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まさみんのゆるゆる自転車女子旅<43>実行委員長“まさみん”奮闘! イベント立ち上げにはだかる地域の壁

by 龍野雅美 / Masami TATSUNO
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 自転車イベントの参加レポートでおなじみの“まさみん”こと龍野雅美さんが、自ら実行委員長として立ち上げた自転車イベント「シクロクエストinさいたま」が3月31日(土)に開催されます。その準備に奮闘中のまさみんですが、その行く手に大きな壁が立ちはだかります。地域活性と夢の実現に向けて一念発起したイベントですが、その思いに反して地域の受け止めは…。自転車イベントの立ち上げを通じて見えてきた問題を含む“中間報告”です。

まさみんが自ら実行委員長を務める「シクロクエストinさいたま」。3月31日の開催に向けて奮闘するまさみんですが… Photo: Masami TATSUNO

◇         ◇

 ここ数年、「仕事なにしてるの?」とよく聞かれます。これは世の中にあふれる“リア充”を形容する言葉のようにも聞こえますが、私にとっては全然違います。私は平日8時30分から午後5時まで普通に仕事をしています。自転車旅やイベントは、自腹を切って参加する休日の楽しみの一つなのです。そんな普通のお仕事している一般女性が、イベントを主催する。つまり、資金も経験も知識も全くないなかで、限られた時間をフル活用して自分の夢を実現化させる。それはとても大きな意味があることだと考え、実行を決意しました。

心に刺さる“歓迎されざる”言葉の矢

 今回のイベントは「ログスポット」となるお店を開拓し、協力を呼びかけることが最大の課題でした。埼玉のなかでも、サイクリストウェルカムのお店が多く、私たちも何度も足を運んだ比企エリア。サイクリストに馴染みのあるお店、そして今回のイベントのターゲットであるビギナーや女性がお買い物を楽しめるスポットや、古民家カフェといったオシャレスポットを中心に開拓しました。

サイクルラックを置いている店舗はたくさん見かけるけれど… Photo: Masami TATSUNO

 白石峠や定峰峠などを目指すサイクリストや、サイクルラックのあるお店をたくさん見かける町。ただ、そんなイメージがある一方で、お願いに出向いたお店の方からは予想に反した言葉が帰ってきました。

 「え、自転車のイベント?ちょっと難しいかなぁ」「自転車の人が一気に大勢来るの?そういうのは困るんだけど」などなどの苦言。ときには「自転車のイベントを…」と電話口で言いかけたところで「あー、ダメダメ!」と一方的に切られることもありました。

 垣間見えた地元の人のサイクリストに対する本音。私たち自転車を楽しむ側は、自分たちだけが一方的にこの地を“自転車天国”にして楽しんでいただけなのではないか─。地元の人に歓迎される遊び方やマナーも考えていかなければならないのだと、気付かされました。

 そして今回最も悩まされたのが「出会いの場所」です。イベントのPRポイントの一つにあげているのが「出会い」。人との出会い、地域との出会い、新しい趣味の世界との出会い…。その一環として参加者の交流の場を設けるため食事や宿泊の会場を探していましたが、その施設が見つかりませんでした。

 やっと見つけたと思って慌てて問い合わせ、ひとまず話を聞いてもらえることになっても、まずそこまで行くのが大変。仕事を終えてから片道1時間半の道のりを車を飛ばし駆けつける。情報収集のため、仕事の休憩時間になっては何度も電話しました。

地元の人から送られてきたお断りの手紙 Photo: Masami TATSUNO

 一から何度も練って作った企画書も送り、チャンスがあればまた車を飛ばして暗い道を走ったり。そんな1カ月を送った挙句、「いや、よくできた資料だと思うよ。応援したいんだけどね…。ちょっと今はタイミングじゃないかな」で終わる…。あのときは心がぽっきり折れました。

 ここで言いたいことはそんな苦労話ではなく、お話を進められなかった大きな原因として、そこにもかつて使用された方々のマナーの悪さがあったということです。汚したまま帰ったり、突然無理な要求を押し付けてきたり(もちろん、これはサイクリストに限った話ではないと思いますが)。地域の大事な文化を守ろうとしている地元の人たちの気持ちを傷つけてしまった行いの数々が、イベントに対する理解を妨げる大きな壁となっていました。

仲間の応援を支えに

協力的な店舗からの手紙。嬉しかった Photo: Masami TATSUNO

 このイベントなら地域活性の役に立てるし、サイクリストが地元の人から愛されるイベントにできる。そう思う気持ちもあって、時間をやりくりして準備してきました。でも、心折れる言葉やこんな出来事が続くと「何が楽しくてやってんだっけ…」と迷子になることもありました。でも、いまは「楽しい」という思いだけでなく、地域との関わり方を考えながらイベントと向き合っています。

 それもこれも、続けてこられたのは応援してくれる人がいてくれたから。

いつも応援してくれるポタガールの仲間たち Photo: Masami TATSUNO

「このイベントを通して何を伝えたいの?何がしたいの?」と本気で向き合ってくれた仲間。「やりたいと思うことをやったらいいよ」と大きな心で受け止めたくれたプロジェクトのパートナー。そして、地元の人たちの中にも「自転車の人たちが来てくれるからお店もがんばってるよ」「どんどん自転車の人にも来てほしい」と、うれしい言葉をかけてくれる方々がいました。

 来てくれる人や、協力してくれる地域の人たちのために、絶対に自分の納得がいく楽しいイベントにしたい。とりあえずそんな思いに支えられて頑張っています。

龍野雅美龍野雅美(たつの・まさみ)

「まだ知らない日本の魅力を発掘したい」、「自転車のあるライフスタイルの楽しみ方を届けたい」という思いからライターとしても活動を始める。埼玉県と自転車の魅力を発信するポタガールとしても活動中。「ポタ日和」で情報発信をしているほか、ウェブサイト「Masami’s Library」でも執筆中。

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