駅ビル全体が自転車複合施設に注目の「プレイアトレ土浦」がオープン 駅発着の楽々・霞ヶ浦サイクリングを体験

by 大星直輝 / Naoki OHOSHI
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 茨城県土浦市のJR土浦駅に3月29日、「PLAYatre TSUCHIURA」(プレイアトレ土浦)がオープンした。地上5階・地下1階の建物が丸ごと自転車施設となる予定で、駅直結の施設としては全国最大級だ。茨城県が誇る全長180kmにも及ぶ「つくば霞ヶ浦りんりんロード」や、その他多彩なコースの中心としての役割を担う。今回のオープンに合わせ、3月31日と4月1日の2日間でサイクリングイベントが開催された。イベントの様子を通じて、プレイアトレ土浦を拠点とする“遊び方”を紹介する。

新施設という事もあり、多くのサイクリストが自転車で訪れていた Photo: Naoki OHOSHI

プロライダーもサポートで出走

 サイクリングイベントのスタート地点は、駅徒歩1分にある土浦市役所前。地元茨城県の参加者はもちろん、首都圏からサイクリストが集まった。

 レベルは経験者から、今回初めてロードバイクに乗るという初心者まで様々だが、プロライダーを始めとしてスタッフがしっかりとサポートをする。参加費はなんと無料で、昼食やエイドステーションの軽食もついているという何とも太っ腹なイベントだ。

土浦駅前の土浦市役所広場がイベント会場になり、メーカーのテントが並ぶ Photo: Naoki OHOSHI

 ゲストライダーとして、宇都宮ブリッツェンから現役プロライダーの増田成幸選手、阿部嵩之選手、また元プロライダーで那須ブラーゼン社長の若杉厚仁さんがサイクリングに同行した。

左からゲストライダーの若杉厚仁氏(那須ブラーゼン代表取締役社長)、増田成幸選手(宇都宮ブリッツェン)、阿部嵩之選手(宇都宮ブリッツェン) Photo: Naoki OHOSHI
スタート前にバイクのチェックをする参加者 Photo: Naoki OHOSHI

 イベント会場にはメーカーブースやイベントステージが設けられてプレイアトレ土浦のオープンを盛り上げる。メーカーブースには試乗車が並び、最新スポーツバイクの体験が可能だ。

ずらっと並んだ、地元土浦市の観光パンフレット Photo: Naoki OHOSHI
メーカーのブースでは自転車の試乗が可能 Photo: Naoki OHOSHI
試乗車の英国ブロンプトンの折りたたみ式自転車 Photo: Naoki OHOSHI

駅前~自転車コースをつなぐブルーライン

 イベント会場でバイクチェックやストレッチをした後に、サイクリングが一団でスタートした。前後にサポートライダーがついている上に、駅前から自転車コース沿いにはブルーラインが引いてあるため、初めて走るコースでも安心だ。数分走ると、すぐに霞ヶ浦湖畔へと出た。

「楽しんで走ってきます」と笑顔の増田成幸選手 Photo: Naoki OHOSHI
土浦駅前からブルーラインが引かれており、サイクリングコースがわかりやすい Photo: Naoki OHOSHI
雲一つない絶好のサイクリング日和 Photo: Naoki OHOSHI

 東京ではもう桜が散ってしまっていたが、ここではちょうど満開で、晴天と相まって景色が美しい。ご存知の通り霞ヶ浦は日本で2番目に大きな湖で、海と見まごうような広さだ。釣りのメッカで、日曜日という事もあり、路上駐車は多いので手信号で注意をしながら走ってゆく。

 コースは完全な平坦で、「上りは苦手なので、今回のコースならと大丈夫と思って参加しました」という参加者もいるほど、初心者でも安心だ。

押し返し地点の富士見塚古墳へ向かう上り坂。ここが唯一の上りで、他は完全に平坦な道が続いた Photo: Naoki OHOSHI
サポートライダーの阿部嵩之選手(左)と増田成幸選手。2人とも霞ヶ浦を走るのは初めて。「いつも山ばかり走っているので、ここまでの平坦コースは新鮮です。初心者には特にお勧めだと思います」 Photo: Naoki OHOSHI
鹿島から姉妹で参加の、石津京実さん(左)と石津直美さん。ロードバイクに乗るのは初めてで、PLAYatreで自転車をレンタルしての参加。「スピードが出て走っていて気持ちがいい!」 Photo: Naoki OHOSHI

 1時間半ほどで折り返し地点の富士見塚古墳に到着。全長78m・高さ11.5mの市内最大の前方後円墳だ。

 満開の桜に囲まれて、地元土浦のどら焼き専門店「志ち乃」さんの求肥入りどら焼きを頂く。埼玉から参加の大西さん夫妻も「ずっしりと中身が詰まっていて、求肥がもっちりしていておいしい」と思わず満面の笑顔。

土浦で人気のどら焼き専門店「志ち乃」さんのどら焼き。求肥入りでボリュームたっぷり Photo: Naoki OHOSHI
どら焼きのおいしさと、桜の景色に笑顔の大西さん夫妻。「霞ヶ浦の湖畔を走るのが楽しみで参加しました」 Photo: Naoki OHOSHI

