日本籍チームとしては唯一参戦キナンサイクリングチームが「ツール・ド・ランカウイ」出場 アジア最高峰のステージレース

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 マレーシアを舞台に行われるステージレース、ツール・ド・ランカウイ(UCIアジアツアー2.HC)は3月18日にレースがスタートした。日本籍のチームでは唯一の参戦となるキナンサイクリングチームは、この大会にトマ・ルバ、椿大志、山本元喜、中西健児、マルコス・ガルシア、サルバドール・グアルディオラの6人が出場している。

第2ステージゴール直後の山本元喜(左)と中西健児 Photo: KINAN Cycling Team / Syunsuke FUKUMITSU

アジアツアー最高ランクのステージレース

 UCIアジアツアーにおける最高ランク、HCクラスにカテゴライズされるこの大会。ステージ数やレースオーガナイズなど、その大会の規模から「アジア最大のステージレース」とも称される。23回目を迎えた今回は、国際登録における第1カテゴリーのUCIワールドチームが2チーム参戦しているほか、14カ国22チームがスタートラインに並んだ。

キナンサイクリングチームの出場選手。(左から)中西健児、山本元喜、サルバドール・グアルディオラ、椿大志、マルコス・ガルシア、トマ・ルバ Photo: KINAN Cycling Team / Syunsuke FUKUMITSU

 キナンサイクリングチームは、本格山岳ステージとなる第5ステージでの総合争いを視野に入れつつ、その他のステージでも逃げや勝負どころでのアタックなど、あらゆるレース展開に対応できる選手をそろえた。

5選手がメイン集団ゴール 椿大志が初日リタイア

 そうして迎えた第1ステージは、カンガーからクリムまで、マラッカ海峡に沿って南下する平坦ルート。スタートから16km、37.2km、70.4kmの3カ所にスプリントポイントが設けられるほか、104.3km地点に今大会最初のカテゴリー山岳となる4級のポイントが設定された。

スタートサインをするトマ・ルバ Photo: KINAN Cycling Team / Syunsuke FUKUMITSU
レース前、「アスリチューン」を口にする中西健児 Photo: KINAN Cycling Team / Syunsuke FUKUMITSU

 40℃近い気温の中で行われたレースは、序盤に3選手が逃げグループを形成。キナン勢はこれを見送り、メイン集団でレースを進めた。タイム差は最大で6分30秒近くにまで開いたが、後半に入ってスプリント勝負を意識するチームが集団のペースを上げ、徐々にその差を縮めてゆく。キナン勢も集団内でのポジションを徐々に上げていき、強力チームと肩を並べるところで走った。

ボトルを受け取る椿大志。しかしこの日体調不良でリタイアに Photo: KINAN Cycling Team / Syunsuke FUKUMITSU

 そのさなか、椿が不調を訴え、山岳ポイントを過ぎたあたりから集団から遅れ始めた。補給を摂り、集団復帰を試みたがペースを戻すことができなかった。熱中症の症状がでていたこともあり、この先に控えるレースにダメージを残さないよう、大事をとってリタイアを決断することとなった。

 集団で走ったキナン勢5選手は、こまめに水分や補給を摂りながら時間とともに増す暑さに対応。残り10kmを切ったタイミングで複数の選手が絡む落車が発生したが、キナン勢は間一髪かわし、難を逃れる。スプリント勝負となったステージ優勝争いには加わらず、安全なポジションでのフィニッシュに努め、トップと同タイムで初日のステージを終えた。

 なお、途中でバイクを降りた椿も大事には至らず、残るステージにも帯同することになっている。残るステージは5選手で戦うこととなった。

ゴール後、水をかぶる山本元喜(右)と中西健児 Photo: KINAN Cycling Team / Syunsuke FUKUMITSU
ゴール後のマルコス・ガルシア。山岳ステージでの活躍が期待される Photo: KINAN Cycling Team / Syunsuke FUKUMITSU

第1ステージ結果(147.9km)
1 アンドレア・グアルディーニ(イタリア、バルディアーニ・CSF) 3時間29分4秒
2 ソー・ジュンヨン(韓国、KSPO・ビアンキアジアプロサイクリング) +0秒
3 メクセブ・ドゥバサイ(エリトリア、ディメンションデータ)
4 マヌエル・ベレッティ(イタリア、アンドローニジョカットリ・シデルメク)
5 リッカルド・ミナーリ(イタリア、アスタナプロチーム)
6 ルカ・パシオーニ(イタリア、ウィリエールトリエスティーナ・セッレイタリア)
48 トマ・ルバ(フランス、キナンサイクリングチーム)
52 サルバドール・グアルディオラ(スペイン、キナンサイクリングチーム)
57 山本元喜(キナンサイクリングチーム)
62 マルコス・ガルシア(スペイン、キナンサイクリングチーム)
75 中西健児(キナンサイクリングチーム)
DNF 椿大志(キナンサイクリングチーム)

