アブダビ・ツアー2018 第3ステージ23歳バウハウスが難敵撃破 会心のスプリントでチーム サンウェブに今季初勝利をもたらす

by 福光俊介 / Syunsuke FUKUMITSU
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 中東・アラブ首長国連邦(UAE)で開催されているアブダビ・ツアー(UCIワールドツアー)は2月23日、第3ステージが行われ、3日連続のスプリント勝負をこの日はフィル・バウハウス(ドイツ、チーム サンウェブ)が並み居る強敵を破ってステージ優勝し、チームに今シーズン初勝利をもたらした。個人総合首位でスタートしたエリア・ヴィヴィアーニ(イタリア、クイックステップフロアーズ)はステージ4位に終わったが、リーダージャージはキープしている。

アブダビ・ツアー第3ステージ。横一線となったスプリント勝負はフィル・バウハウス(右から2人目)が制した Photo: Yuzuru SUNADA

首都アブダビ市街地を発着するフラットなコース

 大会は中日を迎え、ここまでスプリンターによる競演が続く。レース途中で横風を利用した攻撃が見られる場面はあるものの、結果を左右するような効果的な動きには至っていない。第3ステージはUAEの首都・アブダビの市街地を発着する133km。レース距離として短めなうえ、オールフラットともいえる平坦なレイアウトは、スプリントに賭けるチームを中心に展開していくものと予想された。

スタートセレモニーに臨んだ4賞の選手たち Photo: Yuzuru SUNADA

 レースをリードしたのは4選手。マルコ・マロネーゼ(イタリア、バルディアーニ・CSF)、セルゲイ・フィルサノフ(ロシア、ガズプロム・ルスヴェロ)、ピエール・ロラン(フランス、EFエデュケーションファースト・ドラパック)、サミュエル・ブランド(イギリス、チーム ノボノルディスク)が先行したが、大きな差を得るまでにはならず。フィニッシュまで53kmを残したところで4人とも吸収され、直後に控える中間スプリントポイントに向かってプロトンはペースを上げていった。

 迎えたこの日2つ目の中間スプリントは、ヴィヴィアーニがトップで通過。ポイントと合わせ、3秒のボーナスタイム獲得し、個人総合争いにおいても優位な状況を作っている。

アブダビのシンボルでもある高層ビルをバックにチームプレゼンテーションが行われる Photo: Yuzuru SUNADA

 その後はしばらくサイクリングペースで進行。選手同士が談笑する姿も見られたが、徐々に有力チームが集団の前方を固め、次なる展開への気配を感じさせる。

 残り50kmを切ったところで、横風を利用したペースアップを試みるチームが現れる。プロトンはあっという間に崩れ、集団後方に位置していた選手たちが次々と脱落。また、第1ステージを制し個人総合でも2位につけるアレクサンドル・クリストフ(ノルウェー、UAE・チーム エミレーツ)がランドアバウトで落車。バイクがダメージを受けた様子で、再び走り出すまでに時間を要しピンチに陥る。

 しかし、激しい動きは一時的なものに収まる。進行方向が変わって風向きが落ち着いたことで、後方に取り残された選手たちも無事に先頭集団へ復帰。クリストフもチームカーの隊列を利用しながら前へと上がっていき、戦線へと戻っている。

横一線の勝負はわずかの差でバウハウスのものに

 フィニッシュまでの距離を減らしながら、スプリント勝負に備えるプロトンは、残り20kmを切ったあたりからポジション争いが本格化。残り10kmを切ると、EFエデュケーションファースト・ドラパック、モビスター チーム、ミッチェルトン・スコットが前方を固める。

ステージ優勝の表彰を受けたフィル・バウハウス Photo: Yuzuru SUNADA

 残り3kmとなったところで、モビスターのトレインがさらに加速し、先頭をキープしながら残り1kmへ。ここでコーナーを利用してポジションを整えたのはクイックステップフロアーズだ。ジュリアン・アラフィリップ(フランス)が絶妙なタイミングで前へと上がり、ヴィヴィアーニでのスプリント態勢へと持ち込んでゆく。

 そして最終局面。ルカ・メズゲッツ(スロベニア、ミッチェルトン・スコット)を先頭に最後の直線に入ると、数人後方からクリストフやカレブ・ユアン(オーストラリア、ミッチェルトン・スコット)がスプリントを開始。これにタイミングを合わせるかのようにヴィヴィアーニもスピードを上げる。その脇から加速するのはバウハウス。逆サイドからはマルセル・キッテル(ドイツ、カチューシャ・アルペシン)も伸びる。

