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宇都宮ブリッツェンが4戦中3勝岡篤志が伊豆8kmを制しJプロツアー今季2勝目 絞られた逃げ集団から最後抜け出す

by 小森信道 / Nobumichi KOMORI
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 日本最高峰のロードレースシリーズ、Jプロツアーの第4戦「第1回JBCF修善寺ロードレースDay-2」が3月18日、静岡県伊豆市の日本サイクルスポーツセンター(CSC)8kmコースで開催され、序盤にできた逃げ集団がそのまま逃げ切り、最後は4人になった先頭から単独で抜け出した岡篤志(宇都宮ブリッツェン)が独走勝利を収め、第1戦に続いて今季2勝目を飾った。

(左から)3位のアイラン・フェルナンデス、優勝の岡篤志、3位の増田成幸。左右の2人に合わせて岡が背伸び Photo: Nobumichi KOMORI

大きな逃げ集団が形成

 前日の第3戦に続き、日本CSC8kmコースを使用するツーインワン開催の2日目。この日は前日の10周80kmから距離が1.5倍伸ばされ、15周回120kmに。第3戦はアタックの応酬が続くも決定的な逃げが決まらず、最後は昨年の個人ランキング首位、ホセビセンテ・トリビオ(スペイン、マトリックスパワータグ)が小集団のゴールスプリントを制する形となったが、距離が1.5倍伸びることでまったく異なるレース展開になることも予想される。

曇天と強風で寒さに見舞われた前日から一転、快晴に恵まれたこの日は気温も上昇 Photo: Nobumichi KOMORI
スタート前、JBCFの片山右京理事長とルビーレッドジャージの窪木一茂が記念撮影に応じる Photo: Nobumichi KOMORI

 12時45分にスタートしたレースは、前日のハードな展開の影響もあってか、各チームともに他チームの出方をうかがい、比較的穏やかな立ち上がり。しばらくすると、第3戦でもチーム全体で動きを見せていたシマノレーシングが、この日も積極的な姿勢を見せた。小山貴大(シマノレーシング)がアタックを仕掛けて集団から飛び出していく。この動きに中川智(ヴィクトワール広島)と青木誠(アクアタマ・ユーロワークス)の2人が反応して合流、3人の逃げ集団が形成された。

レース序盤から青木誠(左)と小山貴大(右)の2人が逃げる展開に Photo: Nobumichi KOMORI

 3人の逃げ集団はメイン集団から1分程度のリードを奪ったが、2周目に入ると中川がドロップし、逃げは2人に。すると、メイン集団からも数人の選手が追走に出る展開となり、まずは14人の選手が、さらに2人の選手が合流して逃げ集団は18人となった。

 18人の逃げ集団のメンバーは、増田成幸、鈴木龍、岡(以上3人、宇都宮ブリッツェン)、秋田拓磨、横山航太、小山(以上2人、シマノレーシング)、岸崇仁、樋口峻明、吉田悠人(以上3人、那須ブラーゼン)、アイラン・フェルナンデス(スペイン、マトリックスパワータグ)、安原大貴(マトリックスパワータグ)、大久保陣、原田裕成(以上2人、チーム ブリヂストンサイクリング)、トム・ボシス(フランス、東京ヴェントス)、白川幸希(ヴィクトワール広島)、前田公平(弱虫ペダルサイクリングチーム)、豊田勝徳(イナーメ信濃山形)、青木という布陣だ。

2人の逃げに追走が追いつき、18人の逃げ集団が形成される Photo: Nobumichi KOMORI

前日優勝のトリビオに不運

 有力チームの選手が複数入るこの逃げ集団をメイン集団が容認したことで、逃げ集団とメイン集団とのタイム差は一気に拡大し、5周目にはその差は6分ほどになった。メイン集団には積極的に集団をコントロールしようとするチームがなく完全にストップ。その差がさらに拡大すれば、集団全体がタイムアウトになる可能性も出てくる事態になった。ここでタイムアウトは避けようとする宇都宮ブリッツェン勢がコントロールを開始し、メイン集団はようやくタイムアウトを免れるペースを刻むようになった。

コントロールするチームがなくペースが上がらないメイン集団にタイムアウトが迫る Photo: Nobumichi KOMORI
タイムアウトを避けるために引く必要がない宇都宮ブリッツェンがメイン集団のコントロールを開始 Photo: Nobumichi KOMORI
雨澤毅明がほぼ先頭固定でメイン集団をけん引する Photo: Nobumichi KOMORI

 宇都宮ブリッツェン勢がコントロールするようになって安定感を取り戻したメイン集団からは、7周目に入ると逃げ集団にブリッジをかけようとする選手が出るようになった。最初に木村圭佑(シマノレーシング)、藤岡克磨(ヴィクトワール広島)、高木三千成(東京ヴェントス)の3人が、続いて谷順成(ヴィクトワール広島)と岩崎晶雲(弱虫ペダルサイクリングチーム)の2人が追走に飛び出した。先の3人の選手はブリッジに成功。逃げ集団は21人になった。

追走の木村圭佑(左)、高木三千成(中)、藤岡克磨(右)の3人が逃げ集団へのブリッジに成功 Photo: Nobumichi KOMORI

 その後、レースはしばらく21人の逃げ集団、2人の追走、メイン集団という形のまま進んだが、9周目になると逃げ集団で人数を絞るためのアタックが散発。集団はブラッシュアップされた。逃げ集団は増田、鈴木龍、岡の宇都宮ブリッツェン3人、木村、秋田、横山、小山のシマノレーシング4人、フェルナンデスと安原のマトリックスパワータグ2人、そしてボシスと白川の計11人になった。

 一方のメイン集団では、この日も貪欲に勝利を狙うトリビオがアタックを仕掛けて単独で追走に飛び出す場面もあったが決まらず。逆に、トリビオは10周目に差しかかるホームストレートでパンクを喫して集団から遅れてしまい、チームメートの土井雪広(マトリックスパワータグ)から車輪を譲り受けて、辛くもレースに復帰する事態となった。

21人から絞り込まれた11人の逃げ集団がホームストレートへ向かう Photo: Nobumichi KOMORI
前日優勝のトリビオはパンクを喫して遅れるなどバッドデイとなった Photo: Nobumichi KOMORI

4人の優勝争い 2人残した宇都宮が有利に

 レースも3分の2を過ぎて終盤戦に入ると、11人の逃げ集団内でも勝利に向けた動きが徐々に活性化する。12周目には増田のアタックに反応した木村が2人で先行し、その2人が吸収されるタイミングで岡と秋田がカウンターで飛び出すなど、人数をそろえる宇都宮ブリッツェンとシマノレーシングが積極的に攻撃を仕掛けるようになった。

ルビーレッドジャージの窪木一茂のためにチーム ブリヂストンサイクリングがメイン集団をペースアップ。先頭は石橋学 Photo: Nobumichi KOMORI

 一方のメイン集団は、逃げ集団に送り込んでいた選手が遅れてしまったチーム ブリヂストンサイクリング勢が、ルビーレッドジャージを着用する窪木一茂(チーム ブリヂストンサイクリング)のために集団のコントロールを開始してペースアップした。しかし、ペースアップを始めるタイミングが遅きに失し、11人の逃げ集団の逃げ切りがほぼ間違いない状況となった。

 勝ち逃げが濃厚となった逃げ集団では、13周目に入ると増田、岡、横山、フェルナンデスの4人が抜け出して先行。すぐに45秒のリードを奪い、なおも協調してその差を広げていく展開に。そしてリードを保ったまま残り1周を迎えることになった。

11人の逃げ集団からさらに抜け出した4人が協調して逃げ切りを確定させる Photo: Nobumichi KOMORI

 最終周となる15周目に入ると、2人を残す宇都宮ブリッツェンの動きを警戒したフェルナンデスが先手をとってアタックを仕掛けたが、残る3人に惜しくも吸収される。すると、そのカウンターでアタックした岡が単独で抜け出し、そのまま15秒ほどのリードを奪うことに成功した。岡はその後も安定した走りでリードを広げて独走でフィニッシュ。第1戦に続く今季2勝目となる優勝を飾った。

最終周に抜け出した岡篤志がそのまま逃げ切って優勝。開幕戦に続く今季2勝目を挙げた Photo: Nobumichi KOMORI

自身の理想とするパターンで勝利

 優勝した岡は「チームの作戦は自分と(鈴木)譲さんを終盤まで温存するというものでしたが、昨日のハードな展開で自分も疲れていましたし、誰もがそういう状態で慎重になり、逃げ集団がそのまま行ってしまうこともあるかもしれないから、前待ちもひとつ手だなとも思っていました。結果的に逃げが勝ち逃げになって、メンバーも宇都宮ブリッツェンが一番有利だったと思うので、それが決め手になりましたね」と勝因を語った。

ルビーレッドジャージが岡篤志(右)、ピュアホワイトジャージ小山貴大(左)にそれぞれ移った Photo: Nobumichi KOMORI

 岡は続けて、「最終局面は増田さんと2人いて、自分がスプリントに備えて増田さんがアタックする予定でしたが、フェルナンデス選手が先に仕掛けてきて、自分がタイミングよくカウンターで抜け出すことができたので逃げ切れました。自分の中では今日のような形で勝ちたいという気持ちがずっとあったので、思った通りの勝ち方ができて本当にうれしいです」と喜びも口にした。

 なお、ツアーリーダーの証のルビーレッドジャージは窪木から、この日優勝を飾った岡が奪い返す形に。23歳未満のランキングトップの選手が着用するピュアホワイトジャージも、この日欠場となった小山智也(イナーメ信濃山形)から、小山貴大(シマノレーシング)に移っている。

 次戦は4月28日に、第5戦となる「第52回JBCF東日本ロードクラシック群馬大会」が、群馬県みなかみ町の群馬サイクルスポーツセンターで開催される。

Jプロツアー第4戦「修善寺ロードレース」結果
1 岡篤志(宇都宮ブリッツェン) 3時間41分43秒
2 アイラン・フェルナンデス(マトリックスパワータグ) +38秒
3 増田成幸(宇都宮ブリッツェン)
4 横山航太(シマノレーシング)+49秒
5 鈴木龍(宇都宮ブリッツェン)+3分43秒
6 秋田拓磨(シマノレーシング)+3分46秒

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