できていない状態で危険にさらしている事実を認識し、しっかり安全対策をしていくことが急務」。同社はそう訴え、1年生は登下校時の制帽を黄色いヘルメットに変えるよう提案している。身長が低い1年生は駐車車両などに隠れてしまい、ドライバーからの発見が遅れがちなことから、目立つ色が効果的だという。

1回の事故で3回の損傷

 専門メーカーとして事故のデータや知見は豊富だ。歩行者が自動車にはねられる際には、最初に衝突した後、フロントガラスなどにもぶつかり、道路に投げ出される。損傷を受けるタイミングが3回あり、特に路面に頭を打つ衝撃が大きい。そのダメージをヘルメットで和らげることが、死亡確率や傷害の度合いを下げる決め手になるという。

 ただ、工事用タイプのヘルメットは、落下物から保護する効果は高いが衝撃吸収力に劣る。このため同社は、自転車用ヘルメットを通学に転用することを推奨している。軽く、衝撃吸収力が高く、通気孔を備えるため夏でも快適だからだ。自転車に乗る時にそのまま使えるメリットもある。

 同社はこれまでに西日本の複数の自治体や警察、小学校などと対話してきた。その中で、PTAの理解と協力を得ることが効果的だと気づき、アピールの方策を探っているという。

 1年生の事故が急増する5〜6月は目前。大切な子供たちを守る取り組みは待ったなしだ。事故の予防や被害低減は、加害者を減らし、賠償責任などの負担を軽減することにもつながる。大人はいま一度、安全対策を見つめ直したい。

産経ニュースより)

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