ツール・ド・とちぎ第3ステージクレダーが集団スプリントで勝利 ポッターがリーダージャージを守りきり個人総合優勝

by 松尾修作 / Shusaku MATSUO
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 栃木県全域を舞台にした「ツール・ド・とちぎ」の第3ステージが3月25日、那須町から真岡市までの開催され集団スプリントに持ち込まれたフィニッシュをレイモンド・クレダー(オランダ、チームUKYO)が制して優勝した。個人総合時間で首位に立つマイケル・ポッター(オーストラリア、オーストラリアンサイクリングアカデミー)が同集団でゴール。個人総合優勝を果たした。

得意のスプリントをレイモンド・クレダー(オランダ、チームUKYO)が制して優勝 Photo: Shusaku MATSUO
第3ステージのスタート地点は那須町スポーツセンター Photo: Shusaku MATSUO

 3日間開催されたツール・ド・とちぎもこの日が最終日。総合リーダージャージを着るポッターに対し、総合2位の増田成幸を擁する宇都宮ブリッツェンや、総合3位と4位につけるチームUKYO勢が仕掛ける動きに注目が集まった。コースは高低差が激しくないものの、ところどころでコーナーがあり、細く曲がりくねった道も多い。中間スプリントが1カ所、山岳ポイントが2カ所設定された。ポイント賞ジャージも着るポッター、山岳賞ジャージの湊諒(シマノレーシング)も逆転される可能性が残されており、各チームの戦略に影響を与えることは必至だった。

中間スプリントへ向け、新城雄大(キナンサイクリングリーム)、ホセビセンテ・トリビオ(スペイン、マトリックスパワータグ)、キム・クンス(韓国、LXサイクリングチーム)が逃げる Photo: Shusaku MATSUO

 2015年の全日本選手権会場となった那須町スポーツセンターをスタートした集団は、この日も序盤から主導権を握るべくアタック合戦が連発。数人抜け出しては吸収される展開が続いたが、新城雄大(キナンサイクリングチーム)、ホセビセンテ・トリビオ(スペイン、マトリックスパワータグ)、キム・クンス(韓国、LXサイクリングチーム)の3人が40秒ほどのリードを獲得し、逃げ集団を形成した。

 一方のメイン集団ではポイント賞争いで2番手につけるクレダー擁するチームUKYOの平井栄一や、畑中勇介らが先頭を牽引。シマノレーシングも前方の位置を固めた。その結果、中間スプリントまでに逃げていた3人を吸収。横一線で繰り広げられた中間スプリント争いは、1着にトビー・オーチャード(オーストラリア、オーストラリアンサイクリングアカデミー)、2着に増田、3着に雨澤毅明(宇都宮ブリッツェン)が入る結果となった。

集団のコントロールを試みるオーストラリアンサイクリングアカデミー勢 Photo: Shusaku MATSUO
タイトなコーナーも多く設定された下りを走るメイングループ ©2018TdT

 程なくして集団は上りへと突入。1回目の山岳ポイントをベンジャミン・ヒル(オーストラリア、リュブリャナ・グスト・ザウラム)、ロビー・ハッカー(オーストラリア、チームUKYO)、ポッターの順に通過した。上りまでに上がったスピードに加えて、狭くタイトなコーナーが多く集団がいくつかに分裂。その間にトリビオや、ダミアン・モニエ(フランス、愛三工業レーシングチーム)らが飛び出すタイミングもあったが、その後吸収された。そして新たに、ハッカー、岡、ソ・インス(LXサイクリングチーム)、石原祐希(栃木選抜)の4人が逃げグループを形成。タイムギャップを1分半ほどまで獲得した。その間、2回目の山岳ポイントをハッカーがトップ通過。前日に2ポイントを獲得していたため、トータル7ポイントで、逆転で山岳賞ジャージを手中に収めた。

終盤、4人で飛び出した逃げグループ ©2018TdT

 逃げ続ける4人に対し、メイン集団内ではリーダーチームのオーストラリアンサイクリングアカデミーが機能しない一方、スプリントで優勝争いに持ち込みたい愛三工業レーシングチームが牽引。徐々に逃げ集団との差を詰めていった。石原が脱落し、スピードが上がらない逃げ集団内では、見かねた岡が単独でアタック。独走で20km先のフィニッシュ地点を目指した。

残り20kmから独走を開始した岡篤志(宇都宮ブリッツェン) ©2018TdT

 メイングループでは愛三工業レーシングチーム、チームUKYOから平井や吉岡直哉がコントロール。粘った岡だったが、ゴールまで残り3kmの地点で吸収された。その後、HKSIプロサイクリングチームのホーバー(香港)が単独で飛び出すも、間もなく吸収。集団は一つのままスプリントの展開へと持ち込まれた。

