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産経WEST【関西の議論】より大鳴門橋にサイクリングロード構想、渦潮一またぎの絶景…瀬戸内海1周ルート実現なるか

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 自転車で島内を1周する「アワイチ」が人気の兵庫県・淡路島で、島と四国を結ぶ大鳴門橋(全長1629m)に新たにサイクリングロードを敷設する構想が注目を集めている。実現すれば、「渦潮の真上を通る絶景コースとして人気を集める」と観光業界は期待。同じく“サイクリストの聖地”として人気を集める「しまなみ海道」(愛媛県今治市-広島県尾道市)などと結ぶと、淡路島-四国-本州と瀬戸内海を自転車で1周する「セトイチ」も可能で、サイクリストも熱視線を送っている。

淡路島側から眺める大鳴門橋。10月1日から自転車の陸送がスタートする=2017年9月27日、南あわじ市福良丙の「道の駅うずしお」(秋山紀浩撮影)

 「鳴門海峡は『アワイチ(淡路島1周ルート)の折り返し地点』というイメージでしたが、橋を渡れるなら、さらに大胆なコースを考えられるかも」

 大鳴門橋の北端に位置する「道の駅うずしお」(兵庫県南あわじ市福良丙)。友人とアワイチでサイクリングに訪れた大阪府吹田市の男性(42)はこう話した。

 アワイチは1周約150kmで適度な起伏と絶景が楽しめ、関西を中心に日帰りも可能なサイクリングコースとして人気を集める。近年のスポーツ自転車人気もあり、昨年9月に開かれたサイクリングイベントでは全国から約2200人がエントリーし、コースを満喫した。

 そんな人気の裏で模索が続いているのが“ポスト・アワイチ”。島内の自転車店によると、「アワイチは既に経験したので、新たなコースを探りたい」というサイクリストの声をよく耳にするという。人口減少が激しく街の衰退が懸念される淡路島で、サイクリストの興味を引きつけるコース作りは喫緊の課題となっている。

 そこで兵庫県が淡路島と徳島県鳴門市を結ぶ大鳴門橋に注目し、徳島県と共同でサイクリングロードを敷設できるか検証に乗り出すことになった。同橋はもともと上下2層に分かれ、下部に鉄道を敷設できる構造になっている。現在まで鉄道を通す計画はなく、骨組みのまま作業用通路となっている下部をサイクリングロードとして活用しようというのだ。

 「さまざまな課題を検証しなければならないが、まず『できるかどうか』を探りたい。もし可能ならば、サイクリストの期待に大きく貢献できるのでは」と県の担当者は話す。

 鳴門海峡では、干満の差から大きいもので直径約30mという世界最大規模の渦潮が発生する。地元土産店は「渦潮を眼下にサイクリングできる場所は国内外でも珍しいはず。観光客増加が見込める」と期待する。

 構想を進めるにあたっては安全面の検討が欠かせない。通路をアスファルトなどで舗装してしまうと風の流れが変わり、橋の挙動に影響が出る恐れがあるという。

 大規模構造物だけに慎重を期す必要があり、県は第一段階として、模型やパソコン上のシミュレーションで影響を検証するという。検証技術の進化もあり、担当者は「かなり現実的なデータが得られるのでは」と期待する。

 大鳴門橋のサイクリングロード敷設を前に、地元自治体では一足早く海峡を越えた交流が進んでいる。

 淡路島南部の南あわじ市は昨年10月から、自転車をトラックに積んで大鳴門橋を双方向から運ぶサービスを始めた。淡路島と四国を自転車で周遊してもらい観光振興や交流人口の増加につなげたい考えだ。

 同市と鳴門市、香川県東かがわ市などでつくる「ASA(アサ)トライアングル交流圏推進協議会」が計画したもので、ヤマト運輸の関連会社「ヤマトホームコンビニエンス」(東京都)がトラック輸送で協力。南あわじ市の担当者は「今まで淡路島に渡れなかった四国のサイクリストが島内を走ることができる。京阪神のサイクリストも淡路島を周遊した後に四国側に移動でき、コース選択の幅が広がる」と話す。

 同市と鳴門市は、サイクリングコースをPRするショートムービーやテレビCM用動画も制作。徳島市出身の女優、山下リオさんが出演し魅力を伝えている。3月18日には大鳴門橋をまたいで淡路島と四国を周遊するサイクリングイベント「鳴門・南あわじ渦潮ファンライド」も開催する。

 将来的には本州-淡路島-四国-本州と巡って瀬戸内海を1周する「セトイチ」への期待も高まる。淡路島と本州をつなぐ明石海峡大橋は自動車専用道で自転車は通行できないが、明石海峡は定期航路に自転車の積み込みが可能で、公共交通(船便)を利用すればセトイチは可能だ。

 また今治市と尾道市を結ぶ「しなまみ海道」(約70km)や、愛媛県の岡村島から広島県呉市に至る「とびしま海道」(約30km)などを自転車で渡るルートは既に人気を集めており、それらのコースと結べば、瀬戸内海をぐるりと回る総延長約300km以上の壮大なコースができる。

 「体力的に日帰りではなく数日かける必要があるが、それでも穏やかな瀬戸内海を眺めながら巡る旅はダイナミック。周辺観光地にも良い影響を与えるのでは」と南あわじ市のサイクリストは話す。

 淡路島1周は約150kmで、セトイチはその2倍以上あるが、熱心なサイクリストにとっては挑戦しがいのあるコースだ。「淡路島だけでなく、周辺自治体も巻き込んでサイクリングの活性化につながればうれしい」。関係者の共通した思いだ。

産経WESTより)

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