アブダビ・ツアー2018 第2ステージヴィヴィアーニが前日の雪辱 スプリントを制し個人総合も首位に

by 福光俊介 / Syunsuke FUKUMITSU
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 中東・アラブ首長国連邦(UAE)で開催中のアブダビ・ツアー(UCIワールドツアー)は2月22日、第2ステージが行われ、前日に続く集団スプリントをエリア・ヴィヴィアーニ(イタリア、クイックステップフロアーズ)が勝利。4位に終わった第1ステージの雪辱を果たすとともにリーダージャージにも袖を通している。

アブダビ・ツアー第2ステージをスプリントで制したエリア・ヴィヴィアーニ Photo: Yuzuru SUNADA

中東レース特有の横風で集団が分断

 このステージは、UAEの首都・アブダビの市街地からほど近いヤス島を発着点に、レース距離は148kmに設定された。モータースポーツのメッカとしてテーマパーク化しつつあるヤス島を華やかに出発後、フィニッシュへと戻ってくるまでほぼオールフラットなルートを走行。スプリント勝負を見据えたハイスピードバトルが期待された。

スタートラインに並んだ4賞選手 Photo: Yuzuru SUNADA

 レースを先行したのは、ジョセフ・ロスコフ(アメリカ、BMCレーシングチーム)、ジェイコブス・フェンター(南アフリカ、ディメンションデータ)、アレッサンドロ・トネッリ(イタリア、バルディアーニ・CSF)、アレクサンダー・ポルセフ(ロシア、ガスプロム・ルスヴェロ)、シャールレ・プラネ(フランス、チーム ノヴォノルディスク)の5人。快調にリードを続けたまま距離をこなしていった。

 大きな動きが発生したのは残り50kmを切ったタイミング。逃げる5人とのタイム差を縮めていたメイン集団だったが、数チームが横風を使ってペースアップ。中東レースでおなじみの集団分断が発生した。多くの有力選手がアシストとともに前方のグループにとどまったが、前日の勝利でリーダージャージを着用するアレクサンドル・クリストフ(ノルウェー、UAE・チーム エミレーツ)やヴィヴィアーニらが後退。特にクリストフはアシストからもはぐれてしまい、先頭集団への合流を目指してのローテーションに自らが加わるシーンも見られた。

水面を前にチームプレゼンテーションに臨む選手たち Photo: Yuzuru SUNADA

 プロトンの状況が目まぐるしく変化する間、逃げていた5人は吸収。また127.1km地点に設けられた、このステージ2つ目の中間スプリントでは先頭集団の主導権を握っていたモビスター チームからアレハンドロ・バルベルデ(スペイン)が仕掛けてトップ通過。3秒のボーナスタイムを獲得している。

 約25人が抜け出し、一時はクリストフらのグループに約30秒差をつけていた先頭集団だったが、その差が徐々に縮まり、残り16kmのところで後続が合流。多くのチームがスプリントを視野に、トレインを整えながらフィニッシュを目指した。

遅れても“スプリントに集中”の賭けが奏功

 スプリントに向けた主導権争いを展開したのは、クイックステップフロアーズとロットNL・ユンボ。両チームのリードアウトマンがハイスピードを維持しながら、フィニッシュまでの距離を減らしてゆく。両チームがトレインを形成する後ろでその他の有力スプリンターがポジションを争う構図。ラスト1kmのフラムルージュは、ジュリアン・アラフィリップ(フランス、クイックステップフロアーズ)を先頭に通過した。

 迎えた最終局面。変わらずクイックステップフロアーズとロットNL・ユンボが先頭を競っていたが、その脇からパスカル・アッカーマン(ドイツ、ボーラ・ハンスグローエ)が猛然とスプリントを開始。これに反応したのがダニー・ファンポッペル(オランダ、ロットNL・ユンボ)、さらにその後ろからヴィヴィアーニが続いた。

スプリント勝負。エリア・ヴィヴィアーニ(右端)が一段上のスピードを見せた Photo: Yuzuru SUNADA

 好ポジションから飛び出した3人がそのまま優勝争いへ。先にスプリントを仕掛けた2人を上回るスピードを見せたのはヴィヴィアーニだった。自らの走行ラインを見つけると、そのままアッカーマンとファンポッペルをかわし、トップでフィニッシュラインへ。右腕を掲げて勝ち名乗りを挙げた。

