全国各地のショップが参加救命や女性向けのサービス向上へ 自転車協会が「SBAA PLUSブラッシュアップ講習会」

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 自転車協会が2月28日、協会が認定する資格「SBAA PLUS」を有する自転車ショップの販売者を対象に、最新の技能・知識を共有する「SBAA PLUSブラッシュアップ講習会」を東京都渋谷区で開催した。日本自転車普及協会の栗村修さんやサイクルライフナビゲーターの絹代さんらが登壇し、自転車活用推進法が施行され発展のチャンスを迎えた自転車界の現状や、落車事故などで負傷者が出た際のファーストエイドについて解説。100人を超える参加者たちが、ショップのサービス向上に役立てるため講座に聞き入った。

「SBAA PLUSブラッシュアップ講習会」で講師として登壇した栗村修さん(左)と安藤隼人さん Photo: Naoi HIRASAWA

「話を聞いてくれる」ショップの安心感

 SBAA PLUSは、自転車協会がスポーツ用自転車の取り扱いについて「十分な技量を有する」と判断した販売者が協会主催の講習会を受け、試験に合格すると認定を受けられる資格。ブラッシュアップ講習会はSBAA PLUS認定者を対象に、名古屋、東京、大阪の3カ所で開催。ファーストエイドなどのほか、シマノの電動コンポーネントや自転車事故事例について講習が行われ、サービスの向上が図られた。

 絹代さんは、「自転車界にとってのチャンス」として自転車活用推進法について紹介。環境・交通問題、健康などの面で、自転車が国民の生活にプラスになる乗り物として取り上げられたのは「ものすごく画期的なこと」と語る。

100人を超えるSBAA PLUS認定者が集まった Photo: Naoi HIRASAWA
サイクルライフナビゲーターの絹代さん Photo: Naoi HIRASAWA

 各地の自転車振興も盛んで、コミュニティサイクルが都心部や観光地など各地に導入されているほか、JR東日本が運行する自転車専用設計のサイクルトレイン「B.B.BASE」が誕生したり、茨城県のJR土浦駅には新たにサイクリストの拠点施設が整備されたりと、交通機関との連携も進んでいることにも触れ、絹代さんは「自転車に乗る人はおそらく増える」と予想。それを発展させられるかは、自転車界全体やユーザーと接するショップにかかっているという。

ショップについて集めた女性の声を紹介する絹代さん Photo: Naoi HIRASAWA

 サイクリストを増やす上で課題となっているのは、女性の心をどう掴むか。女性はデザインを重視したり、バイクを買ったら「何を着て乗ろう」と考えたりと、性能に興味を示す人は多くない。メカのことはよくわからないからこそ、信頼できるショップなら全部任せようと考える傾向があるため、大切なのは接客の際に話をしっかりと聞くことだという。そのうえでサドルやブレーキなどは、要望や乗り手にあったアイテムを提供することが女性サイクリストを安心させられるサービスにつながると話した。

ショップが救える技術や知識を身に着ける重要性

ファーストエイドの重要性を説いた栗村修さん Photo: Naoi HIRASAWA

 栗村さんは、これまでレースディレクターやロードレース解説者として自転車の魅力を広く発信してきたが、「自分が自転車に乗りましょうと勧めたことで、それをきっかけに、命を落としてしまった人がいたかもしれない」と思い、安全性について改めて考えるようになったという。そこで、サイクリストを増やすうえでは「自転車に関わる人は最低限のファーストエイド(一次救命)を身につけるべき」という考えから、自転車に特化したファーストエイドの専門家である「スマートコーチング」代表の安藤隼人さんを講師に招いた。

 安藤さんは参加者を4人のグループに分け、自己紹介をさせて会場を活気づかせた。これは安藤さんがサイクリングイベントでも行っている手法で、スタート前の緊張感を解き「お互いのこと、走り方を知ることで事故も減る」と未然に防ぐことに役立てている。

ファーストエイドの講習会なども開いている安藤隼人さん Photo: Naoi HIRASAWA

 ヘルメットのかぶり方についても。レース映像を使って、落車時にヘルメットが外れて機能していない場面を紹介しながら「リスクがあることを理解してもらいながら、丁寧に指導して欲しい」と訴えた。初心者には前後のひものテンションを合わせ、後ろのアジャスターが重要だとことを伝えてあげることが必要だいう。

 また、自転車と同じような事故のリスクをもつスポーツとして安藤さんは登山を例に挙げ課題を指摘。中高年でも気軽にできるスポーツであり、SNSで集まった人たちが一緒に出かけ事故に遭ってしまっても、誰も責任が取れないというケースがある。サイクリングにも似たようなグループは存在し、そうした時代では、救える技術や知識を身に付け、責任をもってライドやイベントを行えるショップの存在が大きくなってくる。

参加者同士で会話させ、緊張感をほぐす Photo: Naoi HIRASAWA
注意喚起を行う位置が悪く、コーナーで混乱が起きてしまったレース映像を紹介 Photo: Naoi HIRASAWA

 救命だけでなく、2次被害を防ぐことの重要性も説明。プロやアマチュアのレースで起こった落車の場面を事例に、2次被害を防ぐための注意喚起の仕方、脳震盪を起こしている人は動かさないようにすることなどの対応を指導した。

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