ツール・ド・ランカウイ第3、第4ステージキナンのトマ・ルバが総合8位に浮上 最大の山場、キャメロンハイランドへ

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 マレーシアを舞台に行われているアジア最大級のステージレース、ツール・ド・ランカウイ(UCIアジアツアー2.HC)に参戦しているキナンサイクリングチームは、第3ステージの逃げに乗りボーナスタイムを獲得したトマ・ルバが、個人総合で10位に浮上した。ルバは翌第4ステージでも総合8位に順位を上げ、キャメロンハイランドのクイーンステージへと駒を進めている。

第4ステージ、メイン集団内で隊列を組んで走るキナンサイクリングチーム(中央) Photo: KINAN Cycling Team / Syunsuke FUKUMITSU

ルバがボーナスタイム獲得で総合10位に

 3月20日に行われた第3ステージは、南シナ海沿いを南下するルートがとられた。山岳ポイントが設けられておらず、終始フラットなコースレイアウト。最後は同国東岸の主要都市であるクアラトレンガヌの街へとフィニッシュする。ラスト3kmはテクニカルなコーナーが数カ所待ち受けており、フィニッシュに向けてスピードが上がる中でトラブルに注意が必要となる。

スペアバイクをチームカーにセットする中山直紀メカニック Photo: KINAN Cycling Team / Syunsuke FUKUMITSU

 レーススタート直後のアタックにキナン勢も果敢に加わる。15km地点までに9人が先行を開始。この中にルバが入り、メイン集団との差を着実に広げていく。

 20.6km地点に設定されたこの日1つ目のスプリントポイントで、ルバが2位通過。まずボーナスタイム2秒を獲得する。そのまま9人が先を急ぎながら進み、やがて51.3km地点にある2つ目のスプリントポイントへ。ここでルバが3位通過で、さらに1秒のボーナスタイムをゲット。計3秒のボーナスを得たルバは、この先の戦いを見据えて逃げグループを離脱。消耗する前にメイン集団へと戻った。

逃げに乗り総合順位を上げたトマ・ルバ Photo: KINAN Cycling Team / Syunsuke FUKUMITSU

 その後の集団は、積極的にコントールするチームが現れず、逃げグループとの差は最大で6分40秒にまで広がる。これを境に少しずつタイム差は縮まっていくが、射程圏内にとらえるまでには至らない。

 そんな中、集団でアシストに従事していた中西健児にバイクトラブルが発生。残り30kmを切った直後のタイミングとあり、集団もフィニッシュに向かってペースアップしている状況。バイクを交換して再出発した中西だったが、あと一歩集団に戻ることができなかった。

 ステージ優勝争いは逃げ続けたメンバーの勝負となり、キナン勢が含まれたメイン集団はトップから1分19秒差でのフィニッシュ。これにともない、総合成績もシャッフル。ボーナスタイムが生きたルバは大きくジャンプアップし、個人総合10位に浮上。首位から1分27秒差としている。

メカトラブルでストップした中西健児。バイクを交換して再出発 Photo: KINAN Cycling Team / Syunsuke FUKUMITSU
役目を果たし集団から遅れた山本元喜が単独でフィニッシュを目指す Photo: KINAN Cycling Team / Syunsuke FUKUMITSU

第3ステージ結果(166km)
1 アダム・デヴォス(カナダ、ラリーサイクリング) 3時間58分18秒
2 キム・デヨン(韓国、KSPO・ビアンキアジアプロサイクリング) +13秒
3 ニクモハドアズワン・ズルキフリー(マレーシア、フォルカアムスキンズレーシング)
4 ハリソン・スウィーニー(オーストラリア、ミッチェルトン・バイクエクスチェンジ)
5 アヌアル・マナン(マレーシア、フォルカアムスキンズレーシング) +1分19秒
6 エリック・ヤング(アメリカ、ラリーサイクリング)
41 トマ・ルバ(フランス、キナンサイクリングチーム)
43 マルコス・ガルシア(スペイン、キナンサイクリングチーム)
50 サルバドール・グアルディオラ(スペイン、キナンサイクリングチーム)
109 山本元喜(キナンサイクリングチーム) +3分39秒
125 中西健児(キナンサイクリングチーム) +13分13秒

