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つれづれイタリア~ノ<112>坂と景色を愛するサイクリスト必見! プロの走りを体験できる欧州グランフォンド大会

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 やっと3月になりました。今年は大雪や火山の噴火の影響で苦しんでいる地域も多いですが、春の足音が近づき、外で自転車を楽しめる日が増えてきました。この時期になると「どの大会に出ようかな」とレースやイベントカレンダーの計画を立てる人も少なくないはずです。

晴れると埃だらけ。雨が降ると泥だらけのノヴァ・エロイカ ©eroica.cc

 私もレースは大好きで、積極的に参加します。でも来日して驚いたことが、日本には非レース型サイクリングイベントが多いことです。ヨーロッパではガチなアマチュアサイクリスト向けのレース「グランフォンド」でさえ、景色と食事を楽しむサイクリングイベントとして位置付けられているということです。ヒルクライム大会ではダウンヒルは誘導されながらゆっくり下ります。

 今回はこういったサイクリングイベントに飽きた人や坂を心から愛する人のために、イタリアだけでなくヨーロッパで人気のレースを紹介します。参加してもいいし、見るのも楽しいイベントばかりです。もちろん、今回紹介するレースはごく一部ですが、まだ数多くの素晴らしい大会があります。ぜひ自分でも探してみてください。

毎週どこかで大規模市民レース

GFジロ・ディタリア。まるでステージレースを見ているようです ©RCS Mediagroup

 知らない人のために説明しておくと、ヨーロッパでは自転車における「グランフォンド」はランナーにおけるマラソン大会のようなものです。コースが長く、傾斜がきつく、足切りも早い! ヒルクライムの技術もダウンヒルの技術も要求されます。日本でいうと、ツール・ド・おきなわに相当するレベルの大会が毎週末どこでも普通に行われているようなものです。

過去と未来が融合するノヴァ・エロイカ(イタリア):4月15日

美しいトスカナの堪能できる ©eroica.cc

 ビンテージバイクを対象としたL’Eroica(エロイカ)の姉妹大会ノヴァ・エロイカは、トスカナの美しいグラベルロードを繋ぐアマチュア向けの大会です。特徴はビンテージだけではなく、モダンな自転車の使用が認められていることと、ヒルクライムタイムアタックポイントがあるということです。つまり、サイクリングイベントとレースを融合した新型レースです。エイドステーションにはパニーニ、スープ、フルーツ、紅茶、ワインなど、自然食ばかりを用意。ファビアン・カンチェッラーラが走ったコースを体験したいなら、ぜひここ!
距離:★★★★
難易度:★★
景色:★★★★★

Nova Eroica 2017 from Eroica – Official video Chanel on Vimeo.

グランツール主催社のグランフォンド、GFジロ・ディタリア:5月27日

 誰もがジロ・ディタリア、ツール・ド・フランス、ブエルタ・ア・エスパーニャの山岳コースを走ってみたいと考えたことがあるでしょう。ポルドイ峠、モンヴァントゥ峠、アングリル峠など。レースを知っているサイクリストには聖地のようなものです。それぞれのオーガナイザーは、プロの気分が味わえるレースを展開しています。

スタートを待つ参加者。大会の雰囲気、飾り物はまるでジロ・ディタリア ©RCS Mediagroup
2018年のコース ©RCS Mediagroup

 ジロ・ディタリアは毎年グラフォンド・ジロ・ディタリアを提案しています。今年のスタートはサンヴァンサン、ゴールはチェルヴィニア、ジロ・ディタリア第20ステージのゴールです! 参加者はおよそ5000人。
距離:★★★
難易度:★★★★★
景色:★★★★★

ツール気分を味わえるエタップ・デュ・ツール(フランス):7月8日

 ツール・ド・フランスのオーガナイザー、ASOもアマチュア向けのステージを用意しています。今年で28回を迎えるこの大会は何と言っても全てが本物です。コース、サポート、ゴールラインなど。なぜかというと、2018年ツール・ド・フランス第10ステージの山岳コースそのものを使用します。169km、獲得標高4000m、参加者1万5000人! 景色は素晴らしいものの、容赦なく襲ってくる上り坂の前で周りを見る余裕がないぐらい厳しいコースです。でもこれを乗り越えれば、プロが体験する苦しみ、感動、涙が1日で味わえます。
距離:★★★★
難易度:★★★★★
景色:★★★★★

