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バイクインプレッション2018軽さだけじゃない、総合力に富んだオールラウンダー タイム「アルプデュエズ01」

by 松尾修作 / Shusaku MATSUO
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 ロードレースを知り尽くしたフランスの「TIME」(タイム)から、ツール・ド・フランスで数多くの名勝負が繰り広げられた峠の名前を授かった「アルプデュエズ01」が登場した。同社史上最軽量のフレーム重量に、振動減衰システムを搭載した「アクティブフォーク」を組み合わせた最新バイクをインプレッションした。

タイム試乗最軽量フレームとして登場した「アルプデュエズ01」 Photo: Masami SATOU

 同社のアルティチュードカテゴリー(上り系)に分類されるアルプデュエズは、「アイゾン」の後継モデルとして登場。フレームの重量は860gとクライムバイクとして申し分なく仕上がっている。アイゾンと比較するとシートステーやシートチューブがシャープになった一方、チェーンステーやヘッドチューブは大きく面積をとり剛性を向上。BBはBB30から、より大型のBB386が採用された。

カーボンやベクトラン繊維を編み込んだタイム独自のRTM製法で製作される Photo: Masami SATOU

 素材はカーボン、ケブラー、ベクトラン繊維を100種類以上組みあわせたもの。編み込んだ繊維をRTM(レジン・トランスファー・モールディング)と呼ばれる製法で樹脂を流し込み浸透。思い通りの場所に繊維を配すことで、強度と剛性に優れ、破断にも強いフレームが完成する。

 フロントフォークには内部の空洞にダンパーを備えたアクティブフォークを採用。路面からの振動をダンパーが打ち消すことでライダーの疲労を抑える仕組みとなっている。重量は通常のフォークと比較するとかさむが、タイムならではのハンドリングと、上質な乗り心地は玄人から熱烈な支持を受ける。

シートステーは細身で薄くシートチューブとトップチューブへと接続 Photo: Masami SATOU
振動を抑えるダンパーを内蔵した「アクティブフォーク」を採用 Photo: Masami SATOU

 インプレッションは2日間じっくりと、またレースに近い強度で乗り込んだ。ファーストインプレッションの踏み出しは「やっぱりタイムだ」だった。どっしりと構えたハンドリングが特徴的で、フロント周りが軽いバイクから乗り換えるとやや戸惑うほど。しかし、その感覚も次第に慣れ、安定感の虜になる。

上りに限らず、下りやスプリントでも総合力の高さを発揮 Photo: Masami SATOU

 上りやスプリントでのダンシングでもフロント周りがブレないためライディングに集中ができ、下りでは細かい振動をダンパーが吸収するため狙ったラインを外さない。ギリギリに攻めたコーナー中、路面の継ぎ目に乗ってしまっても恐怖心を感じないのは非常に優秀である。レースでも速さに直結するポイントだろう。

フロントフォークがどっしりと、軽快なフレームがきびきびとした走りを実現 Photo: Masami SATOU

 軽量で剛性を高めたフレームも進化を実感できた。アイゾンと比較するとパリっとした乗り味となり、優れた推進力を発揮しつつも脚に残る不快な硬さはない。若干のしなりが伸びを演出し、ライダーに心地よいフィーリングを提供する。上りでは「いつまでも踏んでいたい」と思わせるので体力のマネジメントが必要だった。スプリントでは1200W(ガーミンのベクター3で計測)を超えたあたりからフレームのしなり量が大きくなったが、最高速までの加速と伸びは優秀で、天井を感じさせなかった。

 シートポストは細身の専用設計品となりベクトランも配合。こちらも乗り心地の良さに影響していただろう。ハンドル、ステム、フレームをトータルした快適性にも優れているので、平均速度が高いブルべやグランフォンドにも向いているといえる。ゼロオフセットのポジションは個人的には好みだが、人によっては賛否が分かれるところ。筆者は上りでも、ドロップハンドルを持ったポジションでもレース中は前乗りになることが多いのでフィット。このバイクに関しては重心をフロントにかけ、アクティブフォークの安定感に身を委ねてしまっても問題ないだろう。

モチモチとした乗り心地で、抜群のグリップ性能を持つハッチンソン「フュージョン5 11ストーム」でテスト Photo: Naoi HIRASAWA

 ホイールはヴィジョンの「メトロン40」と「メトロン55」で2タイプ試した。リムハイトが40mmのメトロン40では踏み込むとパーンと加速し、軽やかな身のこなしが可能で、アルプデュエズが持つ特徴を生かした走りができた。リムハイトが55mmと高いメトロン55では伸び伸びとした加速性能に巡航性能がプラス。ホイールの選択で走りの変化も楽しめた。

 両ホイールにはハッチンソン「フュージョン5 11ストーム」が装着。グリップが非常に高く、特にウェットでの感触が良かった。どこまで倒してもいいかという情報がタイヤから伝わるので、限界域まで攻めやすい。モチモチとした乗り味はアルプデュエズの秀でた上質な乗り味を引き立たせた。

ホイールを履き替えると、バイクの良さはそのままに走りがガラッと変化した Photo: Naoi HIRASAWA

 クライムバイクとして位置付けられているアルプデュエズではあるが、ロードレースには上りがあれば下りもある。必要とされる要素を欠かさず盛り込み、総合力に富んだタイムの次世代オールラウンダーバイクだった。感触の良かったバイクなので、ぜひ下位グレードの「アルプデュエズ21」も試してみたくなった。

タイム「アルプデュエズ01 LTD アクティブフォーク」
税抜価格:750,000円(フレームセット)
サイズ:XXS、XS、S、M、L、XL
重量:840g(サイズS)

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