宇都宮ブリッツェンが集団をコントロールJプロツアー開幕戦を岡篤志がプロ初勝利で制する ルビーレッドジャージも獲得

by 小森信道 / Nobumichi KOMORI
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 日本最高峰のロードレースシリーズ、Jプロツアーの2018年開幕戦となる第1戦「第1回JBCFおきなわサイクルロードレースDay-1」が2月24日、沖縄県金武町の金武ダムと県道104号線を周回する特設コースで開催され、中盤からチームメートによる盤石の集団コントロール受けてゴールスプリント勝負に挑んだ岡篤志(宇都宮ブリッツェン)が優勝。2位にはチームメートの小野寺玲(宇都宮ブリッツェン)が入り、宇都宮ブリッツェンが開幕戦でワンツーフィニッシュを達成した。

盤石の体制からゴールスプリントを開始した岡篤志と小野寺玲の宇都宮ブリッツェンに2人がワンツーフィニッシュを飾った Photo: Nobumichi KOMORI

スタートアタックはシエルヴォ奈良

昨シーズンのチームランキング上位チームを先頭に、選手たちがスタートラインに整列する Photo: Nobumichi KOMORI

 2018年シーズンのJプロツアーがついに開幕を迎えた。ここ数年は栃木県宇都宮市の清原工業団地での「宇都宮クリテリウム」で開幕していたJプロツアーだが、今年は沖縄県金武町が舞台。UCIレースのツール・ド・おきなわを筆頭にサイクルツーリズムに力を注ぐなど自転車に対しての理解が高い土壌があること、また、この時期に沖縄県でキャンプを行っている国内チームが多いことなどが後押しとなり、今回の初開催が決定した。

沖縄県内に水道用水や農業用水を供給する金武ダムに設営されたメーン会場。県内外から観戦客が訪れた Photo: Nobumichi KOMORI
スタート目には仲間一金武町長が選手たちに激励の言葉を贈った Photo: Nobumichi KOMORI
リアルスタート直後にシエルヴォ奈良MIYATA-MERIDAレーシングチームの山本と安田の2人が飛び出す Photo: Nobumichi KOMORI

 レース会場となった金武ダムは金武町内を流れる億首川を主な水源とし、沖縄県内に水道用水や農業用水を供給する多目的ダム。1961年に米国陸軍工兵隊によって水道用水専用のダムとして建設された旧金武ダムの規模を大幅に拡大して2014年に完成した。今回のコースはそのダム湖をぐるりと一周回るように作るように設定された4.2kmで、ダムを過ぎた後の急坂やアップダウン区間はあるものの、基本的には平坦に分類されるレイアウト。スプリンターやパンチャーに勝機があるコースといえる。

ダムを通過した直後の急坂を集団が上っていく Photo: Nobumichi KOMORI
レース序盤は安田京介(シエルヴォ奈良MIYATA-MERIDAレーシングチーム)と内野直也(東京VENTOS)の2人が逃げ続ける展開が続いた Photo: Nobumichi KOMORI
宇都宮ブリッツェンがコントロールする集団が逃げを吸収してさらにペースを上げる Photo: Nobumichi KOMORI
金アグー沖縄そばや豚丼などのメニューが好評だった Photo: Nobumichi KOMORI
序盤から終盤まで積極的にアタックを仕掛け続けた走りが光った安田京介(シエルヴォ奈良MIYATA-MERIDAレーシングチーム) Photo: Nobumichi KOMORI

 仲間一金武町長による号砲でスタートしたレースは、3kmほどのニュートラル走行した後にリアルスタートになると、山本雅道(シエルヴォ奈良MIYATA-MERIDAレーシングチーム)と安田京介(シエルヴォ奈良MIYATA-MERIDAレーシングチーム)の2人が逃げを狙って飛び出す展開に。その後、山本はドロップしたが、入れ替わるように内野直也(東京ヴェントス)が安田に合流し、2人が逃げる展開が続く。一方の集団は宇都宮ブリッツェン、シマノレーシング、那須ブラーゼンなど昨シーズンのチームランキング上位チームが前方を固めてペースメイクをする展開となった。

宇都宮ブリッツェンが完璧にレースをコントロールしてレースは最終周回へ Photo: Nobumichi KOMORI

 その後しばらくは2人の逃げと集団という展開のままレースが進んでいったが、4周目終盤になると宇都宮ブリッツェンがコントロールを開始し、集団のペースを上げ逃げを吸収して集団はひとつになった。集団では宇都宮ブリッツェンが引き続きコントロールを効かせて先頭をキープ。その後方をシマノレーシングとチームブリヂストンサイクリングが固める展開となった。