 最後の最後に横一線となったスプリント勝負。どの選手も自身の勝利を確信できないままフィニッシュラインを通過したが、写真判定の結果バウハウスに軍配が上がった。トップスプリンターがひしめくレースで、23歳のジャーマンスプリンターが快走。今シーズンは出場レースで再三上位フィニッシュを繰り返していたが、優勝は昨年のクリテリウム・ドゥ・ドーフィネ第5ステージ以来。チーム サンウェブとしても、うれしい今シーズン初勝利となった。

個人総合でトップをキープしたエリア・ヴィヴィアーニ Photo: Yuzuru SUNADA

 また、2位にはキッテル、3位にはパスカル・アッカーマン(ドイツ、ボーラ・ハンスグローエ)が続き、ドイツ勢が上位を独占。リーダージャージのヴィヴィアーニは4位だった。

 このステージを終えて、個人総合ではヴィヴィアーニが首位をキープ。中間スプリントでのトップ通過が生き、同2位のクリストフに対し総合タイム差を3秒としている。

 24日に行われる第4ステージは、アブダビの市街地から近いアル・マリーアー島とアル・リーム島をめぐる12.6kmの個人タイムトライアル。アップダウンがほとんどない平坦レイアウトで独走力が試される。ここまではスプリンターが主役を務めてきたが、このステージでTTスペシャリストも上位戦線へと加わってくる。いよいよ総合争いが激しさを増すこととなる。

第3ステージ結果
1 フィル・バウハウス(ドイツ、チーム サンウェブ) 3時間2分55秒
2 マルセル・キッテル(ドイツ、カチューシャ・アルペシン) +0秒
3 パスカル・アッカーマン(ドイツ、ボーラ・ハンスグローエ)
4 エリア・ヴィヴィアーニ(イタリア、クイックステップフロアーズ)
5 カレブ・ユアン(オーストラリア、ミッチェルトン・スコット)
6 アンドレ・グライペル(ドイツ、ロット・スーダル)
7 ルディ・バルビエ(フランス、アージェードゥーゼール ラモンディアル)
8 アレクサンドル・クリストフ(ノルウェー、UAE・チーム エミレーツ)
9 ダニー・ファンポッペル(オランダ、ロットNL・ユンボ)
10 アンドレア・グアルディーニ(イタリア、バルディアーニ・CSF)

個人総合
1 エリア・ヴィヴィアーニ(イタリア、クイックステップフロアーズ) 11時間6分36秒
2 アレクサンダー・クリストフ(ノルウェー、UAE・チーム エミレーツ) +3秒
3 フィル・バウハウス(ドイツ、チーム サンウェブ)
4 パスカル・アッカーマン(ドイツ、ボーラ・ハンスグローエ) +5秒
5 ダニー・ファンポッペル(オランダ、ロットNL・ユンボ) +7秒
6 マルセル・キッテル(ドイツ、カチューシャ・アルペシン)
7 カレブ・ユアン(オーストラリア、ミッチェルトン・スコット) +9秒
8 アレハンドロ・バルベルデ(スペイン、モビスター チーム) +10秒
9 トームス・スクインシュ(ラトビア、トレック・セガフレード)
10 アレッサンドロ・トネッリ(イタリア、バルディアーニ・CSF)

ポイント賞
1 エリア・ヴィヴィアーニ(イタリア、クイックステップフロアーズ) 46pts
2 アレクサンダー・クリストフ(ノルウェー、UAE・チーム エミレーツ) 27pts
3 カレブ・ユアン(オーストラリア、ミッチェルトン・スコット) 26pts

ヤングライダー賞
1 フィル・バウハウス(ドイツ、チーム サンウェブ) 11時間6分39秒
2 パスカル・アッカーマン(ドイツ、ボーラ・ハンスグローエ) +2秒
3 ダニー・ファンポッペル(オランダ、ロットNL・ユンボ) +4秒

中間スプリント賞
1 ニコライ・トルソフ(ロシア、ガスプロム・ルスヴェロ) 12pts
2 ヴィンチェンツォ・アルバネーゼ(イタリア、バルディアーニ・CSF) 10pts
3 トームス・スクインシュ(ラトビア、トレック・セガフレード)9pts

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