ティレーノ~アドリアティコ2018 第4ステージランダが頂上フィニッシュを制し移籍後初勝利 カルーゾが総合首位に浮上

by あきさねゆう / Yuu AKISANE
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 2018年のUCIワールドツアー第7戦「ティレーノ〜アドリアティコ」第4ステージは3月10日、フォリーニョからサッソテットへの219kmで争われ、クライマー同士によるスプリント勝負を制したミケル・ランダ(スペイン、モビスターチーム)が移籍後初勝利をあげた。リーダージャージを着用していたゲラント・トーマス(イギリス、チーム スカイ)は、勝負どころでメカトラブルに見舞われ大きくタイムロス。リーダージャージはダミアーノ・カルーゾ(イタリア、BMCレーシングチーム)の手に渡った。

クイーンステージの山頂フィニッシュを制したミケル・ランダ Photo : Yuzuru SUNADA

デュムランが落車でリタイア

 フィニッシュ地点のサッソテットはスキーリゾートとして有名な山だ。山頂へ至る上り区間は、登坂距離13.1km・平均勾配7.3%となっており、第4ステージは今大会のクイーンステージと目されていた。

逃げに乗るアントワンヌ・デュシェーヌ(左)とオレンジのポイント賞ジャージを着るジャコポ・モスカ(右) Photo : Yuzuru SUNADA

 この日の逃げは6人。ポイント賞ジャージを着るジャコポ・モスカ(イタリア、ウィリエールトリエスティーナ・セッレイタリア)は連日逃げに乗り、山岳賞ジャージを着るニコラ・バジョーリ(イタリア、NIPPO・ヴィーニファンティーニ・ヨーロッパオヴィーニ)もまた逃げに乗った。最大6分程度のリードを築いてレースは進行した。

 中間スプリントは2回ともモスカが先頭通過し、3つある3級山岳もすべてバジョーリが先頭通過。リーダージャージ着用者がそれぞれ着実にポイントを重ね、ジャージをキープしている。

 一方、メイン集団ではアクシデントが発生した。昨年ジロ・デ・イタリアで総合優勝したトム・デュムラン(オランダ、チーム・サンウェブ)が落車しリタイアとなったのだ。打撲や擦過傷などの外傷はあるものの、病院には行かずに治療するとチームが発表。骨折などの大きなけがはなかったことは、不幸中の幸いだったといえよう。

ロペスら4人が飛び出す展開に

 局面は終盤、いよいよ最後のサッソテットの上りへと移る。

 残り8.4km地点では、メイン集団内で走行していた前日ステージ優勝をあげたプリモシュ・ログリッチェ(スロベニア、ロットNL・ユンボ)が落車した。前を走行する選手の後輪に前輪をハスらせてしまったようだ。バイク交換に時間を要し、集団復帰はかなわぬまま大きくタイムを失う結果となった。

アスタナの未来を担う24歳の若きエース、ミゲルアンヘル・ロペス Photo : Yuzuru SUNADA

 アスタナがコントロールするメイン集団は、残り7.3km地点ですべての逃げを吸収し、終盤戦へと突入した。

 先頭固定で引いていたタネル・カンゲルト(エストニア、アスタナプロチーム)が仕事を終えるやいなや、残り5.5km地点でミゲルアンヘル・ロペス(コロンビア、アスタナプロチーム)が勢い良くアタックを仕掛けた。

 アスタナ勢の背後を陣取っていた、リーダージャージを擁するチーム スカイはロペスの動きを見送った。すると、ファビオ・アル(イタリア、UAEチーム・エミレーツ)とラファル・マイカ(ポーランド、ボーラ・ハンスグローエ)がロペスを追って、集団から飛び出す。さらにベン・ヘルマンス(ベルギー、イスラエルサイクリングアカデミー)も先頭へのブリッジを試みた。

スカイトレインは健在 Photo : Yuzuru SUNADA

 いずれの動きも集団をコントロールするチーム スカイは静観の構えを見せていた。

 抜け出した4人のうち、最も総合成績が良いアルは53秒遅れだ。ある程度のタイム差ならば逃げ切りも容認し、ペース走行で差を詰めていけば、トーマスのリーダージャージは十分に守ることができる。

ランダが先頭集団へブリッジ

 先頭とのタイム差は20秒台で推移していた。チーム スカイはヴァシル・キリエンカ(ベラルーシ)が先頭固定で牽引。さらに、ミカル・クウィアトコウスキー(ポーランド)、クリストファー・フルーム(イギリス)、そしてトーマスと、20人程度まで減ったメイン集団内で最大の人数を残す万全の体勢を敷いていた。

 先頭で逃げる4人は、うまく協調できず、痺れを切らしたマイカがアタックした。これをロペスが追走、アルとヘルマンスは遅れ気味ながらも食らいつく構図となる。

積極的に仕掛けていったラファル・マイカ Photo : Yuzuru SUNADA

 残り3kmを切ると、メイン集団を牽引していたキリエンカが仕事を終えて離脱。代わってクウィアトコウスキーが先頭に出たタイミングで、ランダが加速して集団から飛び出した。アルよりも総合成績の良い44秒遅れのランダではあるが、やはりチーム スカイは見送った。