チーム創設10年目の初戦で勝利を飾った岡篤志(宇都宮ブリッツェン)を清水裕輔監督が祝福する Photo: Nobumichi KOMORI

 小野寺玲を筆頭に岡、鈴木龍(宇都宮ブリッツェン)を擁する宇都宮ブリッツェン、黒枝咲哉が所属するシマノレーシング、窪木一茂と大久保陣が在籍するチームブリヂストンサイクリングと強力なスプリンターを抱えるチーム勢の思惑がゴールスプリント勝負に傾くなか、エーススプリンターの下島将輝が欠場となった那須ブラーゼンは西尾勇人(那須ブラーゼン)が何度も積極的にアタックを仕掛けて抜け出しを図ろうとするも叶わず。序盤に積極的な逃げを見せた安田も再び逃げを試みたが、この動きも集団に吸収され勝負はゴールスプリントが濃厚となって最終周回へ突入した。

 最終周回に入ると、ここまでも安定した集団コントロールを見せていた宇都宮ブリッツェンがライバルチームに先頭を奪わせないようにさらにペースアップ。先頭をキープしたままレースは残り300mを迎えると、宇都宮ブリッツェンは小野寺、岡、鈴木龍の並びでスプリントを開始した。対して、チームブリヂストンサイクリングも大久保が窪木を引き連れてスプリントを開始したが、シマノレーシングはポジションを上げきれずに埋もれてしまうこになる。

「終盤まで脚を使わなかった」

 盤石の態勢からスプリントを開始した宇都宮ブリッツェンは小野寺を発射台にした岡が余裕を持って先頭でフィニッシュし、続いて小野寺もフィニッシュ。チームブリヂストンサイクリングは窪木が鈴木龍を捲って3位でフィニッシュするのが精一杯で、宇都宮ブリッツェンがワンツーフィニッシュでJプロツアー開幕戦を制する結果となった。

開幕戦から岡篤志と小野寺玲のワンツーフィニッシュを飾り、宇都宮ブリッツェンが好スタートを切った Photo: Nobumichi KOMORI

 優勝した岡は、これがうれしいプロ初勝利。昨シーズンは何度も勝利を掴むチャンスがあったが、自身のミスも重なり勝利を逃し続けていた。岡は「もともとは鈴木龍選手をエースに、自分はセカンドエースとして鈴木龍選手の後ろで他チームの動きをさばきつつ、チャンスがあれば2位を狙う作戦だった。でも、フィニッシュが向かい風でリードアウトの枚数が足りなくなることを危惧した鈴木龍選手に言われて前に入ったのですが、最終局面までのチームメートの引きが強力だったこともあって枚数が余って自分が先頭でフィニッシュすることになりました。終盤まで守られて脚を使わずにいられてフレッシュな状態でしたし、今日の勝利はチームメートのおかげです」とレース後に勝利を振り返った。

ルビーレッドジャージの岡(右)とピュアホワイトジャージの小山智也(イナーメ信濃山形)(左) Photo: Nobumichi KOMORI

 一方、窪木が3位に入るに留まったチームブリヂストンサイクリングの大久保は「プランとしては最終局面で自分が引き上げて窪木のスプリントで勝利を狙う予定だったが、宇都宮ブリッツェンの3人がいった時に、少しだけ間を空けてしまった。そこから窪木を引き上げてスプリントに送り込みましたが、届きませんでしたね」と悔しさを滲ませた。

 優勝した岡は個人ランキングでも首位となり、ツアーリーダーの証であるルビーレッドジャージの今シーズン最初の着用者となった。23歳未満の選手が着用するピュアホワイトジャージは、このレースで9位に入った小山が着用している。

 次戦は翌25日、「JBCFおきなわサイクルロードレースDay-2」が同会場で開催され、25周回105kmで争われる。

Jプロツアー第1戦「おきなわロードレースDay1」リザルト
1 岡篤志(宇都宮ブリッツェン) 1時間12分23秒
2 小野寺玲(宇都宮ブリッツェン)
3 窪木一茂(チームブリヂストンサイクリング)
4 鈴木龍(宇都宮ブリッツェン)
5 黒枝咲哉(シマノレーシング)
6 入部正太朗(シマノレーシング) +1秒
7 秋田拓磨(シマノレーシング)
8 樋口峻明(那須ブラーゼン)
9 小山智也(イナーメ信濃山形)
10 横山航太(シマノレーシング)

この記事のタグ

JPT2018・レース Jプロツアー2018

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