バイクインプレッション2018“2階建てハンドル”を搭載した個性派グラベルバイク キャニオン「グレイル」

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 キャニオンから“2階建てハンドル”を搭載したグラベルバイク「グレイル」が登場した。強烈なインパクトのハンドルに加えて、油圧ディスクブレーキや40Cのタイヤを装備し、悪路でも快適なライドをライダーへ提供。拡張性にも富んだ最新バイクの実力をチェックした。

“2階建てハンドル”を装着したキャニオン「グレイル」 Photo: Masami SATOU
優れた振動吸収性を誇る「CP01 COCKPIT CF」 Photo: Masami SATOU

 グレイルの特徴は何といってもハンドル「CP01 COCKPIT CF」だ。下部ハンドルはヘッドから伸びるステムと同じ高さにある一方、アップライトなポジションを可能とする上部にはSTIレバーが取り付けられ、フローティングする形で下部ハンドルに繋がっている。「フレックスエリア」と表記がある上部はあえてしなるように設計されており、路面からの突き上げの緩和を狙っている。また、2枚の板を合わせたようなシートポスト「S15 VCLS2.0」もしなりを生み、振動吸収性能を高めている。

ボトルをダブルで車載できる「キャニオン・イジェクト・ハイドレーション・システム」を備える Photo: Masami SATOU
タイヤはシュワルベと共同開発した「G-ONE BITE」を装着 Photo: Masami SATOU

 装着されたグラベル用タイヤ「G-ONE BITE」はタイヤメーカーのシュワルベと共同開発したもの。細かい丸形の凹凸が表面を覆い、太さは40Cとなっている。2本装着されたボトルとケージはキャニオンオリジナルの「キャニオン・イジェクト・ハイドレーション・システム」で、もともと、フレームの前三角が小さいフルサスマウンテンバイク用に開発されたものだ。フレームにはキャリアや泥除けの取り付けを想定したダボ穴を装備し、拡張性を備えた。本格的なグラベルロードの様相を呈しているが、重量はMサイズで8.5kgとロードバイクに肉薄するレベルに抑えられた。

キャリアやバッグを装着し、キャンプや旅のお供にも最適 Photo: Masami SATOU

 実車を目の前にすると否が応でもテンションが上がる。「どんな乗り味なのだろう」と興味が尽きない。今回テストライドしたのは木の根や落ち葉が広がる林道で、滑りやすい湿り気のある土が路面を覆っていた。

 まずは気になるハンドル上部を持って走行した。持ち手は扁平した形状で、握ると手によくフィットする。未舗装路に入ると確かに嫌な振動が伝わってこない。小石に乗ったような小さな振動や、段差を乗り越える際に発生する大きな振動も、余計なノイズを打ち消してるように思える。体にやや近い位置にあるが、コーナー中でも、体重を載せてもバランスは崩れなかった。想像以上にノーマルな取り回しが可能だった。

見た目に反して走りは質実剛健 Photo: Masami SATOU

 次にSTIレバーを持ち、コースへと入った。2階部にあたるこのポジションはアップライトな設計となっているため、上半身が起き、余裕をもって悪路の挙動に対応できた。林道では木の根に突き上げられるうえ、落ち葉に乗るとグリップ感が変わるが、余裕のあるポジションであれば例えタイヤが滑っても落ち着いて対応できる。

 ドロップハンドルを握ってみると、こちらも扁平になっており、上半身の重さを載せながら走るのに適した。下ハンドル部に親指を引っ掛けることができるので、通常のドロップハンドル以上に安定感と安心感が生まれた。長時間このポジションを取っても精神的にも体力的にも負担は少ないだろう。

ハンドル上部のしなりを生かし、快適なグラベルライドができた Photo: Masami SATOU

 油圧のディスクブレーキも存在感があった。せわしないコントロールが求められる場面でも、レバーの引きの軽さが生き、自在にスピードや姿勢を制御できる。長時間のグラベル走行で腕が疲れても、集中してブレーキ操作ができるのもメリットになる。

 見た目が奇抜なグレイルだが、試乗してみると質実剛健という言葉がぴったりなグラベルロードということが分かった。一つ一つの構成部位が機能的で、それらが合わさることで未舗装路においてまるで浮遊しているかのような滑らかな走行が可能となった。

 また、オンロードでの走りも快適だった。振動吸収性はもちろん、Mサイズで8.5kgという数字はロードバイクと比べても遜色ない軽さだ。ゼロ発進も重々しさは感じず、気持ちの良い加速をした。マウンテンバイクであればフィールドまで車に積むパターンが多いが、グレイルならグラベルへ向かう途中の舗装路も楽しめる。荷物を積んで現代のランドナー的な旅スタイルにもマッチするだろう。速さを求めずとも、フィーリングやスタイルを楽しめるオールラウンダーなグラベルバイクだった。

キャニオン「グレイルCF SL 8.0 SL)
税抜価格:399,000円
フレームサイズ:2XS、XS、S、M、L、XL、2XL
平均重量:8.5kg(Mサイズ)
メインコンポーネント:シマノ「R8000」

松尾修作
松尾修作

サイクリスト編集部員。10代からスイスのUCIコンチネンタルチームに所属し、アジアや欧州のレースを転戦。帰国後はJプロツアーにも参戦し、現在は社会人チーム「Roppongi Express」で趣味のレースを楽しむ。JBCFのカテゴリーはE1。数多くのバイクやパーツを試してきた経験を生かし、インプレッション記事を主に担当している。

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