 ランダは一気に先頭グループに追いついた。すると今度はロペスが失速して先頭グループから落ちてしまう。

 そして、メイン集団ではフルームが遅れだした。チーム スカイの総合争いは、トーマスとクウィアトコウスキーに委ねられることになった。

クライマー同士の戦いをランダが制す

 先頭は、ランダとマイカが積極的にペースアップを図り、アルとヘルマンスは遅れては先頭に追いつくという状況だった。

新人賞ジャージを獲得したティシュ・ベノート(左)と、ロマン・バルデ(右) Photo : Yuzuru SUNADA

 残り1.2km地点で、メイン集団からロマン・バルデ(フランス、アージェードゥーゼール ラモンディアール)がアタックを仕掛けた。ジョージ・ベネット(ニュージーランド、ロットNL・ユンボ)がピタリをマークしながら、メイン集団のペースが一気に上がった。

 ここでトーマスにメカトラブルが発生。後続のチームカーを待って、バイク交換を余儀なくされた。遅れていたフルームが全開でトーマスをアシストし、どうにか遅れを挽回しようと追走する。

 ペースの上がったメイン集団からは、残り1km地点でベネットがアタックを仕掛けて単独で飛び出した。10数秒程度前を走っている先頭集団にブリッジ成功。すると、アルがアタックを仕掛け、ベネット、マイカ、ランダと続き、ヘルマンスは脱落した。

 残り300m地点で、ベネットが最初に仕掛けた。マイカとランダは遅れずに対応したが、アルは千切られてしまう。

 残り200m、最終カーブでランダが2人をかわして先頭に立つと、そのままフィニッシュまで駆け抜けた。天高く両手をあげながら、見事ステージ優勝を飾った。これがモビスターへ移籍して初めての勝利となる。

ランダは両手を天に掲げながらフィニッシュ。かつてのチームメイトであり、間もなく一周忌を迎えるミケーレ・スカルポーニを偲んでのポーズかもしれない Photo : Yuzuru SUNADA

 トーマスは何とか40秒遅れのステージ20位でフィニッシュ。この結果、6秒遅れのステージ13位でフィニッシュしたカルーゾが、第1ステージ以来の総合1位に返り咲き。総合2位は1秒差でクウィアトコウスキーが続き、トーマスは26秒遅れの総合5位に後退した。

第1ステージ以来のリーダージャージに袖を通すダミアーノ・カルーゾ Photo : Yuzuru SUNADA

 盤石のレース展開を見せていたチーム スカイだったが、フルームの失速、トーマスのメカトラブルなど計算外のアクシデントにより、リーダージャージを失うことになった。それでも、依然としてクウィアトコウスキーが総合1位を狙える位置につけており、改めてチーム力の高さを見せつける格好となった。

 クイーンステージを終えても、総合1位から15位までが1分以内に位置づけており、接戦のままティレーノ~アドリアティコは後半ステージへと進む。

第4ステージ結果
1 ミケル・ランダ(スペイン、モビスターチーム) 6時間22分13秒
2 ラファル・マイカ(ポーランド、ボーラ・ハンスグローエ) +0秒
3 ジョージ・ベネット(ニュージーランド、ロットNL・ユンボ)
4 ファビオ・アル(イタリア、UAEチーム・エミレーツ) +6秒
5 ベン・ヘルマンス(ベルギー、イスラエルサイクリングアカデミー)
6 ティシュ・ベノート(ベルギー、ロット・スーダル)
7 ロマン・バルデ(フランス、アージェードゥーゼール ラモンディアール)
8 ウィルコ・ケルデルマン(オランダ、チーム・サンウェブ)
9 アダム・イェーツ(イギリス、ミッチェルトン・スコット)
10 リゴベルト・ウラン(コロンビア、EFエデュケーションファースト・ドラパック)

個人総合
1 ダミアーノ・カルーゾ(イタリア、BMCレーシングチーム) 17時間14分49秒
2 ミカル・クウィアトコウスキー(ポーランド、チーム スカイ) +1秒
3 ウィルコ・ケルデルマン(オランダ、チームサンウェブ) +11秒
4 ミケル・ランダ(スペイン、モビスターチーム) +20秒
5 ゲラント・トーマス(イギリス、チーム スカイ) +26秒
6 リゴベルト・ウラン(コロンビア、EFエデュケーションファースト・ドラパック) +31秒
7 ジョージ・ベネット(ニュージーランド、ロットNL・ユンボ) +33秒
8 ダヴィデ・フォルモロ(イタリア、ボーラ・ハンスグローエ) +34秒
9 ティシュ・ベノート(ベルギー、ロット・スーダル) +36秒
10 ドメニコ・ポッツォヴィーヴォ(イタリア、バーレーン・メリダ) +41秒

ポイント賞
1 ジャコポ・モスカ(イタリア、ウィリエールトリエスティーナ・セッレイタリア) 28pts
2 ミケル・ランダ(スペイン、モビスターチーム) 17pts
3 ティシュ・ベノート(ベルギー、ロット・スーダル) 13pts

山岳賞
1 ニコラ・バジョーリ(イタリア、NIPPO・ヴィーニファンティーニ・ヨーロッパオヴィーニ) 35pts
2 ジャコポ・モスカ(イタリア、ウィリエールトリエスティーナ・セッレイタリア) 18pts
3 ミケル・ランダ(スペイン、モビスターチーム) 15pts

ヤングライダー賞
1 ティシュ・ベノート (ベルギー、ロット・スーダル) 17時間15分25秒
2 ハイメ・ロソン(スペイン、モビスターチーム) +8秒
3 ミゲルアンヘル・ロペス(コロンビア、アスタナプロチーム) +1分26秒

チーム総合
1 チーム スカイ 51時間00分51秒
2 バーレーン・メリダ +3分14秒
3 アスタナプロチーム +3分56秒

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