ルビーレッドジャージは窪木一茂へ雨中の熱戦は鈴木譲が最後独走 宇都宮ブリッツェンがJプロツアー「おきなわ」を連勝

by 小森信道 / Nobumichi KOMORI
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 日本最高峰のロードレースシリーズ、Jプロツアーの第2戦「第1回JBCFおきなわサイクルロードレースDay-2」が2月25日、沖縄県金武町の金武ダムと県道104号線を周回する特設コースで開催され、最終周回に単独で抜け出した鈴木譲(宇都宮ブリッツェン)が残り1周を独走して優勝。宇都宮ブリッツェンがJプロツアー初開催となった沖縄2連戦で連勝を達成した。なお、個人ランキングはこの日のレースで2位となった窪木一茂(チームブリヂストンサイクリング)が首位に立ちルビーレッドジャージを獲得。23歳未満の選手でランキングトップの選手に与えられるピュアホワイトジャージは小山智也(イナーメ信濃山形)がキープした。

残り1周を独走で逃げ切った鈴木譲(宇都宮ブリッツェン)が2016年以来の優勝を飾った Photo: Nobumichi KOMORI

同コースで倍の距離を走る2日目

 前日のDay-1に続き、ツーインワン開催の2日目となったおきなわサイクルロードレースDay-2。沖縄県金武町の金武ダムと県道104号線を周回する1周4.2kmの特設周回コースに変更はないものの、その距離は前日の12周回50.4kmから倍以上となる25周回105kmに変更された。距離が伸びた分、前日の大集団ゴールスプリントとは異なるレース展開になることも予想された。

レース前にはランキング上位選手を先頭に整列した選手たちと、長浜善巳・恩納村長とミス恩納の恩納ナビーが記念撮影する場面も Photo: Nobumichi KOMORI
ダム湖にかかる橋を集団がハイペースで通過していく Photo: Nobumichi KOMORI
雨足が弱くなり始めたタイミングで10人の逃げ集団が形成される Photo: Nobumichi KOMORI

 前日と同様に約3kmのニュートラル走行を経てリアルスタートが切られたレースは、いきなり激しいアタック合戦が繰り広げられる形で幕を開けた。しかし、各チームともに有力選手の危険な飛び出しを警戒したため、決定的な逃げが形成されないまま周回を重ねていく状況が続いていく。4周目が終わる頃には折からの予報通りにコース上に雨が降り始め、5周目には雨足はさらに激しくなったことで、レースはより厳しさを増した。

逃げを容認したメイン集団はシマノレーシングが先頭に立ってコントロール Photo: Nobumichi KOMORI
レース中盤、チームブリヂストンサイクリングと宇都宮ブリッツェンが協調して集団のペースを上げる Photo: Nobumichi KOMORI

 逃げ集団が形成されたのは、雨も小降りになった9周目。15人ほどの選手が集団から抜け出すと、最終的に増田成幸と飯野智行(ともに宇都宮ブリッツェン)、入部正太朗と横山航太(ともにシマノレーシング)、石橋学(チームブリヂストンサイクリング)、白川幸希(ヴィクトワール広島)、吉田悠人(那須ブラーゼン)、安田京介(シエルヴォ奈良MIYATA-MERIDAレーシングチーム)、トム・ボシス(フランス、東京ヴェントス)、水野恭兵(eNShare-エルドラード)の10人が逃げ集団を形成する展開となった。有力チームの選手が満遍なく入ったこの逃げをメイン集団も容認したため一気にタイム差が広がり、最大で2分25秒にまで開くことになった。

チームに有利な状況を作り出そうと単独で逃げ続ける増田成幸(宇都宮ブリッツェン) Photo: Nobumichi KOMORI

増田がライバル勢の脚を削る

 1周4.2kmのコースにも関わらず2分以上とタイム差が大きく開いたことに警戒感を覚えたメイン集団では、さらに逃げ集団に選手をブリッジさせて勝機を手繰り寄せたい宇都宮ブリッツェンと、石橋1人のみを逃げにのせるチームブリヂストンサイクリングが選手を出し合ってコントロールを開始。逃げ集団とのタイム差を縮めるべくペースを上げ始めた。

残る逃げ集団の選手を吸収したメイン集団が先行する増田成幸(宇都宮ブリッツェン)を追走する Photo: Nobumichi KOMORI

 逃げ集団とメイン集団のタイム差が着々と縮まるなか、逃げ集団からは「情報で集団とのタイム差が縮まっているのは分かっていて、集団に吸収されるのも時間の問題だと感じていた。少しでもライバルチームに脚を使わせることができれば、味方に有利な状況を作り出せると思った」とレース後に語った増田がアタックを仕掛けて単独で抜け出す展開に。その後、メイン集団が残っていた逃げ集団の選手を吸収したことで、レースは単独で逃げる増田とメイン集団という展開になった。

増田成幸(宇都宮ブリッツェン)を捕まえ切れずエースの窪木一茂(チームブリヂストンサイクリング)自らが先頭に立って集団をけん引する場面も Photo: Nobumichi KOMORI

