パリ~ニース2018 第3ステージ逃げ切った3人の勝負はイヴェールに軍配 ステージ2位のサンチェスがマイヨジョーヌ奪取

by 福光俊介 / Syunsuke FUKUMITSU
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 フランスで開催中のパリ~ニースは3月6日に第3ステージが行われ、終盤にアタックを成功させた3選手によるステージ優勝争いで、ジョナタン・イヴェール(フランス、ディレクトエネルジー)がこの大会で初めてとなる勝利を挙げた。総合首位の証であるマイヨジョーヌは、ステージ2位で終えたルイスレオン・サンチェス(スペイン、アスタナ プロチーム)へと移っている。

パリ〜ニース2018第3ステージは、逃げ切った3人の勝負をジョナタン・イヴェールが制した Photo: Yuzuru SUNADA

残り30kmから勃発した総合優勝候補による争い

 大会はフランス本土を南に進行中。第3ステージは同国中部のブルージュを出発し、シャテル・ギヨンまでの210kmに設定された。中盤以降に2カ所の3級山岳を通過後、残り約35kmでいったんフィニッシュラインを通過。このステージ3つ目の3級山岳を含む周回コースを走ってフィニッシュを迎える。最後の上りはフィニッシュ前約3kmから。最終局面こそ平坦だが、それまでに繰り返し訪れるアップダウンに対応できるかが勝負のポイントとなる。

 レースはスタート直後にジェイロバート・トムソン(南アフリカ、ディメンションデータ)、ファビアン・グルニエ(フランス、ディレクトエネルジー)、プイメンスラフ・カスペルキビッチ(ポーランド、デルコ・マルセイユプロヴァンス・カテエム)の3人が逃げを開始。80km地点でメイン集団からのリードを7分35秒としたが、以降は徐々にその差が縮まってゆく。その間に通過した2カ所の3級山岳は、ともにグルニエが1位で通過。143.5km地点に設けられた2つ目の3級山岳を通過した直後に、トムソンとカスペルキビッチが後退し、グルニエが単独で逃げる形となる。

淡々と進むプロトン Photo: Yuzuru SUNADA

 少しずつペースを上げているメイン集団は、1人で先行するグルニエとの差を労せず詰めていき、周回コースに入る直前にキャッチ。その流れのままクイックステップフロアーズやアスタナ プロチームがペースを一気に上げ、集団の絞り込みを図った。これによって、早い段階から集団から脱落と合流を繰り返していたアレクサンドル・クリストフ(ノルウェー、UAE・チーム エミレーツ)や、前日ステージ優勝を挙げたディラン・フルーネウェーヘン(オランダ、ロットNL・ユンボ)らが完全に遅れた。

 大きな動きが行ったのは、残り約25km。総合優勝候補のジュリアン・アラフィリップ(フランス、クイックステップフロアーズ)が上りでアタックすると、ティム・ウェレンス(ベルギー、ロット・スーダル)がすかさずチェック。強力な2人の飛び出しをきっかけに、プロトンは完全に崩壊した。しばらくしてヤコブ・フルサング(デンマーク、アスタナ プロチーム)、リリアン・カルメジャーヌ(フランス、ディレクトエネルジー)、ヨン・イサギレ(スペイン、バーレーン・メリダ)も合流し、先を急ぐ。厳しい局面でペースが一気に上がったことにより、マイヨジョーヌを着るアルノー・デマール(フランス、グルパマ・エフデジ)は1分以上の遅れとなった。

 アラフィリップら5人は有力選手が固まるメイン集団に捕まったものの、勢いを増したグループから今度はレミ・ディグレゴリオ(フランス、デルコ・マルセイユプロヴァンス・カテエム)がアタック。これにサンチェスとイヴェールが立て続けに加わり、3人が逃げる展開へ。結果的に、これらの動きが決定打となった。

先頭3人の利害が一致し逃げ切りに成功

 下りを利用してスピードに乗る先頭の3人。なかでも総合で最上位のサンチェスが主に牽引し、すでにマイヨジョーヌ争いからは遅れているイヴェールとディグレゴリオはステージ優勝を狙いながら先頭交代に協力する姿勢を見せる。後続では、残り10kmを切ってデマールを含んだ大集団が追走メンバーに合流。何とか前を行く3選手をとらえたいが、サンチェスを前方に送り出しているアスタナ勢が抑えに入りペースアップを阻止。45秒前後のタイム差に変化がないまま、最後の上りに入った。