山本元喜のコメント

 30℃台後半の気温でも多少涼しく感じられるようになっていて、暑さに慣れてきていることを実感している。ただ暑いことには変わりないので、レース後半の集中力が課題となりそうだ。

 大会前はベストアジアンライダーや、総合上位に入ってのUCIポイント獲得を狙っていたが、第2ステージで暑さとレース展開に対応できず、諦めざるを得ない形になった。狙いをステージ優勝に切り替えて、ターゲットとするステージを定めて走りたい。あとはアシストとしてもチームに貢献したい。

 一度トマが入っていた逃げグループがそのままステージ優勝争いとなったが、いまからリーダージャージを手にして、残るステージでそれを守り切れるかどうかは分からない。暑さやレースバリューを考えると、決して簡単ではないと思う。(他チームと比較して)1人少ない状況も含めて、自分たちはもう少し追う立場であってもよいかなと感じている。

ルバが総合8位で翌日の最難関ステージへ

 全8ステージで争われる大会は中盤戦へ。3月21日に行われた第4ステージは、前日に引き続き、マレーシア東岸の南シナ海を見ながら南下する177.6km。前半に唯一のカテゴリー山岳となる1級の上りが控えるが、その後は平坦。海沿いのルートはときおり強い風が吹き、これがレース展開を左右することも考えられる。

スタート前にKTテープを貼りコンディショニングするトマ・ルバ Photo: KINAN Cycling Team / Syunsuke FUKUMITSU

 レースは序盤、逃げ狙いのアタック合戦にキナン勢も参加。チャンスをうかがうが、大人数の逃げは容認されず、やがて先行した6人が集団に容認される。キナン勢はこれに加わらず、メイン集団でレースを展開することとなった。

 その後のメイン集団は、スプリンターを擁するチームを中心にペースをコントロール。逃げグループとのタイム差を見ながら、淡々と進行した。キナン勢は海から吹く風に対応すべく、中西健児が風よけに立ち、隊列を組んで走っていく。

順位を上げたトマ・ルバ Photo: KINAN Cycling Team / Syunsuke FUKUMITSU

 タイム差が約5分となったのを機に、メイン集団は徐々にペースアップ。ポジション争いが激しさを増していく。フィニッシュまで残り20kmとなったあたりからは、横風を利用しての集団分断を狙うチームが現れ、プロトンは人数が絞られた。キナン勢はルバ、ガルシア、グアルディオラが集団でのポジションを確保し、役目を終えた中西と山本は後方へと下がった。

 集団は終盤に入り逃げていた選手を全員吸収。そのままスプリント勝負によるステージ優勝争いとなった。集団では残り5km付近で落車が発生したが、キナン勢3人は巻き込まれることなく、そのままフィニッシュへ。グアルディオラがチーム内最高位の19位となった。また、山本と中西もグルペット内でレースを終え、出走5人全員が次のステージへと進んでいる。

ゴールしたサルバドール・グアルディオラ Photo: KINAN Cycling Team / Syunsuke FUKUMITSU
マルコス・ガルシアはゴール後この表情 Photo: KINAN Cycling Team / Syunsuke FUKUMITSU

 個人総合争いで上位につけていた一部選手がリタイアした関係から、ルバが2つ順位をジャンプアップ。個人総合8位とした。グアルディオラ、ガルシアも総合上位を狙える好位置につけている。

 翌22日は、いよいよこの大会のクイーンステージ。アジアの名峰・キャメロンハイランドの頂上にフィニッシュする169.4kmの第5ステージは、今大会のハイライトとなること必至。レース後半に入って上りが始まり、158km地点に1級山岳、そしてフィニッシュは超級山岳と難所が立て続けに待ち受ける。10%近い勾配の区間も次々と登場する完全クライマー向きのコースだ。このステージの結果が、個人総合争いに直結する可能性が高い。