 2位にはファンポッペル、3位にアッカーマンと続き、レース後半に苦戦を強いられたクリストフはスプリント不発。何とか7位にまとめたものの、加速するポジションにも恵まれず優勝争いに加わることができなかった。

総合首位に立ちリーダージャージに袖を通したエリア・ヴィヴィアーニ Photo: Yuzuru SUNADA

 この結果、総合争いではヴィヴィアーニが首位に浮上。同タイムながら、クリストフからリーダージャージを奪取している。レース後のインタビューでは、横風によって後方に取り残された際の状況について聞かれ、「追走集団のローテーションに入っていたアラフィリップとエンリク・マス(スペイン)を下げ、スプリントトレインを組む準備に集中するよう指示した」と説明。スプリント勝負を見据えた判断が奏功したことを強調した。

 また、このステージでは総合優勝候補の1人、トム・デュムラン(オランダ、チーム サンウェブ)が落車。レース後に医療トラックで受診しているが、メイン集団でフィニッシュしており大事には至っていないものとみられている。

 23日に行われる第3ステージは、アブダビ市街地を発着する133km。ここまでの2ステージ同様、オールフラットに近いレイアウトでのレースとなる。

第2ステージ結果
1 エリア・ヴィヴィアーニ(イタリア、クイックステップフロアーズ) 3時間15分30秒
2 ダニー・ファンポッペル(オランダ、ロットNL・ユンボ) +0秒
3 パスカル・アッカーマン(ドイツ、ボーラ・ハンスグローエ)
4 クリストファー・ハルヴォルセン(ノルウェー、ボーラ・ハンスグローエ)
5 カレブ・ユアン(オーストラリア、ミッチェルトン・スコット)
6 フィル・バウハウス(ドイツ、チーム サンウェブ)
7 アレクサンドル・クリストフ(ノルウェー、UAE・チーム エミレーツ)
8 ニッコロ・ボニファツィオ(イタリア、バーレーン・メリダ)
9 ルディ・バルビエ(フランス、アージェードゥーゼール ラモンディアル)
10 マーク・レンショー(オーストラリア、ディメンションデータ)

個人総合
1 エリア・ヴィヴィアーニ(イタリア、クイックステップフロアーズ) 8時間3分44秒
2 アレクサンドル・クリストフ(ノルウェー、UAE・チーム エミレーツ) +0秒
3 ダニー・ファンポッペル(オランダ、ロットNL・ユンボ) +4秒
4 カレブ・ユアン(オーストラリア、ミッチェルトン・スコット) +6秒
5 パスカル・アッカーマン(ドイツ、ボーラ・ハンスグローエ)
6 アレハンドロ・バルベルデ(スペイン、モビスター チーム) +7秒
7 トームス・スクインシュ(ラトビア、トレック・セガフレード)
8 アレッサンドロ・トネッリ(イタリア、バルディアーニ・CSF)
9 マーク・レンショー(オーストラリア、ディメンションデータ) +8秒
10 ホセホアキン・ロハス(スペイン、モビスター チーム) +9秒

ポイント賞
1 エリア・ヴィヴィアーニ(イタリア、クイックステップフロアーズ) 29pts
2 アレクサンドル・クリストフ(ノルウェー、UAE・チーム エミレーツ) 24pts
3 ダニー・ファンポッペル(オランダ、ロットNL・ユンボ) 19pts

ヤングライダー賞
1 ダニー・ファンポッペル(オランダ、ロットNL・ユンボ) 8時間3分48秒
2 カレブ・ユアン(オーストラリア、ミッチェルトン・スコット) +2秒
3 パスカル・アッカーマン(ドイツ、ボーラ・ハンスグローエ)

中間スプリント賞
1 ニコライ・トルソフ(ロシア、ガスプロム・ルスヴェロ) 11pts
2 ヴィンチェンツォ・アルバネーゼ(イタリア、バルディアーニ・CSF) 10pts
3 トームス・スクインシュ(ラトビア、トレック・セガフレード)9pts

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アブダビ・ツアー2018

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