アブダビツアー2018 第1ステージクリストフが集団スプリントを制す 昨年1勝のカヴェンディッシュが落車リタイア

by あきさねゆう / Yuu AKISANE
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 2018年のUCIワールドツアー第3戦「アブダビツアー」が2月21日に開幕した。第1ステージはマディーナット・ゼイドの189kmで争われ、集団スプリントをアレクサンドル・クリストフ(ノルウェー、UAEチーム・エミレーツ)が制した。マーク・カヴェンディッシュ(イギリス、ディメンションデータ)はパレード走行中の落車に巻き込まれ、開幕早々リタイアとなってしまった。

チームにとってホームレースで勝利を飾ったアレクサンドル・クリストフ Photo : Yuzuru SUNADA

ニュートラルゾーンで集団落車発生

 アブダビツアーは、今年で4回目の開催となる新しいレースだ。昨年から中東初のワールドツアーに昇格しており、今年は個人タイムトライアルステージが追加され、全5ステージで争われるようになった。第1ステージから第3ステージまでは、全行程ほぼフラットのコースで行われ、集団スプリントに持ち込まれることが予想されていた。

スタート前のマーク・カヴェンディッシュ Photo : Yuzuru SUNADA

 ところが、この日はアクチュアルスタート前のパレード走行中にアクシデントが発生した。集団を先導する車に、選手が近づきすぎたため、先導車に搭載されていた自動ブレーキシステムが作動。前が急に減速した影響により集団中頃で落車が発生し、マーク・カヴェンディッシュ(イギリス、ディメンションデータ)らが巻き込まれた。

 カヴェンディッシュは再スタートを切ったものの、アクチュアルスタート後、間もなくリタイアとなった。脳しんとうやむちうちの症状が出ていたため、大事をとってチームドクターがリタイアを命じたという。昨年大会でステージ1勝を飾りポイント賞を獲得した世界的スプリンターが、スタートと同時にレースを去る波乱の幕開けとなった。

黒の中間スプリントジャージを獲得したニコライ・トルソフ Photo : Yuzuru SUNADA

 アクチュアルスタート直後に逃げを試みた動きが容認されて、5人の逃げ集団が形成される。メンバーは、ヴィンチェンツォ・アルバネーゼ(イタリア、バルディアーニ・CSF)、ニコライ・トルソフ(ロシア、ガスプロム・ルスヴェロ)、シャルル・プラネ(フランス、チーム ノボノルディスク)、トームス・スクインシュ(ラトビア、トレック・セガフレード)、ダミアーノ・カルーゾ(イタリア、BMCレーシングチーム)で、集団から最大2分程度のタイム差を築いていった。

 最初の中間スプリントはトルソフが先頭通過。2回目の中間スプリントはスクインシュが早仕掛けして単独で先頭、トルソフは3番手に入り、中間スプリントジャージを獲得した。

 フィニッシュに向けて、徐々に逃げ集団のメンバーが脱落していく。ペースを上げたメイン集団は残り13.8kmで最後まで粘ったカルーゾを吸収し、集団は一塊となった。

持ち前のパワーを発揮したクリストフ

 ゴールスプリントに向けて、時速50kmに達するようなハイスピードで激しい位置取り争いが繰り広げられると思いきや、ミッチェルトン・スコット、クイックステップ、モビスター、ロット・スーダルなどが集団コントロールしながら、時速40km程度の穏やかなスピードで集団は進んでいった。

 残り7kmを切ったところで、カチューシャ、ガスプロム、アージェードゥゼール ラモンディアルが集団前方に上がってくると、集団のスピードが時速50kmオーバーとなり本格的なポジション争いが始まった。

ステージ10位に入ったアンドレ・グライペル Photo : Yuzuru SUNADA

 残り3km地点では、ロットNL・ユンボが先頭で集団も縦に伸びだした。その後ろにクイックステップとミッチェルトン・スコットが固まってトレインを形成しており、その後ろにカチューシャ、UAEチーム・エミレーツと続いていた。

 残り1km付近の最終コーナーの先頭はクイックステップが押さえた。クイックステップとミッチェルトン・スコットはアシストを複数人残しながら、集団最前方を確保し続けていた。マルセル・キッテル(ドイツ、カチューシャ・アルペシン)とクリストフはアシストとはぐれてしまい、残り500m地点では20番手付近に沈んでいた。

 キッテルが自力でポジションを上げようとする動きに乗じたクリストフが、残り200m付近でユアンの番手を確保し、そのままスプリントを開始した。ユアンの逆サイドからは、エリア・ヴィヴィアーニ(イタリア、クイックステップ・フロアーズ)、ニッコロ・ボニファツィオ(イタリア、バーレーン・メリダ)、アンドレ・グライペル(ドイツ、ロット・スーダル)の順でスプリント開始。

 加速力に勝るクリストフが、ユアンをかわして先頭に躍り出る。逆サイドのヴィヴィアーニがクリストフ側に寄せてくるものの、先頭を押さえることができず、ヴィヴィアーニはクリストフの背後につくのがやっとだった。

 後方からアンドレア・グアルディーニ(バルディアーニ・CSF)が一気に迫ってくるものの距離が足りず、クリストフがフィニッシュラインに先着した。

開幕レースの大集団スプリントをクリストフが制した Photo: Yuzuru SUNADA

 UAEチーム・エミレーツが本拠地を置くアブダビのレースで、スポンサーや地元の人々の前で最高の結果でアピールした。クリストフはエースとして、チームの使命に応える見事な勝利を飾ったのだ。

赤い総合リーダージャージに袖を通すクリストフ Photo : Yuzuru SUNADA
ステージ3位のユアンはヤングライダー賞を獲得 Photo : Yuzuru SUNADA

 第2ステージは、ヤス島の154kmで争われ、第1ステージと同様に集団スプリントとなることが予想される。

第1ステージ結果
1 アレクサンドル・クリストフ(ノルウェー、UAEチーム・エミレーツ) 4時間48分24秒
2 アンドレア・グアルディーニ(イタリア、バルディアーニ・CSF) +0秒
3 カレブ・ユアン(オーストラリア、ミッチェルトン・スコット)
4 エリア・ヴィヴィアーニ(イタリア、クイックステップ・フロアーズ)
5 ダニエル・マクレー(イギリス、EFエデュケーションファースト・ドラパック)
6 ニッコロ・ボニファツィオ(イタリア、バーレーン・メリダ)
7 ミシャエル・ブレシャーニ(イタリア、バルディアーニ・CSF)
8 ダニー・ファンポッペル(オランダ、ロットNL・ユンボ)
9 ルディ・バルビエ(フランス、アージェードゥーゼール ラモンディアール)
10 アンドレ・グライペル(ドイツ、ロット・スーダル)

個人総合
1 アレクサンドル・クリストフ(ノルウェー、UAEチーム・エミレーツ) 4時間48分14秒
2 アンドレア・グアルディーニ(イタリア、バルディアーニ・CSF) +4秒
3 カレブ・ユアン(オーストラリア、ミッチェルトン・スコット) +6秒
4 ニコライ・トルソフ(ロシア、ガスプロム・ルスヴェロ)
5 ヴィンチェンツォ・アルバネーゼ(イタリア、バルディアーニ・CSF)
6 トームス・スクインシュ(ラトビア、トレック・セガフレード)
7 ダミアーノ・カルーゾ(イタリア、BMCレーシングチーム)
8 エリア・ヴィヴィアーニ(イタリア、クイックステップ・フロアーズ)
9 ダニエル・マクレー(イギリス、EFエデュケーションファースト・ドラパック)
10 ニッコロ・ボニファツィオ(イタリア、バーレーン・メリダ)

総合ポイント賞
1 アレクサンドル・クリストフ(ノルウェー、UAEチーム・エミレーツ) 20 pts
2 アンドレア・グアルディーニ(イタリア、バルディアーニ・CSF) 16 pts
3 カレブ・ユアン(オーストラリア、ミッチェルトン・スコット) 12 pts

ヤングライダー賞
1 カレブ・ユアン(オーストラリア、ミッチェルトン・スコット) 4時間48分20秒
2 ヴィンチェンツォ・アルバネーゼ(イタリア、バルディアーニ・CSF) +0秒
3 ニッコロ・ボニファツィオ(イタリア、バーレーン・メリダ) +4秒

中間スプリント賞
1 ニコライ・トルソフ(ロシア、ガスプロム・ルスヴェロ) 11 pts
2 ヴィンチェンツォ・アルバネーゼ(イタリア、バルディアーニ・CSF) 10 pts
3 トームス・スクインシュ(ラトビア、トレック・セガフレード) 8 pts

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アブダビ・ツアー2018

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