ティレーノ~アドリアティコ2018 第5ステージアダム・イェーツが意地の独走勝利 リーダージャージはクウィアトコウスキーへ

by 福光俊介 / Syunsuke FUKUMITSU
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 イタリアで開催されているティレーノ~アドリアティコ(UCIワールドツアー)は3月11日、第5ステージが行われ、終盤の急坂で飛び出したアダム・イェーツ(イギリス、ミッチェルトン・スコット)がステージ優勝し、今シーズン初勝利を挙げた。個人総合首位の選手が着るマリアアッズーラは、ステージ3位で終えたミカル・クウィアトコウスキー(ポーランド、チーム スカイ)が奪取。この日まで着用していたダミアーノ・カルーゾ(イタリア、BMCレーシングチーム)が総合タイム差3秒差で続いている。

ティレーノ〜アドリアティコ第5ステージを独走で制したアダム・イェーツ Photo: Yuzuru SUNADA

故スカルポーニの生まれ故郷を目指し進んだ178km

 全7ステージで行われる大会は、後半戦へ突入。この日は、中東部の街・カステルライモンドを出発し、東へと進行。いよいよアドリア海を望むところまでやってくる。その後海を離れて内陸部へと戻る形となり、目指すのはフィロットラーノ。

 ここは、昨年4月22日にトレーニング中の事故で亡くなったミケーレ・スカルポーニ(当時アスタナ プロチーム)の生まれ故郷。今大会開催にあたり、主催者のRCSスポルトがプロトン全体でスカルポーニをリスペクトする機会として、この街をフィニッシュ地点に選定した。

ダリオ・カタルドが牽引する逃げグループ Photo: Yuzuru SUNADA

 そんな1日を動かしたのは、かつてのチームメートたちだった。まず、ダリオ・カタルド(イタリア、アスタナ プロチーム)が逃げに加わる。クリスティアン・コレン(スロベニア、バーレーン・メリダ)、スティーヴ・モラビト(スイス、グルパマ・エフデジ)、イゴール・ボエヴ(ロシア、ガズプロム・ルスヴェロ)、イーリョ・ケイセ(ベルギー、クイックステップフロアーズ)とリードを広げていき、スタートから45km地点でメイン集団との差を6分20秒とした。

 その後は、リーダージャージのカルーゾ擁するBMCレーシングチームがメイン集団のコントロールを本格化したことから、タイム差は4分台で推移。フィニッシュまで残り50kmを切ったあたりからBMCが集団のペースを上げると、その後方では中切れが次々と発生。しばらくして集団は1つになったが、その間に逃げグループとの差が一気に縮まった。

BMCレーシングチームがコントロールするメイン集団 Photo: Yuzuru SUNADA

 活性化する集団内では、ファビオ・アル(イタリア、UAE・チーム エミレーツ)、リゴベルト・ウラン(コロンビア、EFエデュケーションファースト・ドラパック)、ヴィンチェンツォ・ニバリ(イタリア、バーレーン・メリダ)と有力選手がパンクに見舞われるが、いずれも集団へと復帰している。

ラストの上りでイェーツがアタック

 アドリア海にいったん別れを告げてフィロットラーノに入ると、フィニッシュラインを基点として16.1kmの周回コースを2回めぐる。周回終盤に急坂区間が控え、フィニッシュラインまで残り約4.5kmから始まる上りは最大16%、そして最後の上りは同じく10%。ラスト1周回を前に、この上りで逃げグループが崩れたほか、メイン集団でもクリストファー・フルーム(イギリス、チーム スカイ)が後方へと下がる場面が見られた。

大観衆の中をダリオ・カタルドを先頭に逃げグループが進む Photo: Yuzuru SUNADA

 逃げメンバーの中で特に気を吐いたのがカタルド。最終周回を前に独走となったが、逃げ切りのわずかな可能性に賭けて踏み続けた。残り11km地点でチーム スカイがペースを上げたメイン集団に捕まったものの、チームにとってのメモリアルデーにふさわしい力走を見せた。

 メイン集団は急坂区間に備えて、有力チームがトレインを組んでスプリントさながらのポジション争い。そんな中、残り6kmでフルームがパンク。勝負から完全に離脱を余儀なくされた。

 勝負の上りに入って、満を持してアタックしたのはイェーツ。総合争いで遅れていたこともあり、上位陣がこの動きを容認。あっという間に15秒以上の差を得ることに成功した。しばらくして前日の勝者ミケル・ランダ(スペイン、モビスター チーム)、ラファル・マイカ(ポーランド、ボーラ・ハンスグローエ)が追う姿勢を見せるが、厳しいマークにあい抜け出すまでには至らない。さらに、アスタナ プロチームからアレクセイ・ルツェンコ(カザフスタン)が単独で飛び出しイェーツを追ったが、これも集団に捕まってしまう。

