ラ・フレーシュ・ワロンヌ 2018與那嶺恵理は最終盤までエースをアシスト 「久しぶりに自分らしいレースができた」

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 ウィグル・ハイファイブの與那嶺恵理は4月18日、ベルギーで開催のUCI女子ワールドツアー「ラ・フレーシュ・ワロンヌ・フェミニン」に出場し、先頭から1分8秒差の30位でゴールした。最終盤まで集団に残ってエースをアシストし、ゴール前の激坂「ユイの壁」直前まで集団をけん引した。

最後の「ユイの壁」を上る與那嶺恵理(中央) Photo: Kyosuke TAKEI

 シーズン当初から、上りが厳しい「アルデンヌクラシック」をシーズンの目標に挙げていた與那嶺。15日のアムステル・ゴールド・レースに続き、アルデンヌクラシックの第2戦となる、フレーシュ・ワロンヌにも出走した。アムステルでは機材トラブルの不運もあり結果を残せなかったが、この日は最終局面までメイン集団でレース展開に加わった。

 與那嶺は次戦、22日にベルギーで行われる、アルデンヌクラシック3連戦の最終戦、リエージュ〜バストーニュ〜リエージュ・フェミニンに出場する。

 本人のリポートは下記の通り。

 久しぶりに楽しくレースができました!

 アムステルから中2日。ベルギーに移動し、リンブルク地方の激坂ユイが名物のワールドツアー、フレッシュ・ワロンヌに出場しました。

 コースは大きなループを走り、その後ユイを含むショートループを2周します。距離は120km。急な上りが多いコースです。昨年とは大きく異なる上りの数。レースの質も年々高まってきています。

 アムステルを終え、些細な事から武井コーチと大げんか。上手くいかないレースは本当に嫌になります。しかし切り替えて考えると、体調は良い。そう信じてスタートラインに並びました。気温が高いため、脱水にも注意しながら。

 チームの作戦は最終局面でのエリサ(ロンゴボルギーニ)をフォローして送り出すこと。

 スタート後からプロトンは活発に動き続け、高速での展開。年々女子サーキットのレベルは確実に上がってきています(最初の1時間のアベレージスピードは男子とほぼ一緒でした…)。体調は悪くはない感じ、今日は粘れそうです。

集団での動きをチェックしながら走る與那嶺恵理 Photo: Kyosuke TAKEI

 多くのアタックと逃げがあり、丁寧にフォローもしながら、最終局面に向けて自分の力もセーブしつつ進めます。展開は厳しいので、プロトンの良い場所にステイし続けるだけでも結構体力を使います。そして気づけばメインは40人前後へ。

 ユイの周回コースへ入る直前の激坂を使って、4人の強力な逃げができました。キャニオンのプレヴォ(ポーリーヌ・フェランプレヴォ)、ボーエルのメーガン(ガルニエ)、アレのヤナカ(ヤネケ・エンシング)、ミッチェルトンのアマンダ(スプラット)。チームからは誰も乗せられず、そしてお約束の無線機の不調がまた発生し、監督や選手間の疎通がほぼできない状態へ…。

 乗せられなかったサンウェブが攻撃を始め、その空気感を上手く読むことができ、そろそろエレン(ヴァンダイク)だろ〜と思っていたところ案の定エレンの攻撃! 番手(すぐ後ろ)にスルスルと入り、このまま行こうと2人で少し展開しますが、そうは簡単には許すわけもなく、しばらくしてキャッチアップされました。写真を見たら最初の追走にはロキシー(ロクサン・クネットマン)が入っていました(FDJで出会った仲良しのロキシー姐さん!)。

エレン・ヴァンダイクのアタックに反応する與那嶺恵理 ©Vélofocus

 出入りも激しい状態でいよいよユイへ。30人ほどのメイン集団で展開しながら上ります。

 坂の斜度は場所によっては30%弱。19%との表記は嘘です。なぜヨーロッパの坂はサバを読むのでしょうかね。いつも少ない斜度で表示されています。まだまだ満足な身体のシェイプではなく、身体の重さ、キレのなさを感じますが、ここは粘って粘って上ります。

 中腹からは大きな声で武井コーチの声が!「エリ! いいぞ! ここで粘って! 水も多めに!」分かっています…。恥ずかしいです…。けどプロトンの皆も、もう慣れています…。

 まずは1回目のユイを上りきり、いよいよ最後の周回へ。強力な4人との逃げを開きすぎないように、私たちもエリサのために仕事を開始します。

 しばらく仕事をして、モビスターやサンウェブも加わり、一度下がって体力をセーブしていたところ、チームメートのタイムトライアル世界チャンピオンのリサ(ブレナウアー)から、「エリ! 前出てきなさい!」との指示が。私はこの場所が楽で好きなんだよ〜っと思いながら上手くやり過ごします。

石畳のコーナーを集団で抜けていく Photo: Kyosuke TAKEI

 ユイの周回も厳しい上りが多く、脚が削られていきますが粘って粘って…。

 最後のユイの上り口に至るゆるい上りの区間、エリサが「エリ! 入り口まで上げてくれ!」との指示。

 身体はキツイのですが、ここはエースのために今できる最大の仕事を、こちらの動画(http://www.dailymotion.com/video/x6i0xnc)にもありますが、最後の入り口まで逃げとの差を詰めながら、エリサを先頭へ連れて行くことに成功。そして私はほぼオールアウトの状態へ。

 出し切ったあとに、このユイか…。最後の激坂が、本当に長く感じました。

 そうでした、中腹には日本語での応援もあり、ゴール手前には、いつも通りの武井コーチの絶叫あり、ゴールには大切な応援団のヨーコさんからの応援もあり…。本当にヘロヘロになりながらも、無事に30位でゴールすることができました。

 ワールドツアーポイントも、30位は5ポイント。31位は3ポイント。武井コーチから何度も言われいていること。もうあなたは順位にこだわりなさい。この意味も少しずつ理解してきています。

ゴールした與那嶺恵理 Photo: Kyosuke TAKEI

 そして、エースのエリサは病み上がりながら11位。ベストではないけどベターだったとのこと。

 そして、レース後。エリサから、「エリ、仕事をしすぎだ。そこまでしなくても良い、自分が行けるときは行って良いんだよ」と言われ、私はこう返しました。

 「私が力をためて10位台だったとしても、私があなたを連れていけばポディウム狙えるでしょ」

 そう話をしました。10位以内を狙えるときは思い切り行きます!

 エリサは本当に器が大きいです。エースによっては残れるアシストがいたとしても、意図的にアシストに無駄なアタックをさせて、自分の地位を守ろうとするエースもいたり、そこも面白いですね。

 久しぶりに自分らしいレースができたな。レースって楽しいな。とゴール後も感じることができました。

 次のレースは中3日、日曜日。ワールドツアーのリエージュ〜バストーニュ〜リエージュとなります。チャンスが有れば貪欲に20位以上を狙っていきます。相性は良いレースです!

全てを力に変えて
與那嶺 恵理

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