サイクリストの体を癒す充実のグルメ

 折り返して30分ほど走ったところで、ランチ場所の「かすみキッチン」に到着した。地産地消とヘルシーをコンセプトにした、地元で人気のレストランだ。

見晴らしの良いサイクリングロードを進む Photo: Naoki OHOSHI

 かすみキッチンがある「かすみがうら市交流センター」は、1階はカフェスペースとレンタルバイクのエリアになっている。サイクリングロード沿いにあり、サイクルスタンドも豊富にあるため、自転車乗りでにぎわっていた。1時間500円からレンタルバイクが借りられるので、ちょっとサイクリングロードを走ってみたいという人にもおすすめだ。

地元サイクリストに人気のかすみキッチン。地元食材を使ったメニューが楽しめる Photo: Naoki OHOSHI
サイクリングロード沿いという事もあって、レンタルバイクもたくさん用意されている Photo: Naoki OHOSHI
サポートライダーもおいしさに思わず笑顔 Photo: Naoki OHOSHI

 参加者は2階のレストランでランチ。茨城県は蓮根の生産量が日本一で、その蓮根を食べて育ったという、蓮根豚を使用したハンバーグランチが振る舞われた。ビタミンCやムチンを含み、疲労回復にも効果的との事で、サイクリストにはうってつけ。

 そのほかにも、限定の蓮根ロールケーキや地元安納芋をはさんだコッペパンなどもおすすめだ。

カフェメニューの、手前よりイチゴコッペパン(400円)。ミックスベリースムージー(500円)、安納芋コッペパン(300円) Photo: Naoki OHOSHI
土日祝日限定の蓮根ロールケーキ(300円)。ふわふわのスポンジと、シャキシャキの蓮根の食感のコンビネーションが楽しめる Photo: Naoki OHOSHI

 たっぷりエネルギーを補給して、あとはゴールまで走るのみ。しかし時間が経つにつれ、かなりの向かい風が出てきた。遮る物が何もない湖畔なだけに、時おり波しぶきがかかる程で、強風がダイレクトに吹きつけてくる。

広大な霞ヶ浦サイクリングロードを走る参加者。風が強くなってきたので、なるべく固まったトレインで Photo: Naoki OHOSHI

 見通しの良いサイクリングロードという事もあり、経験者がトレイン(一列に固まった隊列)の効果をアドバイスして、なるべく一丸となって進んでいく。普段個人で走っている参加者も、集団で走る楽しさを知れたようで、お互いを気遣いながら、土浦駅前にゴールした。

湖畔沿いで最後の休憩をする参加者 Photo: Naoki OHOSHI
休憩中には蓮根の形を模した、「れんこんサブレー」が振る舞われた。もちろん蓮根が練り込まれている Photo: Naoki OHOSHI
地元茨城から参加の川口夫妻。霞ヶ浦もよく走るらしく「夕日を観ながら走るのがお気に入り」とのこと Photo: Naoki OHOSHI
東京より参加の江口敬子さん。「1年前につくば方面のりんりんロードを走り、霞ヶ浦沿いも走ってみたくて参加しました」 Photo: Naoki OHOSHI

自転車と町づくりのモデルケースに

 イベント会場では最新バイクの試乗や、サイクルトレーナーを使ったバーチャルトレーニング「Zwift」(ズイフト)の体験などが開催された。子供向けの自転車乗り教室では、多くの親たちが真剣なまなざしで練習に励む子供たちを見つめていた。

ゴール後のイベント会場 Photo: Naoki OHOSHI
スタート・ゴール地点のイベント会場で行なわれた、初めての自転車講習。なんと30分で乗れるようになるとの事で、みんな真剣 Photo: Naoki OHOSHI
ローラー台を使ってZwiftを体験する参加者 Photo: Naoki OHOSHI

 「プレイアトレ土浦」内の施設も、オープン後初の週末という事もあり、多くの人でにぎわっていた。建物内まで自転者を持って入れるので、盗難の心配もなく安心して、買い物や食事が楽しめる。

JR土浦駅とPLAYatreの外観 Photo: Naoki OHOSHI
PLAYatre館内にはブルーラインがひかれ、自転車を持ち込んでの移動もOK Photo: Naoki OHOSHI

 プレイアトレ土浦の1階には自転車ショップやサイクルカフェがある。スポーツタイプのレンタルバイクや、ヘルメットの貸し出しもあるため、手ぶらで駅に来てそのままサイクリングが楽しめるのも魅力だ。駅ビルに自転車を持って入っていく人が大勢いるため、地元の人の驚いた様子も見られた。

PLAYatre1階の自転車店、「ル・サイク土浦」の店内 Photo: Naoki OHOSHI

 この度オープンしたはその第一弾。サイクルショップやレンタルバイクはもちろん、人気のイタリアンブランド「ビアンキ」とコラボしたサイクルカフェ、セキュリティ完備のシャワー・ロッカー・更衣室や駐輪場、セルフメンテナンス可能のワークングスペースなどが整備されている。今後も施設は発展を続けていく予定で、地元で人気のショップを集めたレストランやフードマーケットのオープン、2019年の秋には愛車を部屋に持ち込める「サイクリングホテル」も誕生予定だ。

地下駐輪場へのアプローチ Photo: Naoki OHOSHI
地下には駐輪場やレンタルバイク、ロッカーや更衣室も完備されている Photo: Naoki OHOSHI

 「首都圏からのアクセスの良さはもちろん、成田空港からのアクセスもよく、世界中から多くの人に遊びにきて欲しい」と担当者は語る。全国あちこちでサイクルツーリズムがうたわれ、多くの施設が誕生しているが、プレイアトレ土浦は今までにない規模のもの。ここがどのように発展し、自転車と街づくりの成功のモデルケースとなっていくのか今から楽しみである。

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