ティレーノ~アドリアティコ2018 第7ステージ(最終)クウィアトコウスキーが初の個人総合優勝 最終の個人TTはデニスが制する

by 福光俊介 / Syunsuke FUKUMITSU
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 イタリアで開催されたティレーノ~アドリアティコ(UCIワールドツアー)は、3月13日に全7ステージによる戦いを終了し、第5ステージでリーダージャージ「マリアアッズーラ」を手にしたミカル・クウィアトコウスキー(ポーランド、チーム スカイ)が最終日にライバルとのリードを広げて、この大会では初めて頂点に立った。なお、最終・第7ステージは10.05kmの個人タイムトライアル(TT)で争われ、ローハン・デニス(オーストラリア、BMCレーシングチーム)が勝利を挙げている。

ティレーノ〜アドリアティコ初制覇を果たしたミカル・クウィアトコウスキー。大会のシンボルである黄金のトリアイナを掲げておどけてみせる Photo: Yuzuru SUNADA

後半降り始めた雨が順位に影響

 大会の最後を飾るステージは今回で8年連続となる、アドリア海に面したサンベネデット・デル・トロントでの個人タイムトライアル。オールフラットといえるレイアウトで、海沿いの道路を行って戻る格好のコース設定。

最終ステージを制したローハン・デニス Photo: Yuzuru SUNADA

 かつては総合争いの大勢が決していたなかでの顔見せ的な要素が濃かったケースもあったが、近年は僅差でこの日を迎えることが多くなり、マリアアッズーラ争いにおいては最後の最後まで気を抜くことができなくなっている。実際、前日の第6ステージまでを終えて、1分以内に総合トップ10がひしめく混戦。特にトップのクウィアトコウスキーと、2位のダミアーノ・カルーゾ(イタリア、BMCレーシングチーム)は3秒差と、個人TTの内容次第で結果が決まる状勢だ。

 そんな中で迎えたレースは、総合順位の下位から順にスタート。出走135人中100人を過ぎたあたりから雨が降り始め、ステージ優勝争いはドライコンディションの中で走ることができた選手が有利となった。結果的に、55番スタートのデニスの11分14秒がトップタイム。その後にスタートしたヨス・ファンエムデン(オランダ、ロットNL・ユンボ)、ヨナタン・カストロビエホ(スペイン、チーム スカイ)がデニスのタイムに迫ったが上回ることはできず、そのままデニスのステージ優勝が決まった。

スリッピーな路面に総合上位陣が大シャッフル

 総合トップ10の選手たちがスタートする頃には雨脚がさらに強まり、選手によってスリッピーな路面への対応の差が顕著に表れる。そんな中で気を吐いたのが、チーム スカイ勢だった。

まずまずの走りで個人総合2位を決めたダミアーノ・カルーゾ Photo: Yuzuru SUNADA

 総合4位でスタートしたゲラント・トーマス(イギリス)は、厳しい条件下でも攻めの姿勢を崩さず、11分37秒でフィニッシュ。多くの選手が12分台のフィニッシュにとどまる中、TT巧者の意地を見せる。続いて出走した同3位のミケル・ランダ(スペイン、モビスター チーム)が大ブレーキの走りだったことも関係し、この時点でトーマスが総合表彰台を確定させる。

個人総合優勝を決めたミカル・クウィアトコウスキーの走り Photo: Yuzuru SUNADA

 注目された総合上位2人の走りは、先に出発したカルーゾが11分55秒とまとめたものの、トーマス同様TTを得意とするクウィアトコウスキーが11分34秒と好走。前日までの3秒差からリードを広げて、個人総合優勝を決めてみせた。

 2014年のロード世界王者で、昨年はストラーデ・ビアンケ、ミラノ~サンレモ、クラシカ・サン・セバスティアンとワンデークラシックのタイトルを数多く獲得しているクウィアトコウスキー。今シーズンはステージレースでの活躍も光っており、2月のヴォルタ・アオ・アルガルヴェ(ポルトガル、UCIヨーロッパツアー2.HC)に続く個人総合優勝。得意とする春のクラシックレースに向けて、好材料を得たといえそうだ。