 ラップタイムを6分〜6分台前半にキープして単独で逃げ続ける増田に対して、逃げ選手を吸収したメイン集団ではチームメイトの宇都宮ブリッツェン勢が先頭のローテーションから外れ、チームブリヂストンサイクリングが先頭を引く展開に。増田が捕まるのも時間の問題と思われたが、チームブリヂストンサイクリングのアシストが1人、また1人と脚を使い果たして先頭から離脱していっても増田を捕まえることはできない。遂には前日のレースで3位になり、この日もエースを担うことになるであろう窪木自らが先頭を引く場面も見られるようになり、チームブリヂストンサイクリングのコントロールが崩壊する状況となった。その後を受け、シマノレーシングが集団をコントロールして逃げ続ける増田を捕まえようとするが、思うようにタイム差が縮まらない状況が続いた。

ブリヂストンサイクリングに続いてシマノレーシングがコントロールする集団が増田成幸(宇都宮ブリッツェン)を追走する Photo: Nobumichi KOMORI

 結局、シマノレーシングが単独で逃げ続ける増田を捕まえたのは、レースも残り3周となる23周目。この段階でシマノレーシングもアシストの数を減らしており、1人で有力チーム2チームの戦力を削った増田の大逃げは大成功を収めることになった。その後、増田が吸収されひとつになった集団では、脚を温存できた宇都宮ブリッツェン勢が波状攻撃を開始。24周目には雨澤毅明(宇都宮ブリッツェン)が強烈なアタックを仕掛けて集団から抜け出すと、ルビーレッドジャージを着用する岡篤志(宇都宮ブリッツェン)がブリッジをかけて合流した。そこにさらに数人の選手が合流し、集団がふたつに分断。レースは前方集団の選手に絞られる状況となった。

6人になった先頭集団が最終周回に入る Photo: Nobumichi KOMORI

 ふたつに分断された前方の集団に残ったのは、鈴木譲、鈴木龍、小野寺玲、岡篤志の宇都宮ブリッツェン4人、窪木、西尾勇人(那須ブラーゼン)の6人となった。宇都宮ブリッツェンが圧倒的に有利な状態でレースは最終周回に。最終周回入った先頭集団では「アタックをした訳ではなく、ワット数を見ながらペースを刻んでいた」という鈴木譲が、後方で若干の牽制があったことで期せずして抜け出すことに成功。ダムを過ぎた後の急坂区間で後方を確認した鈴木譲は自身が先行している状況を理解しペースアップし、残り1周を独走で逃げ切り優勝を飾った。

2位争いのゴールスプリントでは抜群の伸びを見せた窪木一茂(チームブリヂストンサイクリング)が宇都宮ブリッツェンの牙城を崩した Photo: Nobumichi KOMORI

 2016年のJプロツアー「おおいたいこいの道クリテリウム」での優勝以来、1年4カ月ぶりの優勝となった鈴木譲は「今日は自分で勝負というプランではありませんでしたし、最後も勝利を噛みしめる余裕もなくて、取りあえずゴールに辿り着けたという感じです」と謙遜したが、同時に「冬の間からチームの全員がコツコツと練習を積み重ねてチーム力が上がったからこそ、今日のレース展開に持ち込むことができた。なるべくしてなった結果だと思います」とチームの状態に自信を見せた。

左から2位の窪木一茂(チームブリヂストンサイクリング)、優勝の鈴木譲(宇都宮ブリッツェン)、3位の小野寺玲(宇都宮ブリッツェン) Photo: Nobumichi KOMORI
ルビーレッドジャージを獲得した窪木一茂(チームブリヂストンサイクリング)(右)とピュアホワイトジャージ をキープした小山智也(イナーメ信濃山形)(左) Photo: Nobumichi KOMORI

 一方、ゴールスプリントで2位となり、宇都宮ブリッツェンの牙城をなんとか崩した窪木は「鈴木譲選手が先行した時に追走に出ようと思ったのですが、宇都宮ブリッツェンの残る3人の選手が脚を残しているのが分かったので、分が悪いと察して、切り替えて確実に2位を取る方向にシフトしました。鈴木譲選手はレース中盤にウチと協調して集団のペースアップにも協力してくれましたし、その上でしっかり最終局面にも残った。そういう選手だからこそ、勝利を挙げられたのだと思います」と勝利した鈴木譲に賛辞を贈った。

 この日は悔しい結果となってしまった窪木だったが、開幕2連戦の結果を受けて個人ランキングで首位に立ち、ルビーレッドジャージを獲得。だが、小野寺とは獲得ポイントで並んでいるため、次戦以降のルビーレッドジャージ争いも目が離せない状況だ。

Jプロツアー第2戦「おきなわロードレースDay2」リザルト
1 鈴木譲(宇都宮ブリッツェン)2時間35分54秒
2 窪木一茂(チームブリヂストンサイクリング)+14秒
3 小野寺玲 (宇都宮ブリッツェン)
4 黒枝咲哉 (シマノレーシング)
5 鈴木龍 (宇都宮ブリッツェン)+15秒
6 岡篤志 (宇都宮ブリッツェン)
7 小山智也 (イナーメ信濃山形)
8 西尾勇人 (那須ブラーゼン)
9 小畑郁 (なるしまフレンドレーシング)
10 トム・ボシス (東京ヴェントス)

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