ツール・ド・ランカウイ第8(最終)ステージ初出場のキナンはトマ・ルバが総合8位フィニッシュ 攻撃的な姿勢で存在感アピール

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 マレーシアで3月18日からレースが行われてきたツール・ド・ランカウイ(UCIアジアツアー2.HC)が、25日の第8ステージをもって閉幕し、この大会に初出場を果たしたキナンサイクリングチームは、トマ・ルバが個人総合8位でフィニッシュした。このほかサルバドール・グアルディオラ、中西健児の3人が完走。総距離1341.2kmに及ぶ戦いに幕を閉じた。

クアラルンプールの市街地コースで、メイン集団内を走るトマ・ルバ(中央左)とサルバドール・グアルディオラ(同右)。大会を通じて絶妙なコンビネーションが光った Photo: KINAN Cycling Team / Syunsuke FUKUMITSU

最終日は首都クアラルンプールへ

 今年で23回目を迎え、ステージ数やレースオーガナイズなど、大会の規模から「アジア最高峰のステージレース」とも称されるこの大会。16日にランカウイ島でチームプレゼンテーションが行われ、18日からは全8ステージにわたる戦いが続いてきた。

 キナンサイクリングチームは、第1ステージで椿大志、第7ステージでマルコス・ガルシアがそれぞれリタイアし、残る4選手で最終日を迎えた。第7ステージまでを終えてルバが個人総合9位につけているが、チームは引き続き攻撃的な走りに努めることを確認。順位を守るのではなく、1つでも上げられるよう残る3選手がサポートする。

第8ステージに臨んだ4選手。左から山本元喜、サルバドール・グアルディオラ、トマ・ルバ、中西健児 Photo: KINAN Cycling Team / Syunsuke FUKUMITSU
民族衣装がステージを華やかに彩る Photo: KINAN Cycling Team / Syunsuke FUKUMITSU

 今大会の最後を飾るのは、首都クアラルンプールにフィニッシュする141.1km。途中、スプリントポイントと4級山岳がそれぞれ3カ所ずつ控える。クアラルンプール市内に入ってからは、一度フィニッシュラインエリアを通過したのち、市街地を5周回してフィナーレ。ステージ、総合とも行方はフィニッシュするまで分からない、あらゆる展開が考えられるルートが設けられた。

波乱は起こらず集団スプリントに

 レースは、スタートしてすぐに4人が逃げグループを形成。キナン勢は山本元喜らが前を狙ったが、逃げに入ることはなくメイン集団でレースを進める。逃げる4人は最大で約3分のリードを築くが、メイン集団が射程圏内に収めながら進んだ。しかし、集団から飛び出した数人が逃げグループに合流。この中に個人総合上位の選手が入ったこともあり、キナン勢は中西を集団前方へと送り込んで追走態勢を整えた。

大英帝国の植民地支配時代から建つ「スルタン・アブドゥル・サマド・ビル」の横を通過するプロトン Photo: KINAN Cycling Team / Syunsuke FUKUMITSU

 その構図は変わらないまま、クライマックスとなるクアラルンプールの市街地へ。人数を減らしながらも粘る逃げに対し、強力なスプリンターを擁するチームが率いるメイン集団。徐々にタイム差は縮まり、最終周回でついにメイン集団が逃げていた選手たちをキャッチ。キナン勢はグアルディオラがルバをケアしながら最終局面へと向かった。

 スプリントでのステージ優勝争いの後ろで、ルバとグアルディオラもしっかりとフィニッシュ。ルバは個人総合での上位を確定させた。

集団の中程でフィニッシュするトマ・ルバ(中央奥)。個人総合8位を確定させた Photo: KINAN Cycling Team / Syunsuke FUKUMITSU

主戦場のアジアツアーで奮闘

 個人総合上位陣の一部に集団から遅れてフィニッシュした選手が出た関係から、ルバはスタート時から1つ順位を上げて個人総合8位とし、UCIポイントは50点を獲得した。また、グアルディオラも個人総合23位とし、同様に5点を獲得。今大会でチームは合計55点のUCIポイントを得た。この2人に続き、中西も完走。クアラルンプール市街地の周回コース途中までアシストの役割を果たしてフィニッシュしている。

アシストとしての役割をまっとうした中西健児 Photo: KINAN Cycling Team / Syunsuke FUKUMITSU

 今大会は平坦ステージが多くを占めた中、総合成績に視野を定めて臨んだキナンサイクリングチーム。初出場ではありながらも、世界の名だたる強豪とならんで戦えるだけの存在感をこの8日間で示したといえよう。選手間の連携も上々で、適材適所の役割配分ができていたことも、この先のレースにつながるはずだ。チームが重視する、UCIポイント獲得を常に狙いながら、引き続き全体の底上げを図っていくこととなる。

 チームのUCI国際レース次戦は、4月1〜6日のツアー・オブ・タイランド(タイ、UCIアジアツアー2.1)。主戦場であるアジアでのレースで、キナンサイクリングチームの活動はさらに加速度を増すことになる。

第8ステージ結果(141.1km)
1 アンドレア・グアルディーニ(イタリア、バルディアーニ・CSF) 3時間10分25秒
2 マヌエル・ベレッティ(イタリア、アンドローニジョカットリ・シデルメク) +0秒
3 ルカ・パチオーニ(イタリア、ウィリエールトリエスティーナ・セッレイタリア)
4 イェフゲニー・ギディッチ(カザフスタン、アスタナプロチーム)
5 マルコ・クンプ(スロベニア、CCCスプランディ・ポルコヴィチェ)
6 ヨルダンアルレイ・パッラ(コロンビア、マンザナポストボンチーム)
15 トマ・ルバ(フランス、キナンサイクリングチーム)
34 サルバドール・グアルディオラ(スペイン、キナンサイクリングチーム)
60 中西健児(キナンサイクリングチーム) +8分14秒
DNF 山本元喜(キナンサイクリングチーム)

個人総合時間
1 アルテム・オヴェチキン(ロシア、トレンガヌサイクリングチーム) 32時間6分45秒
2 ルカシュ・オウシャン(ポーランド、CCCスプランディ・ポルコヴィチェ) +27秒
3 ベンジャミン・ディボール(オーストラリア、セントジョージコンチネンタル) +32秒
4 アマヌエル・ゲブレイグザブハイアー(エリトリア、ディメンションデータ) +54秒
5 ジュゼッペ・フォンツィ(イタリア、ウィリエールトリエスティーナ・セッレイタリア) +57秒
6 イェフゲニー・ギディッチ(カザフスタン、アスタナプロチーム) +1分2秒
8 トマ・ルバ(フランス、キナンサイクリングチーム) +1分8秒
23 サルバドール・グアルディオラ(スペイン、キナンサイクリングチーム) +2分30秒
88 中西健児(キナンサイクリングチーム) +1時間12分48秒

チーム総合
1 ウィリエールトリエスティーナ・セッレイタリア 96時間23分38秒
9 キナンサイクリングチーム +23分23秒

トマ・ルバのコメント

 結果についてはまずまずといったところ。予想のできない戦いだったなかで、コンディションを日ごとに上げていきながらフィニッシュができたことについては満足している。キャメロンハイランドの頂上フィニッシュ(第5ステージ)の5位も悪くはなかった。ただ、表彰台には立ちたかったし、一度はバーチャルリーダーとなった第7ステージで、リーダージャージを逃したことも悔しかった。それでも何より、どんな結果が待っているか分からないハイレベルの戦いを、走り切れたことはよかったと思う。

 UCIワールドチームなどのビッグチームがそろっていた中で、チームはよく戦ったと思うし、(中西)健児にとっては素晴らしい経験になっただろう。とはいえ、この大会も(チームが並行出場した)ツール・ド・とちぎもレースには変わりない。コンチネンタルチームが勝つことだってもちろんあるし、レースバリューですべてが決まるわけではない。

 いまから次のレースが楽しみ。チームスピリットをしっかりと持って、みんなで喜び合える結果を残したい。

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