第4ステージ結果(177.6km)
1 リッカルド・ミナーリ(イタリア、アスタナプロチーム) 4時間10分14秒
2 アンドレア・グアルディーニ(イタリア、バルディアーニ・CSF) +0秒
3 モハドハリフ・サレー(マレーシア、トレンガヌサイクリングチーム)
4 ルカ・パシオーニ(イタリア、ウィリエールトリエスティーナ・セッレイタリア)
5 マヌエル・ベレッティ(イタリア、アンドローニジョカットリ・シデルメク)
6 アラン・バナチェク(ポーランド、CCCスプランディ・ポルコヴィチェ)
19 サルバドール・グアルディオラ(スペイン、キナンサイクリングチーム)
40 トマ・ルバ(フランス、キナンサイクリングチーム)
41 マルコス・ガルシア(スペイン、キナンサイクリングチーム)
113 山本元喜(キナンサイクリングチーム) +4分42秒
114 中西健児(キナンサイクリングチーム)

個人総合時間
1 アダム・デヴォス(カナダ、ラリーサイクリング) 16時間55分45秒
2 ニクモハドアズワン・ズルキフリー(マレーシア、フォルカアムスキンズレーシング) +14秒
3 ハリソン・スウィーニー(オーストラリア、ミッチェルトン・バイクエクスチェンジ) +22秒
4 リッカルド・ミナーリ(イタリア、アスタナプロチーム) +1分19秒
5 パオロ・シミョン(イタリア、バルディアーニ・CSF) +1分26秒
6 イェフゲニー・ギディッチ(カザフスタン、アスタナプロチーム)
8 トマ・ルバ(フランス、キナンサイクリングチーム) +1分27秒
27 サルバドール・グアルディオラ(スペイン、キナンサイクリングチーム) +1分30秒
32 マルコス・ガルシア(スペイン、キナンサイクリングチーム)
117 山本元喜(キナンサイクリングチーム) +21分47秒
121 中西健児(キナンサイクリングチーム) +31分21秒

中西健児のコメント

 スタートから体が動いていたので、何度か逃げにトライをしたが、望んでいた大人数の逃げが容認されず、前方でレースを進めることができなかった。それからはチームメートの風よけになりながら、集団の前方にポジショニングしていた。

 集団内でのポジション争いが激しくなっていく中で、ポジションを下げてしまい、分断したときにそのまま後ろになってしまった。本来は我慢をして集団に残ってアシストをしないといけなかった。

 UCIワールドチームやプロコンチネンタルチームがそろうレースにあって、レベルの高さは感じているが、暑さも含めて対応していかないといけない。明日(第5ステージ)は得意の上りなので、そこでしっかりと仕事をしたい。

塚本一樹が研修生としてチーム加入

新加入の塚本一樹 Photo: KINAN Cycling Team / Syunsuke FUKUMITSU

 キナンサイクリングチームの下部組織「キナンAACA」に所属する塚本一樹(つかもと・いつき、19)が、トップチームに研修生として昇格した。シーズン前半のため、UCI登録上は正選手となる。デビューは3月23日の「ツール・ド・とちぎ」(UCIアジアツアー2.2)となる。

 塚本はチームがホストを務める東海地区のレースシリーズ「キナンAACAカップ」への出場を通じて能力を高め、今年2月に和歌山県新宮市で行われたチームの第1次トレーニングキャンプでも、高強度のトレーニングで経験豊かなプロ選手と遜色ない走りを見せ、今回の研修生登録につなげた。

塚本一樹(つかもといつき)

1998.12.12生まれ、静岡県出身
身長174.5cm、体重62kg
【コメント】
先輩の選手たちに揉まれ、経験を積んで早く強くなりたいと思っています。チームの勝利に貢献できるように努力し、多くの方々の期待に応えられるようになりたいです。応援よろしくお願いいたします。

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