 イェーツはラストの3.5kmを独走。第2ステージ終盤で発生した大規模クラッシュによる足止めで総合争いから後退したが、そのうっぷんを晴らす快勝。双子の兄弟であるサイモンが前日、パリ~ニースでステージを制したが、アダムもそれに続くべく勝ち名乗りを挙げた。

ステージ優勝したアダム・イェーツの表彰。昨年4月に事故死したミケーレ・スカルポーニの家族がプレゼンターを務めた Photo: Yuzuru SUNADA

 イェーツから7秒遅れてやってきたメイン集団は、ペテル・サガン(スロバキア、ボーラ・ハンスグローエ)が先頭を確保し2位。クウィアトコウスキーが3位に続いた。

 この結果、フィニッシュボーナス4秒を獲得したクウィアトコウスキーがカルーゾを逆転しマリアアッズーラを獲得。総合タイム差1秒でトップに立っていたカルーゾは、逆に3秒のリードを許すこととなった。

個人総合首位に立ったミカル・クウィアトコウスキー Photo: Yuzuru SUNADA

 日本人選手として唯一参戦している初山翔(NIPPO・ヴィーニファンティーニ)は、20分15秒差のグルペット内でステージを終えている。

 総合争いは、上位4人が30秒以内に、さらに12位までが1分以内にひしめく大混戦。残り2ステージでシャッフルが起こる可能性も大いにある。153kmで争われる第6ステージは、序盤から中盤にかけて細かなアップダウンが続くが、終盤は平坦基調。スプリンターにチャンスのあるコースレイアウトといえそうだ。

第5ステージ結果
1 アダム・イェーツ(イギリス、ミッチェルトン・スコット) 4時間16分35秒
2 ペテル・サガン(スロバキア、ボーラ・ハンスグローエ) +7秒
3 ミカル・クウィアトコウスキー(ポーランド、チーム スカイ)
4 ティシュ・ベノート(ベルギー、ロット・スーダル)
5 リゴベルト・ウラン(コロンビア、EFエデュケーションファースト・ドラパック)
6 ゲラント・トーマス(イギリス、チーム スカイ)
7 ミケル・ランダ(スペイン、モビスター チーム)
8 ハイメ・ロソン(スペイン、モビスター チーム)
9 ロマン・バルデ(フランス、アージェードゥーゼール ラモンディアル)
10 ダミアーノ・カルーゾ(イタリア、BMCレーシングチーム)
135 初山翔(日本、NIPPO・ヴィーニファンティーニ) +20分15秒

個人総合
1 ミカル・クウィアトコウスキー(ポーランド、チーム スカイ) 21時間31分28秒
2 ダミアーノ・カルーゾ(イタリア、BMCレーシングチーム) +3秒
3 ミケル・ランダ(スペイン、モビスター チーム) +23秒
4 ゲラント・トーマス(イギリス、チーム スカイ) +29秒
5 リゴベルト・ウラン(コロンビア、EFエデュケーションファースト・ドラパック) +34秒
6 アダム・イェーツ(イギリス、ミッチェルトン・スコット) +36秒
7 ダヴィデ・フォルモロ(イタリア、ボーラ・ハンスグローエ) +37秒
8 ティシュ・ベノート(ベルギー、ロット・スーダル) +39秒
9 ジョージ・ベネット(ニュージーランド、ロットNL・ユンボ) +41秒
10 ハイメ・ロソン(スペイン、モビスター チーム) +47秒
135 初山翔(日本、NIPPO・ヴィーニファンティーニ) +51分43秒

ポイント賞
1 ジャコポ・モスカ(イタリア、ウィリエールトリエスティーナ・セッレイタリア) 28pts
2 アダム・イェーツ(イギリス、ミッチェルトン・スコット) 24pts
3 ミケル・ランダ(スペイン、モビスター チーム) 21pts

山岳賞
1 ニコラ・バジョーリ(イタリア、NIPPO・ヴィーニファンティーニ) 35pts
2 ダリオ・カタルド(イタリア、アスタナ プロチーム) 20pts
3 ジャコポ・モスカ(イタリア、ウィリエールトリエスティーナ・セッレイタリア) 18pts

ヤングライダー賞
1 ティシュ・ベノート(ベルギー、ロット・スーダル) 21時間32分7秒
2 ハイメ・ロソン(スペイン、モビスター チーム) +8秒
3 ミゲルアンヘル・ロペス(コロンビア、アスタナ プロチーム) +2分3秒

チーム総合
1 アスタナ プロチーム 63時間56分12秒
2 バーレーン・メリダ +10秒
3 ボーラ・ハンスグローエ +1分41秒

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