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御神火ライド2018

ツール・ドゥ・ロワール=エ=シェール 第4ステージキナンの新城雄大がフェアプレー賞を獲得 大会前半から積極的なレースを展開

by 福光俊介 / Syunsuke FUKUMITSU
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 キナンサイクリングチームが出場中のフランスでのステージレース、ツール・ドゥ・ロワール=エ=シェール(Tour du Loir-et-Cher、UCIヨーロッパツアー2.2)は、4月14日に第4ステージが行われた。スタートからフィニッシュまで、終始アップダウンの連続となった一日は、リザルトこそ新城雄大の76位がチーム最上位だったが、大会開幕以降続けてきた積極的な走りが実り、新城がフェアプレー賞を獲得。ポディウムに登壇し祝福を受けた。

大会これまでの走りが評価されてフェアプレー賞を獲得した新城雄大 Photo: KINAN Cycling Team / Syunsuke FUKUMITSU

激坂も登場するアップダウンコース

 大会は後半戦へ。ここまでの3ステージでは、激しいペースの変化やめまぐるしく変わる気象コンディションなどに苦しめられる選手が続出。キナンサイクリングチームは第3ステージで新城や中西健児が集団内の好位置をキープしながら、バイクトラブルや他選手の落車に起因する足止めで後退を余儀なくされ、狙って臨んだステージで悔しい結果に終わった。

フランスでの地名度が上昇中の塚本一樹。現地ファンに応じサインをする Photo: KINAN Cycling Team / Syunsuke FUKUMITSU

 ここから残る2ステージは雪辱戦。特に、この日行われる第4ステージは、スタート直後から山岳カテゴリーに含まれない急坂をこなすなど、アップダウンが繰り返される。前半には最大勾配18%の山岳ポイントを2回通過するほか、後半にも2カ所の山岳ポイントが控えている。今大会のクイーンステージと目され、総合争いでは遅れているキナン勢は、サバイバルが予想される中でどれだけレースを動かせるがポイントになる。

雨乞竜己はスタート前、アスリチューン・赤でチャージ Photo: KINAN Cycling Team / Syunsuke FUKUMITSU
スタートを目前に集中力を高める中西健児 Photo: KINAN Cycling Team / Syunsuke FUKUMITSU

 選手、そしてチームとしてアピールを期して迎えたこの日、これまで同様にスタートからアタックの応酬。新城や中西もこの中に加わるが、簡単にはプロトンの容認が得られず、完全に抜け出すまでには至らない。新城が数秒のリードを奪いかけながらも集団のチェックにあった直後に8人の逃げが決まった。キナン勢はあと一歩のところでレースを先行することができず、メイン集団に待機することとなった。

雨の中、集団内を走る雨乞竜己 Photo: KINAN Cycling Team / Syunsuke FUKUMITSU

最後の山岳で集団が分断

 やがて勾配18%の区間へと突入。このところの雨で路面はウェットで、さらには苔が生い茂り滑りやすいコンディション。1回目の上りでメイン集団は、前方に位置していた選手がバランスを崩したことをきっかけに大渋滞が発生。ほとんどの選手がバイクを降り、走って上ることを強いられた。これにより一度は後方へと下がったキナン勢だったが、2回目の上りを終えてから新城、中西、雨乞竜己はメイン集団へと復帰。勝負どころに向けて、立て直しを図った。

激坂を懸命に上る中西健児 Photo: KINAN Cycling Team / Syunsuke FUKUMITSU
バイクを押して走る塚本一樹 Photo: KINAN Cycling Team / Syunsuke FUKUMITSU
メイン集団の中で走る雨乞竜己 Photo: KINAN Cycling Team / Syunsuke FUKUMITSU

 しばらくは逃げとの差をコントロールしていたメイン集団だったが、丘陵地帯をめぐるコース設定も関係してか、後半に入っても思うようにタイム差が縮まらない。終盤2カ所の山岳ポイントでさらにペースを上げて、逃げる選手たちの吸収を目指す。スピードアップする集団にあって、前が見える位置を走ってきた新城ら3選手だったが、この日最後の山岳ポイントでメイン集団が分断し、後方に取り残された。周回コースに入るまでに前方へ戻りたいところだったが、そのままグルペット状態になった後続グループでフィニッシュを目指す形になった。

集団内で走る新城雄大 Photo: KINAN Cycling Team / Syunsuke FUKUMITSU

 4選手の逃げ切りが決まってから約12分で新城と中西が、さらに約7分後に雨乞がそれぞれフィニッシュラインを通過。この3選手が最終ステージへと駒を進めることとなった。なお、塚本一樹はレース序盤の急坂で遅れを喫し、中盤までにリタイア。チームはこれで2選手を失った。