 コースコンディションの変化が関係し、総合トップ10も大シャッフル。トーマスが3位となったほかにも、前日まで8位だったティシュ・ベノート(ベルギー、ロット・スーダル)が4つ順位を上げて4位に躍進。第5ステージを制しているアダム・イェーツ(イギリス、ミッチェルトン・スコット)も1つランクアップの5位となった。一方、ランダが前日から3つ順位を落として6位フィニッシュに終わっている。

 今大会唯一の日本人ライダーだった初山翔(NIPPO・ヴィーニファンティーニ)は、トップから57分38秒差の総合120位で完走。最終ステージは121位だった。また、NIPPO・ヴィーニファンティーニはニコラ・バジョーリ(イタリア)が山岳賞を獲得。ハイレベルな戦いにあって、確かな存在感を示した。

個人総合上位3選手の表彰。左から2位ダミアーノ・カルーゾ、1位ミカル・クウィアトコウスキー、3位ゲラント・トーマス Photo: Yuzuru SUNADA

第7ステージ結果
1 ローハン・デニス(オーストラリア、BMCレーシングチーム) 11分14秒
2 ヨス・ファンエムデン(オランダ、ロットNL・ユンボ) +4秒
3 ヨナタン・カストロビエホ(スペイン、チーム スカイ) +8秒
4 マッズ・ペデルセン(デンマーク、トレック・セガフレード)
5 ジャンニ・モズコン(イタリア、チーム スカイ) +12秒
6 マイケル・ヘップバーン(オーストラリア、ミッチェルトン・スコット) +13秒
7 ジャック・バウアー(ニュージーランド、ミッチェルトン・スコット)
8 ルーク・ダーブリッジ(オーストラリア、ミッチェルトン・スコット) +17秒
9 プリモシュ・ログリッチェ(スロベニア、ロットNL・ユンボ) +18秒
10 ヴァシル・キリエンカ(ベラルーシ、チーム スカイ)
121 初山翔(日本、NIPPO・ヴィーニファンティーニ) +1分44秒

個人総合
1 ミカル・クウィアトコウスキー(ポーランド、チーム スカイ) 25時間32分56秒
2 ダミアーノ・カルーゾ(イタリア、BMCレーシングチーム) +24秒
3 ゲラント・トーマス(イギリス、チーム スカイ) +32秒
4 ティシュ・ベノート(ベルギー、ロット・スーダル) +1分6秒
5 アダム・イェーツ(イギリス、ミッチェルトン・スコット) +1分10秒
6 ミケル・ランダ(スペイン、モビスター チーム) +1分13秒
7 ダヴィデ・フォルモロ(イタリア、ボーラ・ハンスグローエ) +1分15秒
8 ハイメ・ロソン(スペイン、モビスター チーム)
9 ジョージ・ベネット(ニュージーランド、ロットNL・ユンボ) +1分16秒
10 リゴベルト・ウラン(コロンビア、EFエデュケーションファースト・ドラパック) +1分22秒
120 初山翔(日本、NIPPO・ヴィーニファンティーニ) +57分38秒

ポイント賞
1 ジャコポ・モスカ(イタリア、ウィリエールトリエスティーナ・セッレイタリア) 33pts
2 ペテル・サガン(スロバキア、ボーラ・ハンスグローエ) 30pts
3 マルセル・キッテル(ドイツ、カチューシャ・アルペシン) 24pts

山岳賞
1 ニコラ・バジョーリ(イタリア、NIPPO・ヴィーニファンティーニ) 35pts
2 ジャコポ・モスカ(イタリア、ウィリエールトリエスティーナ・セッレイタリア) 25pts
3 ダリオ・カタルド(イタリア、アスタナ プロチーム) 20pts

ヤングライダー賞
1 ティシュ・ベノート(ベルギー、ロット・スーダル) 25時間34分2秒
2 ハイメ・ロソン(スペイン、モビスター チーム) +9秒
3 ミゲルアンヘル・ロペス(コロンビア、アスタナ プロチーム) +2分21秒

チーム総合
1 アスタナ プロチーム 76時間2分4秒
2 チーム スカイ +39秒
3 バーレーン・メリダ +43秒

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