 逃げ切りが濃厚となった先頭グループでは、後続とのタイム差次第でマイヨジョーヌ獲得の可能性が高まるサンチェスだけが前を引く状態に。上りを利用してディグレゴリオが数度アタックを試みたが、サンチェスが冷静に対処し、そのまま最終局面へと突入した。

ステージ優勝で今シーズン4勝目を挙げたジョナタン・イヴェール Photo: Yuzuru SUNADA

 最後の直線に入り猛然と加速したイヴェールに対し、すでに脚を使っていたサンチェスとディグレゴリオは勝負するまでには至らない。力強いガッツポーズでフィニッシュラインを越えたイヴェールは、早くもシーズン4勝目を挙げた。

 イヴェールから1秒差でサンチェスとディグレゴリオが続き、さらに37秒遅れてメイン集団がフィニッシュ。デマールが意地を見せて集団先頭の4位となったが、タイム差とボーナスタイムとを合わせた結果、サンチェスにマイヨジョーヌを明け渡すこととなった。

 このステージ終盤の走りが奏功したサンチェスは、デマールに対し総合タイム差28秒、総合3位につけるゴルカ・イサギレ(スペイン、バーレーン・メリダ)には35秒のリードを確保。続く第4ステージは得意の個人タイムトライアルとあり、優位な状況を作り出したといえそうだ。

個人総合首位に立ちマイヨジョーヌに袖を通したルイスレオン・サンチェス Photo: Yuzuru SUNADA

 その個人タイムトライアルは、18.4kmの平坦ルート。総合2位以下は僅差となっており、ここでの走りによって順位がシャッフルする可能性が高い。このステージを終えた段階で、順位やタイム的にどのポジションにつけられるかで、残るステージの走り方が決まってくることになるだろう。大会中盤の重要ステージとなることは必至だ。

第3ステージ結果
1 ジョナタン・イヴェール(フランス、ディレクトエネルジー) 5時間22分49秒
2 ルイスレオン・サンチェス(スペイン、アスタナ プロチーム) +1秒
3 レミ・ディグレゴリオ(フランス、デルコ・マルセイユプロヴァンス・カテエム)
4 アルノー・デマール(フランス、グルパマ・エフデジ) +38秒
5 マイク・テウニッセン(オランダ、チーム サンウェブ)
6 アンドレ・グライペル(ドイツ、ロット・スーダル)
7 マグナス・コルトニールセン(デンマーク、アスタナ プロチーム)
8 マッテーオ・トレンティン(イタリア、ミッチェルトン・スコット)
9 ジュリアン・アラフィリップ(フランス、クイックステップフロアーズ)
10 フェリックス・グロッシャルトナー(オーストリア、ボーラ・ハンスグローエ)

個人総合
1 ルイスレオン・サンチェス(スペイン、アスタナ プロチーム) 13時間21分56秒
2 アルノー・デマール(フランス、グルパマ・エフデジ) +28秒
3 ゴルカ・イサギレ(スペイン、バーレーン・メリダ) +35秒
4 ジュリアン・アラフィリップ(フランス、クイックステップフロアーズ) +38秒
5 マイク・テウニッセン(オランダ、チーム サンウェブ) +41秒
6 ティム・ウェレンス(ベルギー、ロット・スーダル)
7 ロマン・クロイツィゲル(チェコ、ミッチェルトン・スコット)
8 ハインリッヒ・ハウッスラー(オーストラリア、バーレーン・メリダ) +43秒
9 フェリックス・グロッシャルトナー(オーストリア、ボーラ・ハンスグローエ)
10 ヨン・イサギレ(スペイン、バーレーン・メリダ)

ポイント賞
1 アルノー・デマール(フランス、グルパマ・エフデジ) 31pts
2 マイク・テウニッセン(オランダ、チーム サンウェブ) 17pts
3 ジョナタン・イヴェール(フランス、ディレクトエネルジー) 16pts

山岳賞
1 ピエールリュック・ペリション(フランス、フォルトゥネオ・サムシック) 8pts
2 ファビアン・グルニエ(フランス、ディレクトエネルジー) 8pts
3 アルノー・デマール(フランス、グルパマ・エフデジ) 4pts

ヤングライダー賞
1 フェリックス・グロッシャルトナー(オーストリア、ボーラ・ハンスグローエ) 13時間22分39秒
2 トマ・ブダ(フランス、ディレクトエネルジー) +0秒
3 マルク・ソレル(スペイン、モビスター チーム) +0秒

チーム総合
1 バーレーン・メリダ 40時間7分55秒
2 ディレクトエネルジー +1秒
3 ミッチェルトン・スコット +2秒

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