1級山岳で集団が分断 3選手が集団ゴール

 第2ステージは、ゲリク(Gerik)からコタ・バル(Kota Bharu)までの208.3km。前半に4級と1級のカテゴリー山岳を越え、その後は平坦が続く。後半はタイとの国境地域を進み、東シナ海に面した街へとフィニッシュする。チームとしては逃げでのレース展開も視野に入れながら、大会2番目の長距離ステージへと挑んだ。

レース序盤、逃げを試みた中西健児 Photo: KINAN Cycling Team / Syunsuke FUKUMITSU

 そうして始まったレースは、序盤から逃げ狙いのアタックが頻発。キナン勢も中西やルバらが果敢に前をうかがい、一時先行する場面こそあったものの、逃げを決めるまでには至らない。スタートから28km地点に設けられた4級山岳を前に6人が先行し、これを集団が容認。キナン勢5選手も集団に待機し、レースを進めた。

レース序盤のメイン集団。選手に続いてチームカーの隊列が並ぶ Photo: KINAN Cycling Team / Syunsuke FUKUMITSU

 しかし、続く67.8km地点に設定された1級山岳に入ってメイン集団がペースアップ。有力スプリンターをふるい落とそうと動いたチームが出たことによって、メイン集団の人数が急激に絞られた。ルバ、グアルディオラ、ガルシアは前方にポジションを構えたが、山本と中西は後続グループへと下がってしまった。その後の下りを利用して集団復帰を試みたが追いつくことができず、そのままグルペットで完走を目指す形になった。

レース前半には絶景ポイントが多数 Photo: KINAN Cycling Team / Syunsuke FUKUMITSU

 勢いを増したメイン集団は、120km地点を過ぎるまでに逃げメンバーを吸収。その後は新たに逃げを狙う選手や、強い風を利用して集団の分断を図るチームなどが出るも、いずれも決定打とはならず。集団待機のキナン勢3選手も問題なくレース後半を走った。

 ステージ優勝争いはスプリント勝負となったが、キナン勢の3人は安全なポジションを確保しフィニッシュラインを通過した。グルペットで走った山本と中西も無事ゴールした。

集団内でレースを進めるトマ・ルバ(手前)とサルバドール・グアルディオラ Photo: KINAN Cycling Team / Syunsuke FUKUMITSU
ゴール後、レースを振り返る選手たち Photo: KINAN Cycling Team / Syunsuke FUKUMITSU

第2ステージ結果(208.3km)
1 リッカルド・ミナーリ(イタリア、アスタナプロチーム) 5時間18分20秒
2 マッテーオ・マルチェッリ(イタリア、アンドローニジョカットリ・シデルメク) +0秒
3 パオロ・シミョン(イタリア、バルディアーニ・CSF)
4 イェフゲニー・ギディッチ(カザフスタン、アスタナプロチーム)
5 マルコ・クンプ(スロベニア、CCCスプランディ・ポルコヴィチェ)
6 ルカ・パシオーニ(イタリア、ウィリエールトリエスティーナ・セッレイタリア)
26 サルバドール・グアルディオラ(スペイン、キナンサイクリングチーム)
32 マルコス・ガルシア(スペイン、キナンサイクリングチーム)
43 トマ・ルバ(フランス、キナンサイクリングチーム)
114 山本元喜(キナンサイクリングチーム) +13分15秒
124 中西健児(キナンサイクリングチーム)

個人総合時間
1 リッカルド・ミナーリ(イタリア、アスタナプロチーム) 8時間47分13秒
2 ソー・ジュンヨン(韓国、KSPO・ビアンキアジアプロサイクリング) +5秒
3 マッテーオ・マルチェッリ(イタリア、アンドローニジョカットリ・シデルメク)
4 メクセブ・ドゥバサイ(エリトリア、ディメンションデータ) +7秒
5 パオロ・シミョン(イタリア、バルディアーニ・CSF)
6 イェフゲニー・ギディッチ(カザフスタン、アスタナプロチーム)
33 サルバドール・グアルディオラ(スペイン、キナンサイクリングチーム) +11秒
39 トマ・ルバ(フランス、キナンサイクリングチーム)
41 マルコス・ガルシア(スペイン、キナンサイクリングチーム)
109 山本元喜(キナンサイクリングチーム) +13分26秒
116 中西健児(キナンサイクリングチーム)

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