90位でフィニッシュする中西健児 Photo: KINAN Cycling Team / Syunsuke FUKUMITSU
118位でフィニッシュする雨乞竜己 Photo: KINAN Cycling Team / Syunsuke FUKUMITSU

大会は最終日へ

 存在感を示すべく集中して臨んだステージでのビッグリザルトこそ生まれなかったが、レース後に新城がオーガナイザー(主催者)選定のフェアプレー賞に選出されたことが発表された。大会開幕から逃げ狙いのアタックなどの果敢な走りを繰り返してきたことが、ヨーロッパでも一定の評価を得た格好。各賞ジャージの選手たちと同様にポディウムに登壇し、フィニッシュエリアに集まった多くのファンから万雷の拍手を受けた。

 ハイレベルのレースが繰り広げられた大会は、15日に行われる第5ステージでクライマックスを迎える。最後を飾るのはロワール=エ=シェール県の県庁所在地、ブロワの市街地サーキット。7.5kmを13周回する97.5kmで争われる。距離が短いこともあり、スピード感あふれるレースとなることは必至。キナンサイクリングチームはエーススプリンターの雨乞を軸に最後のチャンスに挑む。雨乞にとっても、スプリントを狙った第1、第2ステージで悔いの残る結果に終わっており、三度目の正直とばかりに自慢の爆発力を見せたいところだ。

第4ステージ結果(183km)
1 エミールナイゴール・ヴィニェボ(デンマーク、チームコロクイック) 4時間26分27秒
2 アスビョルン・クラフ(デンマーク、チームヴィルトゥサイクリング) +0秒
3 クリスアンケル・セレンセン(デンマーク、リワルセラミックスピードサイクリング) +1秒
4 ヨセフ・チェルニー(チェコ、エルコフ・アーサーサイクリングチーム)
5 トロンハーコン・トロンセン(ノルウェー、チームコープ) +1分33秒
6 アリステア・スレイター(イギリス、JLTコンドール) +1分35秒
76 新城雄大(キナンサイクリングチーム) +12分4秒
90 中西健児(キナンサイクリングチーム)
118 雨乞竜己(キナンサイクリングチーム) +19分9秒
DNF 塚本一樹(キナンサイクリングチーム)

個人総合時間
1 アスビョルン・クラフ(デンマーク、チームヴィルトゥサイクリング) 17時間32分18秒
2 エミールナイゴール・ヴィニェボ(デンマーク、チームコロクイック) +1秒
3 ヨセフ・チェルニー(チェコ、エルコフ・アーサーサイクリングチーム) +13秒
4 トニー・ユレル(フランス、ソジャサンエスポワールACNC) +1分47秒
5 ヨナス・ヴィンデゴール(デンマーク、チームコロクイック) +1分51秒
6 アレクサンダー・カンプ(デンマーク、チームヴィルトゥサイクリング) +1分55秒
80 新城雄大(キナンサイクリングチーム) +15分33秒
95 中西健児(キナンサイクリングチーム) +17分24秒
118 雨乞竜己(キナンサイクリングチーム) +27分16秒

チーム総合
1 チームヴィルトゥサイクリング 52時間41分25秒
24 キナンサイクリングチーム +55分42秒

フェアプレー賞
新城雄大(キナンサイクリングチーム)

●塚本一樹のコメント

 ステージを追うごとに技術面、走りのレベルともに上がっている実感がある。日本のレースとは違う経験ができて、今後のキャリアにも必ず生かせると思う。それができれば、もっとチームに貢献ができるだろうし、これからのレースでより精度を高めていきたい。

 序盤の急坂で対応ができず、それが結果的にリタイアにつながっていることも理解している。日本のレースでは走ることのないようなコースで、バイクを降りて走るなんて経験も初めて。他国の選手との力量がはっきりと分かった瞬間だった。

●中西健児のコメント

 第3ステージはバイクトラブルがあり勝負ができずに終わったが、このステージでは個々の力量が試されるレースで、それに挑むことができた。(好リザルトとはならず)自分に足りないものが何かを思い知る、このレースに出場してこそ得られる収穫の一日だった。

 シビアな位置取りの中で、前の見えるポジションから急坂に入るなど、日本人メンバーでも展開を組み立てることができている。こうした動きは、UCIアジアツアーや日本国内のレースでも、重要な場面で局面を大きく動かすスキルとして生かせると思う。

●新城雄大のコメント

 (開幕以降)ここまでチームとしてアピールができていなかったので、フェアプレー賞という形で存在を示すことができてよかった。残り1ステージは、より高いレベルで戦ったことで得られる賞を獲得して、再びポディウムに上がりたい。

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