名峠の苦しみを体験できるマラトナ・ドレス・ドロミテス(イタリア):7月1日

マラトナ・ドレス・ドロミテス ©Maratona Dles Dolomites

 世界自然遺産のドロミティ山脈で行われるグランフォンドです。30回の開催を超えますが、何と言っても難易度と絶景で有名です。1999年までコースは174kmでしたが、あまりにも過酷だったので140kmに短縮されました。それでも獲得標高4320m! ジロ・ディタリアで優勝のバロメーターとなるポルドイ峠、ガルデーナ峠、ジャウ峠、ファルツァレーゴ峠を通るコースです。腹一杯になります。

試走も含めて2日間に渡りドロミティ山脈のコースは交通止めとなります ©Maratona Dles Dolomites
2018年のコース ©Maratona Dles Dolomites

 その上、国営テレビにて全国的に生中継を実施!ネックは参加者数。世界遺産のため、9000人しか参加できない狭き門です。外国人特別枠を使いましょう。
距離:★★★
難易度:★★★★★
景色:★★★★★

ドM級?オートルート(フランス、アメリカ、イタリア):6月~8月

過酷な名峠が登場するオートルート ©OC Sport

 「Haute Route」(オートルート)、フランス語で“高い道”を意味する。この大会は、山間部のみで行われ、ステージレースとして構成されています。ハイアマチュア以上を自負する人が参加すべきです。名峠のあるところでしか開催されない過酷なステージレースなのです。開催場所はアメリカからヨーロッパまで、地域は広いです。3日間または7日間の中で好きなレースプログラム選択し、3日間のステージだけでも獲得標高8000mを超えます。エントリーはメールのみ。相当覚悟がないと参加できない大会です。2018年度は11のイベントが予定されています(過去に日本人も参加しています)。
距離:★★★★★
難易度:★★★★★
景色:★★★

クラシックレース気分になれるミラノ~サンレモ:5月10日

ミラノ~サンレモ ©Unione Ciclosportiva Sanremo asd

 3月に行われるプロ向けの春のクラシック第1号、ミラノ~サンレモ。金融都市ミラノから花とカンツォーネの都と言われる海のリゾート、サンレモに向かう大会です。109回の開催を誇る。アマチュア向けの大会も存在し、これもまた歴史は長い。エディ・メルクス(ベルギー)の全盛期だった1970年に誕生し、本家の大会と同じコースを通ります。トゥルキーノ峠、チプレッサ峠もアタックします。残念なことに開催は6月です。だいたい春のミラノ~サンレモの悪天候とほぼ遠い晴天に恵まれます。レースではないので、タイムをそれほど意識しなくても大丈夫です。愛好家のためにビンテージ版も3月に開催されます。
距離:★★★★★
難易度:★★★
景色:★★

オッツァラー・ラッドマラソン(オーストリア):9月2日

 名作ミュジカル映画「The sound of Music」(サウンド・オブ・ミュージック)が好きな人なら、この大会に参加すべきです。イタリアとオーストリアの国境をまたぐチロル地方が舞台。

オッツァラー・ラッドマラソン ©Ötztaler Radmarathon
オッツァラー・ラッドマラソン ©Ötztaler Radmarathon

 しかし、コースは映画の優しいサントラとほぼ遠い世界です。走行距離230km以上、獲得標高5500m以上。エントリー費は高いものの、山の好きな人なら満足の行く大会です。9月開催ですので、初雪がみられる可能性が高いです。
距離:★★★★★
難易度:★★★★★
景色:★★★★

枯葉のクラシック、イル・ロンバルディアを体験しよう:10月13日

GFイル・ロンバルディアのコース ©RCS Mediagroup

 春のクラシックレースはイタリアでスタートしますが、締めくくりもイタリアが舞台となります。秋の最後のクラシックといえば、イル・ロンバルディア(旧ジロ・ディ・ロンバルディア)。プロの翌日にアマチュア向けのグランフォンドが行われ、コースは少し短縮するものの、鐘がなるギザッロ教会、ソルマノの壁(最高傾斜27%)など、名勝負の決め所を肌で感じることができます。さらに10月らしい悪天候の場合、急な下りの恐怖感も約束されます。景色はそれほど面白くないものの、眺める暇がない壮絶な大会です。
距離:★★★
難易度:★★★★
景色:★★

マルコ・ファヴァロMarco FAVARO(マルコ・ファヴァロ)

東京都在住のサイクリスト。イタリア外務省のサポートの下、イタリアの言語や文化を世界に普及するダンテ・アリギエーリ協会や一般社団法人国際自転車交流協会の理事を務め、サイクルウエアブランド「カペルミュール」のモデルや、欧州プロチームの来日時は通訳も行う。日本国内でのサイクリングイベントも企画している。ウェブサイト「チクリスタインジャッポーネ

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