 最終ストレート、「250m手前から仕掛けた」と話した黒枝咲哉(シマノレーシング)が先行するも、「250mからスプリントへの準備を開始した」と振り返ったクレダーが黒枝をパス。迫る岡本隼(愛三工業レーシングチーム)を振り切り、区間優勝を果たした。クレダーはポイントでポッターを逆転し、ポイント賞を獲得した。

第3ステージ上位の3人。左から2位の岡本隼(愛三工業レーシングチーム)、優勝したレイモンド・クレダー(オランダ、チームUKYO)、3位の黒枝咲哉(シマノレーシング) Photo: Shusaku MATSUO

 一時はアシストを失い、自ら集団の先頭に立つ場面もあったポッターだが、終盤までにチームメートらが復調。ゴールスプリントではメイン集団内でフィニッシュしたため、個人総合優勝を飾った。同時に20歳のポッターは、23歳未満の選手が対象のU23賞も獲得した。総合2位にはボーナスタイムで繰り上がったクレダーが入り、増田が3位に入り表彰台をキープした。

3日間を走った総合成績上位の3人。左から2位のレイモンド・クレダー(オランダ、チームUKYO)、個人総合優勝を果たしたマイケル・ポッター(オーストラリア、オーストラリア)、3位の増田成幸(宇都宮ブリッツェン) Photo: Shusaku MATSUO

 総合優勝を果たしたポッターは「今日はプレッシャーもあるうえ、1回目のKOMの後にチームメイトが後ろに下がってしまうなどストレスフルな展開が続いた。総合首位を守れないかもしれないと思った瞬間もあったほどだ。しかし、終わってみると予想以上の出来栄えだった3日間だった」と自らの走りを評価した。

団体総合優勝を果たしたのはチームUKYO Photo: Shusaku MATSUO
左から山岳賞を獲得したロビー・ハッカー(オーストラリア、チームUKYO)、個人総合優勝、U23賞に輝いたマイケル・ポッター(オーストラリア、オーストラリアンサイクリングアカデミー)、ポイント賞のレイモンド・クレダー(オランダ、チームUKYO) Photo: Shusaku MATSUO

 ポジションを落としたものの、総合3位でレースを終えた増田は「諦めずにチャレンジし、1回目の上りではリーダーチームの戦力を削ることに成功しました。残り70km地点ではポッター自ら集団を牽引させることもでき、総合逆転の可能性も見えてきました。しかし、スプリントを狙う愛三などが集団をコントロールし始めため、思うような展開にはならなかったです。ポッターが強かった一言に尽きます」と悔しさを滲ませつつ、ポッターの健闘を讃えた。

 259kmに渡って開催された第2回ツール・ド・とちぎは、昨年の第1回目と合わせて栃木県内全ての市町村を走破し、3日間の行程を終了。大会には延べ約7万2000人の観客が県内外から詰めかけ、県を挙げて盛り上がりをみせた。


ツール・ド・とちぎ第3ステージ結果
1 レイモンド・クレダー(オランダ、チームUKYO) 3時間16分6秒
2 岡本隼(愛三工業レーシングチーム) +0秒
3 黒枝咲哉(シマノレーシング)
4 ベンジャミン・ヒル(オーストラリア、リュブリャナ・グスト・ザウラム)
5 アイラン・フェルナンデス(スペイン、マトリックスパワータグ)
6 雨乞⻯⼰(キナンサイクリングチーム)
7 パク・コンウ(韓国、LXサイクリングチーム)
8 ウンベルト・ポーリ(イタリア、チーム ノボノルディスク)
9 吉田悠人(那須ブラーゼン)
10 重満丈(鹿屋体育大学自転車競技部)

総合成績
1 マイケル・ポッター(オーストラリア、オーストラリアンサイクリングアカデミー) 5時間46分16秒
2 レイモンド・クレダー(オランダ、チームUKYO) +14秒
3 増田成幸(宇都宮ブリッツェン) +20秒
4 ロビー・ハッカー(オーストラリア、チームUKYO) +32秒
5 入部正太朗(シマノレーシング) +36秒
6 鈴木譲(宇都宮ブリッツェン) +40秒
7 フレディ・オヴェット(オーストラリアンサイクリングアカデミー) +41秒
8 ベンジャミ・プラデス(スペイン、チームUKYO) +53秒
9 岡篤志(宇都宮ブリッツェン) +1分2秒
10 ベンジャミン・ヒル(オーストラリア、リュブリャナ・グスト・ザウラム) +1分6秒

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