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バイクインプレッション2018伝統と革新を取り入れたCシリーズの最新フラッグシップモデル コルナゴ「C64」

by 松尾修作 / Shusaku MATSUO
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 イタリアを代表するバイクブランド「COLNAGO」(コルナゴ)のCシリーズがフルモデルチェンジを果たして登場した。「C64」と命名されたフラッグシップロードバイクは、ラグ製法のフレームを継承しつつ「C60」から186gも軽量化。伝統と革新的な技術を用いたピュアレーシングバイクを試した。

伝統のラグドフレームに新たなエッセンスも用いたCシリーズの新作「C64」 Photo: Masami SATOU

往年のファンも納得の仕様

トップチューブとダウンチューブには潰しが入ったジルコ加工が施される Photo: Masami SATOU

 Cの名を冠した「C35」の登場から30年の月日が流れ、その時代のレース最前線に合わせた改良が加えられ今日に至る。「C64」はカーボンモノコックと比べて重量を削りづらいとされるラグドフレームながら、前作から186gも軽量化を果たしたことがトピックの一つ。強力なストッピングパワーにも耐えられるダイレクトマウントブレーキの採用や、同社の「V2-r」を彷彿とさせるカムテール構造のシートポストなど近代化を果たしたことも前作からブラッシュアップしたポイントだ。

カムテール構造を取り入れたシートポスト。インテグレーテッドシートクランプとなりトップチューブ下から固定する Photo: Masami SATOU

 一方で、ラグから伸びるダウンチューブやトップチューブには伝統的な多角形断面のジルコ加工が施され、優れた捻じれ剛性を実現。Cシリーズでは定番のストレートフォークは、外部にリブが用いられてコンフォート性能と剛性をアップさせつつ355gにまとめてきた。また、ラインナップされたアートデコール2色は美しいグラデーションや繊細なペイントが施され、往年のファンも納得の仕様となっている。

レースでこそ生きるポテンシャル

 C64の試乗にはいつにも増して身構えて臨んだ。踏んだ瞬間というより、あとからぐいぐいと背中を押してくれるような伸びやかな加速感が好きで、筆者はコルナゴのバイクのファンである。しかし、「C59」で体現されたその“コルナゴらしさ”とは違い、「C60」ではこれでもかというほどの剛性に戸惑い、うまく乗りこなせなかった。C64ではそれをも上回る硬さがあると聞き、いささかの不安と進化への期待が入り混じりながらも試乗を始めた。

ボトムブラケットは「スレッドフィット82.5」を採用 Photo: Masami SATOU

 C64は確かに硬い。しかし、C60とは違った。186gとはいえ、軽量化された恩恵で振りが軽く、硬いと感じさせる前にスッと次の動作へと移ることができる。ダンシング時が顕著で、C60では上半身に力を込めて前に進めていく印象が強かったが、C64は肩と腕の力を抜き、バイクに身を任せるとスーっと進んでいく。この時、地に張り付く“独特”な直進安定性を持っているので、バイクの挙動が乱れることはない。単純に力を必要としていないだけ楽ができるので、体力の温存に生きる。

 独特なのは直線上だけでなく、コーナー時のハンドリングも同じだ。よく「曲がりづらい」と表現されるコルナゴのコーナリング性能だが、決して曲がらないわけではない。弱アンダーステアの味付けは、コーナーへのアプローチでライダーへの選択肢をポジティブな意味で狭めてくれる。一般的には進入角度を決める際、誤って車体を倒しすぎたら起こすし、曲がらないと判断したらさらに倒さなければならない。どちらにしても恐怖心を感じるが、C64の場合は前者の選択がほとんど必要なかった。

弱アンダーステアはライダーの負担を軽減し、最速のラインをトレースさせる Photo: Masami SATOU

 C64はオーバーステアになる不安が基本的にはないので、イン側へ倒していく方向のみ考えればいい。様々な角度のコーナーを試してみたが、考えなければならなかった選択肢が従来より一つ減った分、余裕を持って最速のラインへと車体を乗せることができた。車体がまだ斜めになった状態からでも鞭を打つと、速度に負けない車体剛性と推進力でコーナーの出口へと導いてくれる。車体が軽くなった影響か、S字などの切り返しではより素早くなったと感じた。コーナーを含むゴールスプリント前の位置取りでは、アドバンテージになることは間違いない。

肩の力を抜くことが前作を凌駕する剛性を持つ「C64」を攻略するポイント Photo: Masami SATOU

 最高速へ向けてのスプリントは車体の切り返しと戻りが早く、速度が上がってもパタンパタンとハンドルを振ることができ、結果的に速い。車体全体のスタビリティが上がっているので、腕、体幹、脚の動作を車体へ即座に反映させ、50km/h以上からの伸びを実現させた。コーナーワークからの位置取り、そして最高速への加速とトータルでのスプリント性能の高さにC64を超えるバイクは多くないだろう。

 C64は前作で引っかかったポイントを、技術で補足してメリットへと昇華させてきた正常進化モデルだ。ただし、ロードバイクビギナーに進化した恩恵を感じるのは難しいだろう。もちろん車体全体の完成度は非常に優れているので、誰もが良いバイクだとは思うかもしれない。Cシリーズはレースシーンで生きるポテンシャルを目指して開発されてきた。ぜひ、レースで結果を求めるサイクリストに性能を確かめてもらいたい。

■コルナゴ「C64」
税抜価格:650,000円、680,000円(ディスク仕様)、698,000円(アートデコール)、728,000円(ディスク仕様・アートデコール)
サイズ:420S / 450S / 480S / 500S / 520S / 540S / 560S / 580S / 600S /
カラー:BFBL(アズーロ)、BFWH(ビアンコ)、PKBK(マットブラック)、PKRD(レッド)、PKSL(シルバー)、PKWH